白く美しい。それも、同性の私でも目を奪われるほどの
穢れなき純白の神性も帯びた『サーヴァント』、クラス名を名乗ったからサーヴァントと分かったけれど人間離れした存在感は人間ではないのは明白だった
白銀の長髪に銀眼にサーヴァントにしては簡素な白の無垢なワンピースを着ていた。幼さを残しながらも凛々しい顔をした純白のサーヴァントは周囲の色彩を奪い白へ塗りつぶす
『常世総てのセイヴァー』
『救済者』のエクストラクラス『セイヴァー』
『
と並ぶエクストラクラスにて最強の善のクラス
……セイバーくんが探す一人である彼女と私は対峙していた
敵意はない。むしろ救われたばかりだ
けど私の無知は警戒はしていたが……彼女の白はすぐに私の警戒を溶かす
存在そのものが『救済者』、救うために『彼女』はあると言わないでもわかる
けど彼女と対峙するだけで私の中の何かはざわめく
「……怯えなくてもいいのに、貴女を害する気は無いわ。私の『救済』を邪魔しない限りは……ね」
薄く笑う。邪魔するならばと意味合いくらいはわかる
「けどこの特異点は貴女達が先に来てたわけだし貴女達が失敗したら『禍神転生者』殺してあげる。」
横取りなんて無粋だものねと付け足す
「………………貴女の狙いは『禍神転生者』?…なら」
「協力なんて無理よ、私と貴女じゃ在り方は違うもの。それにあの人の望みは『私を殺すこと』ふふふ、そうよねぇ、『藤丸立火』さん」
振り返る彼女はあくまで優しく笑う
あの人……?
「今、助けたのもあの人を召喚した貴女を一目見ときたかったのもあるし……まぁたまたまだけど。」
「……『何者であれ貴女は迷うべきではないんじゃない』」
「……へ」
「迷ってるようだからアドバイスよ。……『救済者』っぽく迷い人を導いてみたたわけ」
彼女の言葉はストンと入ってくるようだった
「ま、いずれ貴女はあの人と一緒にいる限り私と対峙するでしょう。……この戦い残りわずかだけど見学させて貰うわ」
周りを浸食していた白が消え色彩を取り戻す
周りには骸人形はいない
彼女は羽根を残し消えていた
「………うん、迷ってる場合じゃない…ね」
再び私は走る
逃げる為に走るのではなく戦う為に走る
彼女と対峙したせいか私の中の何かは活性化していた
己の番
「おー保つねぇ『赫月のセイバー』」
「クソ……」
鎧は砕け『アヴェンジャー』のクラスカードは解けカードはぼろぼろになっていた
『強制夢幻召喚』は解けていた
インクルシオの鍵は折れていた
囲むは大型の危険種達の骸人形
骨の竜のような危険種3体、蛙のような危険種2体
鵺のような危険種10体以上等々に囲まれている
そしてナイトレイド達の骸人形もいた
我が身は既に死に体。いくら対多を得意とするエミヤの力でも固有結界を展開する暇もなくましてや再生を繰り返す骸人形達
ライダー程の再生力ないにしても『命を繋ぐモノ』の近くにいて恩恵を受けていた
「命のストックか……やっぱりてめぇの命は無限ではねぇな……?」
「今さら気づいた?……サクリファイスは元々ストック数は最大5だけど『命を繋ぐモノ』と融合して限界値はない。今のところ5000程のストックがある……そして殺傷力が高いシコウテイザーとさらに融合してすぐにストック出来る。」
「…………………なるほど単純な仕組みだ。」
「この特異点という限界値あるけどそれは支配特異点を増やせばいい。……平行世界なんて腐るほどあるし。」
「貴様の『禍ツ聖杯』に願う願いは『不老』か」
「男のキミにはわからないでしょう?醜く爛れ劣化していく恐怖は……強く美しく私は『永遠』になるんだ!!」
「浅ぇ……」己は不快感を隠さず吐き捨てる
自身の『命』と『美醜』に固執する『生き汚さ』と『貪欲』さに吐き気が催す
「は?」
「浅ぇっていったんだよババァ……やっぱり貴様はあの怪物達に足元に及ばない小悪党だよ」
「既に死に体のキミがよくほざいた!!簡単には殺してあげない。惨たらしく殺すことを誓ってあげる『赫月のセイバー』!!」
可憐の少女の顔をした怪物は憤怒し骸人形達へ命ずる
命令に従う無数の、骸人形達は襲いかかる
「令呪をもって命ずる『赫月のセイバー』、……………傷を癒やし私と共に戦え」
「……リツカ?」目を見開く
「……お待たせ、セイバーくん。私も戦う」
「なんで来た、リツカ!……このままでは……己を切り捨て次のサーヴァントを召喚すべきだ!!」
「…………私のサーヴァントは君だよ、セイバーくん。沖田さん達を見捨ててなんていけないしね」
リツカの足元には気絶しているふたりがいた
総司と信長
「よく生きてこれたねぇ無能のマスター!!一緒に死にたいなんて、健気だねぇ……ふふふ、お望み通り一緒に殺してあげるよ!!」
「リツカ!」
己は叫ぶ。先程別れた際とは違う雰囲気を纏うマスターに
私の番
「…………こいつはほっとけないよ。セイバーくん。………私は此奴らを許容出来ない。そのために私は転生したんだろうし」
寄贈知識群更新します。転生者権限の項目の閲覧を許可します
転生者権限術式行使に相応しい魔術回路を添付します
術式行使者対象『
現在10パーセントの魔術回路を展開します。術衣『黒き翼』形態へ移行
制裁対象『屍竜のライダー』
ではよい『制裁』を。
頭の中に響く言葉。私の中にいる何かは『寄贈知識群』が捕捉してくれた
多分『彼女』の神性に当てられたのだろう。覚醒したんだと思う
私は…………戦える。セイバーくんをサポートできる
溢れる魔力が擬似魔術回路を走る
溢れる魔力が黒い片翼のような形をなり余剰魔力となり迸る
魔力をガチャリと装填
「…………キミは……なんだ……?カルデアのマスター」ライダーは顔を顰める
「……『禍神殺し』の『9番目』」
「……!!?……へぇ実在したんだ…ソレが紛れ込んでるのはクソ神父も予想外なんじゃないかな」
激しく嫌悪感を示し敵意を放つライダー
余程相性が良くないらしい
一部閲覧を許されただけで全容は分からないけど
『禍神転生者』にとって都合が悪いらしい
「セイバーくん、……行くよ」
片翼のような魔力を迸らせセイバーくんへ補填する
「……ああ!…質問はとりあえず生き残ってからにしよう…!」
マスターとサーヴァントの繋がりから魔力を充填する
令呪の効果でセイバーくんのダメージは回復していた
セイバーくんは投影を行う
エクスカリバー・イマーシュを投影
「
迸る光の濁流。有り余る魔力の波濤。輝ける星の偽光
その輝きは骸人形の群れを吹き飛ばす
正の極致の聖剣の模造品は骸人形にたいして絶大な威力を有していた
残存魔力はまだまだある
「ち、シコウテイザー!!呑み込め!!」
闇が噴出し呑み込もうとする
「セイバーくん!!聖剣の連続投影を許可する!!太陽の聖剣を投影して!!」
「応…!投影開始…!」
もう、一つの『聖剣』を投影する。普段のセイバーくんなら固有結界を展開せねば投影は難しい
けど術衣『黒き翼』の魔術回路形態が彼のサーヴァントとしての規格を底上げする
「投影終了……『
太陽が如き一撃は呑み込もうとする闇を両断し霧散させる
「…ち、……英霊としての規格が一時的に上昇し強化してるのかな……うざったいねぇ!!マインちゃんピンチだよ!!」
ピンクの少女の骸人形は浪漫砲台パンプキンを構える
「
瞬時に叛逆剣クラレントを投影する
紅い稲妻はパンプキンが放つ最大火力を鍔迫り合い僅差で爆発する
「聖剣連続投影!!!!!!
禍々しい反転極光は骸人形達を吹き飛ばし無力化する
正と負の2対の極光剣。太陽の如き転輪剣。赤雷の叛逆剣。
怒涛の魔力行使。いくら投影物とはいえ
いや投影物だからこそ生半可な魔力消費量ではない『聖剣』の連続投影
普段ならば魔力枯渇でここで終わる
だが私の身体からは余剰魔力は黒い翼となり依然と迸らせている
「…………どこから……カルデアから引っ張って来てるわけか」
「……キミの不死性は散々見てきてる。キミには相応しい最期を与える」
「…怯えてた弱小マスターが今更力を付けて慢心とは笑わせる。私の不死の帝国は死体がある限り尽きないわ!この戦いでいくらこのシコウテイザーが殺したと思う!!?」
『
総て、『凍結』する
視界に映る総てを凍らせ凍結させ『奪う』
「……………キミの『不死』の機能を奪うだけの術式だよ、屍竜のライダー……いやアリスレス・ロストワンダー」