GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
紀子暗殺未遂の翌日、アルヌス村では朝から不穏な空気が漂っている。ガストン料理長や一緒に働くメイド達に聞き込み調査が行われ、デリラの寝室からあの暗殺指令書が見つかった。そこには、フォルマル家の家紋の印が押されていた。フォルマル家の陰謀と判断した日本軍はイタリカに調査隊と憲兵隊を導入する。イタリカに着いて出入り口を封鎖する。事情聴取を第四戦闘機隊副団長の用賀中佐がまず、暗殺指令書をカイネに見せる。
「こ、これは・・はい、確かに当家の便箋に間違いございません。この手紙はいったいどちらで?」
「アルヌス組合員宿舎、デリラの部屋からです。失礼ですが彼女はフォルマル家のーー」
「・・・えぇ、当家の密偵でした。アルヌスとニホン帝国の動向を探る様にと・・・しかし!このこの街をお救い下さったニホン人の暗殺など自分の首を絞める様な事を当家が命じる筈がございません!第一に私共はそのノリコと言う人物について存じておりません」
「我々も重々承知しております。イタリカの現状を考えれば。ですがこの文書にはしっかりとフォルマル家の家紋の公印が押されている。何か心当たりは・・・」
カイネには、一人だけ心当たりがあった。公印を管理し、いつでも持ち出せる執事のバーソロミューだった。急ぎ地下室にバーソロミューとメイド数名を連れて取り調べと言うより拷問を行った。バーソロミューは椅子に縛り付けられペルシアに痛めつけられていた。
「・・し、知らない。便箋を横流しなどーーあうっ!」
「ミュア様の前で同じ事がもう一度言えるか?」
「バーソロミュー、本当の事を仰いなさい。もう調べはついているのですよ」
「何故私がやったと疑う!?誰よりも長くこのフォルマル家に仕えてきたこの私がやったと!?お館様の書斎には誰でも入れる!ピニャ閣下も滞在中にーー」
「ですが伯爵家の公印だけは執事である貴方が管理していましたね?」
その言葉にバーソロミューは青ざめ黙り込む、それを見たカイネは頷きそれを合図にペルシアが殴り掛かる。しかしそれでもバーソロミューは口を割ろうとしない。すると、痺れを切らしたアウレアがある提案を出す。
「一層の事、心読む」
「お待ちなさい、アウレア。貴女が『精』を吸って心を読んでも証拠にはなりません。彼の口から自白させないと意味が無いのです」
アウレアは不満気な顔をしながら引き下がったが、隣に居るデリラと同じウォーリアバニーのマミーナはどうにも我慢の限界の様だ。
「ペルシア変われ!私がやる!」
マミーナはバーソロミューを椅子ごと蹴り飛ばした。同胞が暗殺に手を染め、更にはイタリカを盗賊達の魔の手から救ってくれた日本軍の兵を手に掛けた。それを考えると腹わたが煮えくり返る思いだった。
「お前のせいでデリラがーー」
「お辞めなさい、マミーナ!我々は今、疑われているのですよ!殺してしまったら口封じとしか思われません!」
マミーナは舌打ちをするがメイド長であるカイネに逆らえず引き下がる。一部始終を見ていた用賀中佐が口を開く。
「メイド長、もう結構です。この男はしゃべらないでしょう。時間の無駄です」
「そんな・・・っ」
「中佐 もうよろしいですか?」
カイネにはそれがイタリカに死刑判決が下されたと受け取ったのであろう。だが日本軍にはイタリカを殲滅する事など最初から考えてない。だから拷問するだけ無駄というものだから此処は合理的な方法を使う。
「なんです ここ暗いですね」
「ライト持って来たらよかった」
「お!?彼女達の採血できます?」
「?」
「あー 中尉手早く頼む」
「すいません アルヌスでは見かけなかったコだったので・・・」
「バーソロミューさん、本当にこの文書に見覚えないんですね?」
「と、当然だ。勝手に便箋など使う訳がない」
「そうか、ではこれをよく見たまえ。この手紙にはシミの様なものが付いているのが分かるか?これは指紋と言ってな、触った者の指の痕だ。赤い丸で囲まれているのがデリラの指紋で、これ以外にあと二種類検出された。これで貴方の指紋と一致すれば言い逃れは出来ないぞ」
まさか指先の痕で犯人が特定されるとは思わず、彼は手を強く握りしめている。
「何故嫌がる?無実なら手を見せられる筈だぞ?・・やむ得ない。君達、手を抑えてくれ!!」
「や、やめろ!!私じゃない!私じゃない!!私じゃないんだ!!」
バーソロミューは必死で抗うが、マミーナとペルシアに押さえ付けられ抗う術が無い。指を朱肉で赤く染め、それを紙に押し付け両手指の指紋を取ると、直ぐに鑑識に回される。しばらくして鑑識の結果報告書が渡された。結果は、完全に一致した。
「残念です。バーソロミューさん、何故嘘を?」
用賀の問いに答えず、ひた隠しに"自分は無実だ"と訴える。決定的な証拠が出ているにも関わらず黙秘する。仕方なく用賀中佐は最終手段に出る事にした。用賀の隣に居る白衣を着た軍医に向かって頷いた。軍医は、自身のカバンから注射器と薬品の入った瓶を取り出した。瓶のラベルには『自白剤』と書かれていた。軍医は、バーソロミューの腕の静動脈に注射器の針を差し込む。
「バーソロミューさん、今貴方の血管に投与したのは『自白剤』と言う薬品です。これを打たれると自分の意思関係無く聞かれた質問に答えてしまうんです。さぁ、喋ってもらいましょうか?貴方の知って居る事すべてを。」
これによってバーソロミューの口から吐かれた証言を基に暗殺指令の首謀者の宿泊している宿にフォルマル家の兵達が乗り込むが既にもぬけの殻だった。
そしてバーソロミューの犯行動機が借金だった。それまでバーソロミューは、フォルマル家の財産を横領しその金を借金の返済にしていたのだが、盗賊達の襲撃後に、フォルマル家の財産の殆どが街の復興資金にあてられ返済が困難になってしまた。その事を首謀者に付け込まれてしまい犯行に及んだと言う。全てが明らかになった今彼は獄中で魂の抜かれた抜け殻と化していた。
斥候の今津大佐率いる日本兵達は悔しいと言わんばかりに顔を引きずっていた。
「何ともまぁ手際のええ奴や、見事に先手を打たれてしもうたわ」
「我々と帝国との講和を良しとしない集団が妨害しようとイタリカの執事とデリラを利用したのでしょう。阻止した柳田中尉のお陰ですな」
「俺らもちーとばかし油断しすぎたちゃう事や。今回の件『黒幕』は誰やと思う?」
「『望月紀子』の名前と容姿をよく知る立場の人間。そう考えるとゾルザルですか?」
「もしかしたらそう思わせる別の人間かもしれない」
「そう言えばイタリカ統治はピニャ殿下が代理でやっていたな。後で望月さんにゾルザルの人間関係を聞いてみます」
「その中で講和を好ましく思わないのは・・・やはりゾルザルに行き着くな」
「執事を捨て駒として利用したと言う事は、敵は奴の素行を知っていたと言う事になるな。イタリカかから帝都までの道のりは馬で12日から13日程・・・そうなると敵はまだこの結果を知らない筈です」
「ここは欺瞞報告を流して炙り出しましょうか?」
「いや、ここは敢えて正しい情報を流して泳がせておいて、糸を手操りましょう」
「確認の為、ゾルザルの周辺に我が軍のスパイを送り込みましょう。悪所のクラウレ・ハモンとその協力者には引き続き帝都皇宮内で諜報活動をしてもらいましょう」
「その彼女を送って来てくれたこれも使える。悪所から上がって来た帝国上流階級の極秘情報。こいつで何人か協力者になってくれる者を探しましょう」
「・・・デリラは、彼女はええ娘やった。食堂の華であり、皆に笑顔を与えてくれた。彼女を騙し、仲間を傷つけ、講和を台無しにしようとした奴にはキッチリと落とし前を付けて貰わんとな!敵には確かに地の利があるかも知れへん!だがこっちには相手を上回るスピードがある!!10日や!その間に敵を先んずるんや!ええな!!」
「「「はい!!」」」
ここから日本軍の反撃が開始されようとしていた。
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帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い