ミトの視点です。
---ミト---
パーティー…う~ん…兄ぃの手柄話ばかりをする男爵。兄ぃ好きなのだろうか。男爵の娘のカリナっていうのが兄ぃに気があるようだ。私やゼナとは違い、でっぱいである。兄ぃのストライクゾーンだと思うのだが、兄ぃはゼナの方が気になるようだ。どういうことだ?私よりもちっぱいのに…
ギルの言うことは、あながち嘘では無いようだ。ゼナもその気なのか、カリナのアプローチを余裕をかまして見ているようだ。
まぁ、私には関係無いことだ。私は初めてを捧げたギルに、心変わりをしているし。あんな酷いことをした兄ぃは許さないし。出すだけ出して、入れないって、どういうことよ!
パーティーが終わり、私だけ先に帰ることにした。男爵から特に引き留められなかったので、そのままギルの待つ宿へ行くと…アイツらの馬車が無い。宿は既に引き払ったそうだ。アイツ…抜け駆けか?
アイツにメッセージを送った。すると、暇だから、ボルエハルト自治領に向かっていると言う。兄ぃにメッセージを送り、旅立つから早く帰って来いと伝えた。
しかし、先に行っていてと…お返事が返ってきた。う~ん…カリナとゼナの両手に華状態に酔いしれているのか?あのエロ男は…
自分の荷物を馬車に載せ、御者台に座り、馬車を走らせた。何の虐めだ?一人で馬車移動って…あの場合は。どうすれば良かったんだ?怪我人の傍に居れば良かったのかな…頭の中では反省中である。で、一つだけわかったことがある。兄ぃは私には興味が無いってことだ。
カリナのようなでっぱいなら興味を持ってもらえたのかな?って、無いものねだり状態である。しかし、解せないのは、ゼナである。どう見ても、私よりも胸はスリムである。なのに、なんで?う~ん、兄ぃの好みは、まか不思議である。
一人で延々と馬車を走らせ、目的地に着いた。腹減った…眠い…ギルの隣で寝たい…って…どこの宿に泊まっているんだ?宿屋巡りをして、ギルの馬車を探す。あっ、メッセージを送れば良いのか?
『どこの宿?』
しばし待つ。まさか、もう寝ているのか?
『買い物中。宿は…すまん。名前を知らない』
馬車を探せってことか…買い物?何を買っているんだ?妹枠と屋台巡りか?ようやく見つけたギルの馬車の隣に馬車を止め、屋台を目指して走って行く。
しかし、屋台が並んでいるエリアには。ギル達は居なかった。どうして?なんの虐め?一人で、屋台を食べ歩く。空しい…ボロボロな精神…途方に暮れる私…そんな私に、
「ヒカル、どうしたんだ?」
兄ぃの声?声の主を見ると、ゼナとルルに挟まれて上機嫌なようだ。
「随分と早いお着きですね」
「あぁ、チートな方法で、来たから♪」
はぁ?チートな方法?私は一人で延々と馬車で移動したのに…
「うん?ヒカルは馬車移動?なんで?」
なんでじゃない。そんな移動方法は知らないんだよ~!方法を訊くと、私には無いスキルだった。がっくしだよ。
「これから、鍛冶場に行くけど、付いて来る?」
鍛冶場?
「何しに?」
「ここの領主様に鍛冶を習っているんだよ。だから、挨拶をしておかないとね」
「止めておくよ」
なんか、疲れたよ。宿で寝るかな。
「じゃ、宿がわかったら、メッセージを頼むよ」
って、楽しそうに女性達に囲まれて、去って行く兄ぃ。それを見送る私。羨ましい。いや、別に男性に囲まれたいとは思わないけど…ギルに会いたい…
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宿へ向かう。受付でギル達の部屋を訊いた。ギルの部屋へ移動し、ドアの前で部屋の様子を窺う。他の女とやっているシーンには遭遇したくないから。しかし、部屋の中は妙に静かである。まさか、寝ているのか?私を待っていてくれないで、寝ちゃったのか?怒りが再び燃え上がってきた。ドアへ怒りをぶつけるように、激しくノックした。
ドン!ドン!
ドアが開き、ギルが出て来た。
「お前…面白いことをしてくれたな~。置き去りって、なんの虐めだよ~!」
きょとんとしているギル。あれ?虐めでは無かったのか?
「暇だったので、先に立っただけだよ。それよりも、ミト。聞いて欲しい話がある」
そう言うと、私の腕を掴み、部屋へ連れ込まれた。テーブルの上には、メモやら書物やらが乱雑に置いてあった。先乗りして、情報収集をしてくれていたようだ。彼を誤解していたようだ。
そうだった。今世のギルは真面目だったんだ。あれも事故だもんな。エロ爺だったギルガメッシュと同様に見ていたことと、ギルへ怒りを抱いたことに、反省しつつ、ギルの前に座った。ギルが真剣な眼差しで私の目を見つつ、手に入れて来た情報を、話し出してくれた。