GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
夜間の帝都上空では海軍の一式陸攻が上空を飛行していた。
『十一時上方に連山』
『帝都へ物資投下に向かう機だな山脈上に注意』
「特地に来たのはいいけどやってることはいつもと同じ・・・おっ」
後部座席に座っていた観測員が地上で微かな灯りを発見した。
「烽火確認 位置はっと・・・放棄された烽火台また使ってんだろ?」
「ああ陸軍サンが昼撮った写真みた」
「対空警戒網か 帝都についたら盛大な歓迎か?」
「それはない 資料で調べたら烽火の伝達速度は飛行機よりだいぶ遅いぞ」
同じ頃帝都上空を警戒活動中の竜騎士が上空を飛行していた。
「ミハエル 寝るんじゃねえぞ」
「寝てません!」
すると竜騎士が灯りを発見した。
「南下方に敵見ゆ!続け!!」
竜騎士達が近づくとそれは大型の飛行機だ。竜騎士が見つけたのは、大東亜戦争時アメリカ軍のB-17を接収し日本版に開発された重爆撃機『連山』だった。
「なんだあれは!?でかい・・・!古代龍並みだ」
「くそっ早い!あんな図体でっ」
「東の編隊が来た 挟み撃ちにするぞ!」
だが連山は急上昇をして竜騎士の追っ手から逃れる。
「翼竜なんかじゃ奴を止められん・・・」
一方の地上では帝都に潜伏している部隊が空中投下された補給物資を回収していた。
翌日、連山の事はゾルザルの元へと報告された。
「本日夜明け前 帝都へ侵入した敵『ヒコーキ』は 我が竜騎兵の迎撃により追い払いました。敵は古代龍級の大きさであったとのこと」
「烽火の報せが何時間も後に届いてはな・・・」
「は 帝都に敵が達する前に迎撃すべく 翼竜の一部をデュマ山脈方面の砦に配するよう指示いたします」
「うむ あのヒコーキとやらを一匹でも落とせば士気は大いに上がるだろう 任せたぞカラスタ公」
「ハッ」
カラスタ公は、退室し次にネイ法務官が商会からの贈答品の報告をする。
「ゾルザル殿下 各地の商会などから再び贈答の品が届いております。コルキ商会 テオネル商会 アンブレロ商会・・・」
「もうよい ネイ次期侍従長 その辺に積んでおけ 目録はテューレに渡せ」
「かしこまりたした」
「だめな連中ほど擦り寄って来ますわね」
「ああ 歴代皇帝の悪弊だ 俺は賄賂なぞ求めておらぬ 権力に金で擦り寄る商会なぞ俺の帝国にはいらん 目録に載せた商会どもは皆出入り禁止とするいいな?」
「はい」
「殿下 いささか性急ではございませんか?これほど刷新しますと宮廷内の混乱は拡まるばかりです」
「かまわん 混乱こそ俺の望みだ」
「混乱が望み・・・?」
「そうだ 俺は馬鹿を演じている間に官僚どもを観察してきた。そして一つの真理を得たのだ。連中は上から下まで自分達の慣習 面子 手続きに沿った政策しか実行に移さないのだ たとえ皇帝や元老院が改革を命じたとしても実行に移すのは官僚だ 実行に移す前に連中の考える『現実』に則して骨抜きにされてしまう。だがそれも官僚機構が健全に働いていればこそ 今のような状況ならば俺の命じたことを丸呑みせざるを得まい」
「と申しましても役人まで今のように混乱していましては成果も期待できませんが・・・」
「俺が求めているのは簡潔さと単純であることに他ならん それを整えるのが大臣らの仕事であろう?それもわからぬ者は混乱に溺れておればよいわ」
扉の向こうからルフルスのやって来たと報告が入る。
「ルフルス次期法務官が参りました」
「通せ」
「ゾルザル殿下 ご指示のあった オブリーチニナ特別法でございますがーー元老院はこのままでは可決できないと申しております。『帝権干犯』の定義が不明瞭で主戦派まで罰せられかねないと」
「なに?俺としては充分に簡潔にしたつもりだが・・・要はたまたま抵触した講和派を取り締まれればいいのだ 厳密にしすぎては反逆罪同様 空文になりかねん この際 令旨として発令されましては 命令ではだめだ議員どもの不安を煽りかねん ほとんどの者が派閥に関係なくニホンの品目当てに連中と接触しているからな」
「・・・殿下 単純に『陛下の政策を妨害する行為』と定義しましては?そうすれば議員の方々のほとんどは抵触いたしません こう言っては失礼ですが彼らは元老院で何もしていませんから」
「うむ それでは反対意見の一つも持てぬではないか?議員が議論を戦わせてこその元老院だ 理想の帝国とはそうあらねばーー」
「帝権干犯に関する定義を修正した法案の草稿はこちらに用意しましたが・・・」
「わかった そこに置いておけしばし考える 元老院には今度こそ可決しろと言っておけよ」
「かしこまりました」
するとゾルザルに気に入られゾルザルの元で料理人になった古田が料理を持って入って来た。
「昼食を持って参りました」
「お わかった入れ」
「失礼いたします」
「待っていたぞ フルタ」
「ルフルス法務官 ちょっとお待ちを 殿下 よろしいでしょうか?」
「ん?なんだ テューレ」
「ルフルス法務官は 多忙を極めておりますので私が連絡役を引き受けましょうか?そうすれば ここに法務官がわざわざ足を運ぶ手間もかかりません」
「そうしてくれるか?オブリーチニナの指導もあるしな ルフルス 報告はテューレを通せばいいぞ」
「では別室で打ち合わせをして参ります」
「いいのですか?言われたとおり持ってきましたが ゾルザル殿下がお目に通さないまま草稿を再動議にかけましても」
「いいのです。殿下の意に反する者はいずれすべて罰せられるのですから 法案が通りさえすればいいのです」
「殿下 食事はどうか食堂で召し上がってください このような場で簡単に済ませるなど王者たる者の品位に欠けます」
「俺は忙しいのだ ネイ そんなもの時と場所をわきまえておけばよい。フルタの作るものはどこで食ってもうまいぞ」
「ありがとうございます」
ゾルザルの我儘にネイは心底呆れ溜息を吐く。
「さて食うか お!?なんだこれは!?」
古田がゾルザルに出した料理は、アメリカにとって国民食とも言えるハンバーガーだった。
「円盤状に焼いた挽き肉と野菜などを小麦のパンに挟んだものでハンバーガーと呼ばれる料理です。そのままお手で持ってかぶりついて召し上がりください 仕事をしながらでも片手で食べられます」
「ふむ 聞いたことない料理だな」
と聞いたことない料理にゾルザルは、興味を示しながら口にする。
バ ク
「ん!うまい!肉は濃い味に酸味は・・・酢漬けの野菜か テューレも食えうまいぞ」
「あ はい いただきます」
「嘆かわしい・・・」
「どうだ フルタ そろそろ正式に宮廷料理人にならんか?今 ちょうど料理長の席が空いておる」
「ありがとうございます ですが自分には夢がーー」
「わかっておる わかっておる 自分の店を持ちたいんだったな 小さな夢と貶したらお前に怒鳴られたんだった」
「その節は失礼しました」
「いや よい正直小気味よかった 小身者にも誇りを持つ者がいるのだとな まあいい お前はお前の夢を叶えよ だがそれまで俺のそばで料理人に味を仕込むのだ。いいな?」
「はい 殿下」
「しかし フルタ 今日のお前は珍しく誤りを犯しておる。これだけじゃ足りんぞ?」
古田は、ハンバーガーを10個も作ったのにまだそれでも足りないと言って来たので内心『どんだけ食う気だよ』と思った。
「かしこまりました そろそろ残りが焼き上がるころです。一度に持って参りますと最後の方が冷めてしまいますので」
「フン 小賢しい奴め・・・俺が食っている間に持って来るんだ。そうだテューレ お前も行ってフルタの言う通りか確かめて来い」
「は はい」
「急ぎましょう テューレさん 殿下が食べ終わるまでにお代わりを持って来られるか競争のようですよ?」
そして古田とテューレは、急ぎ調理場に向かい残りのハンバーガーを取りに行った。
「・・・あなた 殿下が恐ろしくないの?よくあそこまで自分を通せるわね」
「そう言われても(料理のことは口を出されたくないだけでどうにかできてたら二代目とぶつかって料亭を飛び出すこともなかったし居場所がなくなって軍隊に入ることもなかったよ。本音を言えばゾルザルを怒らせでもしてさっさとこの任務を終わらせて三偵に戻りたい 何で気に入られちゃったのかなあ)」
「気を悪くしたらごめんなさい そんなあなたの夢が自分の店を持つことなんて?」
「テューレさんから見ればそうかも知れません でも自分にとっては店こそが自分の城であり国なんです」
「あなたは そのちっぽけな国の王様になりたいの?」
「ええ 料理を食べに来てくれるみんなが国民です」
「あなたの国の民草は幸せね いつもおいしい思いをさせてもらって けれど民草なんて気まぐれでわがまま よかれと思ってした結果が憎まれる原因になるかもしれないのよ?」
「だから努力するんです。そうしないとあっという間に潰れてしまいますから」
と古田の言葉にテューレは何かを感じた。
「どうしました?」
「あなたは 民に背かれるのは 王自身にその責任があると思う?」
「少なくともどちらかが一方的に悪いということはないと思いますけど・・・」
「・・・・そう あなたは 民に慕われる良い王になるでしょうね」
「そうなれるといいなあ さあ 急ぎましょう」
"なんて まっすぐな背中ーー"
宮廷執務室では、ゾルザルがハンバーガーを食らいながら書類に目を通していた。すると何かを探し始めた。
「どうされました?」
「いや 肝心のオブリーチニナ特別法案の修正草稿が・・・」
「ルフルス法務官が置いていくのを忘れたのでは?後ほど持って来るようテューレに申し伝えましょう」
「ああ そうだった テューレに任せたのだったな」
一方 ロンデル西方ランカストリア丘陵
「う〜ん これは・・・いささか小さいですな」
「ピッチピチ!」
とグレイは、ワイシャツを着ているのだがそれは伊丹達の様な体格に合わせて作られたものでガタイのいいグレイには、小さかった。そんな姿を見て笑うロゥリィやテュカそしてシャンディー。彼女もテュカから服を借りて女学生の姿だった。
「お お笑いにならないでやってください 聖下 我々はほとんど着替えも用意せず急ぎ帝都から来たんですから」
「そうだけどぉ ヨウジィ ぜったいわざとぉ グレイにその服貸したのよぉ」
「父さんならやりかねないわ 渡すときニヤニヤしてたもの」
「ま 着替えのない身としては助かりますが・・・しかし 考えましたな 宿もとらずに気まぐれに移動していれば刺客も追いつけますまい」
「けどぉ 乗り物が目立つからぁ 足跡は残るわぁ 学会があるからぁロンデルからそんなに離れられないしぃ」
とそんな事を話していると洞窟の方から動物の鳴き声が聞こえて来た。
キシャアアアアア
「なに!?」
「なにやら動物の声のようですな」
「廃鉱でしょ?アルペジオさん 前にも入ったことあるってーー」
とロゥリィ達が臨戦態勢に入ろうとしているころ、洞窟の中では、伊丹達が地を這うドラゴンに追われていた。
「あんなのいるって言ってましたっけ!?」
「去年来たときはいなかったの!!」
「そんな事よりも速く走れ!」
そうしているとアルペジオは、怪物の頭上に向けて鉱物魔法を発動する。それによって天井が崩れ落ち怪物は下敷きになった。
「今の内よ!」
「やべ!崩れるっ」
「速く行け下敷きになるぞ!」
そしてなんとか無事に外に逃げる事ができた。するとレレイがアルペジオを魔法を皮肉る。
「鉱道の中であんな魔法を使えば当然崩れる」
「くっ・・・私の魔法で足止めしたから無事出られたんでしょうが」
と二人は睨み合い火花を散らす。
「まあまあ 鉱物標本も確保できたし・・・」
すると崖の上から妙な音がして上の方をみると先の怪物が三匹が現れた。ロゥリィは斬りかかろうとしたが伊丹によって止められてしまう。
「にゃっ」
「みんな11に乗れ!」
みんなが11に乗りそのまま発進する。
「盛大に足跡を残してしまいましたな」
「さっさと次行く方向を決めよう」
「どうするんだ?中尉」
すると伊丹は分かれ道に差し掛かった所で車を止めてそこに地図を開き中心に棒を突き立てる。そして棒が倒れた方向にコンパスを合わせる。
「どらどら・・・方位三百二十六度 北北西か」
「・・・ねぇ 今ぁ 変な風吹かなかった?」
「?」
「吹いたか?」
「いいえ?」
「そうかあ?俺はいじってないぞ」
「そーお?」
「風で倒れたとしても別にいいんじゃないの?」
「んーけどぉ・・・いやな予感しかしないわぁ」
「んなこと言ってもなあ 招待状もらっちまってるし ロゥリィはハーディって神様に嫁行かない宣言するんだろ?ヤオも三行半突きつけるって」
「その通りだ」
「時期が悪いわぁ あいつのことだからぁ 刺客とかも一緒に招き寄せてそうだしぃ」
「此の身も聖下の考えに同意だ」
「あの・・・もう一度やってみては?」
「そうよ それがいいわ」
そういう事になり、もう一度棒倒しをする事にした。
「・・・も もう一度!」
棒を突き立ててみるとするとまた同じ方向に倒れた。伊丹の背後にいたロゥリィは、怒りのあまり木の棒を蹴り飛ばした。
「ハーディの奴ぅ!!」
するとロゥリィが蹴り飛ばした木の棒が風に乗って戻って伊丹の頭部に直撃した。
「いてっ」
そして木の棒はベルナーゴを指した。すると伊丹は、
「みんな!見方を変えるんだっ こいつが指しているのは北北西じゃなく南南東だ!!」
と伊丹の強引なやり方に皆感心する。しかし突然突風が吹き出した。
「わっぷ」
ゴ オ
そして突風が止んで再び地図を見てみると先まで南南東を指していた方の棒がベルナーゴを指していた。
「うげっ」
「・・・・」
これにはロゥリィも怒り心頭だった。目的地が決まりレレイ達は253に乗車し始めていた。
「決まりだな」
「行くしかないか ベルナーゴ・・・」
「チッ」
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い