「うわぁ…ジャイアントすぎるでしょ」
ベルフェゴールは目の前のカエルの群れを前にして若干どころじゃないレベルで引いていた。ただのカエルの群れなら気持ち悪いで済むのだが目の前の群れはそんな可愛いものではなかった。ジャイアント、つまりデカイのだ。具体的に言うと人が楽々丸のみにできるぐらいには。
(そう言えばクエストの討伐理由に家畜が食われるからどうにかしてくれだったね…食ってたの牛かよ)
どう考えても目の前のカエルがニワトリなどを食べていたとは思えない。
「取り敢えず殺るか…ナイフをカエルの液体まみれにするのなんか嫌なんだけど…」
そんな事をぼやきながらベルフェゴールはナイフを向ける。狙うのは足と目、カエルは見た目に似合わず足が細いため切り落としてだるまにしてしまえば動けないし目も使えなくしてしまえば足も無いからベルフェゴールを探す事も出来ない。結果、
「予定より多かったな…運ぶのも面倒だから別に良いか……でも美味いって受ける時に聞いてたから三匹ぐらい引きずっていくかな」
そう言ってカエルをワイヤーで引きずりながらギルドに報告に戻った。
「ルナさん。クエスト報告」
「ベルフェゴールさん!カードを見せていただきますね……なっ!?…ベルフェゴールさん!!何ですかこの討伐数!?100を超える討伐数を…4時間前に出たばかりですよね!?!?」
そう、ベルフェゴールは登録した後さっさとクエストを選んで行ってしまったのだがそれもたった4時間前の事でその間に100匹を超えるジャイアントトードを狩ってきたのだ。驚かれてもおかしくは無い。が、
「いきなりデカイ爆発音がしたと思ったら地中から大量にジャイアントトードが出てきたんだからしょうがないでしょ?放っておくとまずいし」
今回は本当にベルフェゴールは何もしていない。突然大量に湧いてきたのだアリの如く。
「「「…」」」汗汗汗
何やら近くでめちゃくちゃ汗をだらだら垂らしている3人組がいるがどうしたのだろうかと言う事を聞く前に、
「貴方転生者ね!私は女神のアクアよ。貴方強そうだから私のパーティーに入れてあげるわ!そしてアクシズ教に入教しなさい!」
「お、おい!?ばか!?!?」
3人組のうちの1人空色の髪をした女が女神アクアと名乗ってきた。どうやら俺をパーティーに入れたいらしい。隣ではその女を止める幼女?を背負ったジャージの男がいた。その女と幼女は何故か石鹸の匂いとさっきのカエルの匂いが少しだけだがする。つまり…
「食われたのかよ(ボソ)…ふーん。君達強いの?
自分のことを女神という女とこの世界にないはずのジャージ、この二つを見てベルフェゴールはある程度の推測を立てた。おそらくジャージの男は自分のような転生者で隣の自称女神は隣の転生者が引っ張ってきた転生特典だろう。背負われている幼女は分からなかったが。
「な!?なんですってぇ!?私のこと馬鹿って言ったわねぇ!?!?馬鹿って!?!?」
「いやアクアは馬鹿だろ」
「なんですってぇ!?」
なんか喧嘩を始め出した…正直こいつらとあまり関わりたく無い………
「どちらにせよあのカエルに食われる程度の力しか持ってないんだろ?断る」
「なっ!?それは油断しただk「そうか命のやり取りで油断か、なおさら断る」何でよ!?!?この女神アクア様が入れてやるって言ってn「その油断に巻き込まれて死にたくないからな。命の取り合いをしてるのに油断て、遊戯か何かと勘違いしてるだろ。なぁ?そこの同じパーティーらしい男、えーと「カズマです」カズマ…ね。カズマきちんと教えてやらないとこの女無駄に顔だけは良いから他のやつが祭り上げちまうぞ?そうなったら最後、こいつはどんな馬鹿をしようが助けようがない。あと女、口の聞き方は考えろ?上から目線でウザい」
「なっ!?!?あんたねぇ!私は女神よ!?偉いのよ?!」
「仮にお前が女神だとしよう、この世界にいる時点で女神の称号なんて剥奪されてるか堕天してんだろ?現にお前、アークプリーストだろ?つか女神って…自分の事女神って……お前自分の宗教の信仰者にそれ言ってこいよブチ切れられるのが目に見える」
1人が危険になった時仲間にも危険が及ぶ、前世ではそれを利用して集団や組織の連中を殺していた為よく覚えている。特に自分は力を持っていると錯覚した馬鹿が仲間の足を引っ張るのだ。後ろの背負われている幼女も魔法使いという見た目から魔力切れでもしたのだろう(魔力切れになると全身に力が入らなくなりますbyルナ)余程過剰な量の魔力を使わない限り動けなくなるというほどにはならない筈なのに可笑しな話だ。つまり、身の丈に合わない魔法を使って動けなくなったところを食われたのだろうあのカエルに。
「じゃあね、俺はさっさと帰る。色々あって疲れてるから。カズマ、……まぁ…頑張れ」
ちなみにクエストの金のうち今日の夕飯代と宿屋代を残してギルドの預金システムに預けた。持ってても良いがあまり荷物は多くしたくないし宿屋に置いておいて盗まれないという保証もないからだ。
ちなみにこの宿屋から少し離れた馬小屋から男女の喧嘩する声が聞こえてきて他の人といっしょに怒鳴ったら静かになったが、やはり関わらなくて正解だな。この宿屋の部屋に止めてくれと押しかけられるのが目に見えている。