彼女がいれば…   作:もっち~!

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サトゥーの視点です。


SS:サトゥーと眠れるお姫様

 

---サトゥー---

 

ムーノ男爵領での活躍が認められて、ムーノ男爵領の名誉士爵になった。ムーノ男爵は、亜人や人族の区別なく接し、好感の持てる人物であり、勇者研究の第一人者として有名だと言う。

 

そんなムーノ男爵に、俺の抱える問題を相談してみた。

 

「君の奴隷であるリザ君、ポチ君、タマ君を元の主に返したいのか。で、その主は、リザ君達を解放する為に、元々の持ち主を殺してしまったのか…う~ん、難しい問題だな。方法の1つだけど、王都へと行き、王様にその主の罰を恩赦してもらった上で、所属を変更するとかだな」

 

恩赦か…恩赦を認めてもらう理由をどうするかだな。

 

「後、聖剣と聖槍なんですが、2本ずつあるようですけど」

 

俺と、アイツの持っているエクスカリバーとロンギヌスについて訊いてみた。

 

「2本ずつだと…有り得ない。どちらかが、ダミーだと思う」

 

ダミー…俺のか?アイツのか?

 

「持ち主の名前は何て言うんだね?」

 

「ギルと名乗っていました」

 

「ギル…ギルかぁ…まさかなぁ…」

 

何かに辿り着いたムーノ男爵。

 

「まさかとは?」

 

「昔、『宝物庫の番人』と呼ばれるギルガメッシュという人物がいたんだよ」

 

ギルガメッシュ?どこかの神話で神だったっけ?

 

「勇者達のパーティーに帯同して、サポート役をしていたとか」

 

「いつの勇者ですか?」

 

「その時の生き残りがいる。会ってみるが良い。一人は、テニオン神殿の巫女長。もう一人は迷宮都市でギルド長をしているよ」

 

次の目的地は、マップ探索をしてみると、オーユゴック公爵領の公都にあるテニオン神殿が近いようだ。そこに向かってみよう。

 

-------

 

テニオン神殿には眠れる巫女がいるそうだ。何かの病で目を覚まさないらしい。ムーノ男爵の紹介状を巫女長に届けて貰い、爵位特権で眠れる巫女と対面することにした。

 

ベッドで静かな寝息を立てている少女。萌葱色の瞳にプラチナブロンドの髪…顔立ちはかわいい。ステイタスを確認すると、名前はセーラ。15歳で、レベル30のようだ。『神聖魔法:テニオン教』『神託』『瞑想』『悪意感知』のスキル持ちである。仲間に入ってくれると戦力が上がるなぁ。

 

「こういう場合って、王子様のキスで、お姫様は目覚めるのよ」

 

って、アリサ。この子とキス…出来たらいいなぁって、唇に柔らかな感触。しまった…妄想していて、つい…でも、アリサの言う通りであった。お姫様の瞼が微かに動き、徐々に瞼を開いていった。お姫様の柔らかな手の平が、僕のこめかみを優しく包み込んでいく。

 

「何をしているの!」

 

女性の声で、我に返った俺。

 

「巫女長様…この方が、私を助けてくれたんですよ。あの悪魔から…」

 

どの悪魔だ?戸惑う俺。

 

「巫女長様…私を助けてくれた、この方と共にありたいです」

 

願望が現実へとシフトしていく。かわいい…一緒にいられたら、幸せに違いない。

 

「あなたが、ペンドラゴン士爵?」

 

「はい、そうです」

 

この老女が、巫女長のようだ。

 

「ギルガメッシュという人物について、訊きたいことがあります」

 

本来の用事を伝えた。

 

「セーラの心を手に入れた、あなたに何も話すことは無い。お帰りください」

 

俺は巫女長に対して、何か気に障ることをしたようだ。素っ気ない言葉だ。俺が帰ろうとすると、セーラって少女が、起き上がり、俺に付いて来ようとしている。

 

「セーラ…何をしているの?」

 

「私は、王子様に帯同します。彼へ神託を伝えたいのです」

 

って…巫女長は苦虫を潰したような顔になっていった。

 

「そう…あなたのような恩知らずは、ここにはいらない。出て行きなさい!」

 

神殿にいる皆の視線が俺を睨み付けている。俺が何をしたと言うのか?俺は彼女を目覚めさせたのだぞ。

 

「さすが、サトゥーね。神託の巫女を一本釣りとは…」

 

アリサですら呆れているようだ。やらかしたのか?俺は…

 

--------

 

その夜、この地を統治しているオーユゴック公爵に、夕食会に誘われた。爵位持ちの家系であるゼナさんを同伴して、夕食会へ向かった。

 

その会には巫女であるセーラさんがドレス姿で参加されていた。なんで?いや、巫女姿も良いけど、ドレス姿の最高です♪

 

「さて、ペンドラゴン卿、私の孫娘のセーラを救ったというのは、本当か?」

 

え?公爵の孫娘…セーラさんが?これは良縁にシフトしているのか?

 

「お祖父様、本当です。目覚めたら、彼がいてくれました」

 

「そうか…否定はしないのだな。では、セーラとの婚約を発表する。君の同伴者であるゼナ・マリエンテール嬢は側室という扱いにする」

 

は?ゼナさんを側室?ゼナさんの顔が真っ赤に染まっていく。

 

「何か問題があるかね?」

 

「いえ…お会いしたその日に婚約って…」

 

「爵位持ちであるなら、そういうことを覚悟しておきなさい」

 

なんか、トントン拍子で、俺の妄想通りに進んでいく現実。いや、上の立場になれば、リザ達を返せるようになれるはずだ。待っていろよ、ギル。絶対に返してやるからな。

 

 

 

 

 





ギルの為と思っているのに、ギルを追い詰めていると知らないサトゥー…
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