数ヶ月前の空座一高廃校の一室
石田竜鳴は拘束されていた
物理的にも霊的にも拘束されていた
いくら、優秀な滅却師とはいえか弱い少女、そして幾重に重ねられた縛道
無理矢理でも剥がそうものなら霊力の発生の『魄睡』、霊力のブースターである『鎖結』を潰されてしまう
そうしたら滅却師としては終わるし、逃げる手段も無くなるから意味も無い
「…………くっ」
この状況になってからしばらく立つ
……父が探しに来ると思うが……
「…………元気ですねぇ…」
「…………貴方達の目的はなんなの……」
傍に座っている見張り役の女に聞く
確か……静謐のアサシンとかか名乗っていた『破面』の一人だ
「さー、見張り役言われてるだけですしねぇ……まぁ知ってて漏らすわけないですよ」
膝を抱えながら髪の毛を弄っている
「下っ端か……」
「む、口悪いですね…私は貴方の、見張りを一人で任せられるぐらいにはそれなりですよー」
ぷんすかですじゃねぇーよ
「そだ、ひとついいこと教えてあげます」
「なによ」
「あなたの父親、殺しましたよ」
「……は?……お父さんが貴方達如きやられるわけ無いじゃない」
はは、何言ってるんだこいつは
「これ、なーんだ」
ひとつの血にまみれたモノを取り出す
「…………
それは……お父さんの
「いやーさすが千年血戦を生き抜いた猛者ですねー、私達ハサンではきつかったですよー、アルトリア様がずばーっと半分にして、ですね」
言うな
「先代たちは軒並みマスターが殺しましたよー、いやはや容赦ないですよね、私達ハサンもドン引き」
やけにチャラいなこいつ
「…………マスターって誰よ……」
やけに喉が渇く、嫌な予感がする
「僕だよ、石田さん」
「…………………黒崎……さん……?」
え?いつもぼんやり気味のあの人がなんでこんなところに
「やぁ、久しぶりだね……」
「……なんで?……何でって……そりゃ……ねぇ」
なんでこんなにおぞましい別の何かにかんじるの
「キミの中のユーハバッハの因子が必要だからだよ」
ユーハバッハ……?
「?優秀なキミにしては、勉強不足だね、……いや石田雨竜がわざと教えなかったか」
「ユーハバッハは滅却師の始祖にて先の千年血戦の元凶さ……父さん達が倒した滅却師、持っていた力は全知全能……その力が必要なのさ」
そんな力なんて……
「全ての滅却師はユーハバッハの血が流れている、キミも僕にもさ……僕の目的に必要だ」
ニヤリと笑う、そんな笑いは見たことない
邪悪な笑みだった
「禍ツ聖杯への贄にキミは選ばれた」
そして現在
「……はっ、その程度か死神」
「うるせぇ!!」
空中戦になるも思った以上にやつの攻撃を凌ぐのが精一杯だった
「……はぁ……くっ……」
他の暗殺者共と違って気配の消し方、投擲のタイミングが絶妙に過ぎる
対応しようにもすぐにパターンが変わる
「こんなとこで苦戦している場合じゃないんだよ!!」
あたしはあいつを止めなければならないんだ!!
「まさか、使う気ですか阿散井サン!?」
「今使わずいつ使うんだよ!!」
斬魄刀・白蛇前を下段に構える
「卍・解!!」
霊力が膨張し、拡散する
周りが凍結し、熱を奪っていく
拡散していた、霊圧は刀に収束していく
上昇した霊圧は周りを威圧する
「…
白い着物を纏った姿に変異する