『転生者』と名乗った男は剣を構え斬り掛かってくる
「ラキぃ…テメェは手を出すんじゃねぇぞ!!」
「マギウス化はしない。…好きにするといいと申し上げる。…負けそうになって泣きつくなら考えると申し上げる」
無表情に機械的に返答するラキと呼ばれた灰色の少女
「…ち、…『剣士』のクラスを寄こせとか訳分からないことを…!」
「…死ね!!ってことだよ!『赫月のセイバー』!!…次元聖杯戦争の参加権を寄こせや!!」
下段から切り上げ蹴りを入れてくる不良の青年
「……次元聖杯戦争に参加するつもりか…」
「ああ、殺しまくれるからなぁ!!」
魔力の増大は検知
いや……これは…『霊圧』!!?
「名乗ってなかったなぁ…『赫月のセイバー』!!……『無貌のクラスレス』…てめえを殺す男だ!!!!!!」
エネルギーが収束し放たれる…『虚閃』
そう、…『虚閃』だこれは…だが威力が第一特異点からで戦った『破面』の英霊のそれは段違いの威力があった
「ぐ…クラスレスだと…?」
「今の俺には枠がねぇのさ…!!まぁサーヴァントじゃなくて『転生者』だからサブクラスのリバーサーしかねぇ…それじゃ参加資格がねぇだとよ…まぁ殺しやすそうなテメェがセイバーで好都合。だからくれよ」
「やれんな。己には己の事情がある」
「よぇえやつは何も言えねぇがなぁ!!」
再び虚閃を乱射する
「…ちぃ…『識天覆う7つの円環(ローアイアス)』!!」
7つの花弁の盾を展開し弾くが一撃一撃でローアイアスを削る
こいつ…戦闘力に極振りした『転生者』か
「…『禍神転生者』か」
「あ、ちげぇよ『転生者』つったろ!!」
禍神転生者ではない…だと…『隷属』か?
「……『隷属』じゃねぇぞ『赫月』ぃ…………軋れ『豹王(パンテラ)』!!」
帰刃!!?やはり
『グリムジョージャガージャック』に転生してやがる…!!
「いきなり『帰刃』とか…切り札だろうが…!」
「………『帰刃』はもはや切り札たり得ませんよ。『赫月』様…まぁそれすら貴方は及びませんが……と申し上げる」
灰色の少女は無機質な表情をし此方に向け淡々と言う
「はは!!『無貌のクラスレス』……グリムジョージャガージャックだ……まぁここでテメェは死ぬ」
『霊圧』が上昇し、極大値まで上がり収束
刃に内包された、本来の姿へ回帰する
豹の虚の姿を纏う人型へと変異する
「行くぜ『赫月』」
な……に…?
迎撃の剣環を射出する間もなく吹き飛ばれ壁に叩きつけられる
「遅ぇよ…テメェみたいな中途半端な『転生者』が無駄に枠を潰してるなんていらつくぜ」
「内包された英霊の力もギフトスキルも総て中途半端!!…『転生者』の意味あるかテメェは」
さらに蹴りつけ壁に埋められる
『無貌のクラスレス』グリムジョーへ転生した『転生者』は不機嫌に踏み付ける
「無駄だから寄こせや」
「譲渡推奨。我々のがその参加権有意義に使える…と申し上げる」
「…死ねや。『王虚の閃光』」
『絶劔・連斬』
黒い斬撃が飛来。
虚閃を放とうとした腕を弾く
「あ、誰だ!?」
「大丈夫か?『赫月の』」
「あ、あぁ…『魔神』か」
煉獄のような女が己を抱え距離を取る
再び融合していたのか…『魔神セイバー』
彼女は『煉獄剣』を構え奴と対峙する
「ち、他にサーヴァントがいたのか」
「………藤丸立火のサーヴァントは他に二騎居ると申し上げたはずと申し上げる。…新たに二騎召喚したようですが…」
「申し上げる申し上げるうるせぇぞラキぃ……ち、興醒めだ。」
軽く舌打ちし『帰刃』をとく『無貌のクラスレス』
「よぇえテメェを殺してもつまらねぇからな『赫月の』……次までマシになってやがれ。『禍神殺しNo.6』『無貌のクラスレス』だ、覚えとけ無能」
「我を使うまで期待したいですがと申し上げる。」
「我は魔導書『グラーキ黙示録』……彼女によろしくと申し上げる」
忽然と消える2人
「すまん……助かった」
壁により掛かり息をつく己
「構わない。……立火が心配だ…新たに2騎のサーヴァントを召喚をしたみたいだが……向かわなければ」
「己も行く」
無理はするなと言うが立ち上がりリツカのいる場所へ向かう
私の番
「マギウスウィング!」
術衣を翼に変形し斬り掛かる
「…いきなり扱えるとは才能あるねマイマスター」
「……多分ギフトスキル。『転生者権限』の一環だと思う」
無数に沸いてくる『ティンダロスの猟犬』はすでに増殖を繰り返し2頭や3頭の頭蓋を癒着した異形となり襲いかかる
既に『ティンダロスの猟犬』といっていいのすら分からない
「…ティンダロスの猟犬とは言い難いかも…根幹は一緒。曲線と曲線を繋いで移動するから気を付けて
」
「雑魚が…いくらいても雑魚よ。」
紅の弾幕を放ち穿つランサー
ぶちまける脳漿に顔色を変えずさらに槍を振り回す
彼女の周りの猟犬達の死骸は既に100をゆうに超える
瘴気を纏う廊下の中でも一輪に咲く可憐な花のような美しさはあった
「ランサー、やるね」
「どうも。………まだやるかしら『魔人』」
『エンブリオ・ファンタズム』
空間が歪み割れた
「まだやるって何が?きししし」
100体を越える『ティンダロスの猟犬』に囲まれた廊下
左右上下に猟犬は此方を見ていた
え?さっきまで…全部死体が転がってたのに………
「気を付けたのに…!!」
ぎりぃ…と歯軋りするマスコット化していない『異界のキャスター』
私もマギウス化がいつの間にか解けていた
「きししし!!」
『無限のフォーリナー』は笑う
「もう鎮めてあげて『暴君』」
「……」
無限のフォーリナーの足元より人型が現れる
全身を赤と黒のレザーの拘束具を身の纏った少女
顔もベルトを基調とした拘束具で表情は見えない
口元も塞がれていた
直感で分かる。被虐されてるから拘束されてるんじゃない
拘束しなければ『やばい』存在だからこその『拘束具』だと
「立火!!逃げなさい!!!」
ランサーは即座に戦闘体勢をとり私の前に立つ
けど混乱と驚愕と畏怖で身体は硬直している
「……」
拘束具の少女は二挺の拳銃を構える
暴力的なまでの赤と鋭利過ぎる銀
自動式拳銃と回転式拳銃の銃口は此方まで向けていた
小柄な少女が構えるには無骨過ぎる大経口
おそらくは何らかの魔術兵器だ…いやあんな大経口魔術兵器じゃなくても私は防げない
ランサーは防げる…?いや相手はあんな驚異的な魔力がただ漏れだもの………無理、無理、無理
『異界のキャスター』がなんか言ってるけど分からない
逃げる?逃げる?
逃げなきゃ
…ランサー……?
ランサーがわたしの前に立っている
ランサー!!?……言葉にならない……
ランサーは此方を見ない。
紅魔『スカーレットデビル』
札を翳し弾幕を展開する
『スペルカード』…彼女達の『力』の顕現にてルール
けど彼女らの『ルール』は適応しない『戦争』だこれは
『黙りなさい立火』
彼女からの威圧的な念話
『弾幕ごっこに縛られない『レミリア・スカーレット』の力見せてあげる』
神槍『スピアザグングニル』
高密度の真紅の弾幕に真紅の槍を構える
無機質の二挺の殺意に弩級の真紅の殺意が応報する
「来なさい。拘束具の化け物。…縛られた貴女の力…この『紅夜のランサー』がねじ伏せてあげる」
『紅夜の』それが彼女の『二つ名』
称号持ちのサーヴァント
魔力が増大。銃声。マズルフラッシュ
銃声は2発。夜鷹の叫び声を思わせる銃声。命を奪うだけの無機質の音だけが響く
「ランサー!!!!?」
「……馬鹿みたいに声をあげるんじゃないわよ立火。はしたないわよ。……………………………………く、馬鹿みたいな威力ね。」
「ランサーよかった……無事……………………え」
血の臭いがした。ランサーの肘から下がなかった。
だらだらと出血していた
「大丈夫よ。これくらい……死にはしないわ」
涼しい顔をしながらも微かに額に脂汗をかく
「けどランサー……!」
「黙りなさい。敵が待ってくれるとでも?立火」
彼女の言葉にはっと我に返る。
目の前には『暴君』と呼ばれた拘束具の少女
赤と銀の拳銃は構えている
銃口からは硝煙。いつ次弾が放たれるかは分からない
「ち、…たいしたダメージは無いのね」
掠り傷は多少受けているがランサーに比べてあってないようなもの
「…きししし!まだやるかな。『紅夜のランサー』」
「…参ったと言えば見逃してくれるのかしら?」
「きししし。言えるのかな?プライドの高そうな君に…それに…ねぇ私はキミらを『巻き込みに来たんだよ』」
「……『Re斬魔大戦』にね」
「…もう一度起こすのか…!」
隣の『異界のキャスター』は激昂する
「…きししし!元々あれはそういうものだろう『異界のキャスター』」
意味ありげに笑う『無限のフォーリナー』
「今日は此処まで…君達は来なきゃならないしねその子の為に『次元聖杯戦争』の為に」
『暴君』と呼ばれた拘束具の少女は二挺の拳銃を下ろし霧散させる
向けられていた殺意もなかったように無になり消える
「…『暴君』もお前の手に落ちているんなら。…あいつも面白くないんじゃない?」
「…そうだろうね。だからあいつの『影』も参戦してくるだろう。まぁ全ては私の『特異点』に来てからにしよう。きししし!待ってるよ…藤丸立火。『異界のキャスター』…『赫月のセイバー』」
「リツカ!」
「セイバーくん…」
「…『禍神転生者』!?…『支配者』級か…!」
「『支配者』級…?」
「『支配特異点』を持つ『禍神転生者』…先の2人は『支配特異点』を作る段階の下位の『禍神転生者』…比べものにならないぞ」
「…『支配特異点』をわざと持たない『鉄心のアーチャー』みたいなのも居るけどね…数多の『支配特異点』を持つ『崩界のアヴェンジャー』や『特異点』を食らう『血怪のバーサーカー』に比べたら若輩者だよ」
薄く笑いセイバーくんへ目を向ける
「私はキミに大して興味は無いけれどね。『赫月のセイバー』…まぁ来るなら拒まないよ。正規の参加者だ」
好きにしたら良いと大した興味は無いと切り捨てる
「………己はテメェらを殺す。絶対殺す。…咲良を殺したんだ。………『禍神転生者』は許さない」
咲良…?
「…きししし、そっか…君は…私達に『奪われた』人間か…だからどうしたのかな、森羅万象『人』は奪い奪われるもの。…我等『禍神転生者』は常に『奪う』者…盤上の駒程度気にすることもないでしょ」
『虚影のアサシン』も『屍竜のライダー』も似たような事を言っていた『禍神転生者』の当たり前の論理
ぎりぃ…
「…巫山戯るな!!『聖剣投影』」
「『極光剣・永遠ノ光(エクスカリバーイマーシュ)』!」
セイバーくんは『聖剣』を投影する
光の斬撃を放つ
「…『機神召喚の章』の閲覧を許可する」
「…………いあ」
『暴君』の手には本。『題名』のない『魔導書』
魔導陣が展開する。神を敬い恐れ冒涜する術式
「最後に『神』を見ていくといいよ。君らが使役し打倒すべきものをね」
「…『鬼械神(デウスマキナ)』をこんな所で呼ぶ気!?」
『異界のキャスター』は驚愕し狼狽する
「安心しなよ、腕だけさ」
デウスマキナ…?デウスマキナ!?
「……『無銘なる1(ネームレスワン)』」
魔導陣から出てくるのは鬼械の腕だった
腕とはいい異様な腕、手指は見当たらず砲口のない砲台のようだった
腕とは言え充分な異様だった
そのデカさはカルデアの天井を突き破る
聖剣の光の斬撃を簡単に弾く
「…デウスマキナ!?」
「そう!神の模造品、機械仕掛けの神!最高位の魔導書のみが召喚せしめる『鬼械神』それがデウスマキナ。全てを台無しにする荒唐無稽の存在」
一部分だけでも巨大で強大だった。
異様にて威容の存在感に私達は弛緩する
一騎当千であるサーヴァント達でも尺度が違う
「…キミの『鬼械神』でも呼ぶかい?」
『異界のキャスター』に視線を向ける
「…私のデウスマキナは紛い物。……デウスエクスマキナのネームレスワンには勝てない…今では」
歯軋りし睨めつける『異界のキャスター』
「……私の『支配特異点』では『鬼械神』は必須だ……ふふ、どう打倒せしめるか楽しみだよ」
威容の機械の腕は消える
魔導陣も、霧散
威容が破壊した痕跡のみ残す。天井は突き破り私達の気分とは正反対で晴天の空が見える
外から入る寒気とは別に寒い。…………
「では始めるとしよう。参加者諸君。ようこそ。我が特異点『アーカムシティ』へ」
……絶望の大暗黒時代で大混乱時代の大黄金時代の櫃夢
『デモンベイン』の世界へ『ダインフリークス』の魔人が招き入れた
第三空想特異点・禁忌邪神都市『極彩たるアーカム』