Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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第21話「剣鬼を斬る③」

「焦がせ、『火神楽』」

 

解号と共に赫杓と燃える赤い刀がセイバーくんの手に握られている

放たれる熱気と霊圧は紛れもなく

 

 

斬魄刀、死神の力の象徴

 

「…誰の……斬魄刀……?」

 

知らない、炎熱系斬魄刀は『流刃若火』と『剡月』だけだった気がする

 

「己のだ、『浅打』を投影し己の魂を転写した」

 

まぁ斬魄刀擬きだと呟いた

 

その赤い刀を見て岡田以蔵は眉をひそめる

 

 

「……きさんのギフトスキルかぁ……?」

 

警戒するかのように下段に構える岡田以蔵

 

「…………さてな、岡田以蔵……」

 

一瞬で間合いを詰める…『瞬歩』!!?…………黒崎さんをインストールしているのは信長じゃ…

 

         『剡呪点睛』

 

焔を纏う剣戟を撃つ、討つ、伐つ

陽炎のような残炎をあとにしながら打ち付ける

 

「きさんが……タダの燃えちょる剣じゃぁ……!!」

 

剣戟を刀で打ち返し防ぐ

 

「…………」無言で顎をくいとするセイバーくん

 

 

「……!?」

岡田以蔵の刀が打ち返した箇所が燃える

すぐに燃え広がり刀は灰となる

 

「きさん…!」きっと睨みつける岡田以蔵

 

憤怒の表情浮かべる

 

 

「獲物をやられたくらいでぎゃあぎゃあ騒ぐんじゃねぇ、『人斬り』……まさか武士道に反するとかほざきゃあしないよな?…」

セイバーくんらしくなく挑発する

 

「あほくせぇ…!……つくづく気に食わん男よのぅ『赫月のセイバー』!!」

腰に差したもう一振りの刀を抜く岡田以蔵

 

烈火のような怒気を纏い構える岡田以蔵に対して構える赫杓の刃とは対象に冷静なセイバーくん

 

お互いの距離は三間程、……すぐに動き斬りあう

 

回避と回避

 

岡田以蔵は先程とは打って変わり打ち合う事無く回避しながら斬りあう

 

燃える赤い刀を警戒する

 

 

「…………セイバーくん…………」

 

烈火と零下の殺意はぶつかり合い場を焦がす

 

私の目には終えない速度の領域で打ち合う

 

瞬歩と岡田以蔵は恐らく縮地と並ぶ歩法で並びついていく

 

 

「気にくわねぇ……気にくわねぇが!!『赫月のセイバー』!!」

 

距離を通り上段に構える、集中力、威圧が高まる

 

閃光の居合いか雷の一撃か……!……構えが微妙に違う……?

 

 

    

 

 

岡田以蔵の姿が消える

 

 

すぐさま間合いを詰められる

 

下卑た笑みだ、屍竜のライダーと共通する笑みを浮かべる

 

即座に反応、迎撃しようと赫杓刀を振るうが空を切った

 

 

「セイバーくん!!」

 

真横にスライドするように移動していた

 

      

 

     『雲耀・疾風』

 

 

竜巻が如き一撃を振るう

 

3種類の雲耀の一つ

 

雲耀全ては二ノ太刀要らずの『魔剣』

 

 

「死ねや!!セイバー!!」

 

躱せない、躱せないと思った一撃が空を切る 

 

「あ…!!?」

 

岡田以蔵の一撃は地面を砕くだけに終わる

 

残すばかりは残炎、陽炎のように微かに炎がその場に残る

 

     『剡呪点睛・穿狼』

 

 

矢のような刺突が岡田以蔵を貫く

 

岡田以蔵の背後、50メートル離れた場所からそれは放たれていた

 

「きさん、…………ち、……」

 

憎悪の表情を浮かべさらに睨みつける岡田以蔵

 

胸を貫かれたが修復するが……傷跡は燃えて焦がしている

 

 

「……再生はするが、そこの傷をつけた箇所には燃え焦がす呪いが付与させた、呪いまで再生しないようだから問題無用の再生、時間回帰、事象拒絶ではないようだな」

 

再生→燃える→再生→燃えるの繰り返しを行われているよう

 

「…ぐっ……たかがこれぐらいの傷を付けたくらいで喜ぶんじゃなか!!……ち、姫さんめ使えというんか」

軽く舌打ちすると魔力が増幅する…!!?

禍禍しい魔力の展開……宝具の開帳……!?

 

     禍神宝具『始末剣・剣理無天』

 

 

突如の宝具展開、異様な禍禍しさを岡田以蔵が内包する

 

異様な殺意がこちらの身体を弛緩させる

 

 

『禍神宝具(イーヴィルファンタズム)』……?

 

 

「…………禍神の恩恵を受けた宝具か」

 

セイバーくんは顔を顰め睨みつける

 

「そうじゃ、儂は使いとう無かったがのぅ……姫さんの力の恩恵じゃからなぁ……儂は儂の力でなぁ……だがなぁ……姫さんは儂に負けはゆるさんらしいぜよ」

真っ赤に爛々と輝く眼に闇のような魔力を沼のように纏った異様な姿だった

 

 

「……『赫月のセイバー』とカルデアのマスターを殺せ……姫さんも本気らしいぜよ」

 

くっとヘラヘラ笑う岡田以蔵、燃える傷跡は崩壊と再生を繰り返すが意に介していない

 

「……『始末剣・剣理無天』は全ての剣理を同時に出せるのよ、このようになぁ!!」

 

 

      『雲耀・瞬光』『雲耀・迅雷』

 

『始末剣・剣理無天』…剣理の模倣の宝具『始末剣』を悪成長させたもの。同時に剣理を発現させるという物理法則を無視する悪理

一瞬にて間合いを詰め閃光の一撃で『火神楽』をはじき飛ばし不可能な稼働をし稲妻が如き一撃をセイバーへ放つ

 

「ぐっ!!?」

 

「…赤い刀を握って無ければ炎になれんようじゃのぅ!!」

 

高笑いをしながら次撃を加えたあと蹴り飛ばす

 

セイバーくんは崖に叩きつけられる

 

「……儂の剣理の檻から逃げられんぞ!『赫月』ぃ!!」

 

「セイバーくん!!……いた……!…」

 

え……?何これ……?さっきいつの間にか刻まれた紋様が拡大している……?

 

 

袖をまくると私の腕に肘までに刻まれた刻印があった

 

……『魔術刻印』…?私はメイガスでもウィザードでもない…のに

 

 

「リツカ……?」

 

 

知らない知識がまた更新されていく

 

寄贈知識群…更新……その刻印の名は

 

 

魔術刻印『凍結させる左腕(フリーズレフト)』

 

 

頭が異様に冴えていた 

自分が自分じゃない違和感、高揚感

 

違和感はイヤな感じではなく万能感にちかい

 

魔術回路は本来無いはずの私の身体に魔術刻印が擬似的な魔術回路を生成し魔力を走らせていた

 

セイバーくんに岡田以蔵二人とも此方を見る

 

いきなりの私の変容に視線が集まる

 

 

「……リツカ……?『あの時』のようなトランス状態か」

 

『力を貸そうじゃないか、藤丸立火』

 

 

 

 

『キミは禍神を殺さなければならない』

 

頭に響く声と同時に私は私じゃなくなった

 

「……『赫月のセイバー』、アサシンの機能を停止させる。」

 

私の口は私の意思を無視し言葉を並べる

 

魔術刻印はいつの間にか私の顔まで浸食していた

 

え、……身体も……動かせない

 

 

「リツカ…?…お前は誰だ」

 

 

「安心しろ、『赫月のセイバー』……キミ達を補佐する者だよ。……この子はまだ未熟だ『禍神殺し』として成長して貰わなきゃならない」

 

え、『禍神殺し』……?なに……え、わからない……

 

「『禍ツ聖杯』の孵化がもう近い……『イーヴィルサーヴァント』に手こずっている場合じゃないよ」

 

 

 

「藤丸立火。………今さらだけど……キミの在り方の手本を見せよう」

 

全身に魔術刻印を展開し魔力が十全に走り抜ける

 

 

「…………きさんが『禍神』共の天敵か」

 

 

「さてね。岡田以蔵、…キミは本来のキミじゃないよ『禍神』に染まった別方面のサーヴァント……オルタナティブではなく『イーヴィル』……キミらの言い方じゃ悪望だったか」

 

……悪望……?

 

「……関係なかぁ!!儂は儂じゃ!!」

 

 

「まぁ滅するだけだよ『転生者権限術式(リバーサーキャスト)』……『氷縛式・歩』」

 

私の身体を刻む刻印が輝く、左腕を振るわれる

 

「な、動かん…!!?」

 

「キミの足の機能を奪った」

 

私は……私じゃない口はそれを言う

 

 

「……次はその『不死』の術式の機能を奪うよ、『転生者権限術式』『氷縛式・不死』」

 

「たかが術式如きが『禍ツ聖杯』の機能を奪えるわけなかぁ!!」

 

 

「試してみるがいい、藤丸立火。これがキミが至る到達点だ」

 

術式を展開し術式の網が岡田以蔵を縛る

 

「やれ、……『赫月のセイバー』」

 

 

「……こんな終わり方は認めんぜよ!!儂はここで終わるわけにはいかんのじゃ!!儂は!!」

 

 

      『剡呪点睛』!!

 

赫杓と燃える袈裟切りをセイバーくんは放つ

 

袈裟切りを喰らった岡田以蔵は再生をせず燃える

 

「赫月ぃ!!藤丸立火!!儂は認めん!!認めん!」

 

呪いの咆吼のように怨嗟を叫ぶ岡田以蔵

 

血涙を流し憎悪の表情をこちらに向ける

 

「儂はきさんらに負けた訳じゃないぜよ!!」

 

と言ったと同時に燃え尽き霧散する

 

「………」

 

私はガクッと力が抜ける。岡田以蔵が居なくなったと同時に私の中から超越した魔力が消え刻印は右腕の令呪と同じくらいのが左腕に刻まれていた

 

力が入らない。行き過ぎた知識と魔力行使の後がのこる

 

『禍神殺し』……?……何だろうこの納得のいかない感じ……

 

「私はクロスオーダーの適正マスターとして転生しただけじゃ無いの…?」

 

「…………リツカ、戸惑いも納得いかない感じも分かる……けどまだ『屍竜のライダー』がいる。」

 

「うん、わかってるよ……行こう」

 

ふらふらしながらも立ち上がる

先程までの高揚感はなく訳が分からない不快感しかなかった

 

 

 

 

 

 

 

「こんなものか、オキタにオダ!私は満足してないぞ?」

高笑いをし信長を掴むエスデス

 

沖田は地面に突っ伏していた

 

「沖田…………く、力の差がこれほどとはな……」

 

周りの波旬による炎は焼け野原にしていたが既に鎮火し凍てつく凍土と化している

 

「……ノブ……」

フラフラと立ち上がるが利き腕は凍結し左手で村雨を握る沖田

 

「は、お互い満身創痍じゃの、……やはりラスボス生半可には行かぬか……」

皮肉げに笑う信長

 

「ここまでなら残念だ、いやなになかなか楽しめたぞ」

エスデスは笑い信長の首を断とうとする

 

「…………融合宝具…卍解『天を鎖す三千世界(さんだんてんうち)』」

 

二丁の黒い火縄銃を構える

 

「…まだじゃな、儂の死力をくらい楽しめよエスデス!!」

 

発砲しエスデスを引き離す

 

      『月牙天衝』!!

 

銃口より放たれる『斬撃』

 

 

「…………ほう、斬撃を撃つとはおもしろいな」

 

「死力を尽くすのだ、儂のような、天下人がなぁ……ただで死ねると思うなよエスデス」

信長は笑いエスデスも笑う

 

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