ありふれた職業だけど、頑張る話   作:光車

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私の意志

いきなり世界が砕け、現実に戻ってきた。

だけど、今の……。

絶対に外からの干渉だよね⁉︎

もう!

 

「……あ? あれ、香織? 雫? ここは? 俺は、二人と……」

「んあ? どこだ、ここは? 俺は、確か……」

「え? そんな、恵里はっ、恵里……」

「……踏ん切りつけて、出ようとした所でこれを破壊しないで欲しい。」

まあ、時間が掛かったのは事実だし。

つーか、

「お前ら何錯乱してるの?」

聞いても無視。

マジでしっかりしろ。

 

「天之河、谷口、省みている時間はないぞ。備えろ。でないと、お前らの望みは本当の意味で潰えることになる」

「っ……ああ、わかってる」

「う、うん。そうだね!」

 

だ〜!もう、早く!

そして、転移した。

次は、何があるのかな?

____________________________________________________________

何にも無い。

私の魔力探知に引っかかる物も無い。

だが、そんな魔力探知を嘲笑うが如く、雨が降って来た。

どろりとした、乳白色のスライムだ。

「みんなして気づかなかった⁉︎」

 

範囲系攻撃で凍らせる。

けど、多少(主に周りから掛かった)スライムは避けきれない。

それが30秒くらい続いたが、ハジメ君が蜘蛛型ゴーレムの錬成で止めていた。

だが、

 

「はぁはぁ……ハジメ、何か変……はぁはぁ、すごく……ハジメが欲しい」

「は? いや、こんな状況下で何を言って……ユエ? 一体どうした?」

「ハジメさん……私……私、もうっ……はぁはぁ」

「シア、お前もかっ?」

「はぁはぁ、ハジメさん、好き。好きですぅ」

「ちょっ……まてっ」

 

そんな感じで、私も、

「ううぅぅぅぅぅううう!」

 

みたいな感じで、耐えていた。

その後、解毒すればいいんじゃないかと思ったのは事実だけど、その時は思いつかなかった。

……なんか私だけ違う。________________________________________________________________________________________

いつのまにか快感はなくなり、大丈夫になった。

そして、次は、黒い悪魔、Gだった。

________________________________________________________________________________________

「え?うそでしょ?え?これはやだよ?気持ち悪いよ?」

 

カサカサカサカサ

 

「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!」

 

気持ち悪かったので、全方向に魔法をぶっ放した。

やったのは、

〈積層型魔法陣氷属性魔法『永久に凍れ(ダイヤモンドダスト)』〉だ。

何も無くて、良かった〜。

 

「「「「ありがとう(な/です〜)」」」」

 

何故かお礼を言われた。

と思ったが、

 

ピカ!

 

……すぐさま攻撃&解除。

 

ゴキブリは一人の人間によって撲滅させられた。

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さて、次は何があるかな〜?

なんて思ってたけど、ここで終わりだった。

魔法陣あったし。

照らされた樹はぐねぐねと形を変えていき、やがて、その幹の真ん中に人の顔を作り始めた。ググッとせり出てきて、肩から上だけの女性とわかる容姿が出来上がっていく。

 

「まずは、おめでとうと言わせてもらうわ。よく、数々の大迷宮とわたくしの、このリューティリス・ハルツィナの用意した試練を乗り越えたわね。あなた達に最大限の敬意とひどく辛い試練を仕掛けたことを深くお詫び致します」

 

出来上がったリューティリツさんは話す。

 

「しかし、これもまた必要なこと。他の大迷宮を乗り越えて来たあなた方ならば、神々と我々の関係、過去の悲劇、そして今、起きている何か……全て把握しているはずね? それ故に、揺るがぬ絆と、揺らぎ得る心というものを知って欲しかったのよ。きっと、ここまでたどり着いたあなた達なら、心の強さというものも、逆に、弱さというものも理解したと思う。それが、この先の未来で、あなた達の力になることを切に願っているわ」

 

……ごめんなさい、仲間に全然聴いてない人がいます。

 

「あなた達が、どんな目的の為に、私の魔法―― “昇華魔法”を得ようとしたのかは分からない。どう使おうとも、あなた達の自由だわ。でも。どうか力に溺れることだけはなく、そうなりそうな時は絆の標に縋りなさい」

 

ハジメ君が聴いていない。

 

「わたくしの与えた神代の魔法“昇華”は、全ての“力”を最低でも一段進化させる。与えた知識の通りに。けれど、この魔法の真価は、もっと別のところにあるわ」

 

ハジメ君が戦慄したような顔に なった。

 

「昇華魔法は、文字通り全ての“力”を昇華させる。それは神代魔法も例外じゃない。生成魔法、重力魔法、魂魄魔法、変成魔法、空間魔法、再生魔法……これらは理の根幹に作用する強大な力。その全てが一段進化し、更に組み合わさることで神代魔法を超える魔法に至る。神の御業とも言うべき魔法――“概念魔法”に」

 

……あれれ?私、クリアしてないのに、あと一つだよ?

それに、概念魔法……。

私使える。

 

「概念魔法――そのままの意味よ。あらゆる概念をこの世に顕現・作用させる魔法。ただし、この魔法は全ての神代魔法を手に入れたとしても容易に修得することは出来ないわ。なぜなら、概念魔法は理論ではなく極限の意志によって生み出されるものだから」

 

……オイ、概念魔法にも一応プロセスあったぞ。

だから私が概念魔法を覚えられたというのに……。

 

「わたくし達、解放者のメンバーでも七人掛りで何十年かけても、たった三つの概念魔法しか生み出すことが出来なかったわ。もっとも、わたくし達にはそれで十分ではあったのだけれど……。その内の一つをあなた達に」

 

……。

私、大丈夫?

だって、既に無駄な方法だけど4つ位持ってるし……。

無性に心配になって来た。

 

「名を“導越の羅針盤”――込められた概念は“望んだ場所を指し示す”よ」

元の世界に戻れるね。

 

一体どうやってやってるのやら。

 

「どこでも、何にでも、望めばその場所へと導いてくれるわ。それが隠されたものでもあっても、あるいは――別の世界であっても」

「っ……」

 

……。今の、誰だろう。

でも、並ならない意志が感じられた。

「全ての神代魔法を手に入れ、そこに確かな意志があるのなら、あなた達はどこにでも行ける。自由な意志のもと、あなた達の進む未来に幸多からんことを祈っているわ」

……。

全ての神代魔法、か。

全部、集めよ。

 

そして、彼女は元の樹に戻った。

 

私は、どうして……。

 

概念魔法を手に入れれたんだろう。

 

私は……。

 

『“ちゃんと自分の意思で生きるんだぞ”』

 

ッ!

 

そうか……。

私は……。

 

ふふ。

 

ふふふ。

 

ははははは!

 

もうさ、私は馬鹿じゃないか?

私は、私は、大切な物を守る事を誓ったじゃないか!

なのに、今更そんなことを忘れて……。

本当に……。

そう。

私は私。

それでも…ね。

頑張って行こう。

ハジメ君が、いつか成し遂げる、神殺しを、手伝う為に。

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