GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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姉と妹と格差と

日が暮れ始め伊丹達一行は、老師に連れられ外食をする事になった。

 

「ねぇレレイ さっきの人」

 

「・・・・義理の姉」

 

「レレイの身内だったのか 親御さんは?」

 

「ルルドは流浪の民 父親は誰なのか聞いていない 母親はもうーー」

 

「レレイはね十前にカトーのところに来たのよ 十の年に弟子入りしたの」

 

「そうですか・・・」

 

「なかなか複雑な家系なんだなぁ」

 

それからしばらくしてミモザ老師の行きつけの店に着いた。

 

「いらっしゃいミモザさん 今日はずいぶんと大勢で新しいお弟子さんですか?」

 

「いいえみんなお客さん 見て見て 美人ばかりでしょう?」

 

「本当だ!今日は腕によりをかけなくちゃ」

 

「さあさあ席について この店は美人の女の子にはとったもおいしい料理を出すなよ」

 

「えーと 献立表は・・・」

 

「ここは店主にお任せなの」

 

「へぇ 珍しい店だな」

 

伊丹達は、料理が来るまで皆でテーブルを囲んで話し合っている。

 

「リ・・・じゃなくてレレイ 皆さんに紹介してくれる?」

 

「こちらはミモザ・ラ・メール 魔導師にして大賢者 このロンデルの長老の一人」

 

「よろしくね」

 

「カトー師匠の師姉弟 今は義姉のアルフェが弟子入りしている ミモザ老師は博物学に造詣が深い」

 

そして次が伊丹達の紹介に入る。

 

「そちらが ヤオ・ロゥ・デュッシ テュカ・ルナ・マルソー」

 

「エルフとダークエルフ お二方が仲良く旅してるなんてどういったいきさつで?」

 

「え いや・・・これはっ」

 

「話すと 長くなりそう なんですけど・・・」

 

(仲良しか・・・)

 

(そんな大層なもんじゃないだけどなぁ・・・)

 

「後で話してくださる?」

 

"色々あったけど今じゃ苦手意識に近いかなぁ"

 

「そしてーー」

 

「お久しぶりね ロゥリィ もしかして 宿題の答えを聞きに来たの?」

 

「・・・ミモザぁ あなた老けたわねぇ」

 

「うらやましいでしょう?もうすっかりおばあちゃんよ もう五十年も前になるかしら?ロゥリィとは一緒に旅したことがあるのよ」

 

「へぇ・・・」

 

「そう言った経緯が・・・」

 

"俺らの生まれる前にこの二人会ってるのかあ"

 

「じゃあレレイ そちらの方々は?」

 

「これは イタミヨウジ でこっちがオオバサカエ」

 

「よろしくお願いします 姓は伊丹 名は耀司です」

 

「お初に 姓は大場 名は栄です」

 

「ミモザ老師は博物学に造詣が深いとか よろしければお聞きしたいことがあるのですが」

 

「かまわないけどお食事の後でいいかしら?」

 

「あ ああ失礼しました レレイの学会が終わるまでロンデルを拠点に動きますのでお手すきの祈りに」

 

「そういうことです」

 

「・・・・見慣れない服だけど・・・お国はどちら?」

 

「・・・やっぱこれ目立つ?」

 

「いつものグンプクよりは地味よぉ」

 

「仕方ないだろ これが軍では正装なんだから」

 

「日本帝国です アルヌスの『門』の向こうから来ました」

 

「まぁ!本当!?『門』が開いて帝国が攻め込んだって話は聞いたけど 向こう側の話はちっとも伝わってこないんですもの レレイ達は行って来たの?どうだった?」

 

そう聞かれ一同は顔を合わせて笑いながら

 

「行って来たわよぉ 『門』の向こうの街 トーキョーの摩天楼!帝都の皇城が霞んじゃうわぁ」

 

「服とかもすごいの!歩いてる人 みんなおしゃれで きれいな生地の服がお店にいっぱい!そんなお店が街中にあるの!」

 

「あの書店・・・一年中いても読み切れないほどの本の量だった・・・ピニャの話ではあらゆる本が集められている図書館もあるそう しかも全ての人に無料で開放している ロンデルにも作るべき」

 

「ん?ここに図書館は・・・」

 

「学問の街なのに?」

 

「それがねぇ 大昔にはあったのよ でも燃えてしまったの ある時宗教戦争が起こってロンデルも巻き込まれてね その中の過激な一神教信者達が図書館に火を放ったからどれだけの知識が失われたかーーこの街がそれからも学問の街なのは蔵書を持つ老師達が大勢いるからそれを求めて学徒が集まって来るの長命種の方の蔵書はすごいのよ」

 

「なるほど・・・」

 

「けど本は高いでしょ?集めるとなると・・・」

 

「大丈夫 印刷すればよい ニホンでは個人でも本を印刷して市に出すことができる 最大の本の市 国立公文書館は壮観だった」

 

一方同じ頃レストランの外では、レレイの義理の姉アルペジオがレストランに着いたところだった。

 

(レレイの奴 ひさびさに来たと思ったら 何があったか知らないけどいきなり導師号って・・・)

 

「本が本当に安くなったら素敵ねぇ」

 

「きっとそうなる」

 

それを聞いてアルペジオは、目を見開き扉を勢いよく開けて入って来た。

 

『ダメよ!』バタン

 

そして仁王立ちしながらレレイ達のテーブルに近寄って来た。

 

「ちょっ ちょっとそれはダメ ダメよぜぇったいダメ!困る人だっているんだから!!四ヶ月!!毎日夜なべして写本した魔法大全!!今ならシンク金貨三枚で売れるのよっ それが値崩れしたらっ したら・・・食費がっ 家賃がぁっ」

 

「ごめんなさいねぇ この娘のやってる鉱物魔法ってお金かかるの 副業で写本やってるから・・・」

 

「ああ・・・」

 

「なるほどそれで生計を立ててた訳か」

 

「・・・大丈夫 いずれは の話」

 

「いずれ?も〜〜〜おどかさないでよぉ〜」ヘタァ

 

「アルフェの早合点はいつものこと」

 

レレイが店主から水の入ったコップを貰って戻ろうとするとレレイが座っていた席にいつのまにかアルフェが座っていたのだそれを見たレレイは腹を立てながらも別の椅子を持ってくる。

 

「ヴァレッタってところで活字印刷ってのが始まったって聞いたから ついに来ちゃったかと思っちゃった この商売も先が見えたなぁ・・・・どうしよ・・・」

 

「あの 写本をされてるんですか?」

 

「ええ 著名な賢者の稀覯本を」

 

「この娘の本は 装丁も疑ってるからお金持ちに人気あるの」

 

「へぇー 一冊一冊手書きで大変でしょう?俺の許嫁も描いてるんでわかりますよ」

 

「奥様も賢者で?」

 

「いや こいつの許嫁さんは、小説家でもありまぁ 絵草紙本を描いてるんだ 一部からは賢者って呼ばれてそうだがな」

 

「はぁ・・・あのー まだ結婚してないですか」

 

「まぁ お互いまだ 距離感や抵抗感があるんですよ」

 

「貴方もまだ結婚してないんですか?」

 

「まぁ 俺には相手が居ないからな」

 

それを聞いたアルフェはレレイ絡んでくる。

 

「誰?」

 

「イタミヨウジとオオバサカエ」

 

「何してる人?」

 

「『門』の向こうの国の軍人」

 

「帝国と戦争している軍人がなんでここに来るのよ」

 

「資源調査を命じられている」

 

「あ そうそう イタミさん オオバさん 鉱物のことならこの娘が専門よ アルフェ イタミさんとオオバさんに教えてあげて」

 

「あ 私でよろしければ」

 

そうしている間に料理が運ばれて来た。

 

「お待ちどうさまぁ 今日は張り切って作っちゃったよ!」

「あ ロゥリィ 忘れる前に宿題の答え あなたの問いは なぜこの世界にはこんなに多くの種族が住んでいるのか その答えはーーアルヌスの『門』よ ロゥリィと別れた後も答えを探すために世界中を巡ったわ 各地に残る古代遺跡の碑文や古文書を調べ一万年を超える遥かな昔からこの地に住むエルフをはじめ 様々な種族に伝わる創世記や伝承を聞いてまわったのそしてたどりついた結論が『門』よ。私達より先に住んでいた種族もすべて『門』が開いた時この世界にやって来た ヒトはその中で一番の新参者ーー帝国がアルヌスを聖地と呼ぶのも文字通り自分達がやって来た場所だから」

 

「その答えでいいのぉ?」

 

「ええ アルヌスにはこの世界の根源がある 噂では帝国はお抱えの魔導師を動員して本当の『門』を作っちゃったらしいわね」

 

「さすが ミモザねぇ」

 

「はぁ これで宿題の提出もすんだわ この年でやっと解放された気分」

 

「・・・なんで ロゥリィが宿題を出すんだ?」

 

「それはねぇ ヨウジィ 亜神は世界の庭木を守る庭師でもあるからよぉ 必要ならば伸びすぎた枝を刈り取るわぁ けどぉ 刈ってばかりじゃ樹は大きくならない だからぁ 見込みのある賢者に『宿題』を出すの」

 

(枝というのが知識や技術のことなら日本の諸々はいいのだろうか・・・)

 

「時にはよそから紛れ込んだ害虫を駆除する そうやってぇ世界の調和を守っているーー守っているのにぃ・・・ハーディのバカ者ぉ・・・」

 

「「?」」

 

「・・・その話 習ってない」

 

「だってこれは私の研究ですもの カトーは窮理が専門だから史学は基本しか修めてないし」 ※窮理:物理

 

「だから 言ったでしょう 老師一人にぶらさがってたら知識が偏るって 今からでもここに戻って体系的に勉強なさいよ」

 

「・・・けど カトー師匠のところにいなければ導師号に挑まなかった」

 

「それはそうだけどいいの?変な報告して」

 

「学会中ずっと南国鳥みたいな格好で過ごすハメになっても自信はある 見てほしい あっ」

 

カラカラーン

 

とレレイの鞄から金属のような物が転がり落ちた。

 

「・・・え?漏斗!?」

 

「何故に?」

 

「ノイマン効果を発揮するのに適した材質と形状 安く手に入り使い捨てできて武器には見えない 研究中の魔法に最適」

 

とミモザとアルフェは、レレイの持っていた記録書を見てみる。

 

「・・・安っぽい装丁・・・このペラペラの羊皮紙?って」

 

「ふんふん・・・」

 

(こ これはーー)

 

「すごいわレレイ これなら合格間違いなしよ 学問の進んだ異世界の知識を土台にして ちゃんと魔法体系に組み込んでるすばらしいわ」

 

「抜かれた・・・完全にレレイなんかに・・・」

 




どんどん評価や感想を寄せて下さい。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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