Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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第四節「thelostbrave①」

忘れもしないあの日

 

あたし、阿散井苺花が副隊長に就任したあの日だ

 

自分でも浮き足たっていたのはわかっていたと思う

 

気性が荒いおやじと見た目気品があるくせにわりかし感情がそのまま出る母上に似たのか感情をごまかすのは苦手だった

 

若輩ながらも副隊長に就任した

あたしの努力が認められたのだ

 

斬拳走鬼バランスよく才能があり霊術院からもよく目立っていたとは思う

 

阿散井夫妻の娘、そして朽木白哉叔父上の姪として恥ずかしくないよう研鑽を重ねてきたつもりだった

 

それが形となり認められ副隊長に就任

それをあいつに自慢してやるつもりで私は現世へ向かっていた

席官になれば駐在任務も減る、副隊長ならなおさらだ  

そもそも空座町担当業務だって母上が少し気を利かせてた

……なんでニヤニヤしてたのだろうあの母上 

 

まぁいい、あの死神代行の馬鹿に自慢してやる

 

ニコニコして「おめでとう」

 

としか言わないだろうがあいつへの見栄もあるんだ

「へへーん、見ろよこの限定刻印。副隊長以上が現世に余計な影響うけないよう限定されるんだぜ、限定!この苺花ちゃんは限定されるような実力の持ち主ってわけ!」

 

なんだこのテンション恥ずかしくなる

 

 

まぁこの現世にきたのは、別に理由はある

 

あいつの死神代行業務がないのだ、大体が一応の担当死神がいたのだがそいつと滅却師石田の嬢ちゃんが対応していた

 

死神代行のあいつに何があったのか確認してきてくれと言うのが今回のあたしの任務……まぁ母上からの頼みであったけどな  

 

サボる…なんてあいつの性格上無いはず

 

石田の奴から何もない……あの女とは馬があわないからなぁ

滅却師、石田雨竜の娘

 

石田竜鳴(いしだりゅうな)……堅物であるそいつとは死神代行であるあいつと死神のあたしによく突っかかってはきていた

 

あいつがなんかあったからあたしに連絡してくれる奴でも友達でもねぇからな

……まぁ見かけたら聞きはするが

 

……まぁ親父さんとかに聞く方が早いかな

 

そう考えながら地獄蝶をつれ断界を抜け現世への扉を抜ける  

 

現世への扉をあけ現世へ転移する

 

微かにあった不安と違和感を気持ちが昂ぶっていたあたしは気づいていなかった

 

 

現世・空座町中

 

石田竜鳴は苛立っていた  

 

弱冠中学生にして滅却師

既に並の虚ならば問題なく滅却できる

父、石田雨竜が同世代だった時とは超えていると本人からの言質は取れている

父の性格上リップサービスなどおだてるようなことが言えないのは竜鳴自身知っている

 

とりわけ動血装(ブルートアルテリエ)の才能があったようで攻撃力には自信があった

 

さらに聖文字(シュリット)の真似事まで最近しようと試していたのだが

 

「最近、あの人がいないからお鉢がこっちまできてくるし」担当死神も頼りにならないしとぶつぶつ呟いている

 

 

最近の空座は担当死神、死神代行…私、石田竜鳴で虚退治をしていた

別に共闘しているわけではない

 

かつての戦いの名残、父の話では空座町はかなり濃厚な重霊地らしく以前にくらべ虚が集まりやすくなっているらしい

 

まぁ以前の担当死神のあの女がいなくなっただけでましだけど……今のは平死神で頼りにならないし

まぁあてにしてないけど睡眠不足になるわ

 

苛立ちながらまた

 

「また虚…最近多くない……!?」

 

しかも近い……!?

 

振り返るとそこに長い紫の髪の毛をした眼帯の女が立っていた

 

「……割れた……仮面……?」

 

知識として知っている

 

虚にも種類がある

 

虚、巨大虚(ヒュージホロウ)、そして大虚(メノスグランデ)

 

そしてその上位種で仮面を剥いだ虚達

 

見たことはなかったし、もし遭遇したら逃げなさいと父からは言われてはいた

 

 

「……優しく殺してあげます」

ねっとりした、蛇のような殺意が私の体を纏わり付いてきた

 

すぐに身体が、反応し後退し武装する

いつもの相棒のような弓が……それでも心許ない

 

いつまでも鳴り響く警告の本能が静血装(ブルートヴェーネ)を全開にさせる

 

こいつ……破面!

 

「いい反応ですね……ふふ」蛇のような女が薄く笑う

 

寒気がする、蛇に睨まれたカエルのような心地

 

「……」弓を構え狙いを定める

仮面を剥ごうが頭部は急所たりえるはずだ

 

血装を静から動へ変換

 

素早く射撃、射撃、射撃、射撃、射撃、

 

無数の神聖滅矢(ハイリッヒブファイル)は着弾、炸裂

 

私の霊力を帯びたそれらはそれなりの攻撃力のはずだ

 

「……ふふ、まだ成長過程の青い果実……」

 

破面の鋼皮(イエロ)には貫通せず傷つけるには至らなかった

 

「くそ……!」 

渾身の一撃も、届かず

 

「さぁ、我がマスターの、糧になりましょう」

 

意識は沈む




苺花の性格設定は私のイメージです

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