ありふれた職業だけど、頑張る話   作:光車

22 / 30
私の記憶 後編

ここで、私の過去を話そう。

だって、私の家族の話がわからなければ、最近私が暗くなっていた理由がわからないだろう?

だから、話す。

まず、私の家族は、先程言った通り、全員死んでしまっている。

何故か。

それは、簡単だ。

単なる家族内では争いだ。

まず、お父さんとお母さんは、お兄ちゃんに異常な期待を寄せていた。

お父さんは、とある病院の医者で、お母さんは看護師だった筈。

お兄ちゃんにはその医療関係の期待を寄せていた。

それは、酷く個人的な理由。

自分の病院の知名度を高めたいから。

確かに、お兄ちゃんにはそう言う才能があった。

実際、5歳の頃には高校生がやる様な教科書を使って勉強してたらしいし……。

けど、強制的にやらせる必要はないんじゃないか?

お兄ちゃんはいつしか疲れきって、でも、それでも!

“ちゃんと自分の意思で生きるんだぞ”

って言ってくれた!

だけど……。

それが、最後の言葉だった。それっきりお兄ちゃんとは会えず、お母さんもお父さんも荒れて、お父さんはどっかに行っちゃうし、お母さんは私に虐待。

そんな生活が続いてたある日。

お兄ちゃんがフラフラ〜って帰ってきた。

けど、昔のお兄ちゃんとは程遠くて……。

“もう無理だ……”

そう書き残して、首釣り自殺した。

それと大差ない時間に、お父さんは通り魔に刺されて死亡。

お母さんは、気が狂ったのか、その日の夜、家に火をつけて家ごと焼かれた。

それだけならまだよかった。

いや、よくなかったかもしれないが、まだマシだったかもしれない。

私は親戚の家に引き取られた。

そこで、友達は四人できて、義兄妹も二人いる、幸せな生活を送っていた。

私は、剣道を一応習っていた。

護身程度に。

だけど、それでも、対応もできた筈。

だけど、私は出来なかった。

何故なら、

相手は本物のナイフを持っていたから。

その時は、丁度友達四人を誘って家で遊んでいる時だった。

相手はただの泥棒。

そう思っていた。

けど、相手は人殺しだった。

凛ちゃんを無造作に引き寄せたと思ったら、ナイフで切りつけて殺していた。

優奈ちゃんも一気に詰め寄られて、殺された。

韋蓮くんは、嬲り殺しにされた。

真央ちゃんは……。

言えない程、グチャグチャに、されていた。

義兄ちゃんも、嬲り殺しにされ、義妹は、一緒に逃げている所で追いつかれて、殺された。

おじさんは、どうなったかわからない。

けど、殺された事は確かだ。

だって、テレビで見たもん。

確か、死因は焼死だった。

目の前であんな風に友達や家族を殺されて、たかが11歳の子供に恐怖が刻み込まれない訳が無い。

……そう言えば、周りの家も焼かれたり、壊されたり、されたらしい。

人は私以外(・・・)全員皆殺し。

だから、私は、大切な物を守る事を誓った。

だって、今度はこうなって欲しくないから、…ね。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。