Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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No.9「斬魔大戦⑧~微かな光~」

覇道邸前

 

そこは豪邸と言わんばかりの巨大な門を目の当たりにしていた

この世界有数の財閥のトップが住んでいるのであるのだから当然……当然なのだ

 

「…立火、そのアホづらで入ったら恥ずかしいからやめて頂戴ね。マナーとかは流石に期待してないけどかりにも私のマスターなのだから…な?」

アホづらちゃうわい!庶民だから仕方ないだろう…いや恐いから辞めて…笑顔ですごまないで

 

……ランサーも1つの館の主でお嬢様だものね

 

張り合って……ませんよねすいません調子乗りました

 

セイバー君に助けを求めても自分でなんとかしろって…冷たい

 

沖田さんと信長…………彼女らの優しさが懐かしい

 

はい行きますよ行きます。睨まないでランサー

 

キャスターは……本になっていた

 

鬼械神の招喚の魔力消費がそれなりにきついらしい……一度本になり温存したいと

 

私の鞄の中にいる

 

「……お邪魔します~」

 

「藤丸様ですね、お待ちしておりました…此方へ」

 

眼鏡をかけた執事が控えていた

 

ウィンフィールドと名乗ってくる

 

はへーよろしくお願い致します

 

 

執事ウィンフィールドさんの先導のもと覇道邸を進んでいく

 

はへー、長い廊下。カルデアより全然広い気がする

カルデアですら迷子になるもの

 

ランサーは諦めたのか何も言わなくなったけど怖ー

 

キョロキョロせず着いていく

 

 

「こちらでお嬢様がお待ちです」

とある入口につきウィンフィールドは扉を開き中へ促す

 

中に入る面談室なのか広い応接間に案内される

 

メイド達を控えさせた東洋系の年若い少女が座り待っていた……世界有数の財閥の総帥にしては年若く麗しい少女であり私より少し上くらいか……聡明であることが窺える

 

「お待ちしてました。…覇道財閥総帥覇道瑠璃と言いますわ」

 

「ふ、藤丸立火です」

 

「おかけになってください…黒い巨人の搭乗者が私とそう変わらない女性でビックリしましたわ」

 

私はソファーに腰をかけるがランサーとセイバーくんは後ろに立ち控えてくれる

 

「…はは」

 

「して、単刀直入に申し上げます藤丸さん…味方か敵かですが」

 

「…私が申し上げたはずだけど」

後ろのランサーが不機嫌に威圧するがやめて

 

「…念の為藤丸さんに意思確認です」

 

「『ブラックロッジ』と敵対する以上味方だと思います」

 

「ありがとうございます。…して『魔導書』はお持ちですよね」

 

 

「あ、はい…キャスター?」

 

「初めまして、覇道瑠璃…私はネクロノミコン『異界言語版』。貴女達が知る『アルアジフ』の写本…母上の娘みたいなものです」

 

キャスターは私の鞄の中からページを舞わせて少女となり隣に座る

 

「…『アルアジフ』の」

 

「ええ、母上の死ぬ前に父上が書いた写本」

 

「父上…?」

 

「…大十字九郎。デモンベインの搭乗者。マスターオブネクロノミコンが書き残した写本です」

 

「故に私は彼等の遺志を継がねばならないの。」

 

強くかたく言い切る彼女に場は弛緩する。彼女らはキャスターの言葉を噛み締め飲む込むようだった

また瑠璃さんも意を決したように口を開く

 

「そうですか…ならば私達は全力で貴女方を支援しなければなりません」

 

「ありがとう…お願いというか提案なのだけど」

キャスターは真剣な顔で言う

 

「はい、私達に出来る事ならば」

瑠璃さんも真剣に応える

 

 

「…我が『鬼械神』レイドクローは写本の『鬼械神』故に…『逆十字』の『鬼械神』に現状敵わないと思う。…先の破壊ロボット戦でも苦戦する始末。マスターの力が無ければ…それも不確定要素」

 

 

あの大刀も『魔導書』の力ではなく私『藤丸立火』による恩恵……私が持つクラスカードだが

 

 

 

「武装ですか…しかし『逆十字』に通用する魔術兵器は…我々でも難しいかと」

 

 

「…第一近接昇華呪法・断鎖術式機構さえあれば」

 

レムリア・インパクトとアトランティスストライク

 

「…その2つはデモンベイン固有の機構。…簡単に一から作るには…正直…」

 

 

「…違う、覇道瑠璃……『デモンベイン』を復活させるの…あるのでしょう?折れた『魔の断つ剣』が」 

 

 

「………………!!?」

 

この場の視線がキャスターに集中する

 

 

「…どうなの?覇道瑠璃?正直『逆十字』共を駆逐するのはデモンベインが一番だと思うの」

 

金の瞳が瑠璃さんを指す。糾弾はしない

 

それは懇願にも近かった

 

 

「……………………『復活させる』と申しましたね」

 

瑠璃さんも覚悟を決めたのか此方を見定めるかのように視線が射貫く

 

「………正直『賭け』ではあるし…出来るかは分からない。…どのようにデモンベインが破損しているかは知らない」

 

「…………提案とは」

 

「我が『鬼械神レイドクロー』を依り代にデモンベインを修理したい」

 

「…え」

瑠璃さんは驚愕したようにキャスターを注視する

 

「我が『レイドクロー』はデモンベインを模倣したデウスマキナ。我が父上もそう設計して写本…私に理念が積み込んである…基本は『アイオーン』と『デモンベイン』が融合したもの」

 

そもそもレイドクローはraidcrow

レプリカのR、アナザーのA、イミテーションのI

そしてデモンベインのD、烏のC…九郎からもじっている…ってキャスターは言っていた

 

「デモンベインの模造品という意味を持つから…基本構造は酷似していると思うの」

 

…なるほど

 

「即断は出来ませんが……試してみる価値はあるでしょう……『魔を断つ剣』が復活するのであれば…………是非もありません。……………………チアキ、検証を」

 

「はい、分かりましたわ」

眼鏡をかけたメイドが返事をする

 

 

 

アーカムシティのとある教会

 

そこは小さいながら孤児院を兼ねていた

 

シスターである女性と子供3人慎ましく過ごしていた

 

 

かつては…一人の青年、と少女が食事をたかりに来ていたことは…懐かしく思う

 

…あしながおじさんによる匿名の入金もばったり無くなったのは彼がいなくなったと同時に無くなったので彼の不器用さには微笑ましく思う

 

……シスター、ライカ・クルセイドは限界は近かった

 

「…ライカお姉ちゃん」

 

子供達は生傷の絶えない私に勘付いているのかもしれない

 

それでも…私は彼が愛した世界を守らなきゃならない

 

 

……私の『贖罪』だから

 

 

「………大丈夫よ、ほらジョージ、コリン、アリスン寝なさい。もう夜は遅いんだから」

 

 

黒い巨人と……私を助けてくれた『黒い外套の青年』

 

…………お役御免になれるかな、いや私は降りられない絶対に 

 

嗚咽する。それでも『過去』はライカ・クルセイドを苛み続ける 

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