「…………信長……沖田さん……?」
走っていたが立ち止まり彼女たちが戦っているだろう後方へ振り向く
「どうした?リツカ……?」
セイバーくんも立ち止まる
「……いや……彼女たちの反応が一つになって……」
彼女らのステータス表を見る
「………抑止の守護者……?」
カウンターガーディアン……森羅万象の守護者
ところどころは検閲され読めなくなっていたが
『魔神』と呼ばれるサーヴァントだった
呼符は二人ではなく守護者たる彼女を呼んでいた
合点がいった。二人が呼ばれた理由も
マスターとサーヴァントの繋がりで彼女の強さも
「…何でも無い、沖田さん達なら大丈夫……行こう」
「セイバー・アンインクルード」
黒崎一護のカードが排出される。
「貴様が何者か分からんが……愉しませてくれそうだな」
エスデスは『魔神』のサーヴァントをみて嗤う
依然周りは猛吹雪であるが『魔神セイバー』は意に介してはいない、ゆらゆらと炎を身に纏っている
セイバーのカードを掴み仕舞う。
刀を抜く。自身の黒刀『煉獄剣』ではなく『村雨』を構える
大地を蹴る。音越えの縮地を行い距離を詰める
沖田総司時とは段違いの速度、『極地』と呼ばれる空間を飛ぶ歩法
剣戟を2連放つ、殺意が含まないそれをエスデスはギリギリでかわす
「よく、躱したな」
「…………」
エスデスの目付きが変わる。
エスデスの思考から遊びが消える
(……初動が見えん……先程とは比べ物にならないな)
「慢心を捨てたか、氷の女よ……だが既に遅い」
深く身体を沈ませ下段から斬りつける
エスデスは氷の壁を生成して防ぐ
『魔神セイバー』は直ぐさま3連の剣戟を放つ
氷の壁が瓦解。『魔神セイバー』はエスデスを蹴りつける
エスデスは『魔神セイバー』の足を掴み投げ付ける
『ヴァイスシュナーベル』!!
無数の氷の剣を生成して『魔神セイバー』へ向け放つ
魔神セイバーは全てかわす。
「…『一歩絶刀・絶劔三段突き』」
「『氷鎧』!!」
魔神セイバーは3歩の踏み込みをせず『三段突き』を放つ
「ぐっ……」
エスデスを纏う氷の鎧は三段の突きで瓦解し破砕する
「…」
魔神セイバーは涼しげな表情し一瞬で後退
「やはり世界は広い。……まだまだ貴様のような強者はいるのだな……帝国を出て強者を探す為世界が回るのも悪くない」
エスデスの動きに遊びはなくなったが『魔神セイバー』との戦闘の高揚感からか愉しそうだった
「まるで『狂兵』だな、氷の女……貴様が現時点の限界値だよこの世界のな『最強』。いい加減今までの因果の支払いを済ませたらどうだ?」
「支払いは踏み倒してこそだ、『魔神』とやら!!なら貴様が私から取り立てみるか!?」
巨大な氷の塊を生成する
上空から振り落とす
「……取り立てるのは私だが『ナイトレイド』達の意思を継いでだ」
『絶劔・無明連惨』
『煉獄剣』を抜き50ほどの斬撃を放つ、最後に中心に一突きを入れる
巨大な氷を砕く、砕かれた氷が雹のように降り注ぐ中カードを取りだす
アサシンのクラスカード
『重装夢幻召喚』
アカメの力を纏う
彼女の研鑽した技の極地。派手な宝具などは無い
しかし暗殺者の技は『山の翁』たちに匹敵する
『魔神セイバー』の頭髪は黒髪へ変わる
真っ赤な瞳はアカメのようだった
エスデスは対峙しているが『魔神』の存在は希薄だった
踏み込みは苛烈で『セイバー』ただ住まいや気配動きは希薄で『アサシン』
ダブルクラス……別種のクラスカードをインクルードした場合ダブルクラスとなる
先程黒崎一護をインクルードした信長はセイバーとアーチャーのダブルクラスだった
もちろん『相性』もある
英霊同士の相性もあるがクラスだけを見ると『三騎士』同士のクラスは反発しあう
他のアサシン、キャスター、ライダーはサブクラス適正あるため三騎士と迎合しやすい
エクストラクラスやバーサーカーは不確定要素が多いが
まぁこれら全て一概にはいえない
『魔神セイバー』はセイバークラスとアサシンクラスのダブルクラスは相性は抜群だったようだ
「…村雨奥の手『役小角』……これが発動容易くするとは我も業が深いらしい」
魔神セイバーの身体に刻印が広がる
「…………いくぞ、『アカメ』の意思だエスデス」
『魔神セイバー』の姿がきえる
(気配も消えたか……)
『極地・陽炎』
左から剣戟のみがくる
上下左右から連続した斬撃をエスデスにぶつける
超人染みた反応速度で弾くエスデス
全て致命傷の、即死の刃
一撃でも食らえば終わる
そんな鬼気迫る状態でもエスデスは笑いながら弾いていく
「私は死なん…!私をさらに愉しませろ!『魔神』!!」
「戦闘狂め」
剣戟は増える。上下左右全角度から打ち込まれるエスデスは剣と生成する氷で弾く
降る猛吹雪すら操り剣戟を弾いていく
「…………!?」
首を狙う剣戟を氷の腕が背中からはやし掴む
「捕まえたぞ『魔神』」
直ぐさま斬撃を3連放ち氷の腕を切り刻む
バターのようにスライスされる
「………ち、速いな。こと速度に関してはそちらが上手か……なら全て粉砕してやろう」
猛吹雪である天候を操る
雪を全て雹へ変え全て刃状に形成する
「いくぞ!!」
全て雹の矢となり面となり半径百メートル飛来する
「……エスデス、最強の女よ。これ以上続けても貴様を愉しませるだけに過ぎない。」
「貴様はこの世界においても手に余る存在だ、『屍竜のライダー』によりさらに厄介になる前にここで死んで貰おう……ナイトレイド達の意思もある」
「因果は応報する。貴様が奪ってきたツケを払えエスデス。」
構える魔神セイバー
『塵刹を穿つ、無辺の光をもって天命を断つ』
『絶劔・無窮三段』
怒濤の一撃は吹雪ごと吹き飛ばす
雹の矢の雨も吹雪も吹き飛ぶ
エスデスの右腕をも飲み込む
「がっ……!?」
「これで貴様を守るものはない。先に地獄へ行け鬼共と戯れろ」
『煉獄剣』を握る逆の手。つまり左手に逆手に『村雨』を握る
この時の『魔神セイバー』は自身に憑依しているアカメの存在を強く感じていた
彼女の願い、祈り、決意、後悔を乗せる
……そんな彼女に激しく同調する沖田総司も
「終わりだ!!エスデス!!」
エスデスの、胸に刀を『村雨』を突き立て貫く
「な……にぃ……」
貫いたと、同時に『村雨』の呪毒が流れ込む
「させるか…!」
エスデスは自身を凍らせる
「…………これが私の最後か、ただ強いだけでは……足りないか」
「……誰にでも負けられない理由があるだろう。だが愉しむ貴様と必死に戦う彼らとは違うのだ。我は『抑止の守護者』人々の祈りより座より現れる。……『帝国が蹂躙する運命』を斬り捨てた」
「私は『運命』を『殺す』モノだからな」
「なら私はここで死ぬ定めか…なら私は私の意志で死ぬことにする」
エスデスは笑いもせず自身をさらに凍らせ粉々に砕け散る
自分自身で決着をつけた
「貴様なら…そうする事であるのも折り込み済みだ」
役目を終えたかのように村雨がぱりんと根元から折れた
『重装夢幻召喚』も解ける
『役小角』の刻印もきえる
「……その呪いも持っていくのかアカメ」
アサシンクラスカードは消えた
吹雪はやみ晴れ、太陽が見えた
帝国軍前線の基地
「……エスデス様が負けた……?」
「はい、……赤い女とたたかいまして……その……」
『屍竜のライダー』は愕然としていた
最も敬愛する現人神にも等しいエスデスが負けた…?
「……あり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ないあり得ない」
「あり得ない!!」
いつも飄々として笑っている『屍竜のライダー』の憤怒する。あまりの憤怒に周りの兵士は萎縮する
まわりからみても彼女はエスデス将軍のためにあったのだと
「全て予定が狂う…狂っちゃう………はは、エスデス様を仕方ない……『八房』で……死体は!?エスデス様の死体は!」
「……エスデス将軍は自身を凍らせ……死体も残さなかったらしく……」
「……は?」
確かにあの人ならやりかねない……
「……………蹂躙するんだよ『至高の帝具』で!!エスデス様を殺したやつごと殺し尽くす!!」