サトゥーの視点と、リザの視点です
---サトゥー---
ニドーレンから、紫毛のアリサ、黒毛のルルという人間の少女を買い取った。アリサと話をすると、アリサは転生者だという。俺のいた世界とは違う日本から来たと言う。
「で…何故、少女奴隷ばかりなのですか?」
アリサに訊かれた。
「彼女達は預かっているだけだよ。本来の持ち主に会えれば、返す約束だ」
「返せるかな?あの子が手柄を上げたんでしょ?ご主人様の奴隷兵である彼女が…」
実際は奴隷では無いんだけど…この街では亜人は奴隷に見えるのだろうか。亜人差別が激しいし。アイツは見かねて、彼女達を奴隷から解放してあげたんだろうな。
「この馬車も、預かっているんだよ」
って、アリサに教えた。
「これも…ふ~ん、リザ達の前のご主人様は、リザ達が大切だったのね」
って。馬車の中にはリザ達の薄汚れた抱き枕など、アイツが不器用なりに作ったと思わせる作品が置かれていた。
「奴隷に対して、普通はこんなことをしないよ」
「じゃ、お揃いの抱き枕に新調するか♪」
薄汚れたアイツの作った抱き枕などを処分して、アリア、ルル、俺の分と合わせて6個ずつ、抱き枕やクッションなどを購入して、馬車に入れた。後、食い物だな。
お店で訊くと、亜人専用の食べ物があるという。なので、それを1箱購入して、馬車にいれた。これで、大丈夫かな?
「何しちゃっているの…」
買いそろえた物を見て、アリサが驚いたように声を漏らした。
「どうしたの?」
「あれ…処分しちゃったの?」
アレとは?なんだ?
「何の事だ?」
「彼女達の前の主人お手製の不器用な抱き枕とか…」
「あぁ、この際だから、お揃いで新調したんだよ♪薄汚れて汚かったしな」
「何しているの…ねぇ、彼女達のこと、本当は返す気無いんでしょ?」
何を言っているんだ?
「どうして?」
「あれ…彼女達の前の主人の臭いが…あれを嗅いで、前の主人のことを思い出して、泣いていたのよ。だから、あんなに薄汚れているのよ。洗うと臭いが無くなるから…」
あ…言葉を失う俺…よかれと思ってしたのに…そう言えば、リザ達は馬車で寝ていたな…
「後、この中身を知っているの?」
亜人専用フードの箱を差すアリサ。
「亜人専用の食事だよ」
「はぁ~…この街ではね。私達のいた世界では、これをドッグフードって言うのよ!」
何…
「リザ達からの話を聞く限り、彼女達の前の主人は、肉を狩ったり、買ったりして与えたそうよ。後、それだけだと、栄養バランスが悪いからって、青汁にハチミツを混ぜて飲ませていたった。あんた!何をしているの?私とルルにも、そういう扱いをするの?」
アリサが怒っている。返す言葉が見付からない俺。失態である。まずい…
「わかったわ。これからは、私がサトゥーの軍師になるわ。やらかす前に、私に相談しなさいね!」
頷く俺。ドッグフードを処分して、肉を買いに行く。
---リザ---
ショックである…ギル様の臭いの染みついた抱き枕やクッションが、処分されていた。つまりは、ギル様のことを忘れろってことなんだろう…くやしい…まさか、奴隷にされたのかな。
タマ、ポチは戸惑い、あたふたしている。もう、ギル様を感じることの出来る物は無い。手綱や幌も慎重されているし。ギル様…会いたい…
肉…人間の奴隷の分しか無い…私達は、自分達で狩り、捌いて食べるしかない。騙された。人間はいつだって、騙す。甘い言葉で、近づき、そして…
ギル様だけだ。私達に夢を見せてくれたのは…どこへ行かれたんですか…一緒に生きたいです。
くらい…目の前が真っ暗だ
つらい…ギル様がいない世界
クライ…叫んでも何も解決にならない。姉役の私が壊れたら、タマやポチが不安がってしまうだろう。どうすれば良いんだ…