Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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第八節「the blood①」

摩耗した夢を見る

 

走り続け、走り続け走り続け、走り続け

 

置き去りにした顔は削れ思い出せなく

 

 

走り続けて走り続けた先には屍しかなく救った筈のものも屍になって

救われなかったものも屍だった

 

摩耗したそれは正しかった、後悔はしていないと自分に言い聞かせて

 

 

「……」

 

かつての自分さえも置き去りにした  

 

その、走り続けた先に天秤の亡い、世界を信じて

 

 

擦り切れ擦り切れ擦り切れ……こんな筈ではなかったと嘆かず

 

…………それでもそれは×××で出来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「セイバーくん?」

 

 

「…なんだマスター?」

寝ていたのか?いや……立火は困った風に笑っていた  

彼女は人の顔を伺う癖がある

自己主張の少ない彼女の悪癖だと己は思うが

 

 

「……すまない、少しぼーとしていた」

軽く謝罪をするとそっかと、彼女は前を向く

 

 

目の前にはあの巨大な虚が視界に入った

もちろん距離はかなりあるから巨大さは軽減されるがこの距離でこれはやはりデカい

 

 

要塞級大虚(フォートレスメノス)

暫定的な呼称ではあるが大虚の下級個体『ギリアン』が何体か折り重なり改造された虚であるらしい

 

それが空座の重要な位置に3体

 

それが今の現状、霊子・器子の境界を曖昧にさせ霊的存在を実体化された空間を作り出しているらしい

 

 

浦原曰く

 

「このままこの現状が続くと尸魂界と現世のバランスは崩壊し空座町という楔は尸魂界ごと霊的存在が世界に流れ込む可能性があります」

 

全ての境界はなくなり全てはアヤフヤになる

 

虚という怪物は世界を喰らい続ける可能性はある

 

 

「そうならないためには…あの虚を倒すのが一番だよね」

 

「あぁ……そして……あの3体は『破面』が一体一体守っている」

 

現状わかっている『破面』は『騎士王』と『暗殺者』

 

それを撃破した上でさらに、無数のレギオンを生み出すあれを破壊もしくは無力化しなければならない

 

 

「藤丸サンと赫月さんには空座町の北東部にある要塞級を様子見し可能であれば…お願いします」

「あたし達も他の場所を偵察……一人、滅却師が捕まっているみたいだから救出もしなきゃならない」

 

石田竜鳴か

 

こうして役割分担をし空座町北東部に向かってきていた

 

立火は怯えながらあたりをキョロキョロしている

 

市街地を離れ自然が増えてきているが瓦礫になっている

 

 

『暗殺者』がいるならば常は警戒しなければならない

マスターをやられればサーヴァントの己は存在出来なくなる

 

 

進む、まだ要塞級を護る悪霊群級の生息範囲内に入ってはいないが『破面』の霊圧補足範囲に入るかもしれない

 

警戒しながら己は武器を即座に出せるように

常に魔力の引き金を引けるようにしている

 

マスターのすきだらけの隙もつかれないよう細心を払う

 

「……ねえ、セイバーくん」

立火は口を開く

 

「……なんだ?」

 

「……セイバーくんの話、聞きたいな」

 

「?」

 

「あ、いや……セイバーくんのこと何も知らないなぁ……って、これから一緒に頑張っていくなら」

 

なんて……と、声が小さくゴニョゴニョ俯く立火 

 

「確かに……召喚されてすぐにレイシフトして逃げてと忙しかったな……どう戦うかマスター的にも不安だろう」

真名は……本当たいしたものじゃないのだがな

 

 

 

「そこの、赫月様も転生者ですよ藤丸殿」

突然の声

 

「!?」 

振り向けばそこには赤い着物の女がいた

 

「おひさしゅうございますわ、赫月様愛おしくて愛おしくてこの『血怪(けっかい)のバーサーカー』、愛に来ちゃいました……ンフフフフ……」

ニタニタとおぞましく笑う頭のてっぺんから足の先まで赤い赤い赤い血のような片角を生やした女が立っていた

 

「…………貴様、いたのか」

 

「……この特異点にいらっしゃるとあの方にききましていても立ってもいられなくて、我慢、我慢したのですよ?……ンフフフフ…赫月様の、いけず……あああたまりませんわぁ……ようやくようやく貴方様にぃ……!」 

 

恍惚の表情、一人構わず盛り上がっている

 

悪寒、鳥肌が止まらない……おぞましさといきなりの遭遇に

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