亞衣と真衣は双子の少女
亞衣は気が強く責任が強い真衣は気は弱くも優しかった
彼女達はいつも一緒にいた
どこに行くのもなにをするのも一緒
お互いに何かあれば駆けつける
性格の上その役割は亞衣がなることが多かったが不満などなかった
彼女達は……いわゆるネグレクトされていた
父親は無関心、母親は淫売……よそに男を作っていた
彼女達にとってお互いしかいなく依存していた
彼女達の小さい世界はそれだけが全てだった
「……亞衣~?」
「なによ、真衣……?」
「えへー、何でもなぁい……」
ネグレクトされていても虐待はなかった、父親は最低限の養育は果たしていた
淫売の母親は彼女達が10歳の時に蒸発していた
……薄々とわかっていた
お父さんじゃない男の人といなくなったのだと
父親は機械のように働く……お父さんは傷付いていたのだろうか
姉妹に興味のない父親への接し方などわからなくて溝は深まる
事件は姉妹が13歳になった時だった
真衣が帰ってこない、部活も入っていないし委員会もある日では無い
ネグレクトされていた姉妹には門限などなかったが遊び歩く趣味や友達などいなかったふたりは夕飯時には必ず二人一緒が当たり前
時刻は9時を回っている、携帯電話は持っていないけど家電にくらい連絡いれるはず律儀な真衣だから
亞衣は不安で潰れそうだった
父親が帰ってきた
訴えた、真衣が帰ってこないの!!
父親は一言
「そうか、…………まぁ夜遊びしたい年頃だろ、あいつの子だ」
ボソボソと言う、覇気の無い言葉
……それは姉妹をあまりにも理解していない言葉だった
反射的に家を出る
真衣を探す、探す、探す、探す、探す、探す、探す、探す、
明け方まで探した、見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない見つからない
発狂しそうだった
返してよ、真衣を返してよ
雨が降り始めていた、喪失感を亞衣に押しつけるような雨だった
真衣がいなくなってから1週間
毎日探しているが見つからない
父親へ訴えた
「……真衣?誰だ」
はぁ!?……なかったことにしたいのか!?と亞衣は激昂したが父親は首を傾げるばかりだ
だが、……真衣がいた痕跡はなくなる
真衣の机がない、真衣のロッカーがない
真衣の名前がクラス名簿にない
あまりにも薄情だと亞衣は吼えたが……家からも真衣の痕跡は消える
「私は一人っ子だっけ……」
元々荷物は少なかったけど…………真衣の荷物丸々なくなっていた
無気力の父親がそこまでやる気力ないはず
まるで……世界から忘れられていくような感じがする
「……私は…………忘れるものか……!」
真衣を必ず探し出す
毎日それから探す、行為をすることで忘れないようにするために
「…………」
ふらふらする、生きる理由が見付からない
体力がなくなるまで探す毎日に疲弊しきっていた
ふらふらする
身体を引きずりながら探す
「………真衣…って…誰だっけ……?」
注意散漫だった彼女に鉄の塊が命を奪う
…………彼女の末路
白い空間
優しい声がした、初めての××以外の優しい声
「……可哀想な子だ、僕が一緒に探してあげよう」
「だから……僕のことも手伝ってね」
それは悪魔との契約だったのかもしれない
とある特異点
「……………君誰?」
岸波白野は困惑していた
「……真衣って言います、ここどこですか?亞衣が待ってるから帰らなきゃ……」
彼女達は比翼の鳥
再会は果たされるのだろうか