GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
日本軍がアルヌスの丘に基地をかまえて後、イタリカの戦いを境に周辺は平穏になった。その間に軍幹部はピニャの要請で難民キャンプで語学研修を開始した。研修生はピニャ直属の薔薇騎士団のメンバーに従者、日本から外務省と陸軍省と海軍省の官僚や日本軍士官。講師はカトー・エル・アルテスタン老師ととその弟子レレイと現地語を理解している隊員が担当になった。
当初は、彼女達はピニャが夢見心地の表情で熱く語った、摩天楼や芸術で溢れた都市での研修を希望していた。だが、その国の言葉を片言も話せないのに海外留学が無謀である様に、いきなり東京で受け容れるのも乱暴な話である。
ましてや警備にはじまる諸々の事情もある。そこで日常会話くらいはこなせるよう、日本政府はアルヌスの難民キャンプでの教育を施すことにしたのである。こうすれば日本側も受け入れの準備にも時間をかける事が出来る。
だが、いくら露営の訓練も受けているとはいえ騎士団に属するような高貴な女性たちにとっては、狭い部屋に相部屋というのもストレスの大きいことだ。それを正面からぶつけられる従事者のストレスはもっと大きいということで、インフラの充実がとても強く叫ばれたのである。それに加え、外務省の官僚も難民が仮説で暮らしていて自分達がテント暮らしなんてまっぴらゴメンだと言い出した。そこで臨時の予算が組まれ、仮設住宅よりはちょっとマシな造りの建物が並べられることになった。
さらに井戸を掘って浄水設備を置き、排水路を敷設し、浄化槽等の下水を完備し、これらを動かすための大型ディーゼル発電機を設備した発電所を設置した。こうした小ぶりながらも、日本的な生活ができる環境が整えられた。
難民キャンプでは、日本軍が堕とした翼龍の鱗を換金し収入源としたため幹部は食料や生活必需品などの物資の配給を停止する。
収入源を確保したまでは良かったのだが翼龍の鱗をイタリカまで換金しに行くまでの道の距離が問題だった。日本軍に頼もうにも手続きが面倒なのが難問だった。そこで日本と現地人の間で結束したアルヌス共同生活組合は一つの解決策がアルヌスの村にも換金所を作る事だった。また日本製品と特地の原産品の取り引きが行われ日本が特地での外貨を獲得し日本円の価値が高まり一時期一銭玉の不足すると言う事態も起きた。日本軍陣地の下にある小さな街アルヌス村そこにあるとある1軒の酒場兼食堂があった。
「いらっしゃーい」
「フゥ!ねぇちゃん!エール!」
「エールなんてのはここにはないよ!ビールならあるけどね!」
この酒場の看板娘のデリラが言う。
「ビール?」
「此処でしかない飲めねぇ代物だ 強くはねぇがうまいぞ おめぇさんも組合の面接か何かか?」
「あぁ、死神ロゥリィを目にした時は冷汗が出たけど、何とか本部とイタリカの間の隊商護衛の仕事にありつけたぜ」
「ほい、ビールお待ちどぉさん」
とテーブルに置いてある酒樽から並々注がれたビールが来た。
「そりゃ良かったな、今組合には隊商が八つあるんだ。一緒になった時は宜しくな」
「おう、こっちこそな」
二人はビールのジョッキを交わした。
「っかー!冷えててうめぇ!」
「だろ?所で前は何してたんだ?」
「此処に攻め入った時はれっきとした兵隊だったんだよ、負けた後盗賊にならないか、って誘われたんだけど俺は故郷に帰ったんだ。その後イタリカを襲った連中は、貧乏くじ引いて死神当てちまった様だな、行かなくて良かったぜ。聞くだけ野暮か、人間真面目に仕事するに限るな、へっへっへ」
「なんだいなんだい?大の男がコソコソ内緒話かい?」
デリラが原産の魚を使った寿司を持って来た、すると近くの客がデリラの尻を揉んだ。すると次の瞬間痴漢した客はデリラの回し蹴りを食らって吹っ飛んでいた。
「一昨日来やがれ!あたいのケツはアンタみたいな三下が触れるほど安くは無いんだよ!!」
そんな時伊丹と大場に黒川に桑原に堀内にロゥリィの六人が来店した。
「おう、やってるかい」
「あら、イタミとオオバの旦那!いらっしゃい」
二人は此処では『旦那』と呼ばれ慕われている。当の二人は悪い気がしてない。
「イタミとオオバの旦那!奥の貴賓席が空いてますぜ」
「いいよ、料理長」
「俺たちはこの席で構わない」
「ドーラ、ビール六つねぇ」
しばらく待つとドーラがビール六つを運んで来た。
「ハァイ、お待ちどぉさま」
「んで、黒川、話して何だ?」
「はい、テュカのことなんですが、症状が悪くなってきてるんです、このまま放って置くと危険です」
その時酒場の近くでテュカがやって来た。どうも人探しをしている様だ。
「テュカぁ 人探しぃ?もしかして男〜?」
「へぇ隅に置けないねぇ」
「違う違う!ちょっとね・・・」
そう言うとテュカは去って行った。
「ああして毎日この時分にここに居るはずのない人を探してるんです。どうするつもりですか?」
「・・・・」
(こんな女の子がビールかっくらってるってこの前指摘した(された)とき・・・)
(『坊や』扱いしすぎたかしら?)
「・・・でも黒川むりやり現実をわからせる必要あるかしらぁ?逃げちゃいけないのぉ?」
「いけないに決まってる、人は現実を受け止めて『明日』を生きている、恐らくテュカの父はドラゴンで死んでるだろう・・・現実と妄想の間で死者を思い描き永遠に近い『今』を消費するのは寂しすぎるだろ」
「それはそうだけどぉ・・・」
だが正しさだけでは人は救えないとロゥリィは分かっている。九百六十年も生きて来て数々の出会いと別れがあったのだ。
「じゃあ黒川、俺達が寄って集ってテュカに現実を見させてみたとしよう。テュカはそれを全て受け止め認めると思うか?いよいよ『あっち』に行ってしまうかもしれないぞ?」
「ドーラ、おかわりねぇ」
「『心』の内が分かる程お前はテュカを知っているのか?俺達はテュカの心に寄り添い続けられる立場では無いんだ。現実を突きつけた次の日に撤退命令が出たらどうする?」
「ではこのままにしておけと」
「あぁそうだ、悪い事は言わない。最後まで責任持て無いなら何もするんじゃない。余計拗らせるだけだ」
「分かりました!では明日の準備がありますので自分は先に失礼します!」
「あ、では自分は軍曹を送って行きます、金は置いときますね」
そう言うと黒川は不機嫌そうにしてその場を後にし、桑原も後をついて行く。
「さて、俺達もそろそろ兵舎に戻る事にする中尉、行くぞ堀内」
「了解」
「それでは、大尉」
大場も堀内も酒場を出て兵舎に戻って行った。
「飲みなさいよぉ、おバカさん。それにしても、あんな冷たい言い方する必要は無かったんじゃ無いのぉ?」
「生憎、俺は誰にでも優しくできる程、懐は深く広く無いんだ」
「うそつきい」
「なにが?」
「別にぃ(わざと冷たくしたくせに)」
「その懐の定員は一人にしときなさい」
「どうしてだ?」
「女にモテるからよぉ」
「は?逆じゃないか?」
「例えばぁ女から見て誰にでも優しくする男ってぇ誰にでも股を開く女みたいに見られるわよぉ。逆に優しくしてもらえるのが一人だけなら、その座が欲しいって思うのが女なのよぉ」
「へぇ・・・ロゥリィは優しいな、死と断罪の神とかエムロイの使徒死神ロゥリィだとか呼ばれてる癖に」
「あらぁー、それは誤解よぉ。死を司ると言うのは生を司ると言う事でもあるのよぉ。死とは正しく生の終焉・・・最良の死を迎えるには最良の尊い人生を送らないといけないのよぉ」
「最良の人生ねぇ・・・」
「そうよぉ・・ドーラ!おかわりぃ!」
「おいおい、その辺にしとけよ。酔いつぶれても知らんぞ」
「やあょ優しくしてぇ」
「まったく・・取り敢えずロゥリィは寝床までは運んでやりますかな」
と言った感じに弾んでいると、
「おい!店主!なんだここは!!ガキに酒を飲ますのか!?」
その声に周りの客達が一斉に声の主を見た。その人物は黒いマントを羽織り耳の長いエルフだった。客達は全員が顔に青筋が浮かんでいる。一方でこの一声である人物の作戦がパァーになった。それは、ロゥリィだった。
ロゥリィは酒で酔いつぶれたフリをし、伊丹を自室に連れ込んでそのままベッドに行き刺激的な夜を過ごす。
(・・・なぁんてことになるのを狙ってたのにいいペースだヨウジを酔わせてたのにぃ なのになのにぃ・・・このロゥリィ・マーキュリーを・・・ガキ扱い)
(何考えてんだあいつ!)
(死神ロゥリィにむかってガキって)
(血の雨が降るぞ!)
(見ねぇ顔だが自分がケンカ売った相手が使徒の亜神って知る前に死ぬな)
「ダークエルフ三百歳前後、男好きしそうな身体を見せ付けちゃってぇ・・あなたはだぁれ?何故此処に?」
「我が名はヤオ・ハー・デュッシ、シュワルツの森のデュッシ氏族でデハンの娘、こちらに『茶色の人』がおられると聞いて用件ありて参った次第」
「お願い助けて!!この男もう飲めませんと言ってるのに俺の酒が飲めないのかってしつこいです!」
「・・・え?あぁぁ!?!?俺が!?」
気づくと周りの客達が机を持って離れてる。
「やはりな貴様幼い少女を酔い潰して卑劣な行為に及ぶつもりだったな」
「ああっ私を手篭めにして、散々遊んでボロくずみたいに私をぉ・・・」
「もう大丈夫だ、怖かったであろう、獣欲に塗れた不埒者め断じて許さん」
そう言うと腰に吊るしている剣を抜く。
「えぇ!?」
「直ぐに貴様をぶっ殺してやる!!幼女よ安心するが良い」
「逃げるが勝ち!料理長ツケで頼む!」
そう言って伊丹は逃げた。
「はや!」
「さ〜すかイタミのだんないい逃げっぷり」
「・・・・よし悪は去った。もう大丈夫ーん?」
見るとロゥリィも居なくなっていた。
「なんだ礼儀知らずなガキだな 年格好からするとエムロイ神殿の巫女見習いみたいだが・・・」
店の客は何事もなかった様に皆が酒を飲み交わす。
「ちょっとあんた冷やかし?それとも飯食うの?」
「うむ もとからそのつもりだった」
するとヤオは黄土色の軍服を着た日本兵に目が移る。
(さっきの男も同じ服を着ていたが・・・)
「お客さん何にする?」
「ああ 適当に焼き物をあと酒があれば頼む」
「デリラ この姐さんにビールだ」
デリラはジョッキにビールを入れる。
「よう おめぇさんよ。茶色の人を訪ねて来たってぇ?」
「訳ありだにゃ?話してみ?」
「あ ああ。此の身がここまで来たのは茶色の人達の力を借りるためだ。諸君らは彼らがどこにおられるか知っているか?」
(なるほどなそれでロゥリィはあんな芝居を)
(ガキ扱いした仕返しか)
(ご愁傷様)
(あんたはその茶色の人ーーイタミの旦那に剣抜いたんだよ)
「・・・もしかすると、無理かもしれんなぁ」
「そうだにゃあ」
「なぜだ?茶色の人は高潔な者たちと聞いている。ならば困った者を見捨てることなどー」
「はい、お待ち!」
とデリラがビールとつまみをもって来た。
「うむ・・これがビールか?ん うまい!」
「とりあえず、話は食ってからでもいいんじゃない?」
「無論、ただでとは言わん」
と大きな袋を取り出した。その中身は人の顔サイズのダイヤモンドだった。
「金剛石の原石だ。これでも足りぬと言うのなら我が身を捧げることも厭わぬ すでに親類縁者とも別離はすませた」
すると周りの客たちが一斉に寄って来た。
「人の頭大の金剛石!?爵位が領地付きで買えるぜ!」
「俺が!」
「ダークエルフ謹製のハーディの護符だけでもすげぇ価値だ!しかも自分の体まで!」
「俺でどうだ?」
と次々に名乗り出るが
「残念ながらそなたらでは力不足だ」
「いったい頼み事ってのはなんなんだ?」
「手負いの炎龍退治だ」
ーー回想ーー
数ヶ月前 シュワルツの森ー 突然の炎龍襲来我々は村を捨て周辺の渓谷や山に逃げた だが炎龍は隠れ穴も見つけ出し仲間を食らってゆく我々も食わねばならぬ我々の狩り場は即ち炎龍の狩り場ー広まる飢え呪詛の声のやまぬ日々魔法の剣と神銀の鏃で戦いを挑んだ者も炎龍の巣に無数の剣に拡がる 剣を一本増やしただけー冥王ハーディ信仰が憧れとなり変わり絶望の微笑と虚無が我が部族を捕らえてゆく・・・そんな中だったー
「あきらめるな!炎龍の目に突き立った矢!神業のエルフがいた証拠だ!あのちぎれた腕を見ろ!誰かがやったんだ!」
「噂ではヒトの村を救った『茶色の人』が『鉄の象』を操って吹き飛ばしたと・・・」
「茶色の人!?」
『茶色の人こそ我らの最後の希望』
「ヤオ・ハー・デュッシよ」
「そなたの剣の腕と知性精霊使いの力なによりその生真面目さにこの任を託す」
「滅びの運命から我らを救うため茶色の人にご助勢を願うのじゃ」
「ハッーしかしなぜ女の此の身が?トゥドゥルムの方が力もありましょう」
それを聞いて長老たちは顔を引きずる。
「それはーそなたが女だからじゃ。この意味がわかるな?覚悟はできているか?」
「もちろんです」
「本当か?本当にか?」
「はい」
「ひどいブ男かも知らんぞ」
「あの・・・此の身が使者でいいんですよね?炎龍の首が此の身の代価なら本懐です」
そう言ってヤオは洞窟を出て行く。
「・・・しかしヤオの運、特に男運のなさは有名じゃぞ?」
「親友に彼氏を寝奪られるは、別の男と結婚前夜に死に別れ言い寄った男は事故死・・・」
「言うな、もうあの者に託すしかないのじゃ・・・」
と、ヤオの男運の悪さに心配する長老達だが、ヤオを信じるしかなかった。そして、現在へと戻る。
「炎龍退治・・・」
「どうだ?できるか?」
「無理無理 命がいくつあっても足りねぇ」
「神や使徒ならともかくよ」
「ち 茶色の人が引き受けてくれるといいな・・・」
(((((しっかし・・・))))
全員一同店にいる日本兵を見る。
「何のはなしだ?」
「さぁ 特地語は片言しかまだわかんね」
(((((とことん運のねぇ奴・・・)))))
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い