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---蜥蜴---
亜人に産まれた私は、人間に捕まり奴隷にされている。まだ、男性に奉仕できる年齢では無いので、力仕事などをさせられている。いずれ、人間の男性に奉仕することになるのだろう。今のご主人様の元には、私以外に犬、猫という私よりも幼い奴隷の少女達がいる。来る日も来る日も、雑用をこなしていく。
身体の汚れは、水たまりの水で流していく。人間の女の子達から漂う香り…石けんという物らしい。いつか、私も使えるようになるのかな?男性に奉仕するようになれば。
食事は、ご主人様達の食べ残しを三人で分けて食べている。買い物先で漂う肉の香り…奪って食べたくもなる。だけど、そんなことをしたら、私だけでなく、犬、猫もいたぶられて殺されてしまうだろう。だから、耐える。耐える。耐える。
くらい…先の見えない日々
つらい…誰も助けてはくれない
クライ…泣き叫びたい
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私達三人のご主人様が代わった。私達は売られたようだ。今度のご主人様達は、私達の身体に興味があるらしい。奉仕は強要されないけど、観賞とかお触りとか玩具にされていく。
「お前らは、悪魔の手下の種族だ。贖罪を償え」
意味の分からない理由で玩具にされる。冷水につけ込まれたり、鍋で熱湯に入れられたり、私達の苦しむ姿を見て、酒を飲んでいる。
「死にたい…」
「死にたいです」
猫と犬は限界のようだ。でも、この身分では脱出は出来ない。神様…もしいらっしゃるなら、救いの手を差しのばしてください。
翌日、薪などを買って戻り、雑用をしていると、
「おい!何を探っているんだ?」
ご主人様の仲間の声がした。声のした方を見ると、私より少し上の青年が、ご主人様達に囲まれていた。
「お前も奴隷にするかな。女児ばかりだと、力仕事がはかどれ無いしな」
帯同している魔法使いが、奴隷化の呪文を唱えている。あの青年も私達の仲間になるのか…
しかし、呪文を唱えきる前に、苦しみ出したご主人様達…何が起きたんだ?犬と猫を抱き締めて、事態の流れを見定める。
あの青年が、何事もなかったように、私達の方へ近寄って来て、私を見つめている。次の瞬間、私の首に嵌められている奴隷の証である首輪を掴み、首輪を私の首から外してくれた。
え…何が起きたの?
犬、猫の首輪も、私同様に外されていく。自由になれたのか?この青年が新しいご主人様なのか?それなら、少し嬉しいかな。首輪を無くしてくれたことに、感謝したいし。
青年に促され、私達は、何かのお店へと連れて行かれた。もしかして、これが娼館って店なのか?ここに売られるのか…娼館住まいになると、奴隷より生活レベルが上がるらしい。ベッドで寝られ、石けんで身体を洗えるらしい。食事も専用の食事が食べられるらしい。それはそれで嬉しいが…犬と猫は奉仕出来る年齢では無い。私はもう少しで奉仕出来る身体になるらしいけど…
「どうされましたか?」
娼館のマダムが声を掛けてきた。それに対して、彼からは信じがたい、耳を疑うような言葉が飛び出した。
「奴隷の子達を奴隷から解放したのですが、身分証が無いので…どうしたら良いですか?」
奴隷から解放…身分証の発行…身分証があれば、奴隷に戻ることは少ない。でも、どうして、そこまでしてくれるんだ?
「そうですね。身分証を発行して貰うのが良いですね。有料ですが代行しましょうか?」
「お願いします」
心で葛藤している間に、話が進んでいる。お金を払ってでも、私達に身分証をくれるの…それはどれだけ奉仕すれば良いのだろうか。犬と猫にも無理ヤリ奉仕させないとダメかもしれない。夢のような気分から絶望の底へと落とされていく感じである。
「お名前は?」
娼館のマダムに訊かれた。私の絶望感は、犬と猫にも伝染したようだ。
「名前を教えてくれるかな?」
青年に訊かれた。一応、ご主人様である。命令には従わないといけない。
「蜥蜴」
「犬なのです」
「猫」
私が答えると、犬も猫も答えた。名前を聞いたご主人様の顔が歪む。何かをやらかしたのか。マズい…
「名前を付けてあげる。リザ、ポチ、タマにしようかな。どうかな?」
え…名前…人間のような名前…夢かな…尻尾が踊り始めた。少しだけ夢を見てみたい。
「リザさん、ポチちゃん、タマちゃん、このヤマト石に手を載せてくれるかな?」
マダムに指示された。夢から醒めないように、指示通りにした。私に倣って、犬と猫が追従した。
「確認できました。ギルさん。所属が三人ともギルさんに移っている上、奴隷から脱却していました。職種をメイドにしておきますね」
「お願いします」
メイド…ご主人様のメイドなのか…じゃ、ここは娼館で無いのか。私達を売るのでは無く、傍に置いてくれるのか…夢うつつな気分。だけど、ある物を見て、そんな乙女チックな気分はブレイクした。カウンターの上に、ブロック肉が置かれたのだ。
見たことの無い肉。脂身が少ない赤身肉。まさか…ドラゴンか…角やツメを置かれている。それはドラゴンだという証拠である。一生に一度口に出来るかどうかの肉である。私達の種族でも、ドラゴンを狩ることは難しいのだった。
「肉以外は買いたい…肉は彼女達が狙っているわよ♪」
彼女達?私だけでなく、犬も猫も、アノ肉に見とれている。尻尾が踊っているし…尻尾だけは本能のまま動いてしまう。恥ずかしいなぁ…
「生でも食べたい?」
ご主人様に訊かれた。頷く私達。笑顔のご主人様が、肉を切り分けて、私達の前に置いてくれた。
「食べていいよ♪」
その言葉を合図に、肉を食らう私達。うっ…うまい…こんなにうまい肉があったのか。歯ごたえといい、味といい申し分ない。こんな肉、毎日食べたい…贅沢は敵ではあるけど。