ダンガンロンパアンサンブル ~希望の転校生と絶望の学院~ 作:粒餡
「ころ・・・す?」
誰かが、モノクマの事を言ったことを繰り返す。それでやっと理解あのクマが何を言ったのかを理解できた。
「そう! 殴殺刺殺撲殺斬殺焼殺圧殺絞殺惨殺呪殺、殺し方は問いません! 殺したもん勝ちですの早い者勝ちだよ!」
「殺すなんて、ふ、ふざけんじゃねえ! そんなことするわけねえだろ!」
「み、水城の言うとおりだよ! そ、そんなひ、人を殺すなんて、そんなこと出来るわけないじゃん!」
「あれ? もしかして君ベジタリアンの人なのかな? 君たちが食べてる肉だって動物さんたちの命を奪ってるんだから、そういう意味では君たちは十分な殺人鬼、おっと間違えた、殺動物鬼なんだよ?」
「ひ、人と動物を一緒にしないでよ!」
「えー!? 君は動物じゃないのかい!? 霊長目ヒト科じゃないのかい!? こいつは驚いたぜ・・・まさかボクの生徒の中に動物じゃない子がいるなんて・・・だけどボクは差別なんてしないよ! ボクは生徒想いのいい先生だからね! とりあえず動物じゃない生徒なんてさすがのボクでも初めてだし専用の隔離室でも作ろうか?」
「・・・もう、いい」
「え?」
「もういいって言ってる! あんたのふざけた言い分はもう聞き飽きた! これ以上そんなふざけた事言うようならあんたを、壊す」
「そうだねぇ、もしかするとこれも入学式の催し物って可能性も低いけどあるかもしれないけど、流石にこれはやりすぎだよぉ?」
俺たちがモノクマの言葉にひるんでいると、龍泉寺さんと熊沢さんが前に出る。それぞれ臨戦態勢に入っていて、今すぐにでもモノクマを壊しそうな雰囲気を放っている。
「で、でもモノクマを破壊したところで、まだ予備とかいるんじゃ・・・?」
「・・・その可能性は、低いと思うわよ。あんな高性能なラジコン、そう簡単に作れるもんでもないし、仮にあったとしても二、三個ぐらいよ・・・希望ヶ峰学園がこの件に関わってない、というのが大前提だけどね」
「それでも、こんな奴に従うぐらいだったらその可能性にかけるほうがいい!」
「何でオマエラは早速学園長のボクに暴力を行おうとしてるんだよ! いくら超高校級の子達だからって流石にこれはやりすぎたぞー! い、言っておくけどボクには高性能爆弾が積んであるんだからね! べ、別に攻撃されてもオマエラが死ぬだけなんだからね!」
「じゃあ、こうするだけだよぉ?」
そう言うと、熊沢さんはこっちに戻ってきて、パイプ椅子を持ち上げたと思うかと、ものすごい勢いでモノクマの方にそれを投げ飛ばした。当然、そんなものを避けきれるはずもなくパイプ椅子はモノクマに命中し、モノクマは爆発してしまった。
「な、何だあのスピード・・・」
「・・・七夕セブンはかなりの力の持ち主だとは聞いてましたが、まさかあれほどとは・・・」
「藍乃殿は警察の捜査を手伝ってるのに七夕セブンには関わらなかったでありますか?」
「私殺人事件専門だから・・・」
「だ、だけどさ・・・これでモノクマはいなくなって、平和に・・・」
「そんなわけないじゃん!」
「うわぁ!?」
神樹の奴がものすごいフラグ臭のする発言をしたというか、している途中にモノクマは最初と同じように台の後ろから現れる。
「全く! 学園長を踏んだりばらしたりしたことを生徒はいてもパイプ椅子を投げる生徒はお前が初めてだよ! だけどこんなことして許されるとでも思って――」
「えい☆」
モノクマが喋り終わる前に、また熊沢さんがパイプ椅子を投げ飛ばす。
「お前いい加減に――」
「そりゃあ☆」
「ひでぶっ!?」
その後、パイプ椅子計十六個使い切るまでこのやり取りは続けられた。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
「むぅ、結構数あるねぇ、十六匹も壊したのに、まだいなくならないなんて・・・驚いちゃったよ」
「むしろ私はパイプ椅子を投げ続けたあんたの筋力の方が驚きなんだけど・・・まあいいわ、とりあえずこれでほぼ希望ヶ峰学園、もしくはそれに同等するレベルの組織が関わってることは確定したわね、まあ超高校級の生徒を全員誘拐するなんてしてる時点でほぼほぼ確定みたいなもんだったけど。まあいいわ、とりあえずこの学園を探索しましょ」
「こらー! 勝手に話を進めるんじゃないよ! オマエラ自由すぎんだろ! ていうかオマエ! 学園長への暴力行為は校則違反だよ! オシオキすんぞ!」
「あら、あまりに壊されすぎたから後出しで仕返し? 中々いい根性してんじゃない」
「ぐぬぬぬぬ・・・ああ分かったよ! そんな事言うオマエラにはこれをプレゼントするよ!」
そう言ってモノクマは俺たちに向かって何かを投げ飛ばしてくる、それを何とかキャッチする。
「これは・・・?」
「電子生徒手帳だよ、それぞれオマエラの名前、希望ヶ峰学園のマップ、他の生徒の通信簿、そして! 一番重要な校則! オマエラ絶対これ読んどけよ! 今度校則違反したら問答無用でオシオキだからね! じゃあボクはお家に帰るとするよ、はぁ、全くこんな問題児クラスを受け持つことになったボクはなんて不幸なんだ・・・くまったくまった」
モノクマはそう言うと台の後ろに行き、そのまま出てこない、どうやら本当に帰ったようだ、まあ監視カメラで監視されてるからあまり変わらない気がしないでもないが。そして、しばらくその場には沈黙が訪れるが、それを壊す人物がいた。
「・・・ひめのちゃん、ありがとうアル」
「え?」
「私、立ち向かった割には何もできないで・・・」
「そ、そんなことないですよ! 私なんて今日の夕ごはんどうしようなんて考えてましたから一緒です!」
「いやそれは一緒にするのはちょっと龍泉寺に失礼ってもんですぜ・・・?」
「私も、龍泉寺さんが立ち向かってくれたからああやって立ち向かうことができたんだよぉ? だから、龍泉寺さんもちゃんと頑張ってたんだよ?」
「そうね、私たちなんて動きすらしませんでしたもの。その上人を殺せだなんて強要されてる中最初に動いたあなたは立派よ?」
「えへへ・・・なんだかそんなに褒められると照れるアル・・・」
「まあ、この中で唯一の男子なのに動かなかった人もいることですし、その人と比べれば立派です」
「悠木さんは相談窓口の俺に何を期待してるの・・・?」
「実は凄腕の剣の使い手だったりしません?」
「例えそうだったとしてもあんたの前では絶対言わねえ・・・」
「そうですか・・・残念です」
「まあ、彼にはみなの相談役として頑張ってもらいましょう、何せ希望ヶ峰学園と円城寺財閥お墨付きの『相談窓口』ですからね」
「あはは・・・まあ、期待に答えられるように頑張ります」
「とりあえず、これからのことを話し合うためにもまずはこの電子生徒手帳とやらを確認しましょ」
「そうだね、校則を見てなかったからオシオキされましたーとか冗談にもならないからね・・・」
それぞれの顔に明るさが戻りつつある、空元気のとこももちろんあるかもしれない。だけどこの場では暗いことを考えるよりは空元気でもポジティブに考えることが重要だしな・・・これから、どうなるかは分からない、だけど、できればこの全員で、誰ひとり欠けること脱出したいな・・・
「さて、じゃあ電子生徒手帳を確認しますか、とりあえずは・・・そうだな、円城寺さんから期待されてることだし、通信簿から見ることにしますか」
俺が電子生徒手帳を起動させ、通信簿をみようとすると。
「だ、だめー!」
「へ?」
三波が突然俺に静止の声をかける。
「どうしたんだよ、三波」
「まさか唯一の男子だから警戒して情報を渡さないようにしようとか考えてるの? だとしたらそれは愚策よ、今は一人でも人手が欲しいんだから、男手なら尚更よ」
「ち、違うの! この生徒手帳てっきりみんなのプロフィールが書いてあるのかと思ったら、た、体重とか胸囲も書いてあるの!」
『え』
俺以外の何人かの声がハモる、そして女子たちは一斉に通信簿を見始める。
「え? だからどうしたんだ? むしろ、こんな状況だからこそ見るべきだろ? 体重なんて特にリアルタイムで更新されるなら健康チェックのためにも確認をすべきだ、長期戦になる可能性もあるし――」
「ストップ、いい? 絶対通信簿を開くな、少なくとも私のだけは絶対に見るな!」
「え、羽森さん何言って」
「わ、私のも見ちゃダメー!」
「八雲さんまで!?」
「・・・確かに最近は中々不健康な生活を送ってたけど、こ、これは何かの間違いです! 再測量を要求します!」
「・・・私は別にどうでもいいんだけど」
「ダメだよそらちゃん! そらちゃんも女の子なんだから!」
「むぅ・・・」
「ていうかあずさちゃんこの体重の軽さ何!?」
「いやー・・・何故かあずさ、全然体重増えなくて・・・あまり増えるのもあれなんですけど、もうちょっと増えて欲しいなーって・・・」
「なにその贅沢な悩み!?」
「わ、私はこんなにちっちゃくないぞ! おいモノクマ出てこい!」
「えー・・・別にどうでもいいんじゃ」
『よくない!』
「えー・・・」
「私も別に気にはしないんだけど・・・まあ、あんたたちがそんなに気になるなら、水城は通信簿は見ない、ってことでいいんじゃない?」
「そうしよう! いや、そうすべき!」
こうして俺は通信簿を見ることが禁止された、なにこの理不尽。
プロローグ
ようこそ絶望学院へ
END
生き残りメンバー
竜泉寺レンレン 藍乃あいか 円城寺れいか 三波なつみ
時国そら 八雲ちづる 神樹いちか 熊沢ひめの
羽森つばさ 双葉みづき 氷野くるみ 湖南やこ
小鳩あずさ 悠木ともこ 水城あらと 榊むつみ
のこり
『16名』