GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
アルヌスへ向かった大軍勢が一夜にして消えたー在郷の貴族や騎士も根こそぎ軍務についた結果民衆にもたらされたのは盗賊の跳梁だけー
「コダ村か 炎龍が出たって逃げ出してのは羊の群れだな」
渓谷の下に十数人の着崩れた男達が焚き火を囲んで話していた。
「手が足りねぇんじゃ?」
「人集めるんだよ 大仕事ができるぜ 村や街を襲おう」
「領主追い出すのも夢じゃねぇぜ どうです?お頭」
男達の話している焚き火の横には馬車とそれに乗っていた商人は首を掻っ切られて死んでいた。
「盗賊の頭から領主様か 悪くねぇな」
自分が領主になり、豪華なご馳走と幾多の女性たちに囲まれた姿を想像したが、そんな夢は直ぐに闇へと変わった。
「あ?(え!?あれ・・・俺・・・か?)」
いきなり自分達の頭が死んだ事に他の手下の男達は動揺した。そんな中、渓谷に幼い少女の笑い声が響いた。声だけ聞くと怪奇現象であった。
「クスクスクスクスクス おじサマ方ぁ 今宵は生命をもってのご喜捨どうもありがとぉ 主神にかわってお礼を申し上げますわぁ」
盗賊達は岩の上の人影に目を向ける。そこには、全身漆黒の服に身を包み、鉄の塊の様に思わせるハルバート、そして目は血の様に赤く細い腕でハルバートを振り回す一人の少女の姿があった。
「神があなた達を大層気に入られてぇ お召しになるっておっしゃられてるのぉ」
その間にも彼女を見た盗賊達は徐々に引いていた。
彼女が一歩進むたびに一人また一人と盗賊達がハルバートで上半身と下半身に切り裂かれる。そんな中、白い月明かりが少女の姿を照ら
す。
「なっ なんでぇてめぇは!?」
少女はクスリと笑いながら口を開いた。
「私はロゥリィ・マーキュリー 暗黒の神エムロイの使徒」
彼女の正体を知った盗賊達は恐怖のあまりその場で立ち尽くした。
「・・・間違いねぇエムロイ神殿の神官服だ・・・」
「じ 十二使徒の一人、死神ロゥリィ・・・!」
「逃げろぉ!」
「あら」
盗賊達はロゥリィの正体が判明し恐れ慄いて逃げ出す。
「だめよぉ逃げちゃあ」
「いっ」
ロゥリィは自分の何倍もの重さもあるハルバートを軽々と手に持って飛んだ。すれ違いざまに盗賊達の体を次々と真っ二つに切り裂きつける。
「神はおっしゃられたわぁ」
「ひっ あわっ」
「う 人は必ず死ぬってぇ だ・か・ら 決して逃げることはできないのよぉ」
最後の一人となった盗賊も、振り下ろされたハルバートによって全身が砂煙と轟音と共に消え去った。そして一人生き残って逃げる盗賊の一人。
「なっなんで エムロイ神殿の神官が・・・こんな所に・・・っ」
バチャン
「うわっ」
男は泥沼に転がる。
「くそおぉおおっ なんだ俺がこんな目に・・・」
「あらぁ あなたも他のオジサマ達とぉ 殺したり楽しんだり イイ思いしたでしょお?」
と背後から忍び寄る黒い影男はロゥリィに引き摺られていた。
「うっ いっ おっ俺はまだやって・・・ねぇ ぐへっ いでっ 俺はまだ・・・新米だ・・・から」
「ふぅ〜ん」
そしてロゥリィは男を放り投げる。
「うあっ あうっ」
そして近くには盗賊達によって犯され殺された女の死体があった。
「みんなもヤったんだから最期にヤっとけばぁ?私が頼んであげる どっちが好みぃ?あら 困ったわもう召されてしまったようね ごめんなさい 間に合わなくて でもぉ せっかくだからぁ ヤっとけばぁ?」
男は必死に慈悲を乞う。
「助けてくれ!俺がヤったわけじゃないんだ!本当だ!まだ一人も殺してねぇよ!盗賊に入ったのも生きるためしかたなく・・・家が貧乏でー」
「・・・醜い」ハァー
ロゥリィは男の言い訳に溜息を漏らす。
「主神は善悪にかかわらず人を殺すことが罪だと言ってるんじゃないわぁ あらゆる人の性を認め生きるための職を尊ぶのよぉ たとえそれが盗賊だとしても」
"盗賊なら盗賊として 兵士なら兵士として 命のやりとりをする覚悟を持って堂々とその道を誇ればいい ならば私は使徒として 彼を愛したかもしれない"
「改心する!真面目に働く だから命だけはー」
「見苦しい・・・殺すのがいやなら物乞いにでもなればよかったんだわぁ・・・男として存在価値なし・・・あの三人のお墓掘ってあげなさぁい」
「掘るって・・・道具がー」
「母親から頂いた 両手があるでしょう?」
とロゥリィのキツイ一言で男は必死で土を掘る。
「いてぇ・・・手が・・・」
「ほらぁ手が止まってるぅ」
「ヒッハッハッ」
そして男は三人分の墓を建てる。
「こ これでいいか?」
男はロゥリィの方を見るとロゥリィは懺悔していたそして懺悔し終わるとハルバードを手に持つ。
「え・・・っ ちょっ 言われたことやった・・・やりましたよっ 助けて・・・やめろおぉおっ」
男の命乞えも聞かずハルバードを振り下ろす。
夜が明けてコダ村の人々を護送して三日が経っていた。その日救出したエルフが目を覚ました。
「黒川軍曹 どうだ?女の子の様子は?」
「伊丹中尉・・・血圧は安定していますし意識も回復しつつあります。今もうっすらと開眼しています」
「はー しかしまいったなー遅々として進まない避難民の列 次から次へと湧き起こる問題。増えていく一方の傷病者と落伍者 おまけにこの前の雨で道路状況も最悪。逃避行ってのはなかなか消耗するもんだねぇ」フー
伊丹は後方に続く馬車の列を見て溜息を吐く。避難民は皆疲れと暑さで参っていた。
「メリザ!いくぞっ それ!」
「ハイヤッ」
と手綱を引く。
「こんな所で動けなくなったらのたれ死にだよ 誰か助けておくれ!」
助けを求めるが誰も助けに来ない。
(神様なんて在るだけで誰も救われない・・・誰か助けて!誰か・・・誰かー)
とその時
「はまっているだけだ押すぞ!」
と後ろから日本兵達が荷車を押す。
「根性見せてみろ!」1 2 3!」
「「「「そー りゃっ」」」」
と荷車がぬかるんだ道から抜け出した。
「よーし 次は馬車だ」
「あ あのあんた達ー」
日本兵は笑いながら行ってしまた。
「・・・誰だいあの人らは?」
「さぁ どこの兵隊だろうね」
「ホラ 炎龍出たって村に伝えに来た連中さ 異国の人らしいが人が良すぎやせんかね」
そんな矢先一両の荷車が脱落していた。
「だめです隊長 車輪が折れてます」
「んー 仕方ないねぇ村長呼んできて」
そして村長がやって来た。
「村長・・・」
村長から言われたことに男は驚く。
「そんな・・・っ 荷と財産を捨てるなんてっこれからどうやって暮らせと!?」
「ここにとどっまても死を待つだけじゃ 命あっての物種じゃないか 背負える分だけでも持って逃げるんじゃ」
「・・・く・・・わかりました・・・これでいいんじゃろ?」
「すみません」
伊丹は荷車の処分を命じ一〇〇式火炎放射器で荷車を燃やす。
「伊丹中尉・・・どうして火をかけさせたんですか?」
「荷車を前に全然動こうとしないんだもの それしかないでしょ」
「車輌の増援を頼むわけにはいかないのですか?」
「黒川くん 一応ここはエネミーラインの後ろ側なのよね。そりゃ力ずくで突破できなくもないよ?けど大部隊が自軍の勢力圏内で動いたら敵さんも動かざるをえないでしょ?偶発的な衝突 無計画な戦線拡大 戦力の逐次投入 瞬く間に拡大する戦禍と住民の被害 考えるだけでぞっとするってさ」
「そう 言われたんですね」
「だから 俺達が手を借す。それぐらいしかできないんだよ」
第三、第一偵察隊はティーガーⅠを先頭にしてゆっくり進む。
「しっかし もうちょい速く移動できないスかねぇ・・・こんな遅く走らせるの機甲科練習生の訓練以来スよ」
倉田はチラリとバックミラーをみる。そこには子供、妊婦、負傷者を乗せていた。
「しょうがないでしょ 徒歩に荷馬車みんな疲れきってるし」
「そうスけど・・・」
そんな時伊丹が双眼鏡で前方を見る。
「中尉 前方カラスっスかね?妙に飛び交ってますよ」
「そうねぇ・・・んん!?」
そうしていると
「前方に誰かいる」
「え!?」
そこには頭から爪先まで全身黒一色の少女だった。格好はどこかヨーロッパ風の人形の様で側には外見には似合わない大き目の斧を携えている。
「ちょっと何をしているのか聞いてみよう」
車から降り黒服の少女に特地語で話しを掛けてみた。
「ねぇ、貴方たちは何処からいらして、どちらへ行かれるのかしらぁ?」
「えーと・・なんて言った?」
「いや、分かりません」
「見た目は子供の様ですが・・」
困惑する伊丹達を他所に、子供や大人一斉に少女の周りに群がり崇める様に歓声した。
「神官様だ!!」
「何処から来たのぉ?」
「コダ村からです!」
「村を皆から逃げ出しまして・・」
「炎龍が出て来て、ここまで来ました」
「嫌々連れて行かれるって訳じゃ無いのねぇ?」
どうやら彼女は宗教の教祖てきな存在なのかもしれないと思った。そんな彼女が今度はこちらに顔を向け、興味津々で伊丹や大場達や装甲車を見つめる。
「それにしても・・・随分変わった格好ねぇ」
「でも色々助けてくれるんだ!優しいし、悪い人達じゃないよ!」
「これどうやって動いてるのぉ?」
「分かんない、僕が知りたいくらいだよ。でも乗り心地は荷車よりずっと良いよ!」
「へぇ〜、乗り心地が良いのぉ?私も感じてみたいわぁ、これの乗り心地。・・ちょっと詰めてぇ〜」
「おいおい!待て待て!機関銃に触るなって!!」
「狭いよ、お姉ちゃん」
「わぁ!何持ち込もうとしてんの!?」
そしてどう言う訳か伊丹の膝の上に少女が座る。
ちょっと教育上よろしくないが仕方ないと割り切って出発する。
「それにしても暑いですね!隊長」
「文句言うなよ」
つい先日まで雨が降っていたのだ、そのお陰で道はぬかるんでいる。
時々馬車がぬかるみにはまってしまう。
時折第三偵察隊と第一偵察隊が引いたり押したりしている。
それから数時間後
何事もなく平穏に避難民を護送していたが猛烈な太陽の光が避難民達を大いに苦しめていた。
「おかーちゃん のど渇いたよー」
(ああ・・・息子だけでも・・・あの茶色の服の連中に・・・)
その時頭上に大きな影が実現したそれは炎龍だった。炎龍は避難民に襲い掛かる。必死に逃げ惑う避難民。
「中尉!炎龍出現!!隊列後方が襲われてます!」
「くそっ こんな開けた所で・・・!」
『伊丹中尉!!応戦しよう。我々の持っている全ての武器で戦うぞ』
第一偵察隊の大場大尉から無線が入る。
「分かりました!全員戦闘準備」
伊丹の命令に第三偵察隊の隊員がstg44を構え装甲車は銃身を向ける。
「攻撃開始だ!!」
第三偵察隊と第一偵察隊はドラゴンに攻撃を開始する。避難民は慌てて逃げるがドラゴンに捕食されて行く。急いで伊丹達も反撃をするが小銃や機関銃ではドラゴンの厚い鱗にダメージを与えられなかった。
「全く効いていない」
「マズイなぁ」
もはや絶望的だった。
「伊丹中尉!目を狙ってください!どんな頑強な奴でも目は弱い筈です!!」
「分かった!全員目を狙え!」
伊丹の命令に第三偵察隊の隊員はstg 44をドラゴンの目に向け大場の第一偵察隊の隊員もstg 44とMG42と九七式重機関銃ドラゴンの目に向け撃つ。
そして援軍に駆けつけていたティーガー戦車でも砲塔を旋回させていた。
「戦車長!榴弾の装填完了です!」
「よーし!」
伊丹と大場達の一斉射撃とロゥリィのハルバートでドラゴンの足下を突き刺され縺れかかる。
「撃ってぇ!」
ティーガーの88mm砲がドラゴンの腕の付け根に命中し鱗の皮が剥がれる痛みに堪え兼ねたドラゴンは一目散に退散して行った。
「終わったのか?」
「あぁ、終わったんだ」
その後、ドラゴンを撃退する際犠牲になった村人達の墓を作って犠牲者に対する追悼の意を表明し黙祷をする。
「伊丹中尉、大場大尉。村長から聞いた話では生存者の大半は近隣の身内のところに行くか何処かの街か村に避難するそうです」
と隊長方に報告する。
「そう言う事になると後は子供に老人に怪我人だけか」
「後は他の理由で残ったのが数名程合わせて二十五人です。」
「どうしましょう。大尉」
「取り敢えず、村長に話を聞いてみよう」
と村長の所に行く。
「へ?神に委ねる?」
「薄情に思うかも知らんが儂らも自分の世話で精一杯なんじゃ理解してくれ救ってくれたことには感謝しとる」
「・・・・」
その後避難民と別れて見送った。
「・・・・ あの茶色の人らお人好しすぎやしませんか?見返りもなんもいらないって?」
「ま あんな腕の立つ連中貴族や領主がほっとかんさ。なにせ炎龍と互角に戦ったんだぞ」
見送り届け段々と見えなくなったところで、
「さて・・・と」
「そうだな」
伊丹と大場は避難民の方を見る。皆何か悲しげな表情で見ていた。それはまるで捨て犬のような目をしていた。
「ま いっか」
「そうするしかないか」
「だぁ〜いじょ〜ぶ ま〜かせて!」
それを聞いて皆笑顔になった。
「全員乗車!アルヌスに帰投する!」
「乗り切れない奴は戦車の上にでも乗れ!」
アルヌスに帰投する。
沢山乗れる九四式自動貨車やSd Kfz251でも隊員と避難民合わせても足りないので残りの者はティーガーの車体の上に乗ってもらう事にした。そのような形で司令部に帰還する。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い