ダンガンロンパアンサンブル ~希望の転校生と絶望の学院~   作:粒餡

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一章「ムーン・オブ・ザ・ラビット (非)日常編」 2

「じゃあ、水城君、どこ行く?」

「うーん・・・まあ、やっぱり気になるし、才能研究室に行こうぜ。才能研究室自体には脱出の手がかりはなさそうだけど、二階にはあるかもしれないしな」

「分かったよ、じゃあ行こっか」

「おう」

そういうわけで、俺たちは才能研究室に向かうことにした。

「・・・」

「・・・」

が、くそ・・・! 何か気まずい、最後に会ったのも小学生の頃だしなあ・・・いくら仲が良かったとはいえ、やっぱりしゃべることなんてそんなに。

「そういえばさ水城君」

「ん、何だ?」

この雰囲気を和らげるためかは分からんが、三波が俺に喋りかけてきた。

「子どもの頃・・・小学生だった頃の記憶って、どこまで覚えてる?」

「あー・・・それはお前との思い出をどこまで覚えているか、ってことか?」

「うん」

「うーん・・・あ」

「何か思い出した?」

「お前が飛行機は空から糸で吊るしてるんだって小学四年生まで勘違いしてた、っていうのを思い出したよ」

「もう! そういう変な思い出は思い出さなくていいの! ていうかあれ水城君がそう私に教えたんじゃん!」

「あれ、そうだっけ?」

「そういんじゃなくてさあ・・・ほら、もっと何かあるでしょ?」

「何か、って言われても・・・」

そう言われて俺はまた思い出そうとするが、特になんも思い浮かんでこなかった。

「・・・すまん、お前が期待するような答えは全然思いつかない」

「・・・そうだよね、水城君って昔からそういう人だったよね」

「ごめんって」

「あはは、冗談だよ、じゃあ、この話はまた今度、ってことで。ほら、もうそろそろ着くよ?」

「え? あ、本当だ」

目の前には、白と黒のどこかモノクマを連想させるような色合いをした扉に、『才能研究室』というプレートが付けられている。

「・・・悪趣味だな」

「まあ、あんまり入りたくない場所ではあるね・・・」

「仕方ないから入るしかないんだけどな・・・」

そう言って俺はドアノブを回す、何かしらあるといけないから勢いよく扉を押してみるが、特に何も起こらなかった。

「それじゃあ、入るぞ」

「う、うん・・・えっと、一応何があるかわかんないから、慎重に、ね?」

「おう」

俺たちはそのまま室内に入り、進んでいく。しばらく、というには言いすぎかもしれないが、割と長い廊下を歩いていくと曲がり角に遭遇し曲がると、恐らくそこが才能研究室だろうと分かる扉が何枚かあるが、一番目を引いたのは。

「・・・なんだ、あれ」

「・・・鉄格子?」

廊下の一番奥には、マップのとおりに階段があった、が。そこにいくための道には鉄格子が備え付けてあり、通れないようになっていた。

「・・・とりあえず、あそこは無視しよう、今はこの部屋の探索が先だ」

「う、うん」

通れない道のことを考えてもしょうがないし、俺は試しにと『超高校級の剣道部』つまり悠木ともこさんの才能研究室を開けようとするが。

「・・・あれ?」

「どうしたの?」

「鍵がかかってるっぽい・・・? クソ、どっかに鍵があんのか?」

「ううん・・・あ、もしかして、その研究室の持ち主しか開けられないとか?」

「あー・・・その可能性もあるな。じゃあ、俺の研究室は・・・こっちか」

三波の指摘のとおり、俺は自分の才能研究室を開けようとするが。

「やっぱり開かないな・・・」

「そっか・・・」

「一応三波の研究室も開けてみてくれないか?」

「分かったよ・・・ダメだった・・・」

「そっか・・・じゃあ、とりあえずあっちの鉄格子調べようぜ」

「そうだね・・・もしかしたらどっかに開けるためのスイッチがあるかも!」

俺たちは階段にいくための道を塞いでいる鉄格子を調べるが、特に成果は出なかった。

「ダメだったね・・・」

「ま、しょうがない、別の所探しに行こうぜ」

「うん」

そう言って俺たちが来た道を戻ろうとすると。

「ん、お前たちこんなとこにいたのかー?」

「・・・」

「あ、双葉さんに時国さん」

「どうしたどうしたこんなところで二人きりで、もしかして逢引でもしてたのかー?」

「そ、そんなことしてないよ!」

「・・・はあ」

「何だよ時国そのため息!」

「・・・何でもない、で、あなたたち・・・水城は何をしていたの?」

「なんで今私ちらっと見られただけで無視されたの・・・?」

「あー、ここ調べてたんだが、才能研究室って鍵かかってるみたいでダメなんだわ」

「・・・あっちは?」

「あっちは見ての通り鉄格子でこれ以上進めないから他の所に行こうって話をしてたんだ、時国さんたちは?」

「それならちょうどいい」

「は?」

「・・・?」

いや、そんな何がわかんないんだろう的な目でこっちを見ないでくれ・・・。

「私たちはなー、さっきまで個室調べてたんだよ」

「個室か・・・何かあったのか?」

「まあ、ベッドとか、机とか、シャワールームとかもあったなー」

「そこだけ聞くと何か普通の寮とかみたいですね・・・」

「本当にな、んで、後はそこって完全防音らしいんだ。扉閉めただけで外の音が全然聞こえなくなるんだよなーあそこ」

「・・・あそこなら、例え悲鳴をあげても気づかれないね」

「そういうこと言うなよお前は・・・そして! 私たちはこんなものを見つけたからここに来たんだ」

「・・・鍵?」

双葉さんが誇らしく見せるのは、何かの鍵だった。

「・・・もしかして、ここの鍵か?」

「そのとおり!」

「と言っても私が見つけたんだけどね・・・なんで机のうえに置いてあったのに気づかないんだろうこのアホ・・・」

「アホっていうな! 水城からも何か言ってやれよ!」

「ノーコメントで・・・で、鍵を見つけてここに来た、ってことは才能研究室の探索に来たんだろ? じゃあ俺たちもその探索に参加させてくれないか?」

「別にいいけどノーコメントってお前・・・」

「あー、ごめんごめん、双葉さんは別にアホではないと思うよ」

「だろ!?」

「・・・こんなうるさい奴の相手してる私の身にもなって欲しい」

「私そんなうるさくないだろ?」

「いやごめんそれは流石に庇いきれない」

「お前なー!」

「あはは、とりあえず、ほら入りましょう?」

「ぐぬぬ・・・まあ、そうだな」

三波に諭され、双葉さんは『超高校級の幸運』の才能研究室の扉についている鍵穴に持っていた鍵を差し、捻る、するとカチッ、という音がする。

「おー開いた開いた、んじゃ入るぞー」

中に入り、最初に目に入ってきたのは、『超高校級の幸運』とはかけ離れたものだった。

「・・・なんだこの部屋」

「こ、個性的な部屋ですね・・・」

「・・・幸運っていうより、オカ研って方が似合いそう」

「何だよその反応かっこいいじゃんこの部屋!」

まず最初に目に入ったのが部屋の真ん中に堂々と置かれている、おとぎ話に出てくる魔女がよく何か得体の知れないものをかき混ぜている鍋、そしてその周りには何やら魔法陣的なものが書かれていて、壁際には本棚も置いてあった。

「ていうかこの部屋何か薄暗くねえか? 電気つけようぜ」

「この雰囲気がいいんじゃん、分かってないなあ・・・」

「いやそんなやれやれみたいな雰囲気出されても・・・」

「しっかし、誘拐犯とは言え中々いい趣味してんじゃん、この部屋、私は気に入ったぞ?」

「・・・なるほど、確かに興味深くはある」

「だろ!? いやー、時国は分かってるなあ水城と違って!」

「・・・ここの棚、毒薬とか置いてあるし、コロシアイに利用されそう」

「そっちの興味かよ!? ていうか私たちはコロシアイ何かしないっつうの! 時国もそうだろ?」

「・・・・・・そうだね」

「なんだ今の間は!?」

「何でもない、ていうかさっきからうるさい・・・もうちょっと静かに喋って」

「お前本当に自由なやつだな・・・」

「あはは、時国さんと双葉さんは仲良くなってるんですね」

「仲良くない」

「即答すんなよ・・・まあ、やっぱりこんな状況に巻き込まれたらいくら私でも心細いしなー、みなちゃんもいないし。まあだからみなちゃんの代わりとは言わないけど、やっぱり信頼できるやつを一人でも作っておきたいじゃん?」

「・・・別に私はあなたのことを信頼してるわけではないんだけど」

「まあまあ、それは後々って感じで!」

そう言って双葉さんは本当に楽しそうに笑う。時国さんも顔をしかめていはいるが、多少は楽しそうにしている(様に見えなくもない)・・・コロシアイ、か。

「・・・うん、そうだよな。俺も三波がいたから良かったけど三波だけに頼ってるわけにもいかないしな」

「だろー? いやー、私いいこと言ったなー」

「はいはい、んじゃ。とりあえずもうちょっとこの部屋探索してから食堂に向かおうぜ」

「ま、それもそうだな」

そして俺たちはこの部屋を探索する。

「ううん、結局見つかったのはこれだけかあ」

「堂々とテーブルの上に置かれてたけどね」

部屋を隅から隅まで探したが、発見したものは封筒を一枚、そして壁に張ってあった注意書きだけだった。注意書きには。

『この才能研究室は双葉みづき様が死んだ場合鍵が自動的に解除されます』

「・・・嫌な文章だなー」

「まあ、でも実際誰かが殺されて死体をここに放置されたらかなり面倒」

「だからお前は何でそういう解釈しかできないんだよ・・・」

「とりあえず、次はこっちの封筒見てみない?」

「そうだなー、しかし、この封筒どっかで見たことあるような・・・」

双葉さんが封を開け、中の紙を出す、そこには。

『双葉 みづき 様

今回、我が校では平均的な学生の中から、抽選によって一名抽出いたしました。その結果当選したあなたを

『超高校級の幸運』

として、我が校に招き入れることになりました。つきましては、入学するにあたり希望ヶ峰学園の入学案内パンフレットを同封致します。』

「ぎゃー!!」

「うるさい」

「こ、これ私の招待状じゃん! 何でこんなところに!」

「・・・平均的な高校生」

「う、うるさいやい! 幸運だって希望ヶ峰学園が認めてるんだから立派な才能だろ!?」

「そ、そうだよ水城君」

「・・・だけどその結果こんなところに閉じ込められてコロシアイを強要されるんだから、幸運とは言い難いけどね」

「ぐぬぬ・・・」

「えっと・・・」

結局、数分間ぐらいでなだめ終わって、これ以上探すものもないので俺たちは才能研究室をあとにし食堂に向かった。

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