お待たせして申し訳ないです!
「『未来視』?」
「はいです!」
シュタイフを走らせながらイミルエアスタが何に怯えているのかを探るべく、シアに能力についての質問をしたところ、未来を見ることが出来る固有スキルを持っていることが分かった。
「…………【不解】
シュタイフと並んで飛ぶイヴリールの後ろに隠れて飛ぶイミルエアスタは、抗議の声をあげた。イヴリールは深い、深〜い溜息を吐いた。
こいつ、まだ思考回路が整理出来てないな……。と。
「ポンコツここに極まれりですね……。そろそろちゃんと頭を回して欲しいのですが?」
「【反論】当機はしっかり思考している。」
「ハジメ、このスクラップは記憶領域に異常が生じたようです。置いていきましょう!」
「置いてかれても
ハジメさんはもう疲れ始めている!これからこの調子がずっと続いてしまったらどうしようかと遠い目をしていたハジメの耳にモンスターの鳴き声と悲鳴が聞こえた。
シアの急かす声に舌打ちを1つこぼして、シュタイフへの魔力供給量を跳ね上げた。それに応えるようにシュタイフは爆発的に加速した。
大きい岩をドリフトして迂回すると、兎人族をワイバーンが狙っている光景に出くわした。
シアの顔がサッと青くなった。
「ハ、ハイベリア……」
ふむ、あのワイバーンはハイベリアと言うのか、と全部で6体いるそれらを見た。兎人族の上空を旋回しながら品定めをしているらしい。
ついにハイベリアのうちの一体が動いた。
大きな岩と岩の間に隠れていた兎人族だったが、ワイバーンの持つモーニングスターのような尻尾に岩を砕かれ、這い出でることを余儀なくされた。
動けなくなった子どもとそれを庇う男も喰らおうとハイベリアがその
兎人族達がその2人が無残に食い散らかされる未来を想像した、その瞬間。
ドパンッ!!ドパンッ!!と2発の乾いた音が炸裂した。それに伴って放たれた2条の閃紅が走り、ハイベリアの眉間を撃ち抜いた。
呆然とする兎人族が次に感知したのは絶叫だった。つられて声の方を見ると、そこには血を噴き出してのたうち回るハイベリアがいた。その近くにはへたりこんだ兎人族の姿があった。
のたうち回るハイベリアは瞬く間に閃紅に蹂躙された。
「……ちっ」
ハジメはイライラしていた。それは2体目を一撃で仕留められなかった事もある。しかし何よりもイラつくのがその原因だった。喜び、ピョンピョンすることで体を預けられているハジメの頭に重量級の
「─────♡」
イヴリールはイライラしていた。奈落の底で出会った魔物以下の生物しかいないこともある。しかしそれ以上にイラつかせたのはシアがハジメの邪魔をしたのがわかったからである。ついでに敬愛すべきユエ様に無いものを激しく主張させているととらえたためでもある。
ガシッ
「【質問】なぜ当機の脚部を掴む?」
イヴリールはイミルエアスタの質問には耳を貸さず、両足を掴み、振りかぶった。
ゴッシャアァッ
─────みんな〜ぁぶんっ!?
そしてそのままシアに向かってフルスイングした。ビターンという効果音がつきそうな格好で壁に叩きつけられた。
イヴリールはスッキリした!
「……死んでないよな?」
「……イヴリール?」
「ご安心を♪」
「すっげー信用出来ねえ」
残りの4体のハイベリアはイヴリールの一撃で蒸発した。
やっと・・・かけた・・・!