GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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歪みの解放

壁の上でダーと対峙する伊丹はトレンチガンを構え、突進して来たダーに伊丹は発砲すると同時にダーの右手が襲い来る。

 

「くそっ、散弾ではなぁ、スラグ弾でもあれば・・・・・」

 

すかさず交わした伊丹は、ダーの脇腹に2発撃ち込むも、全く微動だにしない。再びダーからの追撃が飛んで来て伊丹は吹き飛ばされる。

 

「(腕持ってかれた・・・・・)あれ!?腕がある!?なんで?」

 

ダーの爪に切り裂かれた筈の右腕は繋がっており傷も軽傷だった。

 

『ヨウジィ・・・・・』

 

「ロゥリィ!?直接頭に語りかけてくる!?」

 

その直後伊丹の頭の中にロゥリィの声が響き渡る。そう、ロゥリィはテレパシーで伊丹に直接伝えているのだ。それは、炎龍討伐の際に交わしたロゥリィとの眷属の契約で伊丹が怪我を負えばその反動でロゥリィにも怪我を負う事になる。

 

『ヨウジィの流す血は私の血ぃ・・・・・傷を負わさない様にしなさぁい。これ以上乙女の柔肌に傷を刻んでくれたらぁ・・・・・後で酷い目にあわせてやるんだからぁ』

 

「ーーーあいつ自分自身を人質に取りやがった!とんだ無理難題を押し付けやがって!」

 

とロゥリィは、絶対に怪我するんじゃないとほぼ脅迫を言う。だが、伊丹に何かすればそれは自分に返っていくと分かっているのだろうか。

一方、ドームの中ではロゥリィがあざとい声を出しながらハルバートでハエ叩きの様に蟲を潰していき、隣では栗林がMP40で蟲達を撃ち抜いて行く。

 

「えいっ、えいっ」

 

「ロゥリィ!今更少女ぶってどうすんだよ!」

 

「だってぇ〜」

 

「ロゥリィ、シン下がって!風よ!」

 

すかさずテュカによる風の精霊魔法を纏わせた弓矢が放たれ、蟲を一匹仕留めると続けて雷の電撃魔法が多数の蟲に襲い掛かる。

 

「蟲の足が止まったっ、撃て撃て!」

 

「今の内に負傷者を下げろ!」

 

「銀座側の扉が消えている!!」

 

「第二波出現!大型多数!!」

 

「あのデカいのを仕留めないとっ」

 

「もう一度・・・・・」

 

テュカがもう一度精霊魔法を使おうと呪文を唱えていると一匹の小型の蟲がテュカに向かって突進して来たのだ。

 

「テュカ!」

 

「ヤオ!」

 

ヤオは、テュカと蟲との間に入り込み手に持っているサーベルで蟲の突進を受け止めようとしたがサーベルの刃は折れ蟲の毒牙にかかる。

 

「蟲が壁に取り付いた!穴を塞がなきゃ切りがねぇぞ!」

 

「ドームが破られる!迎撃用意!」

 

今村は無線機からドームの外にいる迎撃部隊に連絡をして、攻撃の用意を命じる。ドームの外にいた日本兵達は小銃や機関銃、パンツァーシュレックやパンツァーファウストを構えるが、ドームが破られて中にいた蟲の大群が飛び出して来た。

 

『対空戦闘撃ち方始め!』

 

「火焔放射器前へ!」

 

それと共にIV号対空戦車ヴィルベルヴィントとIV号対空戦車オストヴィントやM2 火焔放射器を装備した工兵達が攻撃を開始する。

 

「(身体に何発当ててもダメだ。懐に入って・・・・・だが)それを無傷でやれってか、あの暗黒亜神め!!来い来い来い、もうちょい・・・・・って早いっ、すまんロゥリィ、やっぱ無理だった」

 

無傷でダーを倒せなんて無理ゲーを言われた伊丹は、悪態をつきつつトレンチガンを構えて近付いてくるダーの懐に潜り込もうとしたがダーの走る速度が速すぎてタイミングを逃してしまった。ロゥリィへ、謝罪を述べ伊丹はダーの鋭い爪により身体を引き裂かれた。

そして、同時刻ドームの中でハルバートで蟲をロゥリィが伊丹と同じ箇所を深く切り裂かれ吐血した。

 

「いけなぁい!蟲が外に・・・・・っ、誰か・・・・・」

 

相当の深傷だったのかロゥリィは膝をついてしまう。

 

「誰か、止めて・・・・・」

 

弱りきった声でそう呟くロゥリィだったが、辺りに響く銃声や雑音で誰にも届くことは無かった。

 

「隊長!」

 

富田の叫びと同時に伊丹は振り返りダーの口の中にトレンチガンの銃口を突っ込み

 

「クソッタレめ!!」

 

引き金を引いて頭を吹き飛ばす。頭を吹き飛ばした伊丹は壁から転げ落ちダーから離れた事を確認した対空機銃座の機銃者はダーに向かって40mm機関砲を放ち、60口径40mm弾を食らったダーは体を引き裂かれて絶命した。

 

「隊長ーー、生きてますか!?」

 

富田が伊丹の無事を問いかける。当の伊丹は下の段の壁伝いに寄り掛かり

 

「ロゥリィ・・・・・怒ってんだろうな。そうだ、発破母線を・・・・・」

 

「よぉイタミ、まだ生きてっか?」

 

傷口を手で押さえて負傷した事を怒っているであろうロゥリィを想像している。そんな伊丹に声を掛けた人物は翼竜を従えたジゼルだった。

 

「蟲どもよ、オメーらはお呼びでないとさ。主上さんの命なんでな悪く思うなよ。野郎どもかかれ!一匹も逃すな!!」

 

ジゼルの命令と共に数十匹からなる翼竜が蟲へと襲いかかって行く。

 

『翼竜の大群・・・・・が蟲を食ってる!?』

 

『ドラゴンと食堂の青いねーちゃん!?』

 

『撃ち方待て撃ち方待て』

 

翼竜の群れが蟲達を捕食していく光景を見る日本兵達は唖然としながらも味方と判断して攻撃を中断する。

翼竜達が蟲達を一掃して行く中、ジゼルはロゥリィの元へとやって来た。

 

「お姉サマ、借金はチャラでいいスよね?」

 

「・・・・・いいわよぉ、今回の働きに免じてぇ。門壊すつもりで水龍連れて来たでしょ」

 

「あと主上さんに・・・・・」

 

「はいはいわかったわよぉ。ハーディにも口添えしてあげるわぁ」

 

「やたっ」

 

ロゥリィは今回のジゼルの働きでレレイから借りていた借金はチャラとハーディへの口添えをしてあげると言われて上機嫌になり

 

「おら、おめぇらバンバン食えよ」

 

翼竜達によって蟲達は一掃されていったが、こちら側も一定の被害が出ていた。

 

「俺の腕どこ行った?」

 

「血が血が止まらねぇ・・・・・・」

 

「衛生兵!こっちだ」

 

「第四戦闘航空団帰還、外は蟲を追う翼竜だらけだそうです」

 

「大将、伊丹中尉からです」

 

「うん」

 

今村は、通信兵から受話器を受け取る。

 

「・・・・・何?わかった。三十秒後に駐屯地の壁を爆破する。全員衝撃に備えよっ!!」

 

今村の命令で兵士達はドームから離れて行く。

 

「ヤオ!しっかりして!!目を開けてっ」

 

蟲の攻撃から身を挺して庇ったヤオ、テュカは倒れたヤオの名前を叫びながら揺さぶると、ヤオの懐から金属音を鳴らしながら何か落ちテュカが拾い上げるとそれは日本の硬貨だった。

 

「何これ・・・・・・ニホンのお金?」

 

「ゴセンやジュウセンは穴が開いていたから、小遣いのイッセンをためてメダリオンにしておいたんだ」

 

「何よ!もう死んだと思ったじゃない!バカバカバカ!!」

 

「うっ」

 

懐に入れていた日本の硬貨により命拾いをしたのだった。ヤオが無事だったと分かってテュカは目に涙を浮かべてボコボコと殴る。

 

「あ、ヤオしっかり」

 

「エーセー、こっちだ!」

 

一方、ダーとの戦闘を終えた伊丹は、壁に爆薬を設置し終えトーチカへと退避した伊丹と富田

 

「隊長、それは・・・・・?」

 

「これか?ロゥリィの呪いだよ」

 

「女神の加護なんじゃないんですか?」

 

「んなわけあるか、俺の生殺与奪はあいつに握られてるんだぞ?」 

 

富田は、伊丹の軍服を見て明らかに致命傷な切り裂かれ方をしているのに当の伊丹はほぼ軽傷だったので聞くと、伊丹は呪いだと答えた。富田も伊丹がロゥリィの眷属になった事は知っているのでそう言うが、伊丹は自身を人質に取られている様なものだった。

 

「けど、満更でもないでしょ」

 

「まぁ・・・・・な、だが俺は諦めん。日本に帰ってカストリ雑誌最新刊を絶対に手に入れる為に。よし、爆破五秒前、四、三、二、一、点火!」

 

伊丹は腕時計を見ながらカウントダウンを開始し、数え終えると起爆装置のスイッチを押す。すると、大きな爆破と共にドームは崩れて『門』の照らしていた光の柱は半径数十kmにも及ぶ波動の波が押し寄せる。

 

ー溜め込まれた歪みは繋がっていた世界に解放され、その全てを揺らしたー

 

その揺れは日本や特地に大きな揺れを起こし銀座では商店の窓ガラスが全て割れたり建物にヒビがはいったりした。特地では、皇城、フォルマル家の館、翡翠宮などの建物にも一部が倒壊したりした。

そして、イタリカ近郊での新政府軍の陣地では兵士達は動揺していたが

 

「者ども、狼狽えるな!!あの程度の地揺れ恐るるに足らぬ!!敵軍を見よ!腰を抜かして逃げ戻ったぞ!我が軍にその様な者はあらぬよな?さぁ、立って戦列を組め!!(イタミ殿は帝都で地揺れにあった時笑っていた。いかに心強く見えたか・・・・・今こそ妾も彼に倣うのだ)」

 

あの大地震にも関わらず、総大将であるピニャは一切動じる事はなく寧ろピニャが兵士達を鼓舞する。その姿に新政府軍の兵士達は歓声を上げる。

一方、旧帝国軍では大地震により旧帝国軍兵士はパニックに落ち入りこの世の終わりの様な顔をして神に祈りをする者もいる。

 

「戦え!!戦わんか!何故戦わぬ!敵も動揺している今が好機ではないかっ、ぐずぐすしておると敵の主力とニホンが戻ってくるぞ!」

 

「ゾルザル様、兵達は二度の天変地異で士気が下がっております。今は休息を・・・・・」

 

「黙れ決戦だぞ!貴様らが先頭に立って兵を前進させれば良いだろうが!」

 

ゾルザルは、戦意を失いパニックになる兵士達に怒号をあげるが誰も聞き入れない。参謀は地震で兵士達は混乱しているから休息を取らせようと進言するが、ゾルザル却下する。

 

「殿下、ではせめて降伏勧告を致しましょう。その間に休息と再編成を」

 

「ピニャが降伏すると思うか?」

 

「ピニャ様も状況をご理解なさっておられるはずです」

 

焦るゾルザルにヘルムは、ピニャに降伏勧告を進言する。ゾルザルは、ピニャの性格から考えて降伏を受け入れるかは疑問だった。

 

「うむ、そうだな・・・・・よし、貴様が行って来い」

 

「ハッ」

 

ゾルザルはヘルムにピニャに降伏勧告をする様に命じる。命じられたヘルムは、数人の兵士達を護衛として引き連れて新政府軍の陣地へと向かう。

 

「降伏勧告だと?」

 

「ヘルムの坊主か」

 

(どう言う事だ?兵が狼狽えている様子がない)

 

ヘルムは、新政府軍の兵士達の表情を見て狼狽えている様子がない。あれだけの大地震で怯えていた自軍の兵士達とは対照的だった。そして、ヘルムがピニャの元まで来ると

 

「ピニャ殿下、もう充分でしょうよう戦われました。今剣を置いても誰も咎めますまい、どうぞ名誉ある降伏を」

 

「"イヤ"だ。兄様が今にも逃げ出しそうだからな、ここで決着をつけねばならぬのだ」

 

とヘルムはピニャに降伏を勧めるが当のピニャの応えはNOだった。ここで、もしゾルザルに逃げられでもしたら例えこの決戦に勝ったとしてもこれで決着とはならないとピニャは考えている。

 

「ゾルザル殿下が逃げるなどと・・・・・勝敗は決しています。ピニャ様の決断で内乱は終結するのですぞ」

 

「そしてニホンとの戦いは続くのだな。勝てもしないのに、さらに多くの民を巻き込んで」

 

「勝利のための必要な犠牲です」

 

「・・・・・そうだな、妾も勝つためなら犠牲を厭わぬぞ。ただし今ここでだがな」

 

ゾルザル達が勝利の為なら如何なる犠牲も必要な犠牲と言って厭わない。それを聞いてピニャは、口角をあげてそう言う。これ以上は無駄だと思ったのかヘルムは自軍の陣地へと戻って行く。

 

「カラスタ!部隊の編成はどうなった?」

 

陣地へと戻って来たヘルムは部隊編成について聞こうとした際、ある光景を目にする。そこには、整列した兵士の前に首を裂かれて絶命している数人の兵士達、その光景を見ながらもヘルムはゾルザルの下へと向かいピニャの降伏しない旨を伝える。

 

「ピニャは・・・・・降伏しないようだな」

 

「はい、あの様なお方ではなかったはずですが」

 

「ニホンの連中と付き合い過ぎたせいだな」

 

「・・・・・ゾルザル殿下、我が兵に不穏な動きでも?」

 

「いや、アブサンに命じて気合いを入れてある。敗北主義者を処刑せよとな。大隊長も百人隊長も一兵卒に降格させて帝権擁護委員に指揮を任せる。最初からこうすればよかったのだ。さぁ、ヘルム、ピニャに現実を見せてやれ」

 

ヘルムは、陣地に戻って来た際目にしたオプリチニナによる兵士達の処刑の理由をゾルザルに問うた。ゾルザルは、オプリチニナに命じて臆病者と見なされた兵士を目の前で処刑し恐怖によって他の兵士達を支配しようとしていた。実際、処刑された兵士達は『目に気合いが足りん!』『背筋が曲がっている!』などほんの些細な事で処刑されていた。

 

「(このままでは犬頭のせいで反乱が起きる。ならば、さっさと戦場に戻す方がマシだ)全軍前進!」

 

このままオプリチニナに任せていては兵士達が反乱を起こしかねないと判断したヘルムはそれなら一層前線に戻した方がいいと判断して前進を命じる。命令を受けた旧帝国軍の兵士達の目は死んだ虚な目をしており士気旺盛な新政府軍の兵士達とは正反対だった。

 

「敵軍前進!」

 

旧帝国軍が動き出した事で新政府軍に緊張が走る。そんな兵士達の様子を見たピニャは

 

「安心せよ、妾はここにおる」

 

「殿下」

 

「自死は許さぬぞ、エマロイの神が魂を拾ってくれぬからな。お前達よく戦ってくれた、感謝するぞ!」

 

「心外ですぞ、殿下!イタリカでの敗残兵相手が小官の実力とでも?真の無双をご照覧あれ!!」

 

ピニャは、最後まで将兵の士気を低下させず兵士達を激励し、グレイがそう言うと兵士達も口角をあげて笑い合っていた。

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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