Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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第25話「不死姫が踊る③」

褐色の女と金髪碧眼の少女は朱い軌跡と金色の軌跡を残し光速で撃ちあう

 

 

「…流石、エスデス様を殺しただけがあるね!!」

 

 

「騎兵のサーヴァントだ、足に自信があるようだな。私の極地についてくるとはな」

 

 

朱い閃光と金色の閃光は激しく打ち合う

 

 

帝都上空での、空中戦は初撃から激しさを放つ

 

『屍竜のライダー』は『八房』の鋒を向け連続した突きを放つ

 

『魔神セイバー』は黒刀『煉獄剣』で受け流す

 

 

殺意は純度を高め、周囲を威圧する

 

『シコウテイザー』に乗っている皇帝すらその様を見守る

 

      『無明・絶劔乱舞』

 

 

 

無数の連続した突きを放つ『魔神セイバー』

 

余裕綽々とばかりにかわす『屍竜のライダー』

 

 

「……のったな」

 

一瞬、『屍竜のライダー』の視界から消える『魔神セイバー』

 

「!?」

 

 

      『極地・陽炎』

 

 

下から背中を蹴り上げる。上空へ勢いよく吹き飛ばす

 

 

「ぐ!!?」

 

 

 

「吹き飛べ」

 

 

 

 

      『絶劔・無窮三段』

 

 

 

怒濤の一撃を『魔神セイバー』は『平晴眼の構え』から放つ

 

黒い一撃は『屍竜のライダー』の上半身を吹き飛ばす

 

 

「ライダー殿!?」

 

 

吹き飛ばされ浮力を失い落下する『屍竜のライダー』をシコウテイザーを操り左手の平で受け止める皇帝

 

「如何に再生力持ちとて頭を潰せば……」

 

 

「よくもライダー殿を」

 

 

 

「前の私ならそうかもね……!!」

 

ライダーの下半身の切断面からぶくぶくと不快な異音を立てながら再生していく

 

「やぁ…あ、皇帝様こっち見ないでねぇ上半身裸だからさ☆」

 

ばっと服も再生させ纏う

 

 

「あ、え…ら、ライダー殿…?」

 

 

「いやん、そんな化け物みたいに見ないでくださいよぅ…すぐにこちら側にお招きしますからねぇ」

ニタニタ笑いながら一礼する

 

「それがそいつの正体だ幼き皇帝…不死の怪物」

 

「どうせなら…不死の姫君とでも呼んで欲しいものさ」

 

 

「……帝具の力か?」

 

「命をストックする帝具、身代死竜『サクリファイス』…未知のジャングルに存在している危険種『サクリファイスドラグーン』を元にした帝具さ」

 

「…それだけで不死とは言えないな」

 

 

「もちろん、不死者が自分の不死の種を教えるわけないだろう」

 

帝具の籠手はライダーと既に一体化し右手の甲にぎょろっと眼球があるのみ

 

「さて、攻撃力はキミのが上だがね…私をコロセルカナ?」

 

シコウテイザーの、手のうえから邪悪な笑みを浮かべ『八房』を構える

 

「………ち」

『魔神セイバー』は軽く舌打ちし構え直す

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シコウテイザーの近くに『魔神セイバー』さんがいる…ライダーと交戦中みたい……」

 

「…………リツカ、キミはそれを持って…革命軍と合流…!?」

 

「……ダメみたい…後退しようとすると闇が強くなる…みたい」

 

セイバーくんが、後退を進言するだけで私を纏うカードから発せられる闇が力が強まる

 

「……アヴェンジャーのカードの復讐の呪い…か」

 

「…『屍竜のライダー』との戦闘は避けられない…だから…」

 

 

「…このアヴェンジャーのカードをインストールせざるを得ない…か」

 

おそらくそうなるだろう

けど『魔神セイバー』さんがいくらエスデス将軍を倒せるほどの強さを持っているとしてライダーとシコウテイザーの相手は同時には出来ない

 

「わかった。リツカ。己がインストールして御してやる」

 

セイバーくんは覚悟を決めたのかそう言ってくる

 

「貸せリツカ。アヴェンジャーのカードを…聞けタツミ」

 

手を差し出しアヴェンジャーのカードへ語り掛けるセイバーくん

 

「貴様の後悔、貴様の未練。果たさせてやる」

 

 

アヴェンジャーのクラスカードを渡す

 

「多分…令呪の縛りすら必要無いかも知れない…気を付けてセイバーくん」

 

「己の意志力とこいつの復讐心の勝負さ。…リツカキミは下がって」

 

「私も行く…マスターだからね…最悪令呪で止めるから…」

 

「わかった、無理はするなよ」

 

 

「セイバーくんこそ…」

 

 

「では行くぞ」

 

カードを掲げる

 

     『重装夢幻召…』

 

 

     

      『強制夢幻召喚(ギアスインストール)』

 

 

セイバーくんが重装夢幻召喚を宣言すると同時に闇がカードから噴出する

 

「ぐっ!?此奴の復讐心はここまで…!」

 

「セイバーくん!?令呪をもって命ず…きゃ!?」

 

私まで闇は吹き飛ばす

 

「…リツカ!?…」

 

 

アアライダーコロシテヤル

 

 

セイバーくんの体を竜の鎧が浸食する

 

「ちぃ…!此奴、取り込む気か…!?」

 

 

「だが、易々と受け渡すと思うなよアヴェンジャー!己にはやるべきことがあるからな」

 

歪な姿になる

 

竜の鎧が半分程浸食する所で止まる

 

「せ、セイバーくん…?」

 

 

だんっと私を軽く見た後跳躍し飛翔する

 

シコウテイザーのほうへ向かっていく

 

鎧の片翼を翻して飛んでいく

 

 

「…わ、私もいく…!」

追いかけるように私も走り出す

何かあったら私もしなければならない

 

「…私は私であるために…!」

 

 

 

 

 

「アハハ、これで何回目カナァ?」

 

数えるのは途中で辞めた。

 

数えるのが億劫になるくらい回数目の再生

 

 

「………………………………化け物め」

 

目眩がする。理不尽な再生力に吐き気がする

 

 

だが

 

「貴様程度の邪悪。掃いて捨てるほどいる」

 

「流石、守護者。ならやってみなよ?」

 

今までのダメージもなく服も新品同様で宙へ浮くライダーは馬鹿にしたように言う

 

 

「……な、なにものなのだ…ライダー殿は………」

 

目の前で何回、何十回の再生を目の当たりにしたシコウテイザーに乗る皇帝は唖然として恐怖する

 

「あらま、皇帝閣下には刺激が強すぎたのかしら?」

 

「当たり前だ、化け物。貴様のような常識を逸した存在を容認出来るはずもなかろう」

 

『魔神セイバー』は吐き捨てるように言う

 

「…なら仕方ない。予定を繰り上げようかな?ドロテア?OK?」

 

『ああ、…『殲滅モード』へ切り替えるぞ』

 

 

「な、何をするつもりだ…!?ライダー殿!?」

 

 

 

右腕を失っているシコウテイザーにワラワラと闇が纏う

 

 

「これ以上、皇帝閣下にはシコウテイザーの操縦ができそうにありませんので、………そのシコウテイザーの動かすシステムになって貰います。…ふふふ…よかったデスネ貴方にしか出来ないことですよ傀儡の王様?」

 

「だ、大臣!?大臣!助けてくれ!!」

 

ワラワラと湧き出る闇は蛆虫のようにシコウテイザーを浸食する

 

「あ、大臣は最初から私の傀儡ですよ閣下?ンフフ」

 

その言葉を最後に闇はシコウテイザーに浸食し終わる

 

真っ黒な夥しい姿をしたシコウテイザーの形をした闇がそこにはあった

 

おそらく幼き皇帝は今の言葉を最後に絶命しシコウテイザーの一部と落ちただろう

 

「………度しがたいなライダー」

 

「私程度の邪悪掃いて捨てるほどいるのでしょ??守護者?……私程度の所業なんて可愛いものさ」

 

「……『禍神転生者』はいつもそうだ。いや人理悪を含むきさまらはいつもそう。……命を盤面の駒程度にしかみない」

 

「………盤面の駒だろう?いくつもある平行線のたかだが命一つに目くじら立てて馬鹿らしくない?」

 

「好き勝手して良い理由ではないな。貴様のような奴を排除するのが我等だ。議論するまでもない」

 

 

「そだね、……特異点を荒らす害虫が私達。排除するのが君たち守護者。何も変わらないよ………私は望みを叶える為なら何でも利用し使い捨てる。ただスケールが違うだけさ。」

 

「……そろそろ目障りなんだ。この世界の人間を殺し尽くし命をストックしなきゃ……さっきで大分減らされたし……ね!!」

 

シコウテイザーの右腕が生え闇が浸食するようにこちらへ向かってくる

 

やな予感がびりびりしている

あれに触れてはいけない

 

『極地』で瞬間跳躍を何回か繰り返して後退する

 

「逃がさない」

 

闇が自動追尾するように此方へ向かい這うように浸食する

 

 

 

      『絶劔・無窮連段』

 

 

2連の無窮三段を放つが一度霧散して闇は再集結し『魔神セイバー』の背後を取る

 

「!?」

 

 

「頂きます」

 

 

闇は『魔神セイバー』に纏わり付く、虚脱感が全身を襲う。こいつは魔力を吸い上げるのか……四肢の動きが鈍くなるのを感じる

 

 

「守護者なんて、極上の魔力なんて禍ツ聖杯の大好物だよねぇ」

 

 

「……禍ツ……聖杯……だと……」

 

 

「『命を繋ぐモノ』ライフコネクター……『命』を司る『禍ツ聖杯』さ。私の悪望を形になったものさ」

 

 

「ぐっ……」

 

泥沼のような闇が魔力を吸い上げる

 

「……『禍ツ聖杯』は悪逆の願望機。これはそれの欠片だ。次元聖杯戦争はそれを奪い合い殺し合う……キミらの聖杯もよこすんだ」

 

 

「……知らないな……」

 

 

「やはり、参加者たる『赫月のセイバー』に聞くしかないか。もうキミには用はないしエスデス様を殺した罰受ければいいよ」

 

 

闇の腕が『魔神セイバー』を締め上げる

 

 

「力が入らない……ぐっ…」

 

 

『魔神セイバー』は光となり霧散し沖田と信長に分裂する

 

 

「……融合解けてしまった……」

 

沖田と信長が落下する

 

 

「…………ノブ……このままじゃ地面に叩きつけられてしまう、……」

 

信長は、気絶したままのようで自由落下してしまう

 

沖田は力が入らず見ることしかできない

 

「くそ、」

 

 

「へぇサーヴァント同士の融合体だったんだねぇ……そんなことが出来るんだねぇ…沖田ちゃん」

ニヤニヤ笑いながら見下してくる

 

 

「く」

 

悔しい、すんでのところで何も出来なくなるなんて……立火……申し訳ありません…… 

 

 

目をつぶる。意識がもはや沈みそうだ

魔力枯渇の影響か

あの闇に食われて座に戻ることすら叶わなくなるのか

 

願わくは……『赫月』さん、……此奴を倒して下さい

 

 

 突然、浮遊感が失われる

 

がっちりと捕まれてるのがわかった 

 

 

目を開ける

 

 

『彼』がいた。立火のメインサーヴァントたる剣士のサーヴァント

 

竜の鎧が半分浸食する異様な姿を晒した彼は信長と沖田を抱える

 

 

「……続きは……引き継ごう」

 

 

「……来たかな、『赫月のセイバー』キミの欠片を寄越しても良いんだよ?」

 

 

「………………悪望なんざねぇが貴様らに渡すものでもねぇ『屍竜のライダー』」

 

二人を地上へ降ろしライダーとシコウテイザーの形をした闇を見上げる

 

 

 

「『赫月のセイバー』、キミは私の糧となり血肉となり礎となるんだよ。私の願望は叶い、私は永遠となる……私が勝者になるんだ!!」

 

 

「貴様如き『崩界』や『血怪』に敵うとは思えないけどな……」

 

 

「赤い鬼もクソ神父も潰してあげるよ」

 

歪に、嗤う

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