ー異世界転生ー
甘美な響きにも思えるが実際はそうではない。
異世界でちやほやされるのは主人公でイケメンで強い奴だけだ。
イケメンでも強くもない奴が行けば奴隷にされるか殺されるかの二択だ。
大体は国家間戦争の駒にされるだろう。
だから俺は何も期待しない。
むしろ異世界転生されたことすら気づかれずサバイバル生活でぼっち生活エンジョイしちゃうくらいだ。
そう気づかれなければ。
「おい、異世界人」
俺は異世界転生した瞬間にへんな奴らに捕まってしまった。
どうやらこのセンチメンタリズムな運命を感じていそうな仮面の男の命令で捕まったらしい。
いかにもな悪役だ。そして主人公の成長剤にされそうな。
しかしここは本物の異世界。
そんなとんでもチート主人公がいるはずがない。
「貴様にはラシャラ・アースの暗殺を命じる」
本当に国家間の争いに異世界人を巻き込むらしい。
本当にラノベみたいだ!と感動する暇はない。
なぜなら、異世界人は俺以外にもいる。
横で縛られている男。
どうやらものすごい強いらしく先ほどのようにどっかの国の統率者の暗殺を命じられている。
元の世界に戻れるという提案に唇を噛みながら了承している。
しかし、こういうのって大体戻れる方法はなくて使うだけ使われてあとは処分されるに決まってるんだよなぁ。
「そして横のお前!」
「ひゃい!?」
変な声出ちゃった。
「貴様はこいつのサポートに回れ。くれぐれも馬鹿な真似はするなよ。貴様はこいつとは違いゴミだからな」
何を!と思ったがその通り。
この世界ではロボットみたいなのを使って戦うらしいが俺はそこらの人と同じくらいの平々凡々。
むしろ下の中くらいの適性しかないらしく優秀な駒とは使えないらしい。
しかし使えないわけでもないので多分トカゲの尻尾みたいな感じで使われるのだろう。
「…了解した」
まあ戻れるとは思わないので渋々、本当に仕方ないが了承する。
途中で乗り捨てでも逃げてやろう。
「ちなみに、乗り捨てて逃げたら追いかけて殺す」
………
こっわ!こっわ!
何こいつら!もっと慈悲ってもんを知れよ!
ということで搭乗準備。
なんだこれ。
本当にロボットになるの?
目の前に卵のような物体。
そしてその中にはロボットが膝を抱えて鎮座している。
俺が物珍しそうに眺めていると、もう一人の異世界人がやってくる。
俺は気づいてないふりをしてると、
「なあ、君はどうやってこっちの世界に来たんだい?」
唐突に質問された。
ならば俺は、
「逆にお前はどうやって来たんだ?」
質問に質問で返すという非常識なことをした。
コミュ障だからうまい返し方がわからないとかそんなんじゃないからね!
するとそいつは話し出す。
「俺はどうやって来たかわからない。
最後に姉ちゃんと父ちゃんの話し声だけが聞こえてそしたらこっちの世界に来ていた。
ていうか、君に質問したのになんで俺が答えてるの!?」
どうやら流されやすい性格してるな。主人公っぽい。
「俺は…」
「おい!出撃だ!準備しろ!」
話しかけたところでお呼びがかかる。
「まあ急ごうぜ柾木、お前は元の世界に帰りたいんだろ?」
「ああ、そのつもりだ!ってお前の名前も教えろ!」
無視してロボットに乗り込む。
こいつに名前を教えても無駄だろう。
多分こいつはこの世界の主人公だ。
強い、イケメン、モテそう(年上から)
こんなやつと俺が仲良くしようもんなら何かしらの強制力が働いて俺に被害が加わりそうだ。
俺は俺なりにこの世界でぼっちライフをエンジョイする。
そのためには…
続く
感想誤字報告お待ちしております。