サトゥー視線です。
---サトゥー---
この街で、何でも扱っている何でも屋で、書籍類を物色している。回復薬などの生成や、この世界の歴史に関する書籍など、今度必要になるであろう資料を集めていた。そこに、ゼナさんをナンパしていた青年が、女の子を連れてやって来た。コイツ、ナンパ師か?けっこうかわいい娘達を連れているし…
俺のいかがわしい視線に気づいたのか、アイツは、彼女達を自分の背中に隠し、俺を警戒していた。さすがに他人の連れは、くどかないよ…って、口説くには幼い年齢だしねぇ。
「ギルさん、どうしたの?サトゥーさんは悪い人では無いのよ」
この店の店員であるナディさんが、俺の潔白を説明してくれそうだ。
「そいつは、竜の谷の源泉の支配者ですよ」
どこまでも冷たい視線で俺を見つめ、隠している真実を言い当てた。まさか、あの場にいたのか?
「え?サトゥーさんが、源泉の支配者?店長の話では、竜神様だったのに…」
確かに、前任者は竜神アコンカグラであった。でも、突然のドラゴンの大群を見て、パにっくった俺は、流星雨によって、殺してしまった。源泉の支配者は、棚からぼた餅なのである。
「そうなると、竜神様を殺したんだね」
店長の目がアイツ同様に、冷たく抉るような視線になった気がする。
「偶然ですよ。投げた石が当たったというか」
そんな感覚だった。あの時は…でも、その言い方が、店長達を刺激したようだ。
「その程度では死なない。まさか…星降りの夜…あれか…」
ビンゴです…俺に汚点があるとすれば、唯一の汚点かもしれない。なんせ、あの場にいたドラゴン達を、何も考えずに殲滅してしまったのだから。
「竜の谷の竜を殲滅したのね!」
ナディさんの声が震えているようだ。
「う~ん…結果的には…」
この場をどう斬り抜けるかな?って、アイツが剣を手にしている。それも聖剣じゃないのか…ステイタスにはエクスカリバーと表示されている。俺のを奪われたのか?俺のエクスカリバーを手にした。あれ?2本有るのか?
「リザ…ポチとタマを護れ。逃げる時間は僕が稼ぐ」
「ギル様!私達も戦います」
リザと呼ばれた仲間の少女に…はぁ?ロンギヌス?ストレージをチェックするが、俺のロンギヌスは収納されていた。これも2本有るのか…
ガッチ~ン!
金属同士がぶつかり合う音で、我に返ると、俺のエクスカリー、アイツのエクスカリバーに引き寄せられていく。引きはがしても、引きはがしても…これでは、俺から攻撃しているように見えてしまう。
アイツが本気になったのか、アイツから攻撃をしてくるようになった。俺はいなしたり、受け流したりする。こいつ、手練れだなぁ…長引くとマズい。
一旦、店の外へ出て、身を隠し、気配を消した。俺を見失ったアイツは、店内へと戻っていった。気配を消し、位置情報を隠蔽して、再度、店内に戻る俺。
アイツの姿が、薄くなっていく。何が起きたんだ?
「リザ…タマ…ポチ…出逢えて良かった。とても楽しかったよ♪」
悲しそうなアイツの顔…
「ダメですよ…ギル様…」
リザと呼ばれた少女は、アイツに抱きつこうとするが、アイツは消え、勢い余って、俺に抱きついた。
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何でも屋の店長に、彼女達をアイツに返してやって欲しいと頼まれた。アイツの馬車があるそうで、それを使って、アイツを探して良いと言われた。アイツの馬車は、手入れや補強がされており、とても頑丈そうであった。これなら、長旅でも大丈夫そうだ。
「リザが御者になれる。頼めるか?」
この子達と、しばし旅が出来るのか…それはそれで楽しい旅になりそうである。
「わかりました」
店長の頼みを受諾した。そこで、彼女達を連れて、旅に必要な物を買い行く。当面の食べ物が必要だよな。市場の方へ歩いて行くと、ゼナさん達が広場へと走って行った。俺はゼナさん達を追っていく。リザ達は俺の後を付いてきた。
広場には、異形な生物がいた。
「悪魔め!」
あれが悪魔なのか。ゼナさん達の攻撃をものともせず、逃げ惑う人々を摘まんで食っている。
「五月蠅いな!死ね!」
悪魔が何かの術を発動して、俺達はどこかに強制転移させられた。リザ達も一緒にいる。でも、ゼナさん達とははぐれたようだ。マップ検索で、状況を確認をした。先程の広場の地下に広がるダンジョンにいる。そんなに広くは無いが、だいぶ下層にいる俺達。ゼナさん達は地下2階辺りで、あの悪魔の近くである。早く行かないと。
「ダメです。罠があります」
タマという少女が俺の足を捕まえた。罠?マップ探索をすると、確かに罠があるようだ。罠検知能力持ちなのか。
「リザ…これを使え」
ストレージからロンギヌスを取りだし、彼女へ手渡した。
「これは…ギル様のヤリと同じ…でも、私の名前が無い…」
はぁ?アイツ、ロンギヌスに仲間の名前を彫り込んだのか…
「アイツの元へお前達を返す。だから、協力をしてくれ」
頷くリザ達。リザ達と協力しあい、上の階層を目指して行く。途中、奴隷商人やベルトン子爵達を救助し、漸く悪魔のいる階層へ辿りついた。
怒りに満ちたリザの一閃…悪魔の胸を貫通し、魔核を粉砕したようだ。その場で灰になっていく悪魔…この場にアイツがいないには、悪魔のせいだと思ったのかもしれない。
「さすが、サトゥー様の奴隷兵ですね」
って、奴隷商人のニドーレンが声を掛けてきた。
「彼女達は預かっているだけだよ」
「え?そうなのですか?では、助けたもらったお礼に…」
リザ達に何かを話し掛けているニドーレン。そして、
「後、奴隷を買ってください。値引きをいたしますから」
って、商いを持ちかけられた。そこにゼナさんが抱きついて来た。
「サトゥーさんが助けてくれたんですね」
「違うけど…」
「謙遜しないでください。ベルトン子爵が、自慢げに話していましたよ」
なんで?リザが倒したのに、俺の手柄にしているんだ?