GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

74 / 165
決断の夜明け

正門に掃除夫が来た事は、瞬く間に知らされた。

 

「掃除夫が?」

 

「ハッ 数にしておよそ百」

 

「・・・やって来るのが少し早すぎないかしら?」

 

「見張られていたのでしょう。怪しい人影を見たという報告もありましたし」

 

「仕方ないですわね・・・代表の方をここに」

 

「ハッ」

 

そんな中逃げて来たカーゼルは絶望感に打ちのめされていた。

 

「侯爵閣下・・・・残念です」

 

「ーーああ」

 

「彼らはいささか偏執的すぎますわ」

 

「奴らには奴らの事情があるのだろう。儂らが心配することではないがな・・・」

 

一方正門では掃除夫が入門して来た。警備に当たっている騎士団はこの掃除夫の軍勢を疑い深い目で見ていた。そしてオプリーチニナ委員長が天幕に入って来た。

 

「帝権擁護委員部 委員長ギムレット・ジン・ライムです。お見知りおきを カーゼル侯爵閣下お探ししましたぞ」

 

方杖を突いて何処吹く風の方なカーゼルの前にボーゼスが立ちはだかる。

 

「これはこれは」

 

「ーーフン 何を今さら」

 

「お手柄ですぞ。ボーゼス隊長代行。これでピニャ殿下へのゾルザル殿下の覚えもめでたくなることでしょう」

 

「ピニャ殿下の・・・?」

 

「おや ご存じない?いけませんな ピニャ殿下は今 大変微妙な立場におられるのですよ。そう あなたの振る舞い一つで 命に関わるほどにーーよくお考えいただきたい」

 

ボーゼスの緊張状態を嘲笑うかのように笑うギムレット委員長。

 

『スガワラ様 ひと目お姿を!』

 

「ところで 外でピイピイ鳴いているヒナ鳥は何ですかな?」

 

「こ ここにお会いしたい方がいるとか」

 

「なのに 無視されているとニホン人も薄情ですな おい!」

 

「ハッ」

 

「あれとて両親を殺めた連中に同情されたくなかろうて」

 

と皮肉った発言をするカーゼル侯爵にギムレットはこの場で私事に任せないこの状況を褒めて欲しいと言う。

 

「私らも多くの同志を失いました。その恨みをこの場で晴らさない自制心を褒めていただきたい。では閣下」

 

「ーー致し方あるまい」

 

丁度その頃ヴィフィータが宮殿から出て来た所掃除夫が目に入った。

 

「チッ 便所掃除野郎ども・・・」

 

『スガワ・・・ケホッ ケホッ ス・・・スガワラ様!シェリーはいつまでもお待ちしております!』

 

「おい行くぞ」

 

『スガワラ様ー!!』

 

この状況に何も出来ない日本使節団は全員憤りを感じていた。

 

「だめだぞ。菅原 耐えろ!」

 

「俺達が何のために来たか忘れるな!」

 

「つらいのはわかる知り合いだもんな だが軽はずみな行動ですべてを水泡に帰していいのか?」

 

「・・・くそっ なんで俺が・・・」

 

『スガワラ様せめて せめてひと言目の前で(あきらめろとーースガワラ様はわたくしのわがままに付き合ってくれていただけ だから だからこそ わたくしの想いがとどいているか。直に確かめたい それであきらめろと言われたのなら 素直に笑って『はい』と受け入れられるーー)シェリーはお声をかけていただくまで動きません!!』

 

「いい加減にしなさい!騎士団の諸君もよく見ておくといい。反逆の徒は齢に関係なく容赦はしません。家族の顔を無事見たいのであれば 我々に協力することです」

 

「キャッ」

 

「連れていきなさい」

 

「ハッ」

 

断固として動こうとせず掃除夫に引っ張られても芝生を握りしめて動こうとしなかった。

 

「ああっ やっ あっ あっ いやっ スガワラ様ぁ たすけてえっ」

 

その叫びに業を煮やした菅原は慌てて飛び出して行く。

 

「待て!菅原!!」

 

「あの・・・バカ」

 

これを見て吉田茂は独断の決断をした。

 

「みなさん どうあがいてもこの手は汚れるのだ。ならばせめて知人が救われる道を選びましょう。亡命者の受け入れを開始する」

 

「いやぁ」

 

「おとなしくしろ!」

 

「放して!」

 

「おいっ ボーゼス!」

 

掃除夫に連れて行かれるシェリーに騎士団はどうすることもできなかった、すると

 

『その汚い手を放せ!!』ハア ハア

 

と菅原が息を切らしながら掃除夫に叫んだ。

 

「これはこれは使節殿 なんの御用ですかな」

 

「その 薄汚い手を彼女から放せと言ってるんだ!コバルト頭ども!!」

 

「・・・口を挟まないでいただきたいニホン帝国の使節殿。同じ帝国として忠告させて貰う。これは我が帝国の問題だ」

 

「そうだ!敵国の人間が口を出すな!」

 

「無関係な人間の出る幕ではないっ」

 

「無関係じゃないぞ。その娘は 俺の関係者だ」

 

「だからさあ どういう関係か。はっきりしねえと説得力ねえんだよ。この場を収めるためにはよお」

 

とヴィフィータに言われ、菅原は大きく息を吸って叫んだ。

 

『その娘は俺の婚約者だ!十五になったら妻に迎える!!俺の嫁に汚い手で触るなっ 返してもらおう!!』

 

「関係者の許可が出たぜ!その娘 中に入れてよし!!」

 

と即座にシェリーを掃除夫から引き離す。

 

「うわっ」

 

「ほらっ 落とすなよ。色男!!」

 

と掃除夫から菅原へとシェリーが渡った。

 

「貴様ぁっ」

 

「貴様 許可なく境界線を越えたな?」

 

「え!?」

 

足元を見るとシェリーを奪い返そうとした掃除夫の一人が芝生に入っていた。

 

「境界線を越えた者は皇帝陛下の勅命に従い排除する!白薔薇隊戦列を敷けえ!!」

 

の号令により騎士団は掃除夫を取り囲み捕らえられていたカーゼル侯爵を奪還する。

 

「あっ」

 

「委員長 カーゼル侯がっ」

 

「貴様らぁ・・・」

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。