GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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真相

ハーディがレレイに憑依した事に皆目を見開きながら驚く。

 

「さあ 参りましょう」

 

「へ?どこにーー」

 

「どこに行くんですか?」

 

「んー まずは食欲を満たすことにするわ」

 

「ま まだ 晩飯にはだいぶ早いですが・・・」

 

「つき合ってくれないと 後で酷いですわよ フフッ」

 

とレレイに憑依したハーディは、伊丹の腕に抱き着くが直ぐに振り払らわれてしまう。

 

「あら?」

 

(マジでレレイじゃない!あいつがあんな眼するわけないんだ!)

 

いつも無愛想のレレイがいつもと違って愛想がいいのが伊丹にとっては逆に怖いようだった。

 

「随分と冷たいのね この躰の娘がお嫌い?」

 

「そんなことはありませんがっ ハーディ様」

 

「ハーディ」

 

「は?」

 

「ロゥリィのことも呼び捨ててらしたでしょ?」

 

「え?いや あのーーハ ハーディ・・・さん」

 

「まあ・・・いいわ 今は ついていらっしゃい」

 

ハーディに連れられ伊丹達一行はとあるレストランで食事を取っていたが皆体系には似合わない食欲ぷりに苦い顔をする。

 

「・・・す 少しはレレイに気を使ったらどうなの・・・ですか!?」

 

「あ〜あ 神になんかなるもんじゃないわよねぇ 無限の時の流れの中で役割を果たすだけどんどん無感覚になっていくんですもの 感情すら忘れてしまいそう」

 

「だから食べると?」

 

「そうよ 精霊種たるあなたならわかるんじゃなくて?数千の齢を重ねたエルフの生の終焉を あらゆることに飽いて無感動になり 最後には我が身を大樹の苗床にしてしまうんでしょ?」

 

「・・・・」

 

「じゃあ 食欲を満たせばレレイを返してもらえるんですか!?」

 

「ええ でも色々楽しんだからね」

 

「そんな・・・」

 

「もちろん 望みがかなったら今すぐ返してあげる ロゥリィ わたくしの嫁になりなさい 一緒に溶け合って永遠を楽しみましょう」

 

「いぃやぁよぉ もう間に合ってるものぉ」プイッ

 

「こちらの殿方のこと?」

 

とハーディが伊丹を指すとロゥリィは黙り込む。

 

「そう構えないで欲しいわ この躰の娘が好きなんでしょう?」

 

 

するとロゥリィが伊丹に近寄ろうとするハーディにハルバートを突き付ける。

 

「いい加減にしないとぉ怒るわよぉ」

 

「亜神の分際で礼儀を知らない娘だこと」

 

「正神だろうと関係ないわぁこれこそ礼儀の問題よ さっさとレレイから出て行きなさぁい」

 

「いやよ 霊格の低い娘しかいなかったんだもの仕方ないじゃない 久々の肉の躰よ ちょっとくらい貸してよ」

 

「誰があんたなんかに・・・ヨウジィもレレイもぉわたしぃのものよぉ」

 

「まあ かわいい妬いてるの?」

 

「愛のない交わりで真の歓びは得られないわぁ」

 

「さすが愛の神を目指すだけあるわ やっぱりあなたがいいわ 二人で愛し合いましょ」

 

「・・・だからぁ やめいっ 何回断ればわかんのよぉっ 今回来てやったのもそれをはっきり言うためだからぁ」

 

「あら残念 じゃあ そこのエルフの娘はどう?女の子でもイけるクチなんでしょ?」

 

「ハーディ様はお断りです 好きになれないから」

 

「はっきり言ってくれるわね そっちのダークエルフはどお?」

 

「御身なら聞かずともわかるはずでは」

 

「いじわるねぇ 今の肉の躰を通してしか意思を受け取れないのよ」

 

「ならば改めてお断りします。本日参上したのも信徒たる位階を返上申し上げるため 以前なら答えも違っていたでしょうが・・・友人 一族を・・・炎龍の餌とされた今となっては どうして御身に 好意など」

 

「ヤオ抑えろ」

 

「冷静になれ」

 

「・・・はい」

 

「ふうん そういう関係?だったら相手するよう命令してよ」

 

「お断りします ハーディさん・・・あなたがヤオやテュカに嫌われる理由はわかっているはず」

 

「知らないなんて言わせないぞ」

 

「・・・ええ だからといってあやまったりしないけど」

 

「な なぜです!?」

 

「なぜ?不毛な問いね 飲めば飲むほど渇きの増す海水と同じ 苦しみはなくならない だったら素直にわたくしを憎みなさい わたくしの罪悪感を掻き立てるために理由フリなんてしなくていいわ」

 

「フ フリとおっしゃるのか!?我らの怒りや苦しみを!」

 

「ええそうよ なんとも感じないもの わたくしは常に確信犯なのだから」

 

「ひ 酷すぎる!」 ダ ン

 

「酷い?なにが?弱肉強食は世界の習い 何を食べるか決めたのは炎龍自身よ わたくしが皿にあなた達を盛ったわけじゃない だから かわいい炎龍が討たれたことに文句は言わないわ そもそも冥府の王はわたくしなのです。死者の幸福は約束します。彼らは現世からあの世へ移り住んだだけ あなたの両親も友人もかつての婚約者も冥府で幸せに暮らしてあかるのよ」

 

「・・・幸せ?幸せだと!?幸せは神が与えるものじゃない自ら掴み取るもの・・・勝手に決めつけるな!!」

 

とヤオは片手剣を抜きハーディに斬りかかろうとしたが伊丹と大場によて止められる。

 

「やめろヤオ!躰はレレイなんだぞ!」

 

「止めるなイタミ殿 オオバ殿 此の身はっ 此の身はーー」

 

「わかってるけどダメだ!!」

 

「ハーディを殺すと言うことはレレイも殺す事になるんだそ!!」

 

「ロゥリィもだ!見てないで止めろよ!!」

 

「ーーー」

 

「・・・はい」

 

ロゥリィに睨まれヤオはハーディへの怒りの衝動を抑える。

 

「ハーディ 魂はおもちゃじゃないのよぉ 人形みたいに扱うのはやめて」

 

「救い出したければエムロイの使徒らしく戦って勝ち取りなさい」

 

「・・・そろそろ本題に入りませんか ハーディ様」

 

「何時迄もこうしていても埒があかない」

 

「その方がよさそうね あなた達に行ってもらいたいところがあるの クナップヌイ 何が起きているか見て確かめて来てちょうだい」

 

「クナップヌイ?」

 

「ベルナーゴ北方の辺境ですな」

 

「なぜ俺達に?」

 

「この世界のーーいえ 『門』で繋がった二つの世界の行く末に関わることだから」

 

「俺達の世界にまで・・・?」

 

「どう言うことだ?」

 

「・・・宇宙開闢の瞬間を源泉とする 川のようなもの 時空の地平たる混沌へ流れていく多くの川・・・山や谷の間を蛇行し狭くなったり隣の川と合流するほど近付いたりする そこへ軽く力を加えるとーー二つの世界は接触する その時『門』が開くの しばらくすると二つの流れはまたそれぞれの目的地へ離れていく・・・アルヌスの『門』は二つの世界の接点 本来は不安定な小さな穴・・・そこへ帝国の魔導師は『門』が消えないよう魔法装置を作ってしまった。例えるなら石の桟橋に船を錨でがっちり繋いでしまったの」

 

「なるほど・・・」

 

「そういうことか」

 

「時の流れは止まらない 船は繋がれて動けない それでも船は行こうとする・・・どうやっても流れには逆らえない すると 船体と桟橋はどうなるかしら?みしみし・・・きしきし・・・めりめりっ 桟橋にも亀裂が入ってーー起きたでしょ 地揺れ」

 

「ハーディ あんたの狙いはなぁに?」

 

「この世界をより美しくより素晴らしくするためかしら?」

 

「引っかき回すためでしょお?」

 

「そうとも言うわね」

 

「その割にはぁ なんであんなところに穴を開けたのぉ?」

 

「単なる偶然よ」

 

(偶然ってだけであれだけの犠牲者が・・・!?帝国が自分より強大な存在を知ったことで硬直した古い体制は揺れ動いている)

 

「ヒトによるヒトのための国がヒトだけで支えられなくなった。これから様々な種族が台頭してくることでしょう 面白いことになるわ。わたくしは見てみたいのよ 人間がこれからどんな決断をし どんな行動をするのか それが果たされた今わたくしは冥王としての責任を果たすため もはや不要となったあの魔法装置を破壊するつもりでした。そのためにアルヌスを占領している異世界の軍隊を排除しないといけない ジゼルじゃ負けそうだしあなたは手を貸してくれないでしょ?だからーー炎龍を目覚めさせたの」

 

 

魔法装置や日本軍を排除するために炎龍を目覚めさせたと聞いてヤオ、テュカ、伊丹、大場は目を見開き言葉が出なかった。

 

「そんなことのために・・・!?言葉のわかる相手なら炎龍を使わずとも話し合えばーー」

 

「プッ あなたがそれを口にするの?アルヌスで散々駆けずり回ってどうだったかお忘れ?」

 

「うっ・・・」

 

「いずれにせよ あなた達に任せます。わたくしの邪魔をしたのだから責任を取りなさい。わたくしはもう黙って見ているだけにします。見て 考え 決断し行動しなさい クナップヌイにはジゼルを行かせてるから報告は不要です」

 

「・・・はあ わかりました。なんか釈然としないな」

 

「・・・本当にわかってる?」

 

「ヨウジィはぁいつもこんな顔ょ」

 

「おかしいわね ジゼルの話と何か違うわ 五十ユン四方を一撃で掘り返す力を持ったバーサークだって聞いてたのに」

 

「は!?俺が?」

 

「正反対よぉ ヨウジィはいつも逃げてばっかり」

 

「面倒なことを避けるのに長けている」

 

「痛いとか辛いことも嫌いよね」

 

「なんでそんな奴が帝国軍人になったか不思議だよ」

 

「ほっとけ!どうせ面倒くさがりの臆病者ですよ〜」

 

「ヨウジィはそのままでいいのよぉ」

 

「こんな奴に炎龍が落とされたっていうの!?」 ガタン

 

伊丹の正体が聞いていた話と正反対の人物だった事に驚き椅子から立ち上がる。

 

「俺一人でやったんじゃないスけど・・・」

 

「ヨウジィを本気にさせたかったらぁ よっぽど追い込まなきゃあ」

 

「・・・わかりました。では やる気が出るよう褒賞を出しましょう」

 

「褒賞?」

 

するとハーディは、レストランの向かいの建物に向かって容器を投げた。すると建物から鎧を纏った男が落ちて来た。すぐにグレイとシャンディーが見に行く。

 

「刺客のようですな」

 

「なんで追いついて来るの!?今日ついたところなのに・・・」

 

「あなた達を悩ませる問題の大部分を片付けてあげます。この娘を狙っている連中に夢のお告げをくだしました。軽率な連中はここに集まって来るでしょう」

 

「夢のお告げってやっぱりぃ あんたぁ・・・」

 

「まあそれでも助かります。これでだいぶ楽になりますから」

 

「あきれた まだ 逃げるの?」

 

「だめですか?」

 

「・・・信じられない あなたがいて人生の大事な真理を教示してないの?」

 

「ヨウジィには必要ないのよ」

 

「いいですか?『問題』は 逃げれば逃げるほど行く先々で待ち構えているものなのです。この先の試練は避けて通ることができないわよ。そろそろ覚悟を決めなさい この娘を学会に出席させるんでしょ?」

 

「・・・ええ わかってます」

 

「けど もしも もしもですよ。学会に出ずに逃げたらーーもう わかっているんでしょ?あなた達の敵はあきらめない 私のお告げに釣られなかった手練がどこまでも追って来る。そう 最後にはあなたの大切な人達のいるアルヌスへ」

 

「あー やっぱり?」

 

と伊丹は苦笑いをしながら参っていた。

 

その後伊丹達一行はベルナーゴを出発する。Sd Kfz11の中で元に戻ったレレイは、神が離れてもまだ伸びたままだったので切り落とした自身の髪の毛の束を見つめて物思いにふけっていた。時を遡りハーディがレレイの躰から出た頃。

 

"神官ならぬ身で神たるわたくしをその身に降ろした褒美として 聖術の使用を許します。その髪を触媒としなさい。ただし一度使うとその用途は定まってしまいます。よく 考えなさい あと・・・久しぶりにごちそうを食べたから ちょっっと食べすぎちゃったの 脂肪をある部位に集めることもできたけど 彼の好みと変わっちゃってもいやでしょ?だからやめておいてあげたから フフフ・・・"

 

そう言ってハーディは消えていた。そして現在、

 

「その髪見た時の神官達の物欲しげな顔覚えてる?髪先整えたときに出た小さな髪の毛残らずかき集めて 布に織り込んで神殿に祀るそうよ」

 

「レレイが壊れなくてよかったわぁ」

 

「何か体調変わったところないよな?この件どう報告するかな・・・」

 

「・・・大丈夫」

 

 

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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