彼女がいれば…   作:もっち~!

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リザの視点です。
本来オリ主視点の2話目のエピソードでしたが、投稿時に抜けてましたorz


SS:リザと幻想の森

 

---リザ---

 

つぶらな瞳に一目ぼれしてしまった。この子がいいなぁ。

 

今日はギル様と馬車を買いに来た。少し遠出の薬草摘みには、馬車が必要であったから。そして、あの馬と巡り合えた。

 

「リザは、その子がいいんだね。じゃ、もう一頭は、その子に合う馬にしてください」

 

ギル様が、お店の人に注文を出した。馬車自体は2頭立てのようだ。その子に乗馬した。毛並みが気持ちいい。

 

「リザは御者を出来るの?」

 

「はい、できます♪」

 

ギル様のお役に立てる。この子と一緒に…馬車を引かせて、少し走らせてみた。走るのが楽しそうである。

 

「じゃ、馬車はリザにまかせるよ。馬の手入れとか世話はどうすれば良いんだい?」

 

「それは私達でできます」

 

タマとポチも役立てる悦びからか、尻尾が嬉しそうに踊っていた。

 

------

 

翌日から、少しずつ遠出をした。この子達と一緒に。ギル様は、この子達が食べられる草が生えている場所で、休んでくれた。休んでいる間に、薬草や、食べられる草や木の実を拾ってくる私達。たまに、小動物を狩って来たりもする。狩りの成果の無い時は、あの肉か、違う肉を出してくれるギル様。毎日が楽しい日々である。このまま、ずっと続くと思っていたのに…私達は油断をしてしまった。それはもう少し後に判明するらしい。

 

隣の町の近くまで来た時、森の怪しい場所を見つけた。ギル様に報告をした。

 

「う~ん…結界が張られているようだ。普通にはこれ以上進めないなぁ」

 

何かを考え込むギル様が突然、剣で何かを断ち切ると、森の気配が変わった。注意深く、進んでいくと、目の前に魔物の集団が現れた。

 

「うん?女の子が呪文を唱えているのです」

 

ポチが何かに反応して、走り出すと、何も無い場所に飛びついた。

 

「痛いよ~」

 

女の子の声、それと共に消えていく魔物の集団。

 

「いたずら?」

 

「悪い事はダメなのです」

 

女の子を問い詰めているタマとポチ。

 

「違うよ~。ここは入って来ちゃダメなの。ここは幻想の森なんだから」

 

幻想の森?

 

「幻想って美味しいの?」

 

「食べ物では無いです」

 

食べ物では無いと思う。ギル様は、女の子の帽子と会話をしていた。いや、帽子と思っていたけど、鳥のようだ。食べられるのかな?

 

しばらくすると、女の子の隣に老婆が現れた。

 

「すみません。魔女様の統括地と知らずに、入り込んでしまいました」

 

ギル様が老婆に頭を下げた。

 

「うん?もしかして、ギルガメッシュかい?」

 

「えぇ…」

 

老婆はギル様を知っているようだ。

 

「姿が様変わりしているってことは、先代はもう?」

 

「えぇ、僕が出逢った時には死体でした」

 

死体?はて?

 

「そうかい♪ギルガメッシュの名を継いでくれたのだね。それは良いことじゃ。そうじゃ、少し魔法薬を持っていくと良い」

 

老婆様の家に招待された私達。森の奥深くにあった。

 

「これは?」

 

ギル様が指差した先には、魔法薬が箱に一杯入っている。

 

「それは、クハノウ伯爵に納品する分じゃよ。弟子のイネニマアナが明日、納品に行くのじゃ」

 

あの女の子が一人で?大変そうである。

 

「僕達の馬車で運びましょうか。僕達も手伝います」

 

「そうかい。助かるよ。ギル♪」

 

こうして、明日の朝一番で、クハノウ伯爵領のセダム市まで、魔法薬の納品へ行く事になった。夜が明けるまで、老婆様に色々な薬の作り方を習うギル様。

 

------

 

翌朝、セダム市に向かう私達とイネニマアナ。ギル様は老婆様に夜通し教えを請うていたので、今はしばしの安眠タイムである。振動をなるべく抑えて馬車を走らせる。

 

街の門近くでギル様を起こし、関所で私達とイネニマアナの身分証を見せて、街の中に入った。イネニマアナの道案内により、迷わず納品場所へ行き、納品を済ませる。

 

そして、この街の太守補佐官という者から、納品のサインをもらう為に、部屋へと通してもらったのだが、何故か納品のサインを頂けない。

 

「どうして、サインをしてくれないのですか?」

 

ギル様が訪ねた。

 

「いつもと馬車が違う。偽薬なんじゃ無いのか?」

 

難癖…

 

「いえ、確認はしましたが、いつも通りの薬でした」

 

納品を受け付けてくれた役人の方が、証言をしてくれたが、一向にサインをしてくれない。朝一で納品したのに、もう夕方である。このまま、契約を反故にするのか?

 

ガチャ!

 

誰かが部屋に入って来た。

 

「どうして、サインをまだしていないのだ?」

 

入って来た人物が、声を出した。

 

「いつもと違う馬車、いつもと違うメンバーですから」

 

太守補佐官が振り返り、声を出した人物を見ると、顔を強張らせていく。

 

「クハノウ伯爵…どうして、ここに…今日は留守の筈…」

 

「昼頃に魔女様より、連絡を受けてな。朝一で納品したのに、未だにサインをしてくれないのは、契約を反故にするのかと、言われてな」

 

「ふっ…もう期限ですよ。あんな魔女との契約なんか反故にして、あの森を街にしましょうよ。その方が税収があがると思いますしね♪」

 

「魔女様との契約を軽んじるな!もう良い、私がサインをする」

 

伯爵様が納品書にサインをしようとすると、太守補佐官が納品書を燃やしてしまった。

 

「これで反故が確定ですな、伯爵様♪ふふふふ」

 

「では、伯爵様、こちらに予備の納品書があります。コチラにサインをいただけますか?」

 

って、ギル様が、納品書を伯爵様に手渡した。

 

「さすが、ギル殿だ。手回しが良いですな」

 

伯爵様が、納品書にサインをすると、納品書から魔法陣が浮き上がり、何かを発動した。それと共に納品書は青い炎を上げて燃えて灰になった。

 

「これで、一年無事に過ごせそうです。おい!太守補佐官と仲間達を引っ立て!」

 

納品を受け付けてくれた役人達が、伯爵様の命で、悪い奴らを捕まえて、連れ去っていった。

 

「しかし、先代と違い、随分と若く成られましたな、ギル殿は」

 

その後、伯爵様とギル様が、何やら歓談をして、セダム市に宿泊となりました。

 

-------

 

翌日、せーリュー市へ帰る途中、幻想の森の魔女様の元へ寄り、イネニマアナを届けました。ポチ、タマと仲良くなったイネニマアナ。二人と再会の約束をしています。

 

「ギル、困ったら、頼って良いのじゃよ。先代は、一人でグイグイ行くタイプだったが、お前はお前の道で良い」

 

「困っていることが多すぎて…」

 

「どうにもならない時に、また来て良いのじゃよ。待っているぞ」

 

「ギルガメッシュって、どんな役周りなんですか?」

 

「それは、お前が見つけるのじゃ。訊くのは簡単であるが、見つけるのも試練のうちじゃ」

 

次の瞬間、街道に馬車ごと転移していた私達。

 

「一番困った事が試練なのか…」

 

ギル様が唸っていた。こればかりは、お役に立てないなぁ…

 

 

 

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