黒い巨人・レイドクローは破壊ロボットのドリルの回転の攻撃を躱す
レイドクローの操作は術者とリンクする
レイドクローは私の動きをトレースし動いてくれていた
ドリル!?ドリルぅうう!?
痛覚までリンクしとそうで危機感マックスなんですか!?
「何故に疑問視?安心してマイマスター。破壊ロボットのドリル如き効かない…仮にも鬼械神だし」
「武器!武器とかないの!?」
「…ごめんマイマスター。…アトラックナチャとニトクリスの鏡しか使えない。バルザイの堰月刀とかはまだ使える位階にはいないんだ…ごめん」
「必殺技は!?」
「…ごめん」
「私はまだ生まれたばかりの写本。…しかも実体化を先延ばしで出来るようにしたから…まだ十二分に模倣出来ていない」
ただ使命感にかられた生まれたばかりの少女にみえた
「なら殴るだけだ!!」
「…マイマスター?」
契約した時に縋られた筈だ。頼られた筈だ。
頼られたのは初めてだった。藤川五火の時なんて兄に頼り生きてきた
藤丸立火になってもセイバーくんや沖田さん、信長に頼ってばかりだ
…なら頼ってくれた小さいこの子には…弱音は吐けない
いや多少ははくかもしれない…けれど
「女の子にも意地はあるんです!!」
拳を握り大きく振りかぶる
レイドクロー…黒い巨人は応えてくれる
不細工なドラム缶をべこべこになるまで殴り潰す!!!
黒い拳は破壊ロボットの顔面?を捉える
顔面?どこだ?そこか
「顔パンだとぉおお!!?」
「死んで!!」
左のストレートを放つ。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る!!
「マイマスターってば意外に脳筋?」
…武装無いって言うから
黒い巨人は破壊ロボットに接近して打撃と殴打を繰り返す。鈍い音を繰り返す
「の、脳筋であるか!!?美学がないのであーる!!」
「…レッツプレイロボ!!」
レイドクローでさらに殴打を繰り返そうとするが破壊ロボットの全門砲台が展開する
「『ジェノサイドクロスファイヤー』!!」
全門より火力満載な弾幕が放たれる
ヒヒロカイネの装甲を傷つけるまでには至らないが距離をとらざる得ない
「きゃ!?」
「さらにデモンペインの時より搭載しているロボ!『我、埋葬にあたわず(ディグミーノーグレイブ)』ファイヤ!」
中央の砲台からビームが放たれる
「第5の結印はエルダーサイン、敵意と悪意を払うモノなり!!」
五芒星の魔導陣を展開し威力を殺ぐ。
「不完全な結印で悪いけど」
「拡散ビームロボ!」
ディグミーノーグレイブを拡散しレイドクローに降り注ぐ
「きゃ!?」
不完全なエルダーサインを越えレイドクローにダメージを与える
「近付かせないのである!蜂の巣にしてやるのである!」
「はめぷれいとはせこいロボ」
「頭脳プレイと言って欲しいのである!黒いロボット」
近づけない…破壊ロボット…ドクターウェストは完全に遠距離攻撃しかしてこない
「く、悪知恵…」
「むしろ常套手段でしょう…此方に武装が無いことに勘付いてるかも」
武装…いくら巨大な質量を持つ『鬼械神』でも武装がなければ破壊ロボットに対抗出来ない
『推奨・重装夢幻召喚。『異界のキャスター』を介し『鬼械神』に纏わせる』
え?
『推奨・重装夢幻召喚。クラスカードの使用を推奨』
疑似魔術回路が再び接続される
マギウスと化している今は『禍神殺し』とたり得る
ギフトスキル『識者』…寄贈知識群、脳内ウィキペディアと呼んでたそれは現状の打開策を推奨してくる
「マスター?マイマスター!」
動きを止めた私にキャスターは声をかけてくる
黒い巨人は棒立ちとなり破壊ロボットの的になっている
「マスター!?」
「…………ごめん、…令呪をもって命ずる」
『訂正・そのマギウス形態ならば令呪の補助は不要。』
なら…よし
『重装夢幻召喚』
クラスカードをキャスターへと接続。黒い死魄装姿にキャスターはなる
「…これは…?」
「…説明は後だよ。キャスター…その力を…レイドクローに纏わせて。出来るはず」
雰囲気の変わった私にキャスターは驚愕するが構ってはいられない
「……勝ちたいンでしょキャスター……?なら私の力も貸すから」
「…………うん。ドクターに躓いてるようじゃだめ」
司令室
「アンノウン、被弾。沈黙してはりますわ!何してんねん!恰好の的やで!」
チアキは叫ぶ
モニターに映る黒い巨人。アンノウンは破壊ロボットの弾幕の的とかしていた
沈黙。展開している魔導陣は威力をそいではいる
「…っ」
「無様ね。立火…まぁ最初から器用にこなせるような子じゃなさそうだしね」
髪の毛をくるくると弄りながら少し苛立ち嘆息するランサー
かつかつと出口へ歩いて行く
「どちらへ?」
執事ウィンフィールドは聞く
「援護よ。……心配なら無用よ此方も人外」
黒い翼をはやした少女は薄く笑う。その翼は人外の証
まるで…物語の中の夜の民のように感じる
「アンノウンの霊圧値の増大を検知!……これは」
マコトは計測機器の検知を伝える
「へぇ…立火やるじゃない」
ランサーは横目でモニターを見て自身の主に呟く
摩天楼上空
黒い天使の攻撃を阻むのは赤い刀だった
「誰だ貴様。己とメタトロンの戦いを邪魔するならば…殺すぞ」
黒い天使は殺意と闘気を隠さず噴出する
邪魔立てされたのが気に食わなかったらしい
「……白い天使さんはこの街の正義の味方らしい。足止めしてる貴様こそ邪魔だと思うが」
己、『赫月のセイバー』は白い天使の前に立ち塞がる
「お前は…」
「…ただのお節介さ。あそこの黒い巨人の関係者とでも言っとく」
「…お前達は…」
「…『悪の敵』さ。…なら味方とでもしとこう」
「…邪魔だてするなら殺すだけだ。貴様がだれであろうがな!」
「…己は強くならなきゃならない。糧とさせて貰うぞ黒い天使」
業っ!と燃える赤い刀『火神楽』を構える
レイドクローの手には身の丈程の大刀を『鬼械神』サイズに再構築したものが握られていた
「…セイバーのクラスカードから情報を抽出し『鬼械神レイドクロー』用の武装に再構築し変換した。まだまだ私も未熟だから『卍解』とやらの解析までは出来なかった…ごめん」
「十分。…あの鉄屑を切り捨てるには」
第二空想特異点で感じた高揚感を軽く感じている
斬魄刀『斬月』ならば切り捨てるだろう
「な、なんであるか!あの馬鹿でかい刀は!」
身の丈程の大刀を構えた黒い巨人は此方を狙ってくる
「博士!どうせ刀ロボ!遠距離攻撃を続けるロボ!」
「分かっているのである。セオリーとはいえ美しくないのである!」
「『我埋葬にあたわず』ファイヤ!」
「ぐぬぬ、どこの馬の骨か分からぬ輩に我が輩の邪魔をさせぬのであーる!エルザ!火力マシマシでアブラカタメでプレゼントしてやるのである!」
苛立ちながら喚くドクターウエスト
再び放たれるビームは黒い巨人に迫る
「…………」
考えれば自身で戦うのは初めてだ
セイバーくんに沖田さんに信長に守れてばかりだ
黒崎さん…………力を貸して下さい
これが『月牙天衝』の感覚。キャスターを通じ使用する
自身の霊力……魔力を喰らい鋒から斬撃をはなつ
レイドクローを介し使用する
「………『月牙天衝』!!」
レイドクローは両腕で構えた大刀を横殴りに振るう
斬撃は飛来し放たれる。超高密度の斬撃波はビームを弾き破壊ロボットを横に両断した
「ひぃ!!??」
「脱出ロボ!!」
両断された破壊ロボットは沈黙。搭乗者である白衣の男はおぼえてるのであーる!!と捨て台詞はいて逃げていく
「マスター、戦闘終了だよ……初陣にしては悪くないんじゃないかな?」
軽く微笑むキャスターはサブパイロット席から見上げてくる
「………………うん。疲れた」
どっと虚脱感に襲われ力が抜ける。先程までの高揚感はもうない
「…さっきのは今は聞かないよマイマスター……貴女は…私を助けてくれた……ありがとう」
「…いえ……無力な私から卒業したかったし…頼られて嬉しかったし」
「改めてお願いします。我が主。マイマスター。」
黒い巨人は……破壊ロボットを両断し沈黙させた
デモンベインを喪ってからの初の勝利だった
アンノウンはまだ何者かは分からない…けれど『ブラックロッジ』を打倒する…そう宣言した『魔導書』がいるらしい
ならば…紛れもないこちら側の勝利ではないだろうか
覇道瑠璃はそう思う
歓喜の声をあげるメイド達の声の中考え込む
「ウィンフィールド。『藤丸立火』なる人物を招いて下さい」
「はっ」
これが反撃の狼煙になると信じて