(やっぱり兄貴は強い…)
死体のブラートと対峙するタツミくんは攻めあぐねていた
死体とはいえ自身の理想形の完成された強さ、同じ帝具持ちとしての到達点と対峙するのは難易度は高い
インクルシオを装着していたならば闘いになってたかどうか
(弱気になってるんじゃねぇ…!)
私の視点からも同じ考えに至ったであろうタツミくんは頭を振る
「勝つんだよ…兄貴に……力を貸せインクルシオ!!」
呼応するかのように十字の瞳は爛々と輝く
インクルシオの副武装の槍ノインテーターを構える
勝つ可能性が在るとすればインクルシオの強制覚醒
「らぁぁぁぁあ!!」
猛然と膂力に任せ突進する、それに反応するようブラートは迎撃する
「ぐっ…」
技術以前に膂力自体がブラートの方が上、死体故にリミッターなどない
吹き飛ばされはしなかったが拮抗は出来ず踏みとどまる
「……兄貴…!」
だがインクルシオの鎧の筋肉は呼応し拮抗に至る
(叫べ、熱い魂で!!)
「でぁぁぁぁあ!!」
インクルシオの力より膂力が増す、拮抗する力はせめぎあい遂には押し返す
「どうだ、兄貴!!…いつまでもあの頃の俺じゃねぇ!!」
タツミくんは咆哮、ブラートを解放すべく攻める
ノインテーターを振りかぶる、ブラートも剣を使い打ち合う
剣閃は繰り返し金属音が響く
進化する竜、停滞する死体…タツミくんの魂がその差を埋める……これなら……!
笑い声が聞こえた気がした
視界外からタツミくんに対し衝撃波が放たれタツミくんは吹き飛ばされる
え?
「誰……!!」
「ぐっ………誰だよ……邪魔をして……!!?」
タツミくんはすぐに立ち上がりその方を向き驚愕する
「マイン……!!?」
ピンク髪を二つくくりにしピンクのワンピースを着た少女がいた
ライフル銃のような帝具を構える
「お前まで……なんで……」
さっきまでの勢いは無くなり呟く
アカメ対クロメも戦況はアカメちゃんに傾いていた
覚悟を決めクロメの動きを見切ったアカメちゃんがいざ決定打を下そうとした瞬間二つの人影が降りてくる
見知った姿はアカメちゃんを殴り飛ばす
獣の如き力にアカメちゃんはガードはするが吹き飛ばされる
「この動きは………」
見知った動きに、嫌な予感は的中する
視線の先には親友の姿がある。
金髪の野性味のある妖艶な女
「お前もかレオーネ…ラバックまで……」
糸を扱う緑髪の少年もレオーネの隣にいた
いずれもナイトレイドのメンバー
さっき奴が言ってたコレクションとはそういう意味か……
「どこまでも……私達を愚弄したら気が済むのだライダー……」
至上の仲間達を悉く死者行軍に加えられる絶望感、苦痛は計り知れない
二度失う喪失感を味わう事になるとはだれが思えようか
「葬る……必ず葬るぞライダー…!」
アカメちゃんの憤怒はこちらから見ても感じて取れた
あまりにも悪趣味だライダー…!
「レオーネ…ラバック…お前らも解放してやるからな」
アカメちゃんは構える
織田信長対岡田以蔵も佳境に入る
元々信長は手負い、……無数の火縄銃群は常に移動し続ける岡田以蔵を捉えられてはいなかった
短期決戦を強いられている信長に対し岡田以蔵は信長の消耗を狙いながら機を狙う
始末剣、……無数の剣理は何をしてくるか分からない不確定要素が警戒を常に強いてくる
セイバー色がつよく擬似的なダブルクラスの岡田以蔵でも本来はアサシン
暗殺者程の気配遮断スキルは無くとも撹乱するには信長に対し有効であったようだ
「……逃げの一手か、つまらぬなアサシン」
「きさんは手負いの獣よ、魔人よぉ?その三千世界が消えた瞬間がきさんの死に際よ」
「………人斬りがつまらぬ戦いをする臆病者め……儂と対峙するのが怖いかぁ……く、所詮はアサシンクラスの暗殺者程度に収まるただの剣狂いじゃな岡田以蔵」
「もう一度いうてみぃ…織田信長……」
「安い挑発に乗るとは小さい男じゃのぅ…人斬りとして沖田に負けるじゃのて」
「弁舌が前程ないぞ、織田信長…挑発にのってやるがか……斬り捨てたらぁ魔王……あぁ、傷が滲んで可哀相にのぅ……死ねや! 始末剣」
停滞し動きを構える
あの、閃光の居合が来る……!?
「………逃がすか!!三千世界に屍をさらすがいい!!天魔轟臨!!これが魔王の三段撃ちじゃぁ!!」
信長は好機とみ、全弾火縄銃群より岡田以蔵に向け発砲する
弾幕となって放たれたそれらは岡田以蔵を逃がさないと面となって攻撃する
「相変わらず怖い宝具じゃぉ…じゃが手負いのきさんじゃ本気は出せまい」
雲耀【瞬光】
閃光の如き居合は弾幕の隙間を縫い進む
多少の被弾は省みず一閃
ガン!!
「手応えがなかぁ……やるなぁ……魔王」
『圧切長谷部』と火縄銃で何とか防ぐ
火縄銃は衝撃で破砕する
「儂を誰だと思っている第六天大魔王・織田信長じゃぞ…!立火を守り貴様らを排除せねば儂の名が廃るわ!!」
周囲を浮遊する火縄銃は発砲する
岡田以蔵は、後ろへ飛び後退
「おーおー、大した名乗り上げじゃ……すぐに死んじゃ面白くなか……せいぜいたのしませろや織田信長ぁ!」
沖田さん対屍竜のライダー
帝都入り口近くの広場にて3組の戦いを繰り広げている中。門近くに屍竜のライダーは不敵に笑っていた
「善悪関係なく、ひたすらに斬るのみ?君らからしたら私達は、邪悪かね」
「……ただの戦場ならば善悪はありません、けど貴方達を謀り欺き惑わし壊し殺す人理悪です、……私とてただの人斬り……しかし貴方のような人理悪見過ごせる訳には行きません」
「正義の味方ごっこなら……よそでやりな!!正義狂いども」
ライダーはゴシックロリータの衣装をたなびかせ戦場に相応しくないような恰好で跳躍
ライダー……騎兵のサーヴァント。機動力に特化したクラス、しかしそれは騎乗スキルによって発揮されるはず
『禍神転生者』に、常識は通じない
通常の、サーヴァント戦の常識は捨てないと行けないだろう
沖田さんも疾走加速する
間合いを計るように疾走
「最速のセイバー……ふふふ………足でライダークラスに勝てるかなぁ!!?」
ライダーは加速
さらに空間を蹴り跳躍を繰り返す
沖田さんの真上からさらに空気を蹴り『八房』で斬り付ける
『菊一文字則宗』で防ぐが加速し少女ながら重い一撃に眉をひそめる
「……すきありぃ!!」
沖田さんの脇腹を蹴りつける
「がっ……!?」
「私は剣士じゃないし、性格悪いからねぇ……隙見せた君が悪いからねぇ?」
ケラケラ嗤いながらまた上空に空間を蹴りながら上がっていく
「……あなたに正道の戦い方は期待してませんよ……死体を操り、私達に恨みを持つ英霊を当てる……あなたには」
「以蔵くんに関してはたまたまさ……いや運命がそうさせたんじゃなぁい?因縁ってやつだよ」
上空に留まるライダーは薄く嗤う
常に笑顔が張り付き気持ち悪い
「死体に関しては察しの通りナイトレイドを集めてる……ふふふ…完成すればエスデス様の勝ちさぁ……!アカメちゃんを手に入れたら完成さ…!!タツミくんは献上しなきゃならないから死者行軍に入れられないのは残念だけどね………死者行軍『夜烏』が完成すれば面白いだよ……『死烏』デスレイドとか名付けて使ってあげるよ……!」
主要メンバー全員が奴の軍門に下ればこの特異点は終わる…………
エスデス、ブドー……あの至高の帝具を倒せる筋書きは完全に破綻してしまう
「…ライダーを排除してこの特異点を無くさないと……」
私は焦燥に駆られる
沖田さん……!
対峙出来ている今、『八房』で出力がおちている今
エスデスもブドーもいない今がチャンスなんだ…
「沖田さん……たのむよ……」