GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
『モルト皇帝陛下並びに皇太子ゾルザル殿下 皇女ピニャ殿下の御入来ー!!』
号令がかかって扉が開き各大臣や貴族や将軍達が敬礼又は拍手をする。
「先頭がモルト皇帝です。その後ろがゾルザル皇太子」
「彼が?」
「皆よく帰って来てくれた!!ヘルム子爵!壮健そうでなによりだ!少し痩せたか?」
「あ、ありがとうございます殿下」
「カラスタ侯爵公子!怪我はないな?」
「私のような敗軍の将にまでそのようなお言葉を・・・感激の極みです」
ゾルザルは帰還した捕虜達に無事を喜び声を掛ける。
「殿下そろそろお戻りくださらないと式次第が・・・」
ゾルザルの場の空気を読まない行動にモルトは呆れながら溜息を吐く。
「あれのことはもうよい。帰ってきた者を労うのはあの者に任せておく」
「何だ?」
「皇太子が謁見の順番を無視したようですね」
ゾルザルは、捕虜達を労いながら彼らを見て思った。
(ああ・・・この者達も俺と同じだ。俺と同じものを味わったのだ。屈辱と辛労の日々ーあの夜はあえて抵抗しなかったのだ無能を装い粛清を避けるためーだがそれも終わりだ。皇太子になった今 皇帝の傀儡になぞなってたまるか 散々嘲笑った連中を必ず見返してやる)
ギリッ
(なのに俺を、皇太子たる俺を皆が無視している)
ゾルザルは、歯切りを立て腹の奥底で野心に満ち溢れていた。
「これでようやく貴国との講和会議を始めることができる」
「はい 早く平和が実現することを願っております。陛下」
(外交特権もね これからはこそこそしないで済む。俺をにらんでる?
いや 皇帝を?)
菅原は、ゾルザルが何やらこっちの方を睨んでいることに気づく。
「ゾルザル殿下!」
式場の片隅ではゾルザルと元捕虜達を一つの輪の状態になり、元捕虜達は真剣な表情でゾルザルと向き合う。
「我ら虜囚の辱めを受けた身。おめおめ帰ってきたかと蔑みの目も覚悟しておりました。しかし 殿下の温かい労いのお言葉 心ー洗われました。なれど彼の地でなすすべなく倒れた兵をまだ捕らわれている多くの将師を思うと心休まりません。そしてギンザ戦役で」
時を銀座での戦闘に遡り、銀座では戦火に包まれていた。皇居周辺では夥しい死者の数まさに地獄絵図だった。鎮圧に向かう日本軍の兵や戦車や戦闘機、爆撃機が敵を殲滅している。向かってくるゴブリン部隊を小銃や機関銃で迎え撃つ日本兵。
「何発か!?当たってんのにっ」
6.5mm弾を受けても向かってくるゴブリン部隊に手を焼く日本兵達。又ある所では、突進してくる帝国軍の騎馬隊を迎える日本兵がいる。
『第Ⅳ軍団 我に続け!門まで血路を開くのだ!!』
此処では敵味方入り乱れての乱戦になっていた。日本軍は銃剣突撃で応戦する。
「叩け 叩け」
「門へ!!」
「だああ」
「このヤロー」
「ぐあっ」
「押さえ込め!」
「衛生兵!」
一方銀座の門の前では、勢いに乗る日本軍に帝国軍は撤退を開始していた。
『急げ!急げ!』
『負傷兵が先だ!』
『敵は目の前だぞ。奴隷や戦利品なんか捨て置け!!』
門の上空では敵の動きを観測するヘリが飛んでいた。
「う、撃っていいんですか!?」
だがヘリに気付いた帝国軍はヘリに向けてクロスボウや戦利品の金庫などを投げて落とそうとして来る。
「うおっ危ねぇ!高度を取れっ」
「賊徒集団は門より何処へ撤退しつつあり 観測機からの情報ではすでに一万人以上門に入ったと見られる」
そしてとある戦区では、銀座からほど近い場所に到着した日本軍中隊は、孤立した帝国軍部隊に遭遇した。帝国軍兵達は、弓矢を放ち一人の日本兵の腹部に命中した。
「助けろ!」
日本軍も攻撃を開始する。
『放て!』
帝国軍兵113名は抵抗を続けまるが矢を使い切る。
『待ってくれ!投降する!』
と白旗を掲げて降伏します。日本軍は捕らえた捕虜達を集める。
「並べ」
捕虜を取ったらジュネーブ条約に従って武装解除し捕虜収容所に送らなければなりません。
「ほら、歩け!」
日本兵は、捕虜を歩かせる。
「止まるな!」
だが日本兵達はその捕虜達を収容所に送らずに、
ダッダッダッダッダ
『うわぁぁ!』
『だあぁー!』
機関銃と小銃で射殺します。この事は後に生存者が告発しました。捕虜と成った帝国兵113名の内88名が射殺された。捕虜を虐殺した動機が敵への見せしめで有った可能性は少ないでしょう。日本兵達は、激しい戦闘で帝都を踏み荒らされた挙句多くの日本人を失った日本兵達が逆上して報復したのと多くの捕虜を取れば進軍の足手纏いに成りかねないからと、だったら殺してしまえと場当たり的な判断を下してしまったのだ。一部の日本軍部隊では、相手軍の兵士を捕虜に取らずに血の雨が降りました。
そして、ヘルム子爵の部隊も銀座の門に近い所を逃走していた。
『後続はついてきているか!?』
『だめです。我々だけです』
『悪所のような路地で散り散りに』
『くそっ門を奪われる前に我らも退くぞ!』
そして、ヘルムの目の前に放水車で待ち構える警視隊がいる。そしてヘルム達に向かって放水する。
ドバッ
『うわ』
『わああ』
『くっ くそぉ・・・』
放水で落馬したヘルム達を囲む警視隊。
『腰抜けの異世界人めっ剣を持って堂々と戦う者はいないーぶふっ』
隙をついたヘルムを警視隊が取り押さえる。
「気をつけろ!短剣も持ってるぞ!」
『畜生!』
『将軍!』
「三名確保ー!」
捕らえられた帝国軍の捕虜は約3万人は数台の警察の護送車に乗せられる。
『触るな!下賎な異世界人めっ』
「急げ!グズグズするんじゃない!」
「何をやっている!ほら走れ!」
日本兵に怒鳴るも怒鳴られながら護送車に乗せられる。
「!」
見るとそこには人間以外にゴブリンの生き残りも乗っていた。
「座れ!」
『ゴ、ゴブリンと同じ檻にだと!?子爵たる私を』
ヘルムはゴブリンと相席に腹を立てながらも東京から遠く離れた捕虜収容所に送られた。また、護送車に乗り切れなかった約2万数千人の捕虜達は徒歩での移動を強制され銀座の大通りを引き回し大衆の目に晒し者にして辱めを与えた。これは後に『敗者の行進』と呼ばれた。そしてその道中では、何千もの市民がバルコニーや大通りに集まり、
「人殺し!」
「この人でなし悪魔め!」
「俺の息子を返せ!!」
「天皇陛下と国民にお詫びしろ!!」
「息子の仇だ!」
「父ちゃんを返せ!」
「あの人の仇!」
「殺してやる!」
「死ね死ね死ね!」
銀座事件で被害にあった被害者やその遺族であろう人々、老若男女問わず大勢の人々は、憎悪に駆られて皆殺気立っていた。捕虜に対して罵声を浴びせたり、ある者は捕虜に唾を吐いたり石などを投げつける者も居た。国民の激しい憎しみが暴力へと変換され血走った目で捕虜達を痛めつけた。警備していた兵士や警官は止めるどころか逆に暴力に加わる事もあった。途中数百人が日本兵や国民からの虐待により死亡した。国民や日本兵の中には、帝国兵の遺体の一部を切断したり、狩猟の獲物と同じように扱い「戦争の記念品、土産」として持ち去る事があった。明らかに、生きていようが死んでいようが、初めて帝国兵と遭遇した時、戦死者の身体の一部をコレクションすることは軍部に懸念を抱かせる規模で行われ始めた。「土産」には金歯のほか、頭蓋骨や他の人体各部が採取されることもあった。収集された遺体の部位は、耳を切り取ってベルトにぶらさげる、歯でネックレスをつくる、竿に生首をたてる、戦車に頭蓋骨を取り付ける、といった具合に使用された。大量の帝国軍の戦死者の遺体は排尿や切断した男性器を口中に詰め込んだり、死体への射撃などで冒涜され、あるいは記念品として前述のような猟奇的行為が行われた。なおこれらの猟奇行為は、敵兵に対する怒りから行われた。そして歩けなくなったり、歩くのを拒否したりや逃亡を図った捕虜はその場で放置されたり銃殺され、更に徒歩移送中捕虜達の十分な食料は用意出来なかった。飢えと疲労が重なった捕虜達にとって、真夏の炎天下の行軍は一種の拷問であった。
捕虜達の隊列の後ろでは、『侵略者が残した汚れを洗い流す』という意味合いで、道路清掃用の散水車が続いていた。
捕虜達は、収容所に着くまでに飢え・疲労・虐待・処刑から約2000人以上が死亡した事から、後に『東京死の行進』とも呼ばれた。帝国軍捕虜が歩いた道は端々に餓死や処刑された兵士の骨が散乱していたことから、別名『白骨街道』と呼ばれた。日本軍がこうした行為に出たのも帝国軍の彼等にした仕打ちを考えればもっともな事だった。更に捕虜達が待ち受けていた収容所での生活も過酷なものだった。険しい山々に囲まれた東京西多摩にある強制収容所、最初に捕虜達は、
『偉大なる大元帥陛下と祖国を命懸けで死守しよう』
と書かれた正門を潜る。収容所の周りには電気の流れる鉄条網に囲まれ、ドーベルマンとジャーマンシェパードを連れ銃を持った完全武装の看守が24時間体制で監視し、脱走者は見つけ次第即射殺される。この収容所では、政治犯や共産主義者、抗日パルチザン、戦争捕虜なども収容されていた。夏は40℃の猛暑、冬は0℃を下回る極寒の地だった。
収容所に着くと捕虜達は、身に付けていた物全て取り上げられ裸にされると消毒され、その後縦縞模様の囚人服が与えられた後バリカンで頭を丸刈りにされた。まず裸電球が垂らす取調室では、
「お前の名前と出身地は?」
『お前の名前と出身地は?』
『・・・・・』
と取調官の質問を通訳が他の捕虜から学んだ流暢なファマルート語でそのまま伝えるも黙秘をする。
「お前達は、一体何者だ?何処から来た?何が目的だあの門は一体何だ?」
『お前達は、一体何者だ?何処から来た?何が目的だあの門は一体何だ?』
『フン、異世界人は礼儀と言うモノを知らんと見えるな貴様達異世界の蛮族に話す事などない。子爵であるこの私にこんな無礼な扱いをして許されると思っているのか!貴様達は、この世の覇者である帝国を敵に回したのだ!貴様等に、奴隷以上の価値はない!奴隷なら奴隷らしく、我等の命令に従え!主人たる我等に逆らうなど絶対に許さん!直ぐにでも帝国軍がやって来て貴様等を蹂躙するだろう。後悔してももう遅ッ!!』
バッン
「貴様国家権力を愚弄する気か!?」
「舐めた真似しやがってこのガキが!」
『ぐわぁっ!?』
漸く喋ったと思えば口を開けば罵声だった。通訳を聞いていた看守が痺れと怒りを切らしてヘルムを殴り倒しそれに続くようにヘルムの顔に飛んで来たのは看守の古びた革靴の底だった。警杖を持った二人の看守がヘルムに向かって振り下ろし殴りつける。
「貴様等の言う帝国は何処だ?言え!言え!」
バシン バシン バシン
「舐めんのもええ加減にせよ!」
「このゴミがぁ!!」
『ブホォ、ブホォ、ブホォ』
この取り調べでヘルムみたいなの自尊心の高い貴族は、歯を折られたり体の至る所にアザが出来る程看守等に殴る蹴るなどの暴力を振るわれ、気絶する程看守達から拷問や暴力を振るわれ気を失っても看守からバケツに入った水をかけられ無理矢理起これた。更にヘルムは尋問され一つ応えるごとに書面にサインをさせられた後、独房へと連れられた。そこでも、看守による暴力は治らなかった。
「起きろよ。子爵様よぉ飯の時間だ」
「おっと、おっと、ははははぁ悪いなぁ。うん?ちゃんと綺麗にしておけよ」
看守達は、わざとお粥を床にこぼしてヘルムの顔こぼした床に擦り付けて、看守達は笑いながら独房を出て行く。
(この私が蛮族共に・・・これが貴族にたいしてすることか!?)
看守達は、捕虜の違反を厳格に取り締まった。囚人達はこの収容所での規則を守らなければならない。
1.逃走の禁止
2.3人以上集まることの禁止
3.盗みの禁止
4. 看守に絶対服従しなければならない
5.外部の人間や怪しいものを見た時は即刻申告しなければならない
6.お互いを発見して異常な行動をした時は即刻申告しなければならない
7.自分に課された課題は超過達成しなければならない
8.作業以外で個人的に男女間で接触することはできない
9.自分の過ちを深く悔い改めなければならない
10.自分の罪を深く反省する者だけが再出発できる
11.収容所の法と規則を破った場合は即時銃殺する
この規則を破った捕虜達は違反の程度に応じて鞭打ち、懲罰房、減食などで罰せられた。配給される食事も朝は、とうもろこしのお粥と汁物又は500mlのコーヒーに似た苦い飲み物、昼は、900gのパンと3gのマーガリン、キャベツ・ジャガイモ・魚のスープか白菜と塩のスープ、夜は、白米、味噌汁、めざし数匹と沢庵二切れだけの侘しい食事(ごく稀に新年や紀元節や天皇陛下の誕生日にはそれを祝して囚人達全員にカレーやデザートなどが振る舞われる)で、これだけでは足りず収容者達はネズミ、蛇、イモリ、カエル、バッタなど目に付くものは捕まえて食べるなどして飢えをしのいでいた。十分な食事を与えない、傷病しても治療しない、一旦、制服を擦り切れたらならば、代替品が与えられることはなかった。残忍な警備員の中には、水の要求に対して、水の代わりに殴打したりライフル銃の端で叩いた者もいた。捕虜が使い物にならなかったり、肉体的に弱ったり、反抗的だったり脱走を企てた者は数日間尋問され囚人達の前で公開処刑が行われた。そんな事が毎日の様に行われ警備員の残忍さはヘルムをはじめ多くの貴族出身の騎士や兵にトラウマを与えた。そして、看守達の監視のもと捕虜達は橋の建設、要塞の建設、塹壕の掘削、果樹園、農業、貯蔵所、工房、工場、炭鉱の採掘、砂利場、材木置き場、石切場の採石、森林の伐採、核シェルターの建設などの肉体労働に使われた。また、収容所内では、ファマルート大陸には存在しなかったチフスやペストや天然痘や赤痢などの感染症に掛りウイルスに免疫がなかった兵士達が相次いで感染し約8000人が死亡するなどが起こった。警備員が捕虜を有刺鉄線で縛り、捕虜の鼻に水を詰めた上に、捕虜の側に立ち、有刺鉄線の上で足踏みするといった行為も含まれていた。あるいは、警備員が捕虜を親指で木に縛り付け、足が辛うじて地面に付くぐらいで、2日間ほど水または食料なしで放置したといった行為もあったという。2日間の拷問の末に、捕虜は処刑に先立って投獄され、その後、彼らの遺体は焼却されたとされる。
そして、異世界から来たと言う事もあり、兵士やゴブリン、オークなどが収容所に設置されていた実験室に連れて行かれそこで、731部隊の研究員による人体実験や治験、生体解剖、兵器実験が行われ約4000人が命を落とした。他にも約3000人が作業事故や飢えや過酷な収容所生活に耐えられずに命を落としたり、自ら命を絶とうと自殺する者も居た。生きて帝国に帰れたのはたった6000人に過ぎなかった。
その一方で、模範的な囚人には態度が悪い者、ルール違反をした者とは違い比較的いい待遇が与えられ過酷な肉体労働はなく比較的楽な作業や他の囚人よりも豪華な食事や衣服や個室が与えられた他、政治犯、抗日パルチザンなどの若く容姿の整った女性囚人を使った囚人専用のバラックの売春宿の利用を認められた。彼等は、囚人達をまとめる班長として反抗的な囚人が暴徒と化さない様抑え込む役目を担う。模範囚の中には、その特権を利用して今まで貴族に虐げられていた兵士達は仕返しと言わんばかりに木製の警棒で特に憎まれていた貴族をリンチする事があった。
また、内部通報の制度を敷き囚人の脱走や違反などを密告した囚人には、褒賞としてたばこ1箱と酒1瓶とパン500gやベーコン・ハム、売春宿の利用、楽な労働条件などがもらえた。そうしてなんとか食料を貰おうと画策する捕虜達は仲間を密告していった『仲間意識はギンザで死んだ』とある捕虜が後にこう述べた。日本軍は『教育勅語』を捕虜達に叩き込み復唱するなどの思想教育を行い、それに染まらない者は仲間内でリンチを受ける。戦闘中に生きて捕虜になるのは恥であると考えられていたために、日本軍は残忍な方法で収容所を運営して、多くの帝国軍捕虜が亡くなった。
「この身に受けた屈辱、奴隷の様な強制労働と死神の足音に耐える獄中の日々、このまま帝国が不利な講和を結ぶなぞ我らは耐えられません!殿下!雪辱を!」
「殿下!!」
「・・・わかっている。まだ戦は終わっておらぬ 貴公らの力量を示す機会はこの俺が必ず作ってやる。その時をしばし待つのだ」
「我らに雪辱の機会を!」
「殿下!」
「この命、殿下にお預けいたします」
(これだ。この視線こそ皇太子たる自分に向けられるべきもの、なのになのに・・・)
とゾルザルは、帰還兵達からの期待の眼差しを向けられゾルザルはその視線に快感を覚える。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い