GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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報復

その後アルヌスの襲った地震が収まり、

 

『近郊の村数カ所で家家の倒壊あり、負傷者がいる模様。偵察班が確認中』

 

『銀座では揺れを感知せず『門』に損害なし』

 

被害状況や死傷者の収容や行方不明者の捜索などに追われている中、緊急の連絡が入った。

 

「今村司令官 帝都から緊急連絡です。新田原少佐です」

 

「新田原少佐、そっちは大事ないかね?そうかよかった彼女達に礼を頼む」

 

そんな時驚くべき情報が入った。

 

「なに!?皇宮で?わかった。直ちに輸送機を送る。追って連絡するのでそれまで待機だ」

 

「司令官 帝都で何か?」

 

「・・・第三偵察隊と第一偵察隊が帝都皇宮内で日本人拉致被害者を発見した。被害者の言によればまだ数名が帝国内に奴隷として抑留されているようだ」

 

「奴隷だと!?」

 

「『門』が出現する以前に拉致したのか!?」

 

「奴らが銀座に攻め込んだときじゃないか?」

 

と日本人が奴隷にされていたと聞いて参謀達は色々と議論が出た。

 

「今すぐにでも帝都を爆撃するべきだッ!!」

 

そう唱えるのが第251航空隊副長兼飛行長の小園安名中佐だった。

 

「いや、ここは人的損害を出さずに敵の政治的重要施設や軍事施設などを攻撃した方が良いだろう。第一まだ講和自体が破綻した訳では無い。下手に主戦派を勢い付かせる行動は慎むべきだ」

 

一方の健軍大佐は待ったをかける。

 

「小園中佐、貴官の気持ちも分かるが・・・」

 

「しかし、司令官!!」

 

「だが中佐、よく考えてくれ帝国内に日本人が抑留されているのだ。まだ帝都内にいる可能性もある」

 

「確証はあるのですか?」

 

「無い、だがゼロとは言えない」

 

帝都の爆撃で誘拐された日本人を巻き込む訳には行かず、更に現在進行形の講和交渉を水の泡にする訳にもいかない。

 

「では、目標の軍事施設は武器庫や物資の集積所にしましょう。これを叩けば帝国の戦争継続能力を大きく削ぐが出来ます」

 

「そうなると、政治的な重要施設となると・・・」

 

「皇宮には皇帝が住まいにしているので除外するとして、一体何処が最適でしょう」

 

「元老院はどうでしょう。彼処なら常に人がいる訳ではありませんし、帝国に対する通告になるでしょう」

 

議論は決まった。

 

「では、爆撃の攻撃目標は軍事施設、元老院の建物のみに絞る。爆撃の高度は三百で護衛には我が陸軍の隼と海軍の零戦を護衛に付ける」

 

「分かりました。戦闘機パイロットもベテランの精鋭を揃えます。」

 

と海軍航空隊司令官の市丸利之助少将がそう告げる。そうして議論の末に帝都爆撃が決定した。出撃の時刻は夜明けに決行する事になった。

 

「陸軍省の杉山大臣に繋いでくれ」

 

そして、今村は、帝都爆撃の許可を得る為陸軍大臣の杉山元に連絡を入れる。

 

「わかった。総理には私から伝えよう、直ちにやって構わん。おおいにやってよろしい」

 

直ぐに杉山は、首相公邸に向かい、東條英機に特地で起きた事を話した。

 

「・・・それは困った事になってしまたなぁ。もう決まっているのなら仕方ないが君に任せよう」

 

「わかりました。では、総理私は陸軍省に戻りますので」

 

と陸軍大臣杉山元はそう言って陸軍省へと戻っていた。

 

「(講和交渉が中断したと各国に知れたらまたぞろ外交圧力が強まってしまう・・・・私が総理大臣の間に特地問題は早々に片が付くと思っていたのに・・・・特地の情報を一部しか開示しない事で圧力をかわして来たが・・・)いっその事事今の状況をすべて開示してしまった方が良いだろうか?」

 

と東條の何気ない一言に各大臣たちは何言ってんだ?と言った顔をしていた。

 

「総理、例えそれが本音であったとしても安易に口にしないで下さい」

 

「わかっているさ・・・自分でも本気でないと」

 

と言われて東條も否定する。そして、アルヌスの飛行場では、

 

零戦5機、一式「隼」4機、四式「飛龍」6機、一式陸攻7機であり、爆弾搭載量は飛龍50kg爆弾15発に一式陸攻60kg爆弾12発が搭載されている。

 

そして、仮設テントでは、海軍航空隊と陸軍航空隊が合同で会議を開き神子田海軍中佐が説明する。

 

「陸軍参謀総長と海軍軍令部総長を通して今村大将から爆撃要請が来た。目標は此処だ!帝都帝国元老院及び集積所!!一般市民への被害を可能な限り回避する為と我々からの『警告』を伝えるため、日の出と同時に先遣隊の誘導でここを爆撃する飛行ルートは・・・・」

 

と一通り作戦の説明をする。

 

「航空隊異世界での初の実戦だ!!気合い入れていくぞ!」

 

と航空隊にとって異世界に来て初めての実戦という事でやる気に満ちていた。また、整備兵達は徹夜で機体の整備に追われていたがそれでも彼らの士気は高かった。

 

「帝都を踏み荒らしただけに飽き足らず日本人を奴隷にしていたなんて・・・許せねぇ」

 

「俺たちを敵に回したらどうなるか思い知らせてやる」

 

「奴等に目に物を見せてくれる」

 

「故障機なんぞ一機も出すんじゃないぞ!」

 

「「「「はい!!」」」

 

帝都爆撃やその理由を聞かされた整備兵達は中国戦線や太平洋戦線などを経験したエース級の敏腕の整備兵達を中心に機体の整備をしていたのである。そして、翌朝の日の出前に機体の整備が整た。午前6時に爆撃機や戦闘機パイロットが飛行場に集められた。飛行機にはエンジンが唸りを上げパイロット達は額に『必勝』と書かれた日の丸の鉢巻を巻き出陣の盃を交わした。

 

「司令官、攻撃機隊の発進準備が完了しました。いつでも発進出来ます。」

 

「うん、時間は」

 

「は、只今0558です」

 

「全機出撃せよっ!!目標帝国の帝都の軍事施設及び議事堂!!」

 

「全機出撃!!」

 

待機したいたパイロット達は自分の愛機に乗り込み整備兵が車止めを外す。

 

「発進!」

 

最初に護衛の戦闘機隊が滑走路から離陸していき次に爆撃機隊が離陸して行く。

 

「帽振れ!!」

 

出撃して行く飛行隊を見送る整備兵や陸軍兵士や海軍陸戦隊や司令官やその参謀達が帽子を振る。兵士達は攻撃機隊が水平線に見えなくなるまで帽子を振り続けた。

 

帝都ではいつも通りの朝を迎えていた。

 

「やっと夜明けだよ」

 

「クロカワ ケンザキ達はどこに行ったんだい?」

 

「ねぇクラタあれなんの音?」

 

「え?音?」

 

帝都上空

 

「隊長、もうすぐ帝都です」

 

「うん、爆撃態勢に入る」

 

攻撃機隊は一矢乱れる事なく編隊を組んで飛行する。

 

「見えてきました。帝都です!!」

 

「よし、集積所と議事堂を探せ。直衛の戦闘機隊には万が一敵の飛竜が上がって来ないよう高度五百で飛行する様に伝えろ。かっ飛ばすぞ!!」

 

「了解!」

 

副操縦士が無線で直衛隊に知らせる。直衛隊の隊長の加藤武夫中佐は無線で各機に飛竜に警戒せよと知らせる。

 

「これより爆撃進路に入る」

 

「ヨーソロ」

 

地震により帝都の街の建物が半壊していた。

 

「も、もう揺れんよな?」

 

「この世の終わりかと思ったわ・・・」

 

「なにかしらあの音」

 

市民の頭上を爆撃機と戦闘機が通過していく。爆撃機隊は高度を下げ爆弾ハッチを開く。

 

「目標元老院ッ!!」

 

「用意・・・・投下!!」

 

指揮官機から60kg爆弾が連続で落とされ、他の機も爆撃目標を攻撃する。爆弾は元老院に吸い込まれる様に命中し、元老院の屋根を吹き飛ばした。元老院は原形をとどめる事なく完全に破壊された。他にも主要な集積所の爆撃も敢行し同様に吹き飛ばした。

 

「隊長、全機爆撃完了しました。命中です!!」

 

「よし、直ちに基地に帰還する」

 

攻撃機隊は再び編隊を組んでアルヌスの飛行場に帰投していった。基地へと帰還した航空隊は総司令官の今村大将に報告する。

 

「神子田中佐ご苦労だった」

 

「先遣隊が撮影した地上からの映像と爆撃後偵察機が撮った写真も後で用意出来ます」

 

「さて・・・・帝国は我々の警告をどうとるかな?」

 

 

その頃破壊された元老院では議員達が集まり、この事態に頭を悩ませていた。皆が黙秘する中、一人の議員カーゼル侯爵は声を荒立たさせこの事態の説明を求めた。

 

「陛下にお尋ねしたい!!この末曽有の恥辱と損害に対し、どの様な対策を講じられるおつもりなのか!!敵の空飛ぶ鉄の飛竜は我が物顔で帝都の空を悠々と侵し、腹から黒い物体を落としいとも簡単にこの元老院議事堂や集積所を粉微塵にした!!我々がこの場に集っている時分になされていたら!!この力が無差別に帝都の街に振り下ろされていたらー!!今、帝都市民達が恐れて居る!!これは地揺れに続く神々の怒りなのでは無いかと!!皇帝陛下が神に背く行いをしたのでは無いかと!!」

 

カーゼル侯爵の発言に誰も反論する事が出来ずに居る。そしてカーゼルは続ける。

 

「事の始まりは開戦前、門の向こうの敵を知る為異境の民を数名攫い、尋問した事!!その後はその者達を奴隷として扱い、敵国の使者の前で無下に扱った!!これを知るや否や、敵国の使者は大層怒り、事もあろうに陛下の御前で皇子ゾルザルを打擲するに及んだ!!」

 

それを聞くと全員がゾルザルを方を向く。其処には愛用していた自慢の剣を杖代わりにしており、栗林と船坂の二人により散々ギタギタのボコボコに殴られた事で包帯姿のゾルザルが居た。

 

「打撲?」

 

「オークかトロルに殴られでもせんとああはならんぞ」

 

「ヒト種のとても小柄な男の兵士二人の仕業らしい」

 

「なんと!儂はてっきりエムロイの使徒がやったのかと」

 

「皇子!間違いありませんな!」

 

「・・・これは・・・地揺れで足をとられて階段から転げ落ちた・・・だけだ」

 

(時期皇帝候補の面子をつぶされたくないのだろうが奴隷の所有権の争いのためにそうまでして見栄を張るのか?くだらん見栄のせいで皇族に暴力をふるったという外交カードが使えんのだ)

 

ゾルザルの見栄張りに内心腹を立てる。

 

「敵国の使者は講和による平和交渉を大変望み、キケロ卿とも折衝を続けて居たと言う。私にも接触があり、近々会う予定でした。それなのに!何故彼等はここまで怒ったのか!?たかが奴隷女一人のために!すべてを無駄にする様な事をしてまで!!私には分かりません!!誰か教えて頂きたい!!」

 

「当元老院は、ピニャ・コ・ラーダ殿下を招致いたします!」

 

協議の結果から元老院はピニャを証人として呼んだ。大勢の議員達が何を話すのかを固唾を飲んで見ていた。

 

「妾が知っている事を此処で全て述べたいと・・・思う。・・・彼らと初めて出会ったのはイタリカにおいて・・・」

 

ピニャは全てを話した。この時、帝国の為政者達は初めてはっきりと自分達が何者と戦っているのかを知った。イタリカでの攻防戦、鉄の飛竜(零戦)、鉄の象(戦車)、銃と言う武器に日本軍兵士の事。更に門の向こうには帝国が足元にも及ばない圧倒的な技術力や工業力そして軍事力。小国でありながら大陸の一部や周辺の島々を支配下に置いている。門の向こうの世界情勢や歴史などを話す。

 

「敵は大日本帝国と言う国、妾は講和交渉の仲介人を引き受けていた」

 

するとピニャが数枚の羊皮紙を手にしていた。ピニャの元に次々と議員達が取り囲む。

 

「これはその折ニホン帝国より提供された我が軍の捕虜名簿だ」

 

それを聞いて先まで黙っていた議員達が慌ててピニャの元に再び取り囲み名簿を見る。其処には、十数名の人物の名が書かれていた。

 

「何ですと!何故それを早く見せて下さらん!」

 

「見ろ!ノーリス、お前の息子の名前があるぞ!」

 

「儂の息子が生きている!」

 

「ない・・・誰かマオロの名を見なんだか?」

 

「確かに彼等は生きているのですな!?殿下」

 

「生きている。・・・妾は見返りとしてその中より十数名の身請けを許された。講和交渉に関わる者の身内を優先している事を許されたい」

 

「殿下、それはおずるい!選から外れた者はどうなるのですか!?」

 

「息子が奴隷に身を落とすなぞー」

 

「ニホン帝国は奴隷はおらぬそうだ。身代金もいらぬという」

 

「奴隷が・・・いない?」

 

「農奴もか?鉱山で働いている者は?」

 

「よく生活出来ているな」

 

「だが身代金の代わりに交渉における何らかの譲歩を求められた」

 

「そ、それでは身代金と何ら変わりないではないか!」

 

「だが奴隷として売られんのはありがたい」

 

ピニャは空を見上げ

 

「妾は思うのだ、彼等を激怒させたのはこのことでははないか・・・と。皇帝陛下が看破されたように民を愛する気性故に彼らは自発的に捕虜を厚遇するのだろう。そなた者達が自国の民が目の前で奴隷として弄ばれているのを見たらーー子を奪われた翼獅子の様に怒り狂うであろう。そしてその結果が・・」

 

元老院の中心でピニャはそう言い議員達も自国の将来を憂える。

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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