「どうやら本当に転生したようだ。ナイフとワイヤーもキチンとあるな。さてまずはギルドとやらに行くか」
目の前に見える街に向かって歩き出す。途中彼を見つけたモンスターが彼に襲い掛かるが次の瞬間全身から血を吹き出し絶命する。結果彼の通った後にはモンスターの血の跡で真っ赤に染まっていた。
「ここみたいだな」
目の前にあるのは他の建物よりも豪華な外装をした建物で他には無いエンブレムが掲げられていた。その扉からは大柄な見た目と剣を装備した男、魔法使いの様な杖を持った少女に聖女の様な姿をしているのはプリーストだろうか?おそらくここがギルドだと確信したベルフェゴールは足を進ませる。
「いらっしゃいませー!お食事の方空いてるお席へ、お仕事をお探しの方は奥のカウンターへ!」
それを聞いて奥のカウンターへ向かう。するとその途中いかにもチンピラ風の男が話をかけてきた。
「おいおいあんちゃん、お前さんみたいなひょろっひょろな体で冒険者は辞めとけよー早死にが落ちだぜ!はっはっはー!」
「ちょっ、ダスト辞めなさいよ!」
「俺しーらね」
「ダスト飲み過ぎだ」
どうやら相当酒を飲んでいるらしい、口から酒の匂いがする事から間違いない。古今東西酒に酔っているやつは無視するに限る。と、
「悪いが酔っ払いに構っている暇はない。あんたこそ水飲んでさっさと帰りな」
そう言ってさっさとカウンターに向かう。が、
「てめー!新米が俺様のこと馬鹿にしてんじゃねぇーーー!」
ダストと呼ばれた酔っ払いは背を向けたベルフェゴールに殴りかかってきた。ベルフェゴールもそれを見逃すつもりは無い。さっさとワイヤーを張り巡らせると
「うおオーーーォォオ?あれ?なんでうごかねぇ?おいてめぇ何しやがった!?」
ダストの四肢を縛り動けなくする。
「首、右腕、左腕、右足、左足、眼球、舌に臓器どれが良い?」
「ああ!?」
ベルフェゴールが並べる言葉の意味がわからず聞き返す
「聞き方が悪かったな。何処を落として欲しい?」
殺気を出しながら。ダストのパーティのメンバーやギルドで酒を飲んでいた冒険者は皆顔を真っ青にし、ダストは青を通り越して白い。そこには間違いなく恐怖という感情があった。
シャーーーーー
その音と共にダストを囲む様にナイフが張り巡らされる。四方八方をナイフで囲まれたダストは完全に酒が抜けた。それと同時になぜこんな化け物に喧嘩を売ったのか、数秒前の自分を殴りたくなる。
ヒュッ!
一本のナイフはダストの頰の皮を切り血を流す。そのまま通り過ぎたナイフはなんと、
ザクッ!
「「「「「はぁぁぁ!?!?」」」」」
ギルドの地面に突き刺さった。それも全体の7割を
チャキ、チャキチャキチャキ スポッ!
「う、嘘だろ!?」
この時叫んでしまったダストは悪くない。何故なら床に刺さったナイフは
「それでもう一度聞こうか?
「ヒィィィィ!?!?悪かった!俺が悪かったから!有り金なら全部渡す!酒が飲みたければ奢ってやる!出来ることなら何でもしてやるからゆるしてくれぇぇぇぇぇ!?!」
殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない殺されたくない。
ダストは必死に打開案を提示する。ダストはまだ若い18歳。そんな歳から片腕など嫌なのだ。
「そ、なら登録料払って」
「は?」
「だから冒険者の登録料金払ってくれたらちゃらで良いよ」
「わ、わかった!は、払うから、そそそそれで許してくれるんだな?な?」
「良いよそれで、こんな所で問題起こすのもアレだし………片付けめんどくさいし」
喜びのあまりその後の言葉を全然聞いていなかったダスト以外の近くにいたパーティメンバーは(((それが本音かよ!)))とツッコミたかったがやめた。
「ほら、千エリスだ。あそこの金髪ボインのルナちゃん何処に行けば登録出来るぜ」
「ん、情報ありがと。次からはもう少し注意しなよ?俺が温厚で良かったけど次はないよ?」チャキ
そう言ってベルフェゴールはナイフを回収する。側から見るとベルフェゴールに向かってナイフが勝手に戻っているためどんなスキルなのか特に盗賊などの冒険者は目を輝かせていた。本当は見えない程細いワイヤーに繋げているだけなのだが。
「はい。えーとルナさんだっけ?冒険者登録お願い」
「わ、わかりました!そそそそれでは……まず、この冒険者カードについてご説明します」
そう言うとルナは登録手数料を受け取った後、まるで宝の地図の様な古びた紙に見えるカードを手に取り、受付から出てきてベルフェゴールの前に出てくる
「このカードは、冒険者の身分証明書となるカードで、冒険者には必ずこれを所持してもらうよう義務付けられています。このカードがなければクエストを受けることはできません。冒険者カードには様々な情報が記載されており、冒険者様の名前からレベル、職業、ステータス、所持スキルポイント、習得スキル、習得可能なスキル、冒険者になってからの経過日数、過去に討伐したモンスターの種族、数などが自動的に更新され、表示されます。偽造は禁止しておりますのでご注意ください。また、紛失された場合はギルドに申し出てください。お金はかかりますが、再発行いたします」
「へー、成る程ね。まあ偽装なんてする気は無いからそこはどうでも良いか。続けて」
見た目はただのボロボロな紙だが意外にもそれなりに高性能だった。よくファンタジーなどであるアーティファクトなどだろうか?まぁ考えてもしょうがないとベルフェゴールは説明に意識を向ける。
「全てのモンスターには魂が宿っており、人はモンスターを倒せばその魂を吸収し続けます。そして、ある一定の量まで吸収したところで、人は急激に成長することがあります。これを俗に、レベルアップと言います。レベルを上げるとスキルポイントがたまっていき、こちらを消費することで新たなスキルを覚えることができます。なお、素質次第ではレベル1時点で多くのスキルポイントを取得できます。新たにスキルを獲得する際には、冒険者カードを操作し『習得可能スキル一覧』に出ているスキルを押してください……冒険者カードについての説明は以上です」
「わかったよ」
「で、では、まずこちらの書類に、必要事項を記入していただけますか?」
そう言うとルナは1枚の紙とペンを渡す。それをベルフェゴールは受け取ると注意事項を読んでから記入する。紙には自分の名前、身長、体重等々……必要事項を記入していった。出身地を聞かれた際はどうしようか悩んでいたが、どうやら必要なかったようだ。因みに名前はフルネームではなく名前だけを記入した。理由はこの世界の貴族階級を全然知らないためだ。これで家名が貴族だけしか名乗れない世界とかだったら面倒だから
「はい、ベルフェゴール様ですね……ではお次に、こちらの水晶に手をかざしていただけますか?」
書類を受け取ったルナはそれをしまうと、カウンターに置かれていた水晶の下に冒険者カードを置いた。綺麗な水色に輝く水晶の周りには、見たこともない機械が取り付けられている。カードを見たときにある程度推測出来ていたので質問もすることもなく無言で水晶に右手をかざす。すると水晶はひとりでに輝き出し、周りについていた器械が動き始めた。そして、下に置いていた冒険者カードにレーザーを放ち始め、この世界の文字を記していく。
カードの冒険者氏名欄にベルフェゴールの名前が記されると、次にレーザーはステータス欄へ移り、続けて文字を記し始める。と、その瞬間、
「――なっ!? なんですかこれぇええええっ!?」
「ん?どうかしたの?」
「どうかしたなんてものじゃ無いですよ!?!?筋力 魔力、知力、俊敏性…器用と俊敏性は群を抜いてます、て言うか、
「マジかよ! こりゃスゲェな!」
「あのアークプリーストに続いて二人目か!」
「魔王討伐の日は近いかもな!」
「ハハッ……そりゃ俺が勝てねぇわけだよ」
突然の大型ルーキー登場に、酒場にいた彼らは歓喜の声を上げる。最初は危険な男だと警戒していた冒険者達とギルド職員は、ベルフェゴールに笑顔と歓声を浴びせていた。先程喧嘩を売ったダストは、ベルフェゴールがとんでもない素質を持っていたと知り、乾いた笑い声を上げる。受付嬢は先程までの怯えた表情からガラリと変え、キラキラと目を輝かせてベルフェゴールを見つめてきた。
「このステータスなら、最初から上位職は勿論のこと、どんな職業にだってなれますよ! アークプリースト、アークウィザード、クルセイダーだって!」
「そうなの?」
「はい!って、あら?何かしらこの職業…?」
そう言ってルナが見ていた職業を見るとそこには
「ク、ククククク、クハハハハハハハ!」
「「「「「!?!?」」」」」
突如として笑い出したベルフェゴールに冒険者やギルド職員は驚く。
「ああ、少々面白い事を思い出してしまってね。成る程、成る程。ルナさん、俺はこの職にします」
そう言ってルーラーを選択する。
「良いんですか?初めて見る職業で詳しい説明が何も出来ないんですが…」
「大丈夫、どんな職業かは理解したから。裁定者…か」
「……ハイ! 職業登録完了です! これで貴方は晴れて、ギルド所属の冒険者になることができました! ギルド職員一同、ベルフェゴール様のお力になれるよう、全力で協力していきます! ベルフェゴール様に、エリス様のご加護があらんことを!」
今回はベルフェゴールが冒険者になりました。ヒロイン登場アンド職業が判明しましたね。
因みにルーラーの元ネタはFateですが何故ルーラーなのか理由はいくつかあります。
一つ目は神の望みによって人死を生み出すことになった世界で人を殺したから。つまり《人死は神の願いで》それを《叶えたベルフェゴール》=
二つ目
三つ目特定の勢力に加担しない。つまり
以上の三つからFateのルーラーにしました。