彼女がいれば…   作:もっち~!

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04/04 少し手直し


別れから始まる迷宮探検

何でも屋に下宿をし始めた僕達。ナディさんに頼んで、仲間になったリザ、ポチ、タマの当面の服とパジャマを買ってきて貰った。勿論、下着もだ。ノーパンノーブラでは可哀想だし。

 

「お風呂に入って、新しい服を着てね」

 

でも、脱衣所で固まっている三人。言葉が通じないのかな?自動通訳システムは起動している。う~ん…しばし考えた僕。そうか♪お風呂を知らない可能性があるのかな?

 

リザに近寄り、彼女の奴隷服を脱がしていく。頬を赤らめて、身体を震えさせるリザ。寒いのかな?そんなリザをお風呂場へ連れ込み、石けんの泡で、彼女の身体を洗い流していく。

 

「痛い場所があったら言ってね。あと、触られたく無い場所とか」

 

「えっ!」

 

何かに驚いているリザ。怪我らしい箇所は無いな。女性の秘部は…洗い方を知らない。放置だな。尻尾もわからないから放置。

 

「尻尾と股間は自分で洗ってね。で、泡を流したら、湯船で暖まるんだよ」

 

はっとしたリザは、ゆっくりと頷いた。続いて、ポチ、タマにも同じ様に接した。

 

「身体が温まったら、湯船から出て、タオルで水気を拭って、新しい服を着て、部屋に戻って寝ていていいから。この奴隷服は処分するからね」

 

僕はナディさんの元へ顔を出した。奴隷服の処分を依頼して、

 

「証明書は出来ましたか?」

 

「えぇ、できていますよ」

 

三人の証明書を受け取った。

 

「どうして、彼女達を奴隷から解放してあげたの?」

 

興味有げな雰囲気を醸し出して訊いてきた。

 

「かわいいから♪あんな妹が欲しかったから。ダメですか?」

 

どことなく、リザは妹に似ているし。

 

「ダメでは無いですよ。そうなのかぁ…ギルさんは素直でいいわねぇ。店長も素直になりなさいね」

 

店長と呼ばれた男性。無口である。いつも難しい本を読んでいる。怒らすと恐そうだな。

 

「この大陸の地図とかありますか?」

 

「はい」

 

ナディさんが地図を出してくれた。

 

「いくらですか?」

 

「込み込みの代金よ。あんなに良質な物を、あんなに安く売ってくれたもの♪」

 

「そうそう、回復薬の作り方の本ってありますか?」

 

ドン!

 

店長が分厚い本を置いてくれた。え…こんなに分厚いの…

 

「あぁ、それなら、基本的な物から、応用品まで出ているわ。店長もギルさんを気に入ったようね。うふふ♪」

 

気に入られたんですか?僕的には、店長は恐い雰囲気で、ビビリまくっていますけど…

 

「ぶっきらぼうだけど、親身にはなってくれるわよ」

 

そうなんだ…近寄りがたい雰囲気ですけど…

 

分厚い本を抱えて、部屋に戻ると、リザ達が戻って来ていた。部屋の中で立って僕を待っていたようだ。

 

「あぁ、もう奴隷じゃないんだから、ベッドで休んでいてもいいんだよ」

 

備え付けの机に本を置き、最初のページから読み始めた。

 

「あの…よろしいですか…」

 

顔を赤らめたリザが声を掛けてきた。

 

「どうした?熱でもあるのか?」

 

リザの額に僕の額を当ててみた。なぜか、目を瞑るリザ。熱は無さそうだ。

 

「熱は無いみたいだな。で、何か用かな?」

 

「いえ…あのですね…私は…ご主人様と…寝れば良いのですか?」

 

床の相手ってヤツか?

 

「ベッドが2つだから、誰かと一緒には寝るけど、パジャマを着たままで寝てね。そんなつもりで、奴隷から解放した訳では無いから」

 

「え…では…どうして…ですか…」

 

どうして…

 

「三人ともかわいいから。それだけだよ。こんなにかわいい妹がいたらいいなって」

 

「でも、私達は。ご主人様のお役に立ちたいんです」

 

ご主人様?

 

「ご主人様でなくて、ギルでいいよ」

 

「では、ギル様…私達に命じて下さい」

 

命じる?う~ん…

 

「リザは何が出来るんだ?」

 

「ヤリとナイフが使えます。料理も多少は…後、ギル様のお相手…」

 

最後の項目は聞かなかったことにしよう。

 

「タマは?」

 

「石ころ投げ?」

 

「ポチは?」

 

「石ころ投げと罠探しなのです」

 

「じゃ、探険するときに、手助けを頼むよ」

 

「普段はどうすれば良いですか?」

 

う~ん、コミュニケーションを取れば、良いのかな?

 

「散歩の同伴♪そうだ。まだ日は出ているから、これから街の中でも散歩するか?」

 

三人を連れて、街の中に繰り出した。賑やかな街のようだ。兵士が至る場所に配置されている。治安は悪いのかな?

 

屋台村のような場所に出た。ジャンクフードの香りが漂っている。三人の尻尾がうかれているようだ。三人がロックオンしているは、焼き鳥屋さんのようだ。4本買って、1本ずつ食べた。

 

「おいしい」

 

「おいしいのです」

 

「うんうん♪」

 

その後も三人が、ロックオンしたジャックフードを、食べていく。料理も覚えた方がいいかな。そうなると、調理器具とか調味料を買わないとなぁ。ナディさんに相談かな。

 

「ちょっと、身分証はある?」

 

スリムな女性兵士に声を掛けられた。4人分の証明書を提示した。

 

「違反項目は無いわね」

 

証明書が返されてきた。少し困った顔の彼女。かわいい…立ち去ろうとした彼女に声を掛けてみた。

 

「ちょっと待って!君の名前は?」

 

「えっ?私?私はゼナ・マリエンテールよ」

 

「ゼナさん、非番の日はいつ?」

 

「え!ナンパ…私よりいい女は一杯いるわよ」

 

頬を赤らめたゼナさん。

 

「ゼナさんも充分かわいいよ♪」

 

モジモジし始めたゼナさんだったが、知り合いを見つけたのか、

 

「すみません。知り合いがいたので、これで失礼します。サトゥーさぁ~ん♪」

 

ゼナさんは走り去っていった。サトゥー?まさか、あの源泉の支配者か?見たところ、僕とあまりかわらない程度である。見た目を偽装しているのか?ステイタスをチェックしてみたが、僕の偽装データと遜色が無い。そうなると偽装の可能性大だな。レベル1って有り得ないだろうって。一応サトゥーとゼナさんにマーキングをしておく。

 

-------

 

街の周辺を探索して、薬草の採取をし始めた。リザ達が嬉しそうに、薬草を摘んできてくれる。奴隷時代に、よくやらされていたそうで、僕よりも薬草に詳しいようだ。

 

僕は、食事の用意を始めた。と言っても、シンプルである。火を起こして、網を載せて、肉を焼くだけだ。リザ達は美味しそうに食べるけど、僕には淡泊過ぎる。ドラゴンの肉って、鶏肉に近いというか…塩、胡椒の味付けで、そこそこ食べられる味になってきた。

 

鍋とかも有った方がいいなぁ。煮込み料理とか…そうなると野菜もいるよな。

 

「蛙取ってきた?」

 

タマがドロドロになって、デカい蛙を1匹狩ってきた。リザが手早く、それを解体していく。

 

「ギル様、蛙の内臓は毒ですので、食べてはいけません」

 

毒なのか。毒矢でも作るかな?内臓をすり潰して、枝を削って、先端に毒を塗ってみた。それを兎に投げつけると、簡単に仕留められた。ソレもリザが手早く解体していく。

 

「毒の付いた部分は食べられません。兎は毒を使うと、食べる部分が減ります」

 

と苦言を呈された。反省しないとダメだな。そうか、食い物に毒はダメだな。こんな感じで、街の近郊でリザ達から、知恵を授かっていく。

 

日が暮れてきたので、下宿に戻ると、アイツがいた。リザ達を背中に隠し、警戒をする。

 

「ギルさん、どうしたの?サトゥーさんは悪い人では無いのよ」

 

って、ナディさん。

 

「そいつは、竜の谷の源泉の支配者ですよ」

 

はっとしてサトゥー。

 

「なんでそれを…君も…転移者なのか?」

 

お前も?サトゥーもか?チート持ちって自白したな。

 

「え?サトゥーさんが源泉の支配者?店長の話では、竜神様だったのに…」

 

ナディさんもサトゥーに警戒心を向けた。

 

「そうなると、竜神様を殺したんだね」

 

って、店長が口を開いた。竜神を殺した?はぁ?いったい、コイツはどのくらい稼いだんだ?経験値やドロップ品を…

 

「偶然ですよ。投げた石が当たったというか」

 

「その程度では死なない。まさか…星降りの夜…あれか…」

 

星降り?流星か何かかな?店長の言葉で、ナディさんの顔も険しくなっていく。

 

「竜の谷の竜を殲滅したのね!」

 

「う~ん…結果的には…」

 

サトゥーの表情には反省の色は無い。こいつは危険だ。僕なんかよりもずっと…少しずつ、リザ達を遠くへ下がらせていく。そして、装備を装着していく。

 

「なに!」

 

今度は、店長が僕を見て固まっている。どうしたんだ?僕に対抗する為だろうか、サトゥーも剣を手にした。剣を手にした姿が、様になっているサトゥー…まるで勝てる気がしないんだけど…

 

「リザ…ポチとタマを護れ。逃げる時間は僕が稼ぐ」

 

「ギル様!私達も戦います」

 

確か、リザはヤリが使えたな。ロンギヌスをリザに渡した。僕はエクスカリバーを剣のサイズに戻した。

 

「ギルは聖剣と聖槍だと…サトゥーも聖剣か…」

 

ガッチ~ン!

 

金属が激しくぶつかり合う音がした。サトゥーの剣が僕の剣に激しくぶつかってきた。先手を打ったのはサトゥーだった。

 

「リザ、護りを優先しろ!タマとポチは下がっていろ」

 

「はい!」

 

僕はオートバトルモードになった。オートバトルモードの僕の剣を、簡単にいなすサトゥー。なんだ、こいつ!コイツもオートバトルモード持ちか?

 

サトゥーは店の外に出た。僕は追ったのだが、アイツの姿はどこにもなかった。転移術でも持っているのか?くそっ!店内に戻り、装備をしまう。リザからヤリを受け取り、それもしまった。

 

「ギル…どういうことだ。なんで、それを持っている?」

 

店長は僕の装備について、訊きたいみたいだ。

 

「僕が転移したのは、竜の谷の地下にあるダンジョンの100階だった。そこで、これらの装備を手に入れたんだよ」

 

信じて貰えないとは思うが、僕の身に起きたことを、店長とナディさん、リザ達に話した。

 

「まさか…それじゃ、サトゥーさんも転移者?」

 

「だと、告白していましたね」

 

ここに居ちゃダメ…そんな気になっていく。みんなに迷惑をかけてしまう。僕も大量のドラゴンを殺しているし、偽っている部分も多い…こんな僕の為に、リザ達は巻き込みたくない。

 

「リザ…タマ…ポチ…出逢えて良かった。とても楽しかったよ♪」

 

「ダメですよ…ギル様…」

 

段々、みんなの姿が薄れていき…

 

-------

 

場面が暗転したような感じで、僕はまったく知らない場所にいた。夢だったのか?ここはどこだ?マップ探索をしてみた。一面が森であった。どこの近くの森だ?よくわからない。ここが僕の死に場所かな?何かに導かれるように歩を進めると、扉があった。なんで、森の中に扉?看板らしき物がある。自動翻訳してくれるシステム。

 

『トラザユーヤの迷路』

 

って、書かれている。迷路?迷宮でなくて?はて?扉を開けて入っていく。中に入って、マップ探索をしてみる。人工的に作られた迷路に思える。直角で構成された迷路。次のフロアに行く経路を割り出して、それに沿って歩いて行く。マップに隠し部屋があるようだ。そこに踏み込むと、

 

『トラザユーヤの間』

 

というエリアに出た。何かを研究していたようだ。今は読んでいる暇は無いので、片っ端からストレージへ収納していく。ストレージ内で自動選別され、後で出しやすいように整理整頓をしてくれているようだ。時間はかかったけど、このエリアにある持ち去れる物は、総てストレージへ収納した。先を急ぐか。

 

うん?水浸りのエリアに出た。もしかして、この迷路は上に上るタイプだったのかな?下へ下へと進んできたけど…上へ戻るか…うん?

 

『マップ探索機能を更新しました』

 

って表示されていた。どういうことだ?マップ探索をしようとすると『エリア内全マップ探索』『広域マップ探索』『狭域マップ探索』の3つに機能が増えていた。全マップ探索をしてみると、迷路の全体像が表示された。上に向かうタイプのようで、僕は最下層に向かうルートにいるようだ。くそっ!引き返す。

 

-------

 

しかし、どこをどう間違えたのか、外に出ていた。やり直しかぁ…凹む僕。入り口を見つけないと。広域マップ探索をしてみた。入り口が表示されたけど…経路途中の大木に何かがあるようだ。黄色の!マークが表示されていた。通り道だし、寄ってみるかな。

 

そのマークの場所は、大木があり、何故か僕の想い人が立っていた。種族はドライアドでレベルは20である。僕の好みの女性像ってことなのか?

 

『魅了の効果をガードしました』

『スキル「魅了」を得ました』

『耐性「魅了」を得ました』

 

『幻影の効果を受けました』

『スキル「幻影」を得ました』

『耐性「幻影」を得ました』

 

魅了攻撃してきたドライアド。幻影は許そう。想い人に再び会えたし♪ドライアドに対し、聖剣を手にして刃先を向けた。顔から血の気が失せていくドライアド。

 

「ちょっと待って…悪気は無かったんだよ。ねえ、エネルギーを分けてくれない?森が枯れちゃいそうなんだよ」

 

森?そう言えば、この森、何か変。鳥のさえずりも、風も湿気も無い。死んだような森だよな。

 

「見返りは?」

 

「そうねぇ。あの迷宮の上の方まで、連れて行ってあげる」

 

まぁ、ここで干からびて死ぬのも悪く無い。ちょうど想い人の姿になっているドライアド。そんな想い人姿のドライアドが僕と唇を重ねた。最初のうちは嬉しそうな彼女だったけど、

 

『もうやめて…ごめんなさい…』

 

しばらくすると、ドライアドの声が聞こえた。あれ?唇を重ねたままだけど。どこから声が出ているんだ?

 

『スキル「念話」を覚えました』

『スキル「読心術」を覚えました』

 

と、システムメッセージが流れて行く。じゃ、あれはドライアドの心の声か?ドライアドの表情は苦しそうで、涙ぐんでいた。彼女と離れた僕。

 

「どうしたんだよ?」

 

「あんなに大量に勢い良く、エネルギーを流し込まれても…破裂するかと思ったよ~」

 

森は生き返っていた。小鳥のさえずりが聞こえる。虫の羽音が聞こえる。そよ風が吹き抜けていく。

 

「約束だから♪」

 

ドライアドの声…周囲の景色が薄らいでいく。

 

-------

 

また、場面が暗転して、違う場所に投げ出された。ここは?

 

「勇者よ、良く来たな。ドライアドを仲間にするとはな。さすが勇者だ♪」

 

ローブを着た魔導師風な男がいた。ステイタスには、種族はリッチと表示されている。その隣に椅子に座っている少女。意識が無いようだ。種族はエルフで、職種は囚われの姫と表示されている。

 

コイツを倒して、姫様を救えば良いのか?聖剣を手にして、何かを操作している魔導師に斬り掛かった。何かを言おうとして口をパクパクさせているが、全身が光の粒子に分解され、天に昇っていく感じに見える。

 

『称号「不死王殺し」を得た』

『称号「迷路踏破者」を得た』

 

「クスクスクス、失敗だね」

 

「うん、失敗だったね」

 

魔導師のいた場所に、紫色の小さな光が2つ浮かび上がった。

 

「さよなら勇者」

 

「君の勝ちだよ」

 

「また、会おうね」

 

「またね♪」

 

なんだ?天井へと浮かび上がっていく。エクスカリバーを手にして、その2つの光の珠を斬り裂いた。

 

「え?」

 

「どうして…」

 

弾けて霧散していく珠2つ。倒せたのかな?

 

『魔剣ダークエクスカリバーを手に入れた』

 

エクスカリバーはストレージに戻り、手にしている剣は毒々しい光を放っていた。鞘に収めると聖剣エクスカリバーを見分けが付かない程似ているし。

 

『迷路初踏破なので、記念品として「七号機」を贈呈します。この迷宮は、踏破者が出ましたので、営業が終わりました。システムからのメッセージです。この迷路の自爆シーケンスが実行されました。職員および訓練生は直ちに脱出してください。繰り返します。速やかに脱出してください』

 

天井にあるスピーカーから、とんでも無いアナウンスが流れている。囚われの姫を片手で抱き上げ、龍翼を装備して、天井を突き破って脱出を図る。見た目がヤワそうだから。

 

ガツン!ベキベキベキ…バリーン!

 

頭からつっこんだので痛いけど、突き破れたようだ。天空を昇り続ける。

 

チュドーン!

 

音源の方を見ると、足元にはキノコ雲の傘が追って来た。横に避けて、傘の無い部分に降りていく。

 

地面に降りると翼をしまい、姫を横に置けるスペースを探した。おぉ、さっきのドライアドの大木が残っている。そこへ向かう。

 

「ここに来たの?ちょうどいいわ。賞品が届いているわよ」

 

って、ドライアドの隣に、デカい胸…推定Eカップ程度の少女がいた。顔立ちは姫に似ているけど…なんでだろうか?

 

「ドライアド、好きなだけエネルギーはやる。どこかの街で彼女を休ませたい。転移させてくれ」

 

「当分、もういらないよ~。満腹だよ~。えい!」

 

-------

 

場面が暗転して…違う場所にいた。ここって…何でも屋のお店の中。カウンターにはナディさんがいた。

 

「ギルさん…どうして…会えなかったの?」

 

ナディさんが意味不明のことを言ってきた。誰に会えなかったの?

 

 

 

 

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