原作で大樹関連の謎が判明していないので、独自展開していきます(^^;
男爵の本邸でパーティーがあるらしい。サトゥーとミト、アリサ、ルル、ゼナ隊が出席である。僕は、傷が癒えたとはいえ、まだ無理の出来ない身体なので、パスした。
ポチ、タマ、ミーアに絵本を読んで上げたり、ナナにエネルギー補給をしたり、のんびりと時間を過ごす。って、言うか。このまま旅立っても問題が少ないような。
「ナナ、リザ、旅立つぞ。アイツらと、行動を共にする必要性は感じない」
「わかりました」
「了解です」
少し、人数が多いので、街で馬を購入してきた。
「ナナは騎乗して、リザが御者して」
指示を出していく。そして、ムーノ市を旅立った。単に暇だったから。絵本読みや、エネルギー補給は馬車の中でも出来るしねぇ。
「セーラ、次の街はどこかな?」
アーゼでは地図が読めないので。セーラに訊いた。
「ボルエハルト自治領です。ここは鍛冶の街です」
「寄ってみよう。鍛冶は興味無いけどね。アーゼとセーラと僕で、古本屋を回り、書物をチェックする。ナナ達は馬車を護ってくれ」
「うっ!」
うん?ミーアも古本屋に行きたいようだ。エルフ語の本とか詳しいのか。連れて行くか。
「前方に魔物を見つけたと宣言します」
ナナが何者かの気配を読んだようだ。
「リザ、これを使え!」
「はい♪」
ロンギヌスをリザに手渡した。タマにはホーリーナックルを、ポチには、聖なるナイフと毒牙のナイフを手渡した。
「ダーリン、私にも武器をください♪」
アーゼに妖精の弓を手渡した。
「それは矢はいらない。狙いを付けて、弦を打つと、振動波が撃ち出せる」
「がんばります♪」
「セーラは回復専任だよ」
「はい。御者もしますね♪」
ミーアは指示を出さないでも、出来る事をしてくれると思う。僕は聖魔剣を手にした。ギルガメッシュが消滅して、ルシファーもミカエルも消え、この聖魔剣だけが残った。これが最後の希望なのか?よくわからない。
敵はゴブリンのようだ。僕はオートバトルモードを起動して、戦いに加わった。
----------
ゴブリンの肉は食えないらしい。売れるドロップ品も無いようだ。リザ達は経験値だけを得た。経験値は大事だから、儲け物と思うか。皆、怪我らしい怪我も無いし。ストレージから回復薬を出すと、怪我した者は、自分で回復薬で治療をし始めた。
「街まで5キロと推測します」
ナナが御者台から、街までの距離を推測した。あくまで推測である。狭域マップ探索をする限り、追っ手はいないようだ。待ち伏せか?追いはぎか?よく解らない。僕にはゴブリンの心が読めないし。
街に着き、宿屋を探す。この街では、ドワーフが市長のせいか、亜人差別は無いらしく、すんなりと宿に泊まれた。
「リザ、タマ、ポチは馬の世話を頼む」
「わかりました」
「ナナは部屋でミーアをガードだ」
「了解しましたと受諾します」
ミーアも一緒に行きたそうだが、留守番にした。街中で襲われたら大変であるから。アーゼとセーラと三人で街中を探索する。
本屋は鍛冶関係、鉱物関係の書物がほとんどである。おとぎ話系の本は見付からない。
「魔法関係のお店はどうでしょうか?」
と、セーラが提案をしてくれた。
「行ってみよう」
魔法関係のお店も何軒か立ち寄るが、それらしい本は置いていない。何軒か目で「ガロハル魔法商会」なるお店に入った。
う~ん、微妙な魔法の巻物が多い。書籍も微妙である。眉唾系の物が多いなぁ。
「童話とか絵本は無いかな?」
店員らしき女性に訊いた。
「ここは本屋では無いですよ」
確かにそうだ。ここにも無いのようだ。出て行こうとすると、
「変わった書物ならありますが…」
店員らしき男性が声を掛けてきた。それを見せて貰う。うん?これって…パンチカードの束だ。どうして、こんな物がこの世界にあるんだ?
「これを貰う。いくらだ?」
「意味の判らない物なので、魔法の巻物を買ってくれたら、お譲りします」
商売上手であるなぁ。在庫品の巻物を見せて貰い、金貨1枚分の巻物を購入した。
「こんなの、何に使うんだい?」
って、パンチカードの束を手渡してきた。
「判らないから、調べるんだよ」
お店を出ると、先程の女性の店員が声を掛けてきた。
「あの…そちらの方…ハイエルフ様ですよね?」
アーゼの種族を看破した。ただ者では無いようだ。
「あの…私の祖父に会ってください。祖父は、賢者トラザユーヤ様の従者をしておりました。懐かしんでくれると思います」
ここにもトーヤの関係者がいた。
「僕達のパーティーには、トーヤの孫が同行していますが、連れて行った方が良いですか?」
「え!本当ですか?是非、お願いします」
宿に戻り、ミーアとミーア母似のナナを連れて行った。
彼女の名前はジョジョリ。この街の市長ドリアルの娘で、祖父のドハルはボルエハルト自治領の領主だそうだ。鍛冶場にいるそうなので、鍛冶場に連れて行かれた。
「どうしたんだ、ジョジョリ…」
ナナの姿を見て、握っていたハンマーを落とした老人。
「まさか…そんなはずは…賢者様の娘様ですか?」
ナナに声を掛けた老人。
「彼女は違います。トーヤの設計した7号機です」
「まさか…完成したのですか…ホムン…」
「トーヤの迷路の走破記念で貰いました」
「迷路…あれをですか…失礼ですが、あなたは?」
「あぁ、申し遅れました。ギル・イエローゲートという爵位持ちです」
「イエローゲート卿…リリアンから話を聞いております。そうですか、あなたが…」
ギルド長は顔が広いようだ。以前、自暴自棄な僕の失踪時に、僕の情報を集める書簡が届いたそうだ。
「彼女がトーヤの孫です」
ミーアを紹介した。そして、談笑し、あのトーヤの日記を見せると、男泣きしているドハル老。落ち着きを取り戻すと、
「賢者様の文字です。懐かしい…お見苦しい処をお見せし、申し訳無い。それで、ギル様は何をお探しなのですか?」
最後の希望について訊いてみた。
「7つの欠片が集まる時、七人の勇者が揃い、英雄がこの世界を解放する…って、賢者様が、どこかの遺跡で見かけたらしいです」
この世界を解放かぁ…最後の希望っぽいなぁ。7つの欠片って何だ?勇者が7人?そんなにいるものなのか、勇者って…英雄…これが僕の立ち位置ぽいなぁ。僕がキーなのか?
収穫もあったし、宿に戻った。
-------
宿でパンチカードに目を通す。言語はAdaぽい…どうして、こんな物が、この世界に…いや、それ以前に、なんでパンチーカードなんだ?カードリーダーを備えるメインシステムがどこかにあるのだろうか?いや、そうか…磁気媒体では100年程度しか保たないが、紙媒体は、紙の劣化を防げれば、もっと保つ。まして、パンチーカードの紙は丈夫である。保存状態が良ければ、半永久的かもしれない。
大樹と共に飛来してか?そうなると、どこかの大樹に、カードリーダーが設置して有るのか?はて?
それよりも、問題はカードなので、カードの並び順が正しい順番に並んでいるのかが、重要である。パンチカードだと、1枚で1ラインしか表記出来ない。行番号なんかも無いし…コンソールから打ち込み、磁気データ化したモノより、その点が厄介である。
パズルゲームは得意だったけど、これはちょっと、難しいかな。ストレージにしまったおく。ストレージにカードが入ると、カードがソートされていく。このストレージはカードのソート機能付きか?それとも、このシステムの一部なのか?謎が深まっていく。
次に、七人の勇者を考える。ミトとサトゥーは正解なのかな?そうなると後5名も探さないとダメだよな。手がかりが少なすぎる。どうするかな…ボンヤリしていると、
ドンドン!
ドアが激しくノックされた。鍵を開けると、ミトがいた。
「お前…面白いことをしてくれたな~。置き去りって、なんの虐めだよ~!」
虐めたつもりは無い。むしろ、肉体的仁虐めた方がいいなぁ。ミトの身体は嫌いじゃないし。
「暇だったので、先に立っただけだよ。それよりも、ミト。聞いて欲しい話がある」
手に入った情報をミトに話した。
「『7つの欠片が集まる時、七人の勇者が揃い、英雄がこの世界を解放する』って?う~ん…勇者が7人もいるとは思えないなぁ。現状でも、サガ国に一人いるだけだよ」
「そうなると勇者の意味が違うのかな」
「ソレより前段の7つの欠片だよ。それが集まらないと勇者は揃わないんでしょ?」
あぁ、そうだよね。
「あれ?下男は?」
「鍛冶場だよ。ここの領主様に鍛冶を習っているそうだ」
なるほど…そうだ、あの話もしておこう。パンチカードの話もした。
「はぁ?Adaのパンチカード?どこに、そんな大きなシステムがあるんだ?って、電気設備は?」
そうだね。この世界で発電所って見たことが無い。では、どうして、これがここに?いや、電気設備はあった。そうだ。展望ルームにある装置類。あれって、電気で駆動しているのでは?
「ハイエルフの展望ルーム?そうか…そうなると太陽光発電か」
衛星軌道上にある展望ルーム。太陽光発電の可能性はあるなぁ。待てよ…
「大樹…あれって何本あるんだ?」
「8本…でも1本は遅れて来たとすると…」
欠片が大樹?そうなると、勇者は神か…違うって、ギルガメッシュの記憶が言っている。では、何が勇者なんだ?
「そのメッセージが記されていた遺跡を、探せばいんだよね?」
そうなるなぁ。広域マップ探索で遺跡を探す。簡単には見付からない…あれ?
「ミトの永眠していたのって、遺跡?」
「永眠って言うな。王子様が来るまで寝ていただけだよ。それにあれは神殿だ」
遺跡では無いのか…いや、トーヤはエルフである。あんな山奥には行かないだろう。そうなると、エルフの里とあの迷路までの間に有りそうだな。その辺りを広域マップで確認するが、遺跡は表示されない。実地検分でもしないとダメかな?
ドンドン!
また、ノックされた。今度は誰?鍵を開けると、下男、下女がいた。
「やっと、見つけたよ。伝言くらい残しておいてくれよ、ヒカル」
って、ミトを探していたサトゥー。
「そうだ♪イチロー兄ぃ、プロのプログラマーとして、これは何のプログラムか判る?」
パンチカードの束をサトゥーに見せた。
「これは…Adaか?う~ん…この言語は詳しくないよ。ゲーム向きでは無いからね」
そうだ。あれって、どこかの国の国防軍が策定した言語だよな。そうなるとそっち系か?パンチカードの束のカード1枚1枚見て、元の姿を想像する。なにかの計算式…相対性理論かな…そうなると、ワープ系?だとすると…大樹はロケットと仮定すれば…
「そうか…これって、時空系の計算プログラムなんだ」
「時空系?そうなると、タイムワープってこと?」
「で、なにかと共にタイムワープしてきたんだろう。何と一緒に来たんだ?妄想では大樹をロケットと見立ててみたけど…」
そうなると「この世界を解放」とは。元の時間軸への帰還かもしれない。僕の推測を3人に話した。
「一郎兄ぃと帰れるんだね♪」
って、ミト。
「帰りたい世界はないけど」
って、アリサ。
「戻っても、もうデスマーチな業界はイヤだな」
って、サトゥー。そうなると僕はルルと共に…
---------
僕は何者なのだろうか?ふと、視線を上げると、リザがロンギヌスを手にして、舞っていた。何かの舞台…赤い袴に白い衣である。額には白い鉢巻き。運動会かな?
リザが回転をする。彼女の後姿に違和感を覚えた。何が違うんだ?
----------
「起きて下さい…ギル様」
瞼を開けるとリザがいた。心配そうな顔で僕を見つめたいた。
「うなされていました。汗もひどいですよ」
うなされていた?そんな夢は見ていなかったはずだけど…確かに汗がひどい。どうしたんだ。僕は?
「なんで、リザがいるんだ?」
「えっ!」
顔を真っ赤にしたリザ…
「アリサが夜這いをしようって…」
アリサ?どこに…視線を下ろすと、ベッドから落ちていた。コイツ、寝ていやがる。
「添い寝をしてくれていたのか?」
「あっ…僭越ながら…そ…そんな感じです」
こんなに取り乱すリザも珍しいけど、かわいい…妹のようだ…妹…僕には妹が居たはずだけど、顔も、名前も、姿も思い出せなくなっていた。リアル世界の記憶が消えていく…僕はリアル世界で、何者だったのだろうか?それすら思い出せなくなっている。困ったなぁ。ルルとの記憶も消えてしまうのだろうか?
翌日、オーユゴック公爵領の公都を目指して旅立った。今回は2号車も一緒である。
「リリーは元気かな」
「巫女長様、元気ですよ。きっと♪」
セーラが楽しそうである。古巣への里帰り状態なのだろう。サトゥーも何か楽しそうである。公都には楽しめる場所があるのだろうか?
「公都ではどうしますか?」
アーゼに訊かれた。
「リリーの話を訊く。何か情報を知っているかもしれないから」
2号車にはゼナがいて、その後をゼナ隊が警護している。警護対象がサトゥーに見えるのは気のせいか?まぁ、いいけど。
「前方に魔物を見つけたと報告します」
敵襲か?ロンギヌスなどの装備を出し、リザ達に渡していく。セーラは御者台に移り、馬達の興奮を癒やしていく。
「どうしたの?」
後からミトがやって来た。
「敵襲だよ」
「えっ!」
敵は…スケルトン兵…アンデッドか。ミトとサトゥー、アリサが前線に出ていった。
「私達も続けぇえぇぇ~!」
って、ゼナ。
「ゼナさん達は後方をお願いします」
はっとしたゼナは2号車の背後に戻っていく。おぉぉぉぉ、ミトが術者を見つけて、成敗している。
「これで終わりかな?」
ミトが戻って来た。さすが元勇者。呼吸が乱れていない。リザ達は少し呼吸が乱れているのに。
リザ達から装備を回収して、公都を目指して、出発した。
『街道で襲うって、待ち伏せかな?』
ミトからメッセージが届いた。
『そうだとすると、見張られているのかな?』
『おいおい、質問返しか?どうだろうな』
ミトとの通常のメッセージ通信は下男、下女にも見えるようにして、行っている。情報を共有する為だ。確認すると、アリサ、ルルは受信だけできるらしいかったから。
そうだ。このシステムは誰が供給してくれているのだろうか?便利であり、無いと困る機能だ。敵では無いと思うけど…謎だ。