GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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彼の許へ

ある朝帝都のとある隠れ家にて逃走中のガーゼル候とシェリーは、隠れ家に潜伏していた。

 

「侯爵様のご領地は遠いのですの?」

 

「遠い辺境じゃ 馬でも三十日はかかるのう」

 

とカーゼルとシェリーは、日本の非常食である海軍の乾パンやドロップに陸軍の金平糖などを食していた。

 

「そんなに遠くでは、とても路銀が続きませんわ・・・」

 

とシェリーの手には、既に真珠は3個しか残っていなかった。

 

「この部屋を借りるのにも使ってしまいましたし」

 

「食べ物も半分渡したしのぉ(先日道端で飯を食って人目を集めてしまい慌てて人家の戸を叩いたが、ここの家主は信用できる者だろうか・・・)」

 

とカーゼル侯はこの家の家主が信用に値するか疑っていたがその考えが的中する事態になる事をまだ知らなかった。丁度その頃帝都の通りでは、カーゼル侯爵とシェリーの石細工の首と賞金の告発が行われているところに家の家主が居合わせてしまっていた。

 

「この者らの居所を通報した者にはシンク金貨五十枚を報奨として与える。だが匿った者はこの者らと同罪!厳罰をもって処す!見た者はおらぬか?」

 

一方その事を知らないカーゼルとシェリーは、

 

「あのお掃除係のお役人達は 広げた綱を絞ってわたくし達を追い込んで参りますわ。ただし わかりやすい逃げ道を開けて」

 

「うむ 狩りと同じじゃな そこで儂らを待ちかまえておるじゃろう」

 

「侯爵様 亡命いたしましょう」

 

と突然のシェリーの亡命にカーゼルは言葉を失い目を見開く。

 

「だが・・・どこにかね?帝都すら出られない儂らに帝国国境は夢の彼方じゃぞ?」

 

「・・・いいえ 実は今 帝都の中に外国がございます」

 

「な なんじゃと?」

 

「翡翠宮 外交協定で守られた翡翠宮はいわば外国 帝国のいかなる者も手を出せませんわ」

 

「宮殿の下男が警備の隙を教えてくれたがニホン帝国の使節が快く迎え入れてくれると思うかね?」

 

「スガワラ様のお情けにお縋りいたします。わたくし達にはもうそれしかありません」

 

「スガワラ・・・ああ あの男か いいのかね?彼に迷惑をかけることになる。経歴どころか命さえ危うくなるかもしれないぞ?」

 

「わかっています・・・このシェリーが生涯をかけてお尽くしすることで罪滅ぼしをいたします」

 

「そこまで慕っておるのか・・・だが彼はいいとして周りはどうする?」

 

「わたくし これでも結構腹黒な娘なんです。スガワラ様にお近付きしたのもテュエリ家のため帝国とニホン帝国の間に立って おいしい思いができると思っておりました。でも でも・・・そのせいで・・・お父様とお母様がーー」

 

「違うぞ それは儂がーー」

 

「侯爵様 この腹黒娘は 今考えております。お父様とお母様の仇をどうやってとろうかと・・・」

 

「掃除夫の連中相手にか?」

 

「いいえ もっと大きなものにです。そのためにはさらに大きな力を引き入れないとーー」

 

「はた迷惑なことだ。儂ら・・・いや君にそんな権利があると?」

 

「いいえ けど仕方ありません ここで終わりたくないのですもの 両親の仇が討たれるのを見るまでは その後長生きして人生を楽しむつもりですから ぜったいこの場を切り抜けてみせますわ」

 

「・・・あやつらが捕らえるべきは君だったのかもしれんなあ」

 

「歴史で学びました。平和には戦ってつかみとる平和と征服して奪われ続ける平和がある。生き残るのは正しい者ではなく戦う意思のある者 周りの犠牲や自分の罪で手を汚すことを恐れない者ーーですからわたくし 進んでこの手を血で汚します」

 

「ーーわかった。その罪 儂も背負おう。シェリー あの時叩いてすまなかった」

「いいえ あれは致し方なかったことです。あれで覚悟を決めることができました。わたくしにはもう子供のように泣いている時間はないのだと ご心配おかけしましたがもう大丈夫ですわ」

 

(この娘に子供であることを許さなかったのは儂だ。ただでさえ子供らしさが欠ける利発な子だったが大人になることを急かしてしまった。しかも とてつもない存在に変貌しつつある。なんと痛ましいことだ)

 

この時カーゼルとシェリーは気付いていなかった。この時の会話は全て外にいたこの家の家主に聞かれていたのだった。

 

(やっぱり カーゼル侯だ。手配のかかってる二人じゃないか 金貨五十枚は俺の物だぜ)

 

だがこの男も気づいていなかった自身に忍び寄る魔の手に。

 

その夜外が騒がしくシェリーが目を覚ました。

 

「侯爵様 侯爵様」

 

「んん・・・どうしたね?」

 

「あの音が聞こえませんか?」

 

「音・・・?」

 

耳を澄ましてみると数人の足音やドラムを鳴らす音が聞こえる。

 

「街中で・・・灰色熊じゃあるまいし 西からか・・・」

 

「あの音 なにかドキドキしますわ」

 

「うむ 家主や隣家のこともある。この家を出るとしよう」

 

「北に逃げましょう まっすぐ翡翠宮へ」

 

「騎士団の交代式の時間に合わせたかったが・・・」

 

「致し方ありませんわ」

 

そう言ってカーゼルとシェリーはローブを纏い家を出て翡翠宮を目指す。そんな光景を見る謎の影はある部屋へと行くとそこにあったのは首を刃物で切られてベッドに寝かされている家主の死体と未だに謎の多いテューレの部下ボウロだった。

 

「さあ派手に踊ってくださいな これで色々と面白くなりまする」うひひひひ

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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