彼女がいれば…   作:もっち~!

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残酷なシーンがあります。


無理心中からはじまる人質救出

 

ミトをリーダーに、僕、セーラ、リザ、タマ、ポチ、ナナ、ミーアで、王都へ移動を開始した。ミトが更なる現況を知りたい為、探りを入れるらしい。僕は僕探しの旅になり、セーラ達は、僕のガードだという。

 

リザが言うには、戦う術が無い僕は、セーラより弱いって、感じらしい。まぁ、僕個人では戦いは無理である。オートバトルモード頼りであるから。

 

「大丈夫だよ。ギルは私が護るから♪」

 

って、ミト。

 

「あなたが一番、油断出来ない」

 

って、リザ。

 

「取らないわよ~。私には想い人がいるんだからね」

 

って、132年前だろ?生きているのか、そいつは…

 

「元々、この世界には竜神アコンカグラしか神はいなかったの。そして、この世界を開拓する為に、神国から7柱の神が7本の大樹に載って、この世界に来たそうよ。で、知らない間に、もう1柱である魔神が大樹と共に飛来したらしい」

 

「この絵本にも同じ様なことが書かれています」

 

ミトの話を裏付けるように、リザがポチのお気に入りの絵本を指した。

 

「問題はそこじゃないんだよ」

 

僕の記憶にギルガメッシュの記憶がリロードされていく。僕はいつまで、僕のままで居られるだろうか?

 

「問題はどこなの?」

 

ミトに訊かれた。

 

「聞いた話だと、パリオン神は女神だってことだ。その絵本にも書かれているが、竜神から魔王を倒す為の勇者を呼ぶ呪文を授かったのは女神と記されている。だけど、大樹にいる伴侶のいない神への贈り物は、女性のハイエルフだけだ。おかしいだろ?」

 

「あっ!そうだね。ハイエルフに男性がいないって、おかしいわね」

 

「だから、パリオン神がリーダーもしくは、遅れてきた1柱の可能性があるんだ」

 

「最後の1柱って魔神では無いの?」

 

「あと、この世界の原住種族はドラゴンだけだ。それは、この世界の神が、竜神しかいなかったことから考えても理に適っている。後の種族は、大樹に詰め込まれたシードという種で、産まれているんだ。こいつらは何の為に開拓に来たんだ?」

 

「何の為?そうね。普通、開拓って、資源を得る為とか、移住する為だよね」

 

「資源では無い。だって、神々は得た資源を持ち帰った形跡は無いんだから」

 

「なるほど…」

 

王都までまだ掛かる。しばらくは、この世界の神談義で時間を潰すのかな。業者はナナとミーアが担当してくれている。リザとセーラも御者出来るので、安心である。

 

「まぁ、あの大樹がノアの箱船だとすると、この世界への永住が正解だけど、これも違う。だって、神は8柱しか来ていないんだよ。それも神とは言え無い神族だし」

 

神は、創造神、維持神、破壊神という感じで、役割を持っているのだが、この世界の神の役割がイマイチなのだ。信仰を集めるだけとか、人間を弄ぶだけとかだ。

 

「神様では無いのですか?」

 

セーラに訊かれた。

 

「違うよ。神は何度も介入しない。介入するときは、1発て終わらせるよ。それに神がいれば、魔王の季節なんてものは無いと思うんだよ」

 

僕を睨んでいるミト。何が言いたいんだ?

 

「じゃ、今度こそ、1発で終わらせなさいよ、ギルガメッシュ」

 

それが言いたいことか?意味がわからない…台車に載る皆が僕を見つめていた。

 

「そこが難しいとこだよ。神は死んだら生き返らないが、この世界の神は生き返るんだよ。1発では終わらない。そもそもの元凶を断たないとダメなんだ」

 

僕の口が発した言葉であるが、元凶って何だ?ギルガメッシュは何に気が付き、命を失ったんだ?

 

「ギル…結論に達して、彼に引き継いだのね」

 

ミトの言う彼とは僕のことだろうな。ミトも気づき始めた。今の僕が僕では無いことに。今の僕は、僕の絞り粕程度だろう。ほとんどがギルガメッシュの記憶で満ちあふれている。

 

「そう…結論は大罪人になることだよ、ミト。彼は既に大罪を何度も熟している。この世界の最凶なる大罪人になることが、最後の希望なんだ」

 

僕の人生はデスマーチへ向かっているのか…リザ達を置いて、そんなとこへは、向かいたくはない。

 

「手立ては?」

 

「大樹を総て破壊する」

 

「えっ!」

 

ミーアが僕を驚いた表情で見ている。それは、エルフ族、ハイエルフ達の殲滅に近い行いであるから。

 

「大罪だろ?ミーア…いいか。魔王はエルフの里だけは襲わないんだよ。魔素を大量に地脈に流しているのにだ。大樹の傍に迷宮を作ればいいのに、都市の下に作るだろ?人間がいないからって言われているけど、エルフは神サイドの亜人だからだよ」

 

ミーアの顔色が悪くなっていく。もう止めろ…頼むから止めてくれ、ギルガメッシュ…

 

「今世の器が騒いでる。仲間を追い込むなって…追い込んでいる訳では無い。真実を述べているんだよ」

 

ふざけるな…ミーアを虐めるなっ!

 

『リザ…殺してくれ…』

 

僕の心が叫ぶ…だけど…

 

「ミーア…最後まで聞こう…ギル様の話を…」

 

リザは、感情を押し殺したような声で、ミーアへ言葉を投げた。それは、既に僕が僕で無いことに気づいた感じである。

 

「器君♪君の賢明な仲間は、君が僕の人質であることに気づいている。自殺幇助をさせようたって、無理だよ」

 

ギルガメッシュもクソ野郎なのか…コイツをパージしないと…そうだ!ルシファー…

 

『ごめんね…私達はギルガメッシュと契約しているんだよ。役立てない…』

 

ダメなのか…いや、考えろ…何かあるはずだ…そうか!…一つだけある。コイツの口を黙らせる方法…僕の中で何かのギアが上がった気がする。

 

『ナナ!僕と共に…あらんことを望む』

 

覚悟を載せて、ナナに念じた。頼む…ナナに届けぇぇぇぇ~!

 

「イエス、マイマスター♪」

 

ナナが御者台から僕の元に来て、僕を抱えて、馬車から飛び降りた。届いた…

 

「どうするつもりだ!」

 

『ナナ…ゴメン…僕と死んでくれ』

 

「わかりました♪」

 

チュド~ン!

 

意識が暗闇の飲まれていく。

 

『ダメでもいいんだよ。いつまでも、どこまでも、私が一緒だよ、に…ん』

 

暗闇に誰かの言葉が、浮かんで消えた…

 

 

-------

 

くらい…もう目覚めなくていい…ミーアの悲しい顔は見たく無い

 

つらい…ナナ、ごめん…僕のわがままで…

 

クライ…叫ぶと目覚めてしまう…沈黙は宝だ♪

 

『宝物庫の権限が移譲されました』

 

目の前で文字が流れている。僕は生きているのか?

 

『ギルガメッシュウィルスの駆除に成功しました。自我を取り戻します』

 

アイツに浸食された僕の心は、アイツから解放されたようだ。ナナのおかげだ。って、アイツはウィルスだったのか?はて?

 

『兄さん…私はいつでも一緒だよ。ダメじゃない。諦めちゃダメだよ』

 

妹の言葉が文字として表示されている。どうして?どこから、入力をしているんだ?

 

『ナナは、私が助ける。だから…ダメでも大丈夫。ダメな時は、私が隣にいるって言ったでしょ?』

 

隣を見るが妹はいない。会いたい…話したい…抱き締めたい…妹への想いが暴走していく。

 

『兄さんは、最後の希望なんだよ。私の作った最高傑作だし♪私の分まで生きて…』

 

私の分まで…どういうことだ?それがキーとなったのか、妹からの言葉が流れなくなった。

 

システムチェック…

 

『修復モード…修復が終わりました』

 

『システムを再起動します』

 

「マイマスター…兄さん…大丈夫…」

 

ナナが僕を抱えている。妹の姿がナナに重なっているようだ。

 

「なぁ、お前の分までって、どういうことだ?」

 

ナナに訊いた。

 

「マイマスター…シスターモードに移行します。しばらくお待ちください…兄さん…やっと会えたぁ~♪」

 

僕を優しく抱き締めたナナ?妹?

 

「どうなっているんだ?」

 

「まだ、覚醒しきれていないの…だから、ナナに…シスターモードを解除します。マイマスター、ご命令を♪」

 

え…妹がナナに戻った。ナナが妹なのか?う~ん…

 

「ここはどこだ?」

 

「ここはマイマスターの隣です♪」

 

それは分かっている。う~ん…ログには馬車から落ちたところまでしか、記録が無い。周囲を見回しても道の上であることしか分からない。そうだ♪全マップ探索…王都まで1キロのようだ。王都へ向かうか。

 

--------

 

王都に着くと、状況が分かった。ミト達は王都に着いていないらしい。それどころか、事態は悪い方へ向かっていた。

 

「ムーノ男爵の配下であるペンドラゴン士爵が、ボルエナンの里を領地にしたそうです」

 

って、宰相が伝えてきた。

 

「ペンドラゴン卿が、何かに取り憑かれているらしいとの噂があります。調査をしてきてくれませんか?」

 

って、言われても…ナナしかいない僕には、戦力が無さ過ぎる。でも…でも、広域マップ探索をして、行く決心をした僕。サトゥーのマークの傍に、リザ、セーラ、ミト、ポチ、タマのマークが表示されたのだ。アノ野郎に囚われたようだ。くそっ!僕がバカをやったばかりに…

 

「ナナ、行くぞ」

 

「イエス、マイマスター♪」

 

竜翼を装備して、ナナを抱えて、ボルエナンの里を目指す。う~ん、無理がある。一人でも困難なのに、ナナもって…地上へ降りると、何かの大木を見つけた。大木かぁ…

 

ふふふ♪閃いた。アイツを召喚した。

 

「鬼畜なにぃやんかぁ~、今回はどこまで転移させればいいの?」

 

話が早いドライアド。

 

「エナジードレインをしていいから、ボルエナンの里まで二人♪」

 

ドライアドをタクシー代わりに使う僕。

 

「エネルギーはいらない。何のエネルギーなの?全然減らないんだよ。腹八分目って決めているのに、アレ以来ず~っと満腹なんだよ~」

 

次の瞬間、ボルエナンの里に付いた僕。あれ?ナナは?

 

「ゴメン、一人しか運べないんだよ。そこの結界が固くてね。彼女は、安全な場所に送っておくよ」

 

どこ?って訊く前に、トンズラしたドライアド。後で、探すか。では、大罪人らしいことをするか。

 

『スキル「永久凍土」を起動しました』

 

大樹の根とエルフ達には冬眠してもらった。無駄に殺すのは、性に合わないから。さて、サトゥーの元へ向かうか…僕の位置情報を隠蔽して、気配を消して、展望ルームを目指す。そこにいるようだ。

 

----------

 

展望ルームでは、サトゥーとアリサが、僕の仲間達を調教していた。全員、裸にされている。仲間のステイタスは「淫乱化」という状態のようだ。媚薬でも服用されたのか?

 

「ほら、セーラ♪得意の自慰をしなさい。ミトって新入りもねぇ」

 

主人のサトゥーでは無く、アリサが仕切っている。サトゥーの目は虚ろである。状態は「憑依」のようだ。アリサの状態も「憑依」って…何に憑依されたんだ?

 

調教に集中している二人は隙だらけである。なので、容易く、展望ルームにある装置類を細工出来た。

 

「ダメ…ギル様に捧げるのですから…」

 

リザの艶っぽい声、サトゥーと抱き合っている。

 

ポチとタマは、アリサに道具にされているようだ。

 

そうだ、アーゼはどうしたんだ?ここにアーゼがいない。狭域マップ探索でアーゼを探す。このフロアにいない。広域マップ探索に切り替えると、ここにいると出る。違う階層か?全マップ探索をしてみた。下の階層…儀式を行う、広めのエリアにアーゼがいた。アーゼ以外の者達の赤い点が無数にある。赤い点って敵だよな。まずアーゼを助けに行く。

 

アーゼの居るフロアに降りると、大量の魔物や、人間らしき者達にアーゼは玩具にされていた。魔物達からは触手責めに会わせられ、人間らしき者達には口での奉仕をしている。アーゼの状態も「淫乱化」のようだ。

 

『ダーリン…私を殺して…お願い…』

 

脳裏に響くアーゼの心の叫び。それを聞き、僕の中に殺意が芽生えた。

 

『コマンド キリングを実行します』

 

僕の殺意を感じ取り、僕のシステムは、アーゼ以外の者達を一瞬で死へ向かわせた。床に堆積するように置いてある死体達。ソレを踏みつけて潰すように、アーゼにゆっくりと近づいていく。近づく間に、宝物庫から、淫乱化を解く解毒薬を探し出す。あった。これだな。宝物庫から、解毒薬のアンプルを取りだし、アーゼの元に着くと、優しく抱き上げて、アンプルの中身を口の中へ注ぎ込んだ。

 

「ダーリン…ごめんなさい…私の為に大罪を…」

 

「気にするなよ。彼女なんだろ?」

 

「妻ですよ…」

 

って、一瞬笑顔を見せて、アーゼの意識が飛んだようだ。まぁ、過労だろうな。こんなに相手もしていたんだから。

 

そういや、ミーアはどうした?探索をすると、ここにはいないようだ。逃げられたのか?それとも逃がしてくれたのか?広域マップ探索をすると、幻想の森にいるようだ。魔女が助けてくれたのか?あ!ナナもいる。確かに安全な場所だ。ドライアイよ、GBだよ♪

 

『その子も届けようか?』

 

ドライアドの声。そうか、大樹の中だからか。

 

「頼む」

 

僕の腕の中から、アーゼが消えた。さてと、宿敵と戦うか♪

 

-------

 

展望ルームへ戻った僕。サトゥーはセーラと交わっていた。セーラの意識は無いようだけど、サトゥーは感触を味わいながら、愉しんでいるようだ。ミトは意識を無くし、部屋の隅に捨てられている。まぁ、対象年齢より上過ぎたのだろう。コイツはロリ好きだしなぁ。

 

アリサは…紫色の光を放った瞳。コイツが元凶か?アリサの頭部を鷲掴みにして、持ち上げた。

 

「お前…いつの間に…」

 

「どうする?僕を殺すか?構わないよ。殺したければ殺せ!」

 

ミシッ!

 

アリサの頭蓋骨がひび割れる音がした。

 

「いつまで、憑依しているんだ?早く出ないと、出られなくなるぞ」

 

ミシッ!

 

「わかったよ。この少女と心中しろ!」

 

ミシッ!

 

指先にアリサの脳ミソが触れた。どうだ、出たか?アリサから湧き出る様にして、現れた紫色の珠が2つ、天井へと逃げる様に浮かんでいる。

 

『聖魔斬を発動します』

 

聖剣と魔剣が融合した聖魔剣を手にして、その珠を両断していく。

 

「お前は…何者だ…」

 

「名乗る程の者では無い。単なる大罪人だよ♪」

 

「くそっ!」

 

消滅した悪意が2つ。後、もう1つか…

 

グサッ!

 

サトゥーが背後から斬りつけてきた。もう死ぬ事に抵抗しない僕は、避けない。これが、僕の唯一の強みだよ。

 

「捕まえたよ」

 

サトゥーの剣が、僕の身体から抜けないように、筋肉を引き締めていく。

 

『ワクチンを注入します』

 

先程、両断した憑依体の組成を解析して、ワクチンを作ったのだ。これで、宝物庫の宝が1つ増えた♪

 

剣から感じていたサトゥーの力が、徐々に消えていく。

 

ドサッ!

 

サトゥーが倒れる音。

 

カラン

 

剣が僕の身体から抜け落ちた音。仲間達の口に、解毒剤を流し込んでいく。そうだ。アリサの頭に、修復薬と治癒薬と回復薬をぶちまけておく。これで、頭痛は残るが、生き残れるだろう。

 

薄れていく意識…これで終われるかな?やり遂げた感一杯の僕。

 

『ドライアド…頼む』

 

『うん♪』

 

僕もアーゼ達の元へ連れて行ってもらった。

 

 

 

 

 

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