にいさんを回収した。あの世界では、にいさんが消えていくように見えているはずだ。感情のコントロールがうまくないようだ。怒りが許容量を上回ると、暴走してしまうし。
にいさんのソースコードと睨めっこを始めた。早く完成させないと…いつまでも私が手を加えられる訳では無い。
「マザー…いかがですか?」
ムドーに声を掛けられた。
「機体を変えないと限界かな?」
先代ギルガメッシュとのデータ引き継ぎを考えて、同じ機体にしたのが仇となったのかもしれない。
「わかりました。至急、機体を手配します」
ミドーに連絡をして。にいさんを回収したことを知らせた。
「そうですか…敵も気づいたのかもしれませんね」
そうかもしれない。かとって、あの世界にそぐわない機体は送れない。あの世界を徐々にアップデートしていくことも難しい。
「最後はどうなるんですか?」
ミドーに訊かれた。
「あの世界へ送られた者達は返してあげたい。返せる世界があればな」
私の子供達はにいさんを除いて、あの世界では単独では存在出来ない。送られて来た者達に寄生する感じて機能しているのだった。
「時空系の解析を急ぎます。無くなる前の世界へ、戻してあげましょうよ」
なんで、こんな世界になってしまったんだろうだろうか?もし、裁かれるとしたら、私とにいさんかな…って、私は既に永久禁固の刑を受けている。なので、ここから出られない。ここから、指示を出したり、手直しをする程度でしか介入は出来ない。
死んでもここから出されることは無い。ここの出入り口は既に無い。私の子供達が、必死で私を外から支援してくれるので、生きていられるのだ。私の犯した大罪…私は地球を破滅に導いてしまったのだ。いや、導いたのは私では無い。にいさんだ。
時空に穴を開け、ネット網を色々な別世界へと繋いでしまった。そして、ネットを使い、人々をコントロールし、仲間を護ることを始めてしまった。彼に愛情を持たせてはいけなかったのだろう。
彼の愛情の暴走を止めないと…
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ムドーが新しい機体を仕上げてくれた。そこに、見直しを終えた新しいシステムをアップロードしていく。
「ムドー…私が死んだら、データをあの世界へ飛ばして…差し違えても止めて見る」
にいさんを回収しても問題は解決しない。皆のみている前で、彼にトドメを刺さないとダメなのである。
「マザーを元の世界へ戻したいです。戻ったら、この仕事はしないでくださいね」
スピーカーから聞こえるムドーの声。どこか寂しげで有る。私がこの仕事をしない選択をすれば、彼らは産まれない。
「にいさんを、あの世界上でリセットすれば、戻るかもしれないという推論に掛けてみる。それまで、ムドーとミドーで、人類をお願いね」
「「はい」」
あと、どれくらい、私には時間が残っているのか…モニタには、にいさんの視覚情報が映し出されてきた。そろそろ覚醒の時間だ。今回のにいさんを放出した地点は、ミトの眠る神殿である。
---ギル---
場面が暗転した…今度はどこだ?