GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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炎龍退治2

伊丹はコーヒーを飲みながら思い悩んでいた。

 

(なんなりと・・・か 死んでこいとか言ったらこいつ本気で死にかねん目してたからなぁ)

 

なんて事を考えていると

 

「お邪魔かしらぁ?」

 

「なんだ ロゥリィか なにか話があるのか?あ そのコーヒー飲みかけ・・・」

 

「別にぃ」

 

と伊丹の飲みかけのコーヒーを飲みながらヤオを見てドヤ顔をするロゥリィ。

 

「?」

 

「なに?」

 

「なんにもぉ」

 

一方レレイは起動式の魔法の練習をして龍対策を模索していた。

 

(爆轟の魔法は動く相手に向いていない。一度起動式を起てたら向きを変えられないから。あの石くらいの物に爆轟を詰められれば・・・でも今はそれを探す時間はない)

 

「よっ、方法の特訓か?」

 

と突然大場がレレイに声をかけてきた。

 

「炎龍対策」

 

「そっか、レレイもこっち来たらどうだ。休める時に休んでおかないといざって時痞えるぞ」

 

コクン

 

と頷くレレイ。

 

「じゃ、待ってるからな」

 

(なんとかして炎龍の動きを止めないとイタミとオオバとロゥリィにー)

 

とイタミ達のいる方を見るとイタミとオオバがロゥリィに絡まれていた。それを見てレレイは目を細めた。

 

「コーヒー苦くないか?」

 

「ニホンじゃ大人はこーひーぶらっくなんでしょお?(にが〜)」

 

「おう、レレイ来たか」

 

「レレイなにしてんだ?座れよ。レレイもなにか相談か?」

 

「別に」

 

「?」

 

「やれやれ」

 

そんな時ダークエルフの人々が酒や料理を持ってやって来た。皆で焚き火を中心に円を描いて座る。

 

「茶色の人ーイタミ殿、オオバ殿 明日の朝は炎龍の巣を知る者と戦士達をお供させまする。荷物運びはお任せくだされ」

 

「忝ない」

 

「いやーすみません。巣の場所だけ教えてもらえばよかったんですがそこまで歩きで結構あるので・・・」

 

「炎龍退治と聞いてその場にいたい者がこれだけ集まったのです。ただ見てるだけでは納得しますまい。若い者にも語り継ぐべき自慢の種を残してやりませんと、皆に此度のことは特別なものになるじゃろうて」

 

「茶色の人よ 炎龍を討つ策はあるので?昼に炎龍に使ったという魔杖 あれが噂の『鉄の逸物』でしょう?」

 

「ああ パンツァーシュレックね いや あれはできればとどめにしか使いたくない。正面からやり合うつもりは全然ないから」

 

"炎龍がいない間に巣に忍び込んで爆薬100キロを仕掛ける。帰ってきたら吹っ飛ばす。まだ生きてたらパンツァーシュレックを撃ちまくってとどめ"

 

「以上。」

 

「何でお前はそう楽な道ばっか選ぶんだよ」

 

「『ばくやく』とはなんじゃ?」

 

「魔法の道具じゃろ」

 

「しかし炎龍の留守を狙うとは茶色の人も奸智に長けておられる」

 

「いや まぁ俺が面倒でやばいことしたくないだけで」

 

「だと 思った」

 

「若い連中に見習わせたいのう・・・」

 

「・・・・」

 

(若いって言ってもなぁ同世代くらいに見えるヤオだって三百十五だろ?あ それを言うならテュカとロゥリィだって・・・大場大尉は俺と歳そんな変わらないし うわ この中で俺より若いのレレイだけやん・・・)

 

なんて、デリカシーのない事を考えていた。

 

「そ それにしても同じ場所ばかり襲うのはなんで?ヤツは頭悪いのか?」

 

「そう言われましてもな」

 

「逃げるのに必死でそこまで考えられませんでした」

 

「炎龍には活動期と休眠期がある。その合間の期間はかなり長いだから餌を採り尽くしたとしても休眠期の間に新たな餌が増えるので問題にならなかった。今度の活動期は五十年先のはずだった」

 

「休眠期にはなにしてんだ?」

 

「熊みたいに冬眠でもしてるじゃないか?」

 

(確かに動物の冬眠と類似した状態になっているーと博物誌には記されている)

 

「食う寝るこれで遊ぶがあったら完璧だな。うらやましー」

 

レレイと大場が目を細めて見つめる。

 

「活動期に遊んでるわけじゃない。あらゆる動物は活動期に捕食 縄張り争い 巣作り そして・・・あ。」

 

と突然言葉が途切れる。

 

「・・・」

 

「そして・・・?」

 

「そして 繁殖 子育てをする」

 

ヒクッ

 

「行ってみたら巣が炎龍だらけってオチ?」

 

「悪夢だな」

 

「成長しきってない"新生龍"はそれほど脅威ではない」

 

 

古代龍>新生龍=成熟した亜龍>飛龍

 

すると伊丹が立ち上がり出す。

 

「梨沙に借りていた本返すの忘れてた ちょっと帰ってくる」

 

「まぁお前の気持ちは分かるが、物事を途中で放り出すっての俺は感心ねぇ」

 

「いやぁ だって」

 

「イッイタミ殿!!今更・・・っ」

 

と伊丹を止める大場とダークエルフ達。

 

「テュカはどうするのぉ?」

 

「龍が生む卵は一個か二個。古代龍の繁殖期は数百年に一度と言われている」

 

「・・・ホントに?」

 

「我らも炎龍一頭しか見ておりませぬ」

「ならいいけど 滅多にないことに当たっちゃうほど俺 不運じゃないはずだから」

 

そう言う伊丹の言葉に目を見開く皆。

 

「あれ?どうしたの?」

 

「いえ その あの・・・あはははは」

 

「阿呆が」

 

翌朝、伊丹と大場の前に8人のダークエルフの戦士が集められていた。

 

「イタミ殿 オオバ殿 此の身を含め九名がお供いたします。端からクロウ メイ バン」

 

「茶色の人よ」

 

「よろしく」

 

(昨日からやな予感してたがやっぱり皮の衣装か。絵面的にちょっとなぁ・・・)

 

(こいつらなんて格好してんだ・・・)

 

と内心思う伊丹と大場であった。

 

「フェンとノッコ」

 

「なんでも言ってくれ」

 

「一番若いのがコムだ」

 

「若いっていくつ?」

 

「よっ 百五十四」

 

「えー」

 

「ってことは人間の歳でいうと15歳か」

 

「よろしくお願いします」

 

「そしてセィミィとナユ」

 

「伊丹だ よろしく頼む」

 

「大場だ よろしく」

 

そう言って伊丹と大場は持って来た備蓄品を並べる。

 

「これが鉄の逸物か」

 

とパンツァーシュレックを指す。

 

「まぁ そうだな」

 

「これは魔杖ではなく武器と聞きましたが私達でも使えるので?」

 

「まぁ使い方さえ分かれば誰でも使える」

 

「ああ 後で使い方を教える」

 

伊丹と大場がパンツァーシュレックに弾を装填していると何やら騒がしい声が聞こえてきた。

「そんな太いの入れたら裂けちゃう」

 

「俺の物の方がすごいぜ?」

 

(おかしいな エルフってこんなに性に開けっぴろげなのか?まぁダークエルフは空想上にはそういう場合があるだろうけど)

 

(なにしてんだ彼奴ら・・・)

 

しばらくして、

 

「よし 集まってくれ。こいつはパンツァーシュレックって武器だ。炎龍の腕を吹き飛ばす威力がある」

 

それを聞いて皆『オオォー』と驚く。そして大場が手順を説明する。

 

「今から俺が手本を見せる。これは二人で操作するものだ、一人がこれに弾を込めもう一人が敵に向かって撃つ」

 

「クロウ構えてみて」

 

「わかりました」

 

とクロウがパンツァーシュレックを構える。

 

「こうですか?」

 

「そうそう そこの盾に覗き穴があるだろ。この覗き穴から炎龍を真ん中に入れるんだ。右手の握りの前のレバーが引き金だ。弩とかについてるだろ?」

 

「あれの先っぽが飛んでいくの?」

 

「そう」

 

「よし 全員も構えてみてくれ」

 

大場の号令で皆がパンツァーシュレックを構える。

 

「前が重いな」

 

「動く相手は狙いにくそうだ」

 

「いいか聞いてくれ。そいつは反動が強く撃つと後ろに押されるそうなると肩が脱臼するから気をつけろ」

 

と伊丹が警告する。

 

「こっちの箱とか紐とかは?」

 

「ああ 開けて適当に各自運んでくれ 爆薬と発破装置だ」

 

「ばくやく?はっぱ?」

 

「実はそいつが本命なんだ」

 

一方その頃、日本陸軍機甲旅団は平原を走行していた。

 

『こちらタイガー3報告のあった村落に入った』

 

「旅団本管了解 生存者を確認せよ」

 

『生存者なし 遺体数体確認。襲われたのはだいぶ前の模様』

 

「了解 遺体回収は後続が行う。対空警戒を厳とし前進せよ」

 

そして上空では戦闘機 爆撃機が前進していく。

 

『戦闘機隊より旅団長。帝国側国境砦は損壊無人の模様炎龍に襲われたようです』

 

回転翼機カ号観測機では

 

「デアビス領主に聞いた通りだ アルヌスの敗戦に加えて 炎龍に襲撃されて撤退したようですな」

 

「テュベトの領主は代わってなければワット伯のはずじゃ ワット伯は炎龍なぞ恐れんぞ」

 

『エルベ側の砦誰か見えます』

 

「大隊長了解 戦闘機隊 その場で待機合流すら」

 

と加茂大佐は、連絡のあった砦に向かう。

 

エルベ藩王国の宮殿

「ワット伯!なにかが帝国側より飛んできます」

 

「炎龍か!?」

 

「いえ 見たこともないー」

 

そう言いかけた時

 

『ワット伯!ワット伯はおるか?』

 

「こ この声は・・・」

 

ワット伯は聞き覚えのある声を聞いて急いで屋上に向かう。そしてそこで目にした光景は、回転翼機に乗ってメガホンで話をするデュランの姿だった。

 

『おう おったか 儂じゃデュランじゃひさしいの。ご苦労じゃったアルヌスから帰ってきたぞ』

 

「へ 陛下っご無事で・・・なぜ異世界の空飛ぶ輿にー」

 

『これから炎龍討伐じゃしばしここで休ませてもらうぞ』

 

「炎龍討伐!?」

 

「閣下あれを!」

 

部下が指を指した。するとそこから大量の戦車と歩兵に率いられた日本軍の機甲旅団だった。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い

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