その少女は、きっと優しさの中で生きていた。
――夢というか、記録のような何かだった。
火煙で視界が灼けるような景色の中で、何人かが佇んでこちらに背を向けている。何だこれはお前らはバディものの刑事か?
見覚えのある背格好も割といる。小野、エンタープライズ、シュテルネ、グラーフ・ツェッペリン――――もう二人いるけどお前ら誰? 新キャラ決定なのかな?
それで俺が割と中央の方で珍しく背筋を伸ばして立っているわけだ、うわーなんと痛々しい夢か。もう俺のライフはゼロだから勘弁しろ。
どうにも気になるのはその痛々しさもそうなのだが、みーんな秘書艦が居るっぽいのに――――俺だけ隣にも、後ろにも誰一人居ない。真面目な顔して立ってるのに、誰一人。
そこだけは気味が悪かった。今まで内心バカバカしいって笑っていたはずなのに、その事実だけは少しでも気を向けると気分が悪くなる。心が重くなる、嫌になる。
しかも俺が真面目な顔をしてたときってのは、思い出すとそう多くない。
優秀で良いやつだった部下が辞めていった時とか、姉貴が突然家出した日とか、じいちゃんが死んだ日とか。
大体身近な何かが変わった時だけは、俺は大真面目な顔になる。正しく言い直すとこの空元気が保てなくなる。
夢ならばそれで良い。悪い夢だったなーで終わり。
けれど俺が居るのは物語の上。誰かの手のひらの上で、俺は踊るピエロの側で。
――本当に、ただの夢で済むのか?
ぷげっ。顔面が床にぶつかった。
「さあ起きろひーちゃん! ラジオ体操するぞ!」
「まだ六時だし眠い…………バカじゃないのか、このバカ……」
もうバカだよアンタは。いい年して何がラジオ体操だ、そんなもんは小学生のあのヘンテコスタンプ貰うためにやるか暇な老人だけがやるんだよ。
布団を引っ剥がされて床に顔面衝突したらしい。っていうかどうやって部屋に入ってきたんだよ、鍵かけてるんだけど。
「よしグラーフちゃん、このぐうたら男を悩殺して頂戴な!」
「最近振りが破壊衝動を帯びてきているな…………」
グラーフの溜息。分かるよその人バカだもんね、もう小野と同類なの俺は察したからね。
っていうか朝から付き合わされて大変だな。正直俺ってこういうのに比べればよっぽどマトモな指揮官だよね、仕事しないというただ一点を除けば。
グラーフの息を吸う音。え、何マジでなにか言うの? 流石に茅野愛衣ボイスで悩殺狙われると俺も起きざるを得ないと言うか…………。
「フィーゼ、これがこの男の実態だ。実に情けないと思わぬか?」
「ああ起きてるよ俺、フィーゼちゃんグラーフに騙されないでね!」
――居ねえじゃねえか!
「謀ったな!?」
「フッ」
「フィーゼちゃんも見る目がないね…………」
笑うなあ!
「あのデコボコフレンズは何でふっつうにラジオ体操知ってるんだ…………」
「グラーフが言うには指揮官はラジオ体操に『ハマっている』そうだ」
趣味おかしいよ絶対。ってかフィーゼちゃんはなぜそんなイミフ情報を握ってるんだ怖い。
確かに朝食も心なしか食ってて気分がいい気はするけどもさ、でも俺はしんどい。
「朝弱いんだよ…………」
「とはいえサトーは不健康だぞ?」
うっ! 聡明な幼女にそう言われるといよいよ反論の余地がないし辛い。
まあ元はといえば今ここにいるのも朝起きるのが妙に遅いせいだったりするし実際正論なんだけどさあ。
――っていうか指揮官ね。ふーん、ふーん????????
経過順調ですね、頑張れグラーフ。俺はシリアス無理だから蚊帳の外でヨロシクゥ!
「ニヤニヤとされると少し怖い……」
「ああいや別にフィーゼちゃんに良からぬことをとか」
聞き捨てならない、と遠くから走ってくる音。元気やなあ君――――ん、なんだあの白いシルエットは。
俺が目を白黒させながら視界情報から逃げていると…………えー、誰フィーゼちゃんに抱きついてる女。記憶をたどる限りだとすっげえ翔鶴に似てるなあ。
「…………ええっと翔鶴。何、お前もロリコン? アーク・ロイヤルしかいなかったのか此処」
「ちっちゃい子はちっちゃいから可愛いんです!」
おう概ね同意だ。だがお前が言うと俺より犯罪臭がする。
頬ずりするな気持ち悪い、いつからお前までロリコンになってしまったんだ。
「凄い幸せそうな顔の所悪いんだけど、ちなみに俺はなーんにもしてないぞ」
「え」
「は?」
――――すごい勢いで消えた。何アレ。
取り敢えず困惑気味のフィーゼちゃんの身の回りをチェック。盗聴器とかはないね、オッケー。
「アイツはどこからやってきてどこへ消えていくんだ?」
「翔鶴は少しだけ怖い。喋っていても瞳の中に私が映っていない気がする……」
あそこまで来るとまあ偶像化してるだろうしその直感は大当たりだね。にしてもあの姉妹、何だかんだ変な所はよく似ている。
食事に戻る。目玉焼き美味しい、コーヒーすき。
「ああ、サトー。報告したいことが有った」
「ん、どうしたの」
「許可さえ貰えれば暫く此処に居たいのだが、構わないだろうか?」
がたっ。思わず椅子から立ち上がる。
それは不味い、かなり不味い。
「フィーゼちゃん、それは辞めておこう」
「どうしてだ?」
「この際ぶっちゃけるが俺もあの鶴バカ姉妹もロリコンだ。危険だ」
「今更だな」
くそ、バレていたか! 分かってるならちゃっちゃか逃げてくれ!
「それは構わない」
「待て、危険だ」
「…………私が居ては、迷惑だろうか」
いやそんな涙目にならないで、そういうのじゃないから! 一応優しさだからコレで!
それにシュテルネさんとも揉めっぱなしは良くない。お互いに歩み寄りはなくもなさ気なんだけども、このまますれ違いっぱなしも殺生過ぎる。
問題を放置してると俺みたいにダメ人間になるぞ。ヤバイぞ、今首回らないし。
「分かった、分かったよ! シュテルネさんとちゃんと話をしてからだったら別にいいから泣かないでくれ!」
「そうか、ありがとう」
嘘泣きぃ!? 何時からそんな小悪魔になったんだ!
絶対グラーフだ、アイツが変なことを仕込んだんだ許さねえ。俺達のフィーゼちゃんに妙なこと吹き込みやがってチクショウがあ!
――へっくち!
遠くからくしゃみの声。
「…………風邪を引いたか?」
「どうせサトーが噂でもしたんだよ、ねぇ?」
なんで分かるんだあの人。怖いよ何なんだよ!
こっちに張り付いた笑顔を見せるな怖い怖い!
「サトー、彼女との一件を放置しようというわけではない。それは心配しないで欲しい」
そんな俺の絶体絶命はどこ吹く風、フィーゼちゃんはこちらに普通に話しかけてくる。
「え、ああうん! お、俺気分悪いから仕事に戻るね!?」
「文節が滅茶苦茶だぞサトー」
あの人親バカだ、変に悪くいうと殺される!
「ふーん、上手くいきそうなの?」
「ああ、後はあなたの許可だけだ」
そりゃ良かった。っていうか何でサトー逃げたんだろ、普通に「あの二人微笑ましいなー」ぐらいで見てただけなのにね?
フィーゼちゃんは私と目を合わせてくれない。そりゃそうだよね。
――っていうかグラーフちゃん居なくなってる。いつもの事だけど行動が読めない。
「…………別に良いよ。元々そういう予定だったし」
「え?」
「ひーちゃんにはちゃんと話したよ? 聞いてないの?」
アレで話は聞いてるタイプだと思ったんだけどなあ、忘れてるならまた言っておこうか。からかうの面白いし。
――まさかわざわざ喋るキッカケ作りのつもりで言ったとか?
まさかね、そんな頭を使っているとは流石に思えない。やる気がある時と無い時はすぐに見分けがつく。
「戻らなくて問題はないのだろうか」
「うん? いや、バリバリ有るよ?」
「では、どうして」
どうして? どうして、ねえ。
罪滅ぼしのつもりなのか、偽善者ぶっているだけなのか、それともいつもの気まぐれなのか。人間なんて理由のつけれない行動の方が多いし、今回もそういうものなんだろう。
特に理解しようとは思わない。こういうものに逆らうのが無駄な時間だと知っているだけ。
――ただ。申し出た本人にこう不安げな顔をされては、まあそれなりの理屈を適当に喋るしか無い。
「これっていう理由はないけど、私は基本的に自由に生きてる」
「だから私は他人がやることにとやかくは言わない。それだけかな」
以前はどうだったかと言われると、結局『道具扱い』だったに限る。
切れ味の悪い刃物は研ぎたくなるし、破れた手帳は買い替えたくなる。そういう感覚だったのだろうと思うし、そうじゃなければあの程度の駄々で憤ったり悩んだりすることもない。
要するにようやく『人格』を認識したということになるか。元々有って、触れてきたものだったのに本当に今更。多分、敢えて考えることから逃げていた。
「しかしあなたは困るのではないのか?」
「そりゃあねえ。言い訳は考えてあるけど久しぶりの職権濫用になりそうだ」
「どうしてそこまでしてくれるのだ?」
何だかさっきと同じ質問な気もする。
結論から言うと特に理由なんて無い。例えば今すぐ連れて帰ってすぐに使い物になるとは思えないとも言えるし、サトーと居ることでなにか良い事がありそうだ――みたいな支離滅裂な理由もある。
数個なんてものではなく、沢山ある。そのどれもが重なって偶々、今こう言っているに過ぎない。
「前々から思ってたけど、やっぱり物事に理由が欲しい?」
少し考える仕草をした後、あの時と同じ煌めく金の瞳。
「あなたはおかしな人だ」
「的確にメンタルを抉ってくるね…………」
「いや、そういう意味ではなく私には分からないという意味だ」
あんまり変わらないよそれ。
フィーゼちゃんは珍しく言葉を選びかねるように視線を泳がせては、思いついたように喋ろうとしてまた口を閉じる。何かよく分からない表現が有るらしい。
聞いてみようか。
「どうしたの?」
「言葉にできない」
「じゃあ箇条書きみたいに言いたいことの要素を並べてみれば?」
そうだな、と納得したらしき返事。
「どうして迎えに来てくれた?」
「どうして何も言わない?」
「どうして我儘を咎めない?」
「どうして――――まだ、優しくしてくれる?」
「優しくなんて出来てないよ、私は」
「違う、あなたは以前から優しい人だ」
はっきりとした否定に思わず眉を顰める。予想外だった。
――優しいことなんて何も出来ていない。
疑問は放置した。問題は棚上げにした。原因は他人のせいにした。これは全て悪い行為だ、場合によっては他人を傷つける。
元より壊すのが得意分野な私だから仕方ないのかもしれないが、どちらにせよそれのどこに優しさが有っただろう?
何の思いやりが有った?
――
「不用意に傷つける大人のどこが優しいと思ったの?」
「どこ――――――どこ、か」
必死で何かを手繰るように俯いて考えている。
無いものを探しても仕方ない、と言いそうになったところで漸く言葉が続いた。
「あなたは私の質問に悩んでいた」
「そりゃ逃げたい事だったからね」
考えたくないことだったから。
「他の誰に聞いても、誰もが即答だった」
「割り切りが良いんだろう、みんな。羨ましい」
私は放置できなかった。
「あなたは割り切れなかった」
「そう、私は駄目な大人だ」
そんな中途半端は、それだけで罪だ。
「だから、優しい人だ」
そのはずだ。
――だから、優しい。意味が取れなかった。解決はしていない。投げ捨てた、それのどこに優しさなんて。
「解決できないからと誤魔化したり、はぐらかしたりせずに真剣になってくれた人だ」
「私はあなた以上に私に優しかった人はまだ知らない」
そんな事ないと思うけど。
「ひーちゃんは?」
「とても良い人だ。だけど、あなたに勝ることはないだろう」
「そうでもないよ、ちょっと弱いけどアレこそ真の善人だ」
別に飾ったりしたわけでもなく、強かったわけでもない。
それでもああいう風に在ろうとするのは善人だ。紛れもない一般人で、突き抜けてる。
首を振られる。
「彼は二人目だ、一人目ではない。どんなものでも最初は特別だ」
「
そんな、馬鹿な話があるもんか。
言うことを聞かなかったじゃない。質問ばかりだったじゃない。何も私は――――解決していないじゃない。
軽々しく言うものじゃない。私は何も応えられない、また失敗をすることになる。出来るだけ期待には沿うように行動してきた人生では有るけど、これだけは私にはできないことだ。
「整理はもう良いだろう。改めて指揮官に問いたい」
「あなたが私に向けてくれる感情に、私は何を返せば良いだろうか?」
分からない。何を渡したのかも、何を返して欲しいのかも。
私は何かを返してもらえるようなことをしたのだろうか? いつも思う。私は壊して壊して、偶にこうやって誰かの心を踏み荒らしたりもする。外敵に対して適切な処置だとしても、これは誰かに対して向ける態度じゃない。
感謝される理由がわからない。
「分かんない…………」
私は何をして欲しいのかもよくわからない。
何がしたいのかはいつも明白なのに、他人に何を求めているのかが自分でもわからない。考えるだけで頭が痛くなるし、何より分からない自分がつまらなく見えて仕方なくなる。
「誰かに何かして欲しい、なんて思ったことない。だから本当に分からないんだけど――――」
言われてもピンとこないのだから仕方がない。分からないけど――――
「――分かんないからさ、とりあえず幸せにでもなってみてよ」
彼女にはイマイチ、自分の感情というものが分からない。
判別できないだとか理解できないというのとも少し違う、それを人にどう向けるべきかがいつも分かっていない女性だった。
今回もそう。絞り出した言葉は何だか違う気がしている、もっと適切な言葉が有った気がする。
こういう時は言葉に尽くせないと知っているから、彼女はもう言葉にはしない。静かに抱きしめるだけ。
――言葉は嘘になるけれど、こういうことは嘘にならないから。
彼女が言葉の要らない仕事に就いたのも、きっとそういうところが関係していたのだろう。
「どれだけ迷惑をかけてもいいし、どれだけ私を嫌いになってもいいから幸せに生きて欲しい」
「グラーフちゃんだって、オイゲンちゃんだってそう」
彼女の後悔はそれだけだった。
Z46の一件以降、ただそれだけが気がかりになっていた。
――この娘達は、幸せなのだろうか。
考え続けても彼女にはわからない。彼女は戦ってこそ自らを見出す生命体であり、あくまで普通の少女である彼女達と根本的に分かり合えない。
少女の言う通り、確かに彼女は優しかったのだろう。不器用ではあったし、失敗はきっと多かっただろうし、あんまり良い解答をいつも出せたわけではなかっただろうが。それでも。
「別に恩返しとか、そんな大層なことをしてもらうようなことは出来ないから」
「偶に元気そうな顔が見れれば、何かもうそれで良いや」
それは優しく残虐。男性的で女性的。災害であり無害。
それは矛盾を持ち合わせない、何故なら双極する何もかもが混じらないから。生まれ育んだ歪を背負って、そして当然のように息をする。
それを星と呼ぶのなら、紛う事無き流星である。
――故にその名は星を冠する。その歪さ故に、燃えゆくその身の熱さを、苦しさを、絶望を、恐怖を――――誰とも分かち合えないのだ。
故に流星は願いを聞き届け続けるだろう。痛みを知り、痛みを知られぬ辛さを知る其れが、誰よりも痛みを理解し、何よりも優しく在ろうとすることは――――当然ながら、疑いようのない必然なのだから。
「マッチポンプのグラーフさんじゃないっすか、奇遇っすね」
双眼鏡で執務室の窓から二人を眺めていた佐藤がニヤニヤとからかうように部屋に入ってきた彼女に言った。
彼女は不快そうな顔の一つもせずに佐藤の横に立ち、二人のいる食堂を眺める。
「佐藤は趣味が悪いな。今ぐらいはそっとしておいてやればよかろう」
「とか言いながら一番見渡しやすい此処に来る辺り――――――あ、すんません」
握られた握りこぶしを見て佐藤が萎縮する。
「見た目に反して結構優しいよな、グラーフさん」
「はっ、おだてているつもりか?」
――いや、本心なんだけども。
「フィーゼちゃんにこんな小粋なムードセッティングが出来るとは思えないし、アンタが根回ししてあの状況にしてやったんだろ? 多分だけど入れ知恵もしたでしょ」
「――――全く、貴様だけがイレギュラーで困ったものだったぞ? まあ誤解をして飛んでいった時はホッとしたが」
その話はやめてくれよ、と佐藤が苦い顔をする。
「それは良いが――――佐藤、一体返事はどうする気なのだ?」
「え? 何のことです」
「とぼけるな。貴様は疎い性格ではないだろう」
グラーフの鮮血色の瞳に佐藤がビクリとする。
――うーむ、そうは言われてもなあ。
彼は別段二次元に馴染みきった人種でもなく、全く気づいていないというわけではなかった。
単に扱いかねていたというのは有る。理由は様々だが答えだけを言ってしまうとノーなわけで、そこも拍車をかけて彼の動きを煮え切らないものにしていた。
「まあ、はっきり断るよ。俺は此処の娘にそういう感情はない」
「瑞鶴もか?」
佐藤が吹き出す。
「有り得ん。それはアッチだって同じでしょうよ」
「そうか。我にはよく分からぬが、当人達がそういうのならばそうなのだろうな」
なんか適当だなあ、と彼は呆れつつもまた双眼鏡を覗き込んで観察に戻る。
しばらく二人で眺めている内に、食堂側の二人が何処かへ行ってしまうあたりで彼が口を開いた。
「次って何時此処に来れそう?」
「何だ、急に」
「いや、
グラーフの眼が佐藤の方に向けられる。佐藤の顔はいつもどおりの腑抜け顔で、一体奥底で何を考えているのかがイマイチ掴みづらい。
「返答しかねる、彼女に直接聞けばよいだろう。独断で喋って面倒事が起きてはかなわぬ」
「そうか、それは悪かった。意地の悪い質問だったらしい」
彼は双眼鏡を机においた後、おもむろに机の上の紙を漁って何かを探し始める。
整理のなってない机にグラーフは少し辟易としつつも彼の動向を眺めていると、唐突に一枚の紙を取り出してグラーフの前に見せた。
「一ヶ月後にロイヤルの偉い軍人さんを招いた何かアレが有るらしくてな、俺も参加するらしいんだよ」
「ではその日の予定を聞けば――――」
「それともちょっと違うんだ。そこら辺は追って伝えるよ」
そう言って笑った後、佐藤は幾つかの書類を持って執務室を後にする。
――我に覗かれても構わぬのか、これは。
呆れながら机の上の書類をパラパラとめくる。内容は特に見なかった、そういう趣味はない。
「しかし――――目つきが変わったな」
以前の無気力そのものに比べると少しだけ、男の眼には光が灯っているようにグラーフには見えた。
グラーフさん滅茶苦茶優しい説を提唱しているものだ! にくすべとか馬鹿にしてるやつ手を上げろ! 連行する…………ッ!
委託完了したときとかめっちゃ嬉しそうなんだぞ! 駆逐艦にお菓子とかあげてて人気なタイプだからな! 戦う時は中二病の塊! うーん皆から大人気だ間違いない!
GW中に意図的な投稿を利用してランキング入りました(ど畜生)。いやせっかく10点もらえたし…………ちなみに27位でした、黄色バーで27位とか馬鹿みたいにシュール。
まあモチベを保つためだし仕方ないでしょ(覇者の風格)。
さて、二章終わり。シュテルネさんもっと掘り下げたかったけど文字数。多い、多い!
また幕間入るけど次回からギャグ時空。細かいことは気にすんな。
何かまだしっくり来る話書けてないんだよな…………。