転生者のクラス
リバーサー
己、『赫月のセイバー』を含む『次元聖杯戦争』の参加者が持つサブクラス
転生特典というサブクラススキルを保有させるだけのモノではあるが『転生者』においてこのギフトスキルは要にして前提なのだ
『屍竜のライダー』のギフトスキルは『再生』
これを『不老不死』へと昇華する
『命』を否定する古今東西からある『悪望』
永遠の権力を望む権力者、永遠の美を求める傾向の女は古来から存在はしている
目の前にいる『禍神転生者』はそれに迫るスキルを既に有しているようだった
前提…………『不老不死』が、この『次元聖杯戦争』を戦い抜く前提だった場合面倒くさいことになる
『不老不死』がからくりなしの理不尽なスキルだった場合
手の内は……ない
「その、『不死』のからくり暴いてやる」
内に暴れるアヴェンジャーを、抑えつけながら投影し『火神楽』を構える
「……インクルシオでも使った?タツミくんの怨念めっさついてるねぇ呪いのアイテムじゃん」
嘲いシコウテイザー型の闇は流動化しこちらへ敵意を向ける
「……『禍ツ聖杯』か、……孵化しているのか」
「孵化した禍ツ聖杯の欠片は初めてかなぁ……?」
「前回は孵化は阻止したからな……ち、今回は遅かったか」
「つくづく『虚影のアサシン』は無能だったようで、……知っていると思うけど……『禍ツ聖杯』は持ち主の願望を叶えるモノ、そして『欠片』は願望を叶えるため最適化するための『力』になる」
『剡呪点睛』!!
炎の斬撃が飛来する。ライダーの腕を切り落とすが闇が纏い即座に再生する
「ね?」
「………それと貴様は繋がっているというわけか。再生力は段違いだな」
「……もう、キミに打つ手あるのかな?……キミに時間はなさそうだけど?…」
ち、感づいてやがる……アヴェンジャーを抑えつけながらは時間制限がある
まるで猛獣を抑えつけているようで逆に余力がない
「……は、貴様が気にすることでもねぇ…!!」
手綱を緩める
自我を潰されないぎりぎりの範囲で緩める
隙間からまるで暴風雨のように溢れる殺意が己の内側を暴れる
ああ、やらせてやるから……お前は黙ってろ
己がやるから力を貸せ『タツミ』
鎧が浸食を再開、己は外見的にはインクルシオを纏った姿になる
凶暴な竜の人型。殺意の放流を解き放つ
超現実離れをした推進力を得てライダーに蹴りを入れ吹き飛ばす
闇は反応出来ない、吹き飛ばされたライダーをさらに上から下へ蹴り落とす
超現実離れをした膂力でライダーを吹き飛ばす
闇は遅れてライダーを包む。再生する
シコウテイザー型の闇は己を阻むように立つが己は剣環を展開し容赦なく降り注ぐ
剣の豪雨は次第に勢いも増し闇を一部晴らしライダーの姿を晒した
推進し再生を完了しているライダーの首を掴み眉間から剣を貫く
脳汁をまき散らして帝都の壁に縫いつける
「ライダーァァァァァァァァ!!!!」
内なる殺意が咆哮を上げる
己ではなく『復讐者』の意志が殺意が次第に浸食をし咆哮をする
くそ、少し委ねたらこれだ、意志じゃなく力を貸せ……『重装』ではなく『強制』の術式故に抑えつけながらはもう厳しくなってきた
「へぇ、……『アヴェンジャー』になってまで私を殺したいってかぁ」
間近で聞くライダーの声だけでインクルシオの血潮が沸騰するほど殺意が膨れ上がる。奴の存在を認識して顔を見、声を聞くだけでインクルシオは殺意を爆発させれるのだ。すぐさま行動へ移して剣環で
眼球を貫く。喉笛を貫く。右まぶたを貫く。
右腹を貫く。子宮があるであろう場所を貫く
不快に思う度に殺意は膨張していく
暴風雨は既に自身を溶かそうと自我を削る
ただ、殺意が己の自我を浸食を始める
いや、同調なのかもしれない
『己』も『アヴェンジャーの殺意』の一部に成れと言わんばかりの同調圧力に近い何かを感じた
己は…………『赫月のセイバー』
真名は…………××××……
浸食を抵抗する中とあるヴィジョンが流れる
誰か…たいせつな誰かを……失い……
失わないためにここにいるはずなのだ
己は…………己だ
殺意の放流をなぎ払う
意識は再び己へと戻る
剣の雨を一身に受けたライダーの姿がある
無事な場所はない
すべて貫かれ言わば『剣山』になっているライダーがいた
「はぁ……はぁ……く、……」
息を整える。闇が行動しライダーを、包み込む
殺意は一度低下した。一端の小休憩といわんばかりの間がある
嵐の間の、静けさに一度落ち着く内側を感じ己は後退する
「……これだけの、猛攻でも再生をするのか」
「いやいや、百回は殺されたかなぁ……いやはや再生をするとはいえ痛いのは痛いからねぇ……」
シコウテイザーの手の平には剣山の剣は霧散し時間が逆行したかのようにダメージの形跡すらないライダーがいる
「………………まぁいい加減目障りだし……タツミくんに、めんじて攻撃させたわけだ……そろそろ幕を引かないかな。キミという異物を排除し『次元聖杯戦争』の幕開けをね」
「禍神宝具『永遠たる不死帝国・八房(エーヴィヒライヒ・アハト)』」
領域宝具の展開。禍禍しさが帝都の周辺を包み込む
「…禍神宝具……!!?しかも領域……固有結界か!?」
「……厳密には違うけどね、……私の帝国の力を見せてあげる」
帝都の周辺の死体を動かす
帝国兵士、革命軍兵士、逃げ遅れた一般人、戦力とされた危険種
等々がワラワラと動き出す
「…………『八房』…!?」
「正解、私の宝具は『八房』の効果範囲の拡張と増強……領域圏内の死体を強化し蘇生する骸人形としてね!!」
骨の竜のような弩級の危険種が数体、骸人形として己に襲いかかる
デスタグールだったか、…
『剡呪点睛・烈風』
爆風の斬撃を放ち吹き飛ばす
一体が瓦解するが残り2体は意に介さず襲いかかる
「くっ……!」
「……さて、不死の軍団相手にいつまで持つかな?……君じゃなくて……君のマスターがね」
金髪碧眼の怪物は嗤う。
離れて良かったのかいと言葉にせずとも嘲い嗤う
「リツカ!!逃げててくれ!!」
私の番
「ひ、死体が動き始めてる……こ、これもライダーの力!!?」
森の中を走る。死体が骸人形として再び活動を開始していた
敵味方関係なく、人間危険種関係なく生者を敵として認識しているようで私を狙う
まだ動きは緩慢
「……ば、バイ〇は勘弁願いたぃい…!」
ガントを放ち無力化できるか試す
兵士の骸人形には、効果はあるが死者相手には効果は薄い
あくまで威力がある豆鉄砲程度には
「ひっ!?」
唯一の、攻撃手段であるガントがあまり効果をなさないからか拠り所を失い足が震える
「さ、さっきの力あれば…けど、やっぱり私は……ただの人間…………セイバーくん、沖田さん、信長……」
セイバーくんらを求めて逃げる
走る、走る、走る
帝国兵士、革命軍兵士の骸人形は私を追ってくる
さながら地獄絵図だ。
怖い、怖い、怖い
私は…………サーヴァントの彼らに守られていたからこそ『禍神転生者』を倒そうなんて大層なこと言ってるんだろうか
そもそもなんで私は…私が選ばれたのだろうか
恐怖で思考が麻痺し鈍化する
責任を転嫁する
『理由』がまた欠如しているのか
『隷属転生者』を救いたい
足りない……?
『正義の味方』ならば義憤として十分だろうけど『藤川五火』は所詮は『救われる側の大多数』の一人に過ぎない
私が転生した『藤丸立香』も十二分に、『英雄』なのだ
表の彼は最後のマスターとして『人理焼却』に挑む彼は『英雄』なんだ
女性の『彼女』に成り代わった『私』は何なんだろうか
『禍神殺し』って…なに…?
木の蔦に足を取られ転倒する。骸人形は迫る
「いくら無様でも弱くても『救いたい』なら十二分に『英雄』だと思うよ私が保障してあげる」
純白にて純潔
救い難き、けして汚されぬ『白』がそこにいた
優しい声音が、私のぐちゃぐちゃな恐怖に染まった思考に優しく囁く
「………キミの迷いは『救ってあげる』。彼の助けになるならね。私は『総てを救わなければならない』」
白。白。白。白。白。白。白。白。白。白。白。
純白は『力』となって穢れを払う
白を浴びた『骸人形』は力を失い灰になる
「救われぬ『魂』に救済を…『命』を奪われた人形達には私が『救ってあげる』」
辺り周辺の骸人形は灰になる
「…キミは……?」
「『常世総てのセイヴァー』。ただの『救済者』だよ」
優しく聖女がごとく微笑む総てが白い女は私に優しく手を差し伸べた