Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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第17話「狼煙を上げる」

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一人の人生を追体験する、目の前に居た黒髪の少女

 

それはマスターとサーヴァントの繋がりに似た繋がりだった

 

 

その人物の祈りを、願いを、未練を、後悔を

 

苦渋の決断を

 

 

始まりは……小さな妹の手を握り始まる

 

かつての親兄弟同然の仲間と切磋琢磨する半生を

 

世界のおかしさを感じ妹を捨て離反した苦渋の決断からの半生を

 

彼女の、心中とともに追体験する

 

 

「…………ああ、オキタ……出会って間もないお前に頼むことでもないんだがな…まだやり残した事があるんだ。お前は私に似ている気がするんだ」

アカメは後悔を拭いきれずまだ未練があったと悲しげに笑う

 

 

「…………死ぬことが怖いんじゃない。この稼業やっている以上因果は応報する……いずれ我が身に帰ってくると覚悟はしていた」

 

けどとアカメは話す

 

「みんなの死を無に返すような最後にはしたくないんだ」

 

彼女の、言葉に私は新選組の仲間を思い出す

 

 

「だから、……私の遺志をお前に託したいんだ。『村雨』を扱えるお前に………頼めるか」

 

そんな……悲しげに言われては断れないじゃないですか

と沖田は思う

 

けど彼女の、悲嘆も未練も総て理解できる

 

…………私も、彼らと一緒に最後まで戦いたかった

 

「もちろんですとも……アカメさん、あなたの未練晴らせて頂きます」

 

「それなら……安心だな」無表情で表情筋の乏しい彼女は、それでも微かに安心したように笑う

 

アカメは消える……私は託されたんですね

 

 

 

 

 

「沖田さん?」

 

「すいません少し寝てました……」

 

「泣いてる……?」

立火が覗き込んでいる、

 

「いえ、欠伸を噛みしめてるだけですよ」

 

進軍する馬車の中で少しねていたようだ

 

私たちは前線へ向かっている、ノブはまだかと気を昂ぶらせているようだった

 

「……すいません立火」

 

「あ、いやうん。大丈夫ならいいんだけど」

 

「大方だんごでも喰い損ねた夢を見たんじゃろ。わりかし食い意地が張ってるからな此奴は」

馬鹿にするように笑うノブ

 

「カッチーン」

私は剣を抜きノブに、突き付ける

 

「あ、あほ!!『村雨』で軽く斬ったら死ぬわ!!」

 

「お、沖田さん!!?」

 

しまったつい癖で、挑発するノブが悪いから是非もありませんね

 

「…」ジロリと赫月さんに睨まれる

 

「すいません……」

赫月さんって少し恐いですねって立火に言うと

 

「え、優しいよ」

あ、紳士は紳士みたいですけど私とノブのケンカはあれかな……

 

「そろそろ前線へつく、気を引き締めろ」

 

「とっくに引き締まっているわぃ!先陣は氷の兵士が居るならば儂が切ろう。よいな赫月」

覇気に満ちているノブはそう言い放つ

 

 

「構わない、しくじるなよ信長」

 

「は、誰に言ってるんじゃ、第六天魔王織田信長じゃぞ」

軍服の少女はニタリと笑う

 

 

 

 

 

 

立火の番

 

 

………戦争は始まっていた

 

明朝、……反乱軍本隊は進軍していた

 

帝国軍も反撃するため帝都を守るように展開している

 

突き進む

 

 

この、馬車は進軍する本隊とは別にエスデスがいる隊を目指し進んでいる

 

 

「ランさんとウェイブくんは斥候と哨戒…帝具持ちを撃破しつつ遊撃と情報集めを繰り返してくれてる」

 

「帝具『グランシャリオ』と『マスティマ』でしたっけ……機動力を持った帝具らしいですね」

 

翼の帝具とインクルシオと同タイプの鎧の帝具

 

機動力を持った帝具をもち離反していて元帝国側

地理に詳しい彼らは適任

 

最新の戦場の情報を共有出来る

 

 

まずの、狙いは前線で出てくるのあろうエスデス

 

何をしてくるかわからないライダーはエスデスに注力しながら対応できるよう心構えしなきゃならない

 

 

禍ツ聖杯の孵化『命を繋ぐモノ』にも気にかけなければならない

ライダーの狙いは多分それ

 

前回のアサシンの『境界を食らうモノ』と同質の化け物と考えてもいいとセイバーくんは言っていた

 

……とりあえず目の前の戦いに集中しなきゃならない

 

エスデスは、この特異点のアカメが斬る!のラスボス枠

 

簡単にはいかないはず……いや、いかない

 

 

馬車が、進軍する中緊張は強くなる

 

少しで前線

 

 

「………来るぞ、立火」

 

信長は真っ先にその殺意に気付く

 

 

「沖田、赫月。立火を頼んだぞ…儂は此奴らを引きつけよう」

 

馬車を吹き飛ばされる

セイバーくんは私を抱え離脱、沖田さんも離脱

 

 

信長は赤く煉獄がごとく燃え始める

 

目の前には大量の、氷の兵士

 

氷騎兵にやられたであろう反乱軍の兵士であろう死体が転がっていた

 

前線の、一部の惨状

 

「いけ、立火構うな……すぐに追いつくじゃて」

 

 

「悪いのぅ……丁重に葬ってやることができなんだ。火葬で我慢してくれ」

 

「信長!待ってるから!」

 

「了解じゃてマスター」

 

信長は燃え上がる

 

「三界、神仏纏めて灰燼と帰せ!!儂は第六天魔王じゃ!!」

 

 

      『第六天魔王波旬!!』

 

 

信長の背後に燃える黒いガシャドクロが現れる

 

まわりは燃える燃える燃える

 

 

「吹き飛ぶが良いわ!!」

 

火炎の波が氷騎兵を飲み込み溶かしていく

 

「ははは!あの日を思い出すわい!」

 

 

「……大した炎だな、私の氷騎兵を一瞬で吹き飛ばすとはな」

 

「こんな前線に居るとはな…沖田め、読み違えたか」

 

白い軍服の女が燃え盛る火炎の中に表情を変えずにいた

 

 

帝国最強の女、エスデス

 

 

「信長!?」

 

「私も残ります。…赫月さんは『屍竜のライダー』を……立火ご武運を」

 

「……沖田さん達こそ」

 

「ええ」

沖田さんは、踵を返し燃える信長の元へ

 

「儂ひとりで十分だというに」

 

「…立火の判断です」

 

 

「ほう、『村雨』を持った剣士か、愉しませてくれ」

 

不敵に笑うエスデス

 

 

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