元女神たちとのキャンパスライフ   作:シラユキ

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 今回新キャラが二人ほど登場しますが、今後の登場頻度は未定です。

 相変わらず凛との会話が多めとなっています。他二人がメインの話も書かないと……


可愛いとかポロっと言っちゃいけない

3話

 

「スパイク終わったら次ゲームやるぞ!!スパイクやるまでに同じポジションのやつとじゃんけんして2チームに分かれとけよ!」

 

「さーて、誰にカモになってもらうかなー」

 

「雅哉、昨日のリベンジをさせてもらうぞ」

 

「今日もボコボコにしてやるよ」

 

「上等だ!」

 

 取り出したのはカードの束。それをよくシャッフルした後に相手に渡し、返してもらって床に置く。

 

「「じゃんけん……ほい!」」

 

 俺がグーで相手はチョキ、おそらくこの勝負はもらっただろう。

 

「「デュエル!!」」

 

「カードとモンスターをセットして太陽の書発動。リバースしたメタモルポッドの効果発動、それにチェーンして月の書発動。何かあるか?」

 

「……あるわけねえだろ。サレンダーだよ。ちくしょうが」

 

「今回も俺の勝ち、っと。やっぱこのサークル頭おかしいよな。趣味にバッチリあってるから大歓迎ではあるんだけども」

 

 じゃんけんをしてチームを決めろと言われてるのにカードゲームをする、頭がおかしいと思われるかもしれないが、俺の入ったこのサークルではこれがまともなのだ。

 

「俺もそれは思うな。デュエリストの集まるバレーサークルとか普通に考えたら意味わかんねえよな。何を決めるにしてもこれだし」

 

「じゃんけん=デュエル(ソリティア推奨)だから仕方ないな」

 

 入学式直後はサークルに入ることをあまり考えていなかった俺だったが、このサークルの勧誘を見て速攻で入る決意をしてしまった。顔にペイントで黄色のマーカーを付けて「おい、バレーしろよ」とか「メンバーは拾った」だの、「俺たちはレアだぜ」とか言ってればわかってしまう。

 まあ、全身青のタイツでイルカのコスプレをしてケケケケケって言ってたのはドン引きしたけども。

 

「で、今日の歓迎会あの子達来てくれるのか?」

 

「まだわかんねえな。練習前にようやく先輩方に条件の承諾もらったからな」

 

「何を渋る要因があるんだよ……全員少し自重すりゃいいだけなのに」

 

「いや、人数が増えていって収集つかなくなったから部長の一喝で」

 

 今日で入学式から約二週間。サークル加入も落ち着いてきたので新入生歓迎の花見をしようという話が少し前に出た。ここまではよかった、この後発せられた一言が問題だった。マネージャーをやっている女子の先輩からもう少し女子がほしいと言い、入学式翌日の校門前の出来事を思い出した先輩方からの賄賂(おねがい)に負けて俺がこの話を切り出すはめになってしまった。

 

 この話を凛たちにすると、凛はお花見楽しそうにゃ―と言って即決。しかし、残りの二人からは自分がよくわからない趣味ばっかり集まっているところに行くことに難色を示されてしまった。

 そのことをそのまま部長に報告すると、部長から全員に自重令と過度に話しかけたりするのを禁止が出された。その直後に一部の先輩がテンション上がったあいつはヤバイからあいつは置いていこうと冗談……と信じたい名指しの暴露が飛び出し、そこから周りを巻き込む暴露合戦に。

 

「結局は部長かマネージャーさん権限でやらかしたら即帰らせるってことで落ち着いた」

 

「ま、女の子が来てくれるってなら俺は大歓迎だけどな」

 

「よし、お前一番に帰らされちまえ」

 

「ひでーなおい」

 

「おい、始めるぞ!終わってないやつらは1ターン待ってやるからとっととライフを消し飛ばせ」

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━

 

 

 

「桜きれいだにゃー!」

 

「ご馳走してもらってほんとによかったのかなぁ?」

 

「招待する側がそう言ってるんだからいいんじゃない?」

 

「そういうことだ。というか一回生は全員ただだから気にすんな」

 

 無事に真姫と花陽にもOKをもらい、花見は開催された。すでにシートが敷いて場所取りがされていたところに先輩方がオードブルやフルーツにお菓子などの食べ物とドリンクが用意してくれた。どうせ変なものは混じっているだろうが。

 座る位置は凛たちとの唯一の知り合いということもあり俺は基本的には近くにいることになった。

 

「そうそう。にしても、やっぱ本物はいいな!アイドルやってなくても十分可愛いけどな!!」

 

「よし、お前はいきなり帰りたいらしいな」

 

「悪かったから!これ以降は言わないから許してくれ!!」

 

 脅迫が効きすぎたのかその場で見事な土下座が披露される。なんだろう、すごくこの頭を踏みつけたくなる。

 

「はぁ……今回は見逃してやるよ。で、この土下座してる無様なやつは高鳥要(たかとり かなめ)。学部は…………どこだ?」

 

「文学部だよ。テメェ、後で覚えとけ」

 

「文学部なら花陽と一緒ね」

 

「え、えっと……よろしくお願いします」

 

「かよちんよかったにゃー」

 

「おい、要。食い物取りに行くぞ」

 

「はいはい」

 

 凛たちを残して席を立ち、食べ物を適当に皿に盛る。二人で両手に皿を持って戻ると、三人しかいなかったはずのところに四人目がいた。

 

「七海さん、来てたんすか」

 

「あたしが呼んでって言ったわけだし? 来ないわけにはいかないでしょ? お姉さん、こんなかわいい子たちが来てくれて嬉しいな―♪」

 

「「……お姉さん?」」

 

 増えていた四人目の正体は立川七海(たちかわ ななみ)さん。言葉だけを聞いているとすごく大人っぽいのだが、その見た目は高校生……いや、人によっては中学生と言っても納得してしまうほどの低身長と童顔、俗に言う合法ロリと言うやつだ。だからお姉さんと言ったことに首をかしげた俺たちはおかしくない!

 

「あんたら二人、次の練習のときにこきつかってやるから覚えときなさい」

 

「今日三人を呼んだ功績で俺だけ免除でお願いします」

 

「お前!きたねえぞ!!」

 

「……それもそうね今度の大会前の調整相手だけで許してあげる。高鳥、あんたはだめよ」

 

「あ、そういや。凛、七海さんは俺たちの学部の先輩だから頼りにするといいぞ」

 

「わかったにゃー!」

 

「お姉さんに任せなさい!!何でも教えてあげるわ」

 

「ねえ、雅哉。私と同じ学部は誰なのかしら?」

 

「一番まともなのは部長だな。七海さんお願いしてもいいですか?」

 

 今日の花見に真姫と花陽を説得するときにメリットとして二人と同じ学部の先輩と接点が作れることを提示してある。部長以外にも医学部の先輩はいるが……今は近づかない方がいい気がする。

 

「おっけー。真姫ちゃんだったわよね?あたしが案内するから行きましょうか」

 

「それじゃあ、俺は花陽ちゃんと話がさせてもらいたいな」

 

「……わ、私ですか?」

 

「せっかく同じ学部なんだし、と思ってね。無理そうならやめとくから。正直に言ってくれていいよ」

 

「えっと…………よろしくお願いします」

 

 花陽は少しだけ悩むそぶりを見せたが、何かを決めたのか要の提案を承諾した。

 

「それじゃあ凛は雅哉くんとお話するにゃー!」

 

「お話って言われてもな……何話すんだ?」

 

「それなら……雅哉くんのやりたいことを聞きたいな」

 

「やりたいこと?」

 

「夏休みにここ行きたいとかでもいいよ」

 

「なら……長野だな」

 

 計画していたわけではないが、前にテレビで見て行ってみたいとは思っていたところを思いだしたので丁度いい。ここで凛に話をしてしまったのだからどうせなら行ってみよう。

 

「長野?何かあるかにゃ?」

 

「日本で一番星が綺麗に見える場所があるんだよ。たしか…………こんな感じに」

 

 スマホで検索するとすぐに画像が出てきたのでそれを凛に見せる。凛はじっとその画像を見つめた後、それと見比べるように頭上に広がる夜空を見上げる。

 

「…………すごいね。凛たちが今見てるのとは全然違うよ」

 

「星はビルとか街灯とか、灯りがあればあるほど見えなくなっていくからな。こんなに明るいところと比べたらほんとに桁違いだと思うぞ」

 

「雅哉くん。凛も一緒に行っていいかにゃ?」

 

「もちろん。ただ、それだと泊まりがけのデートみた「ま、雅哉くん!?何言ってるにゃー!」

 

 思ったことを口に出してしまい、まずいと思ったが時既に遅し。凛の顔は真っ赤になり、照れ隠しなのか猫パンチでポコポコと叩いてくる。正直言ってすごく可愛いです。

 

「もちろんかよちんと真姫ちゃんも一緒だからね!二人だけじゃないからね!!あと、声に出てるにゃーー!!」

 

「…………マジで?」

 

「凛ちゃん、呼んだ?」

 

「ちょうどよかったにゃ!かよちん。お菓子取りに行くよ!!」

 

 大きな声で叫んでしまったせいか近くで要と話していた花陽が近寄ってきて、そのまま凛に手を引かれるままに連れていかれてしまった。

 

「……お前、何やった?」

 

「思ったこと言ったら暴発しただけだ。気にすんな」

 

「開始早々土下座させられた身としては聞いておきたいんだが?」

 

「七海さんのやつ手伝ってやるから勘弁してくれ」

 

「わーったよ。というか、ずいぶんと持ってきたな、あれ」

 

 要が指さした方を見ると、山のように積まれたプチシュークリームを持つ凛の姿があった。花陽の表情が苦笑いに近いのは何か嫌な予感がする。

 

「雅哉くん。これ食べて」

 

「別にそれぐらいなら…………っ!?か、辛!わさびかこれ!?」

 

 凛の差し出したシュークリームを食べた途端、鼻にわさび特有の辛さが広がっていく。

 

「…………凛、これは?」

 

「ロシアンプチシューだってー。当たりが一個だけ入ってるからそれが出るまで食べてほしいなぁ」

 

「何で俺が?」

 

「食べてほしいなぁ」

 

 凛の表情と声のトーンから察する。これは食べるまで折れないやつだ。そうすると原因はおそらくさっき言ってしまったあれのせいだろう。

 

「わかったわかった…………辛っ!!あ、当たり引いたぞ!もういいだろ!?」

 

「誰もわさび入りが当たりだなんて言ってないにゃ」

 

「……花陽。もしかしてわさびなしが当たりなか?」

 

「……うん。先輩たちがノリノリでセッテイングしてたよ」

 

 チラッと先輩たちの方を見てみると、こっちを見て親指を立てていた。何人かその向きが下なのは気になるが、今度全力でメタをはって仕返しをさせてもらおう。

 

「雅哉、土下座の話は許してやるよ。お前がこれ食うと思ったら気がすんだわ」

 

「凛、本気か?」

 

「本気にゃ」

 

 どうやら許してはもらえないらしい。ちまちま当たりを確認して食べていってはダメージが大きい。となればやることは一つ ────いっきにいくしかない。

 

「わかったよ!食べればいいんだろ!?」

 

 覚悟を決めてシュークリームを口へと運ぶ。案の定それはわさびいりだったが、そんなことは気にせずに次を口へと運ぶ。

 

 

 何個食べたかもわからなくなってきて舌がわさびに対して麻痺しきった頃、気がつくと皿に積まれていたシュークリームは綺麗になくなっていた。

 

 

「……こいつ、全部食いやがった」

 

「すごいにゃー!」

 

 凛さん?あなたが食べろと言ったんですよ?何で普通に反応してるんですか?

 

「……雅哉くん、大丈夫? 飲み物ここにあるからね」

 

 驚いた二人をよそに、俺のことを心配してくれる花陽が天使に見える。もうこのまま迎えが来てもいいかもしれない。

 

「なにバカなことやってるのよ」

 

 やって来たのは迎えではなく真姫だった。

 

「雅哉、あなたしばらく体調不良になるかもしれないわよ。特に胃関連でね」

 

「無理…………すでに気持ち悪い」

 

 その言葉を最後に俺は意識を手放した。そのときの皆の慌てっぷりは後日七海さんから聞かされた。

 

 花見なのに桜ほとんど見てねえな。




 ど う し て こ う な っ た

 初めは花見の話書きたいな―ぐらいのノリだったのに気がついたら花見がどこかへ……
 夏休みの予定の話は今のところは書くつもりです。
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