黒崎一護
この特異点、BLEACHの世界の主人公の位置にあたる人物
その、壮年の男性は先代死神代行
死神と滅却師の両親を持ち虚の力を有する
…ここは黒崎診療所……みたいだね
「まぁ……起きたばかりだから混乱はしているだろうけどなとりあえずお前達が敵じゃ無い事と共同戦線を張った事は浦原さんからは聞いている」
黒崎一護さんは、お茶を渡してくれた
「あ、ありがとうございます」
受け取る
「………黒崎さんは今一人ですか?…」
「浦原さんと苺花は裏で休んでいるぜ?」
「……そうじゃなくて家族の方とかは……」
「………」
「あ、…すいません……えっと」
やっぱりこの、反応はやっぱり……
「………いや、いい……この空座町の現状は知っているな?虚の実体化……事実は現世と霊子の境界の曖昧になっていると浦原さんからは聞いている」
黒崎さんは腰をかけ、話し始める
虚の実体化、これだけならまぁ……混乱はあるだろうが対応は出来る
「…………あいつが変わってしまった」
「最初は単なる反抗期かとは思った、のほほんとした奴だからあいつでもなるんだと織姫は話してたな…」
少し懐かしむかのように、はなす黒崎さん
「けどそれは違った……人が変わったように周りとの接触を避け始めた」
「家を空ける事が多くなった、まぁ俺自身あいつの時分の時はよくあったけどな……まじめなあいつの行動としては違和感はあったな……」
頭をかきながら言う
「初対面のお前にする話でもないが…少し昔話しようか、まぁおっさんの世間話に付き合ってくれ」
とぽつぽつと話し始める
黒崎一勇は………人一倍正義感は強い少年だった
死神の子供だった一勇は生まれながら高い霊力を持っていた
当然『見える人』だった
それは親である黒崎一護と同じような生まれだった
しかし一勇は幼い時代に既に『死神』として力を発現していた
死神の子供は死神
所謂『真血』に当たるだろうが黒崎一護が死神として覚醒したに比べればあまりにも早すぎた
死神として覚醒したならば当然『虚』も見えた筈だ
黒崎一護は朽木ルキアと出会うまで虚を視認出来ていなかった事を考えてみれば虚をも見えていたのは……あまりも、父とは違う事なのかもしれない
日常的に整の霊が虚に襲われているのを見ていたのかもしれない
だから
「お父さん、目に見える範囲の霊を助けたいと思うのは間違いじゃないよね」
当然間違いないのは確実だった、
ただ一つのものを護れるようにとつけられた親はただ一つの勇気を持ってるようにと付けた子に
間違いないじゃないと教えた
………成長した子は死神代行業を引き継いで彼の見える範囲の霊を助けたいと虚退治をしていた
「優しい奴だった、俺や織姫からしたら自慢の息子だった…………筈だった」
「ある日を境に……さっき言った通りに違和感を覚えた、……あいつが……よくわからなくなった」
「……虚が実体化したあの日だ、あいつが変わってしまったと確信した日だった」
……あの日、3日ほど居なくなって帰ってきた日だった
「酷く心配した織姫があいつを抱き締めた……」
黒崎一護は顔を顰める
「あいつは………母親を手にかけてしまった……」
息子らしからぬ邪悪な笑みだった