GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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いやぁ〜 総合評価300突破嬉しいねぇ
お気に入りも270にも達して


荒野の迷宮3

何とかコカトリスを斃す事ができ皆一息つく。

 

「巣の中に食べかけの屍がーー聖下?」

 

「こいつの血ぃ 生ける屍と同じ淡い紅色よ」

 

「まさかーー屍を食べて自らも?」

 

「成る程 こいつ あの屍達を食べて生き長らえていたのか」

 

「どうりで・・・」

 

「本当にここ 薬種園だったのかしらぁ?」

 

"広場の奥の建物は出荷場であったらしい しかしロクデ梨は発見できず"

 

「妙だ アルンヌ王国は 五百年前に滅んだと聞いた。それなのにあの中の薬棚の薬草は乾涸びていなかった」

 

「謎解きは後だ ヤオ!ロクデ梨を探さないと!」

 

「・・・主殿 焦っても仕方ないぞ」

 

「確かになぁ 急いては事を仕損じるって言うからな」

 

「・・・あるとしたらやっぱりあそこか 先に進むぞ」

 

"薬種園の中心へと続く通路に到着 ここから本来の敷地らしい だがそこには 罠がーー 左右に同じような『地雷源』が続き迂回は不可能 石橋を叩いて渡る式で突破を試みるも いやな予感が的中する 薬種園の造成者の方が一枚上手だったのだ"

 

カ キン

 

「・・・ヤオ?」

 

「どうした?」

 

「す すまない なにかーー踏んだ・・・」

 

伊丹と大場がヤオの足下の見る。

 

「踏み込んでも罠が作動しないということは圧力解放型か」

 

「典型的な仕掛けだな」

 

「いいか 左足を上げるなよ。右足は他の石に乗せていい 今からそっちに行くから」

 

「その場を動くな!」

 

伊丹と大場は、壁から伸びている木のツタを掴みながらヤオのいる所まで行く。

 

「・・・此の身は 不運の星の下に生きてきたが 最後に聖下や主殿と旅ができて幸運だった。同胞を炎龍からも救うことができたしーー」

 

「馬鹿言うなって 待ってろ」

 

「辞世の句なんか読むな!縁起でもない」

 

ガラ ラ

 

「おっと!」

 

「よーと!」

 

"なぜそこまで 此のみはテュカに ひどいことをしたのにーー"

 

「これを左足の代わりに置くんだ!」

 

と伊丹は、鞄から小袋をヤオに投げ渡す。その小袋の中身は、袋一杯の金貨だった。

 

「こんな大金・・・・返せないぞ!此の身にここまでの価値なんてーー」

 

「いいから!今は金より命だ!やら!」

 

とヤオは、その小袋を足下に置きゆっくりと足を退けた。

 

「よし こっちだ!」

 

と伊丹から差し出された腕を掴む。

 

「もう大丈夫だ 手を握ってるからな」

 

「・・・・」

 

「よし 戻ろう」

 

「ちょっと 待ってくれ主殿 やはりあんな大金を身代わりにするのは心苦しい ヒモをつけておいたから・・・」

 

「え?あっ 待て!」

 

「やめろ!なに考えてんだ」

 

「ヤオぉ 待ちなさぁい!!」

 

そして金貨の入った小袋に結び付けていた紐を引っ張って小袋が退いた瞬間、

 

ゴッ

 

足下の石が崩れ落ちた。壁のツタに捕まっていた伊丹と大場とヤオは、落下を免れたが通路のど真ん中に居たロゥリィは、真っ逆さまに落ちっていた。

 

『ヤオぉ!!あんた覚えてなさぁい!!』

 

「聖下ぁ!」

 

「ロゥリィー!!」

 

「落ちって行ったぞ!!」

 

伊丹達は、直ぐにツタにロープを結んで下に降りて行く。

 

「ロゥリィ どこだー!?」

 

「聖下ぁーっ」

 

「居たら返事をしろ!」

 

懐中電灯で暗闇を照らしながら探していると伊丹がある物を発見した。

 

「!」

 

それは、いつもロゥリィが頭に着けているカチューシャだった。それを見て三人とも目を見開く。

 

「・・・ヤオ 頼むから何かやる前に相談してくれ」

 

「そうやって後先考えない軽率な行動が身を滅ぼすんだ」

 

「・・・ご ごめんなさい・・・」うっ えぐっ

 

ヤオは、涙を流し謝る。

 

(あちゃー しまった・・・)

 

(やれやれだぜ・・・)

 

「・・・ヤオ ロゥリィは不死身の亜神だ 心配ないよ」

 

「・・・そ そうだろうか」 グ ス

 

「地下も苦手だしな 怪異に捕まるなんてことーー」

 

「おい!これを見ろ」

 

大場が示す道を見てみるとそこには、人間より一回り大きい足跡と血痕が残されていた。

 

「もし 動けない内に襲われたら・・・」

 

"まさかーー"

 

「街の連中がここにいると言っていたのはコカトリスと」

 

"ミノタウルスーー牛頭人身の怪異 人を喰らうと いうーー"

 

「急ぐぞ ロゥリィにもレレイにも時間がない」

 

そして伊丹達は、stg44に銃剣と暗視装置を装着し先を急ぐ。向かう途中にゾンビ達に遭遇に戦闘になるも小銃や手榴弾に銃剣で白兵戦に突入する。

 

「粗方片付いたな」

 

「これで彼女達の魄も解放されるだろう・・・なぁヤオ なんでその火精の魔法 初めから使わないんだ?」

 

「主殿は 燃え上がる屍に抱きつかれるのが好みか?」

 

「ああ なるほどな・・・」

 

「もう いいや」

 

「地図はまだ描いてるか?」

 

「ああ」

 

「ちょっと貸してくれ」

 

伊丹は、ヤオから書き写した地図を見ながら現在地を調べる。

 

「俺達が進んでるのはこのまっすぐな道か」

 

そしてしばらく直進して行く。

 

「天井か?何ヶ所か穴が空いていたぞ やっぱり上にもう一層あるんだな くそ!この地下迷宮でもなんでもないじゃねェか でっかい通路は落ちてきた奴を始末するミノタウルス用 こっちは人間が使う管理用」

 

「差し詰めここは、ミノタウルスが落ちてきた人間を処刑する処刑場って訳だ」

 

「こっちを進めばロクデ梨とロゥリィがいるはずの中心だ」

 

そして出てきたのは水が流れる部屋だった。

 

「ヤオ 遅いぞ」

 

「もうバテたか?」

 

「すまない 此の身のせいで 聖下がこんなことにならなければ 今ごろ地上から中心部に・・・此の身が不運なばかりにーー」

 

「〜〜いいかげん不運不運と卑屈になるなよ あと俺と大尉の顔色を窺うのもなしだぞ」

 

「そ そう言うなら早く奴隷としての此の身のありようを決めてくれ 此の身は何も期待されていないのか?主殿は此の身を必要としないと言うのか?」

 

「「ああ 奴隷はいらない」」

 

と二人に言われヤオの頭の中が真っ白になる。

 

「水を引きこんでいるのなら中心は流れの先か」

 

「近いなぁ」

 

と言い奥へと進む。

 

"此の身のことはなんとも思っていない この男達が急ぐのは聖下が喰われるのを恐れるからだ。だが亜神の肉体が復活するのも体の一部が残っていればこそ"

 

「なぁ 主殿」

 

「それもやめてくれ」

 

「名前で頼む」

 

「あ う イタミ殿 オオバ殿 ・・・亜神は 丸ごと喰われたらどうなるんだろうか ただ喰うだけだろうか ミノタウルスは男を嬲り女を姦したと聞く 今ごろ聖下もーー」

 

とヤオの爆弾発言にその場が静まる。

 

(ーーしまった なんてことを口にしてしまったんだ・・・)

 

と考えていると 二人が歩き出した。

 

「イタミ殿 オオバ殿 待ってくれ イタミ殿 オオバ殿!」

 

「ヤオ・・・お前はなんでついて来る?奴隷だからと言ってるが贖罪か?償いか?」

 

「罪滅ぼしのつもりか?」

 

「そ それはーー」

 

「いいかヤオ 炎龍のときみたいに仲間も支援もないんだ 奴隷制の哀れな犠牲者を連れていく気にはなれない」

 

「では 御身達はなぜーー」

 

「嬉しかったからだ」

 

「嬉しかった!?」

 

"レレイもロゥリィもあのときついて来てくれた そんな義務もないのに 俺達がどれだけ救われたと思う?その二人が今苦しんでいる なんとかしてやりたいそれだけで充分だ"

 

"なら・・・此の身は?此の身は・・・?"

 

「奴隷の身だからついてくると言うなら 命令だ ヤオ お前はもう自分のいるべき森へ帰れ」

 

「お前は 本来いるべき場所へ帰るべきだ」

 

そう言って二人は、ヤオを置いて先に進む。

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い

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