Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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No.10「斬魔大戦⑨~折れた剣~」

「気にくわねぇ!!気にくわねぇ!!」

 

矮躯の小柄な少年……『逆十字』が1

クラウディウスは苛立ちを抑えきらず荒れていた

 

もちろん『無限のフォーリナー』にである

 

たかが女1人に振り回されるのがだ

 

「………アれはおなごのカワを被った『魔人』だ、侮ナクラウディウス」

 

大木のような巨躯の男もまた『逆十字』カリグラ

 

カリグラは侮ると侮蔑する

 

「……ァア??あの女に惚れちゃったんでちゅかぁ?童貞臭いカリグラちゃぁん?」

 

「…」

 

カリグラは拳を振るう。クラウディウスは躱す

 

廊下の壁を円状に穿つ

 

「ああ、やるってのかカリグラ!!!!」

 

クラウディウスは風を纏う。

 

「全く…その無駄な体力を有効活用してほしいものだな」

 

褐色肌のスーツ姿の男が間に入る

 

 

「アウグストゥス、テメェ…」

クラウディウスは憤怒を擁しにらみつける

ただの人間ならそれだけで発狂するような殺意だがアウグストゥスは涼しげな表情

 

「クラウディウス、カリグラ……その鬱憤晴らしてみないかね?あの黒いデモンベイン擬きで」

 

「ぁん?アテでもあるのかよ」

 

 

「大導師がいなくなった今、C計画の準備をあの女を組み込まねばならないのだ。もうしばらくかかるやもしれん。小さな不安要素でも排除せねば……あれが覇道財閥のかあの女のものかは知らぬが…我々にとっては邪魔にしかならん……ならば」

 

 

「ツブセとでもいうわけ力」

 

「しかり、キミにしては勘がいいんじゃないかカリグラ」

 

ニヤリと笑うアウグストゥス

 

「いいダロウ、ねじ伏せてヤロウ……」

 

「カリグラ、テメェ僕の獲物だ早い者勝ちといこうじゃないか」

 

「…暴れていれば覇道財閥のものなら黙ってはいるまい…いい加減覇道財閥も目障りだ。いい機会だ…殲滅してしまえば良い」邪悪で酷薄な笑みを浮かべるアウグストゥス

 

魔術師達は動き始める

 

 

 

 

 

 

覇道財閥の格納庫

 

覇道財閥の中でも機密事項も機密事項であろう

 

そこに案内される…信用されていると踏んでいい

 

「…此方にデモンベインは格納されてますんですわ」

 

メイドのチアキさんが先導して案内してくれる

 

はへー、機密事項って聞くとドキドキするわ

 

キャスターは着いてくる

 

ランサーとセイバーくんは少し外を警戒すると離れていた

 

…き、絆レベルェ…

 

 

 

『魔を断つ剣』

 

鬼械神デモンベイン

 

生粋の鬼械神ではなく魔術と科学の混血児

 

最弱で無敵の鬼械神

 

この世界の主人公『大十字九郎』とヒロイン『アルアジフ』と『デモンベイン』の三位一体は物語の要

 

だが2人はいなく…デモンベインも此処に修理出来ずくすぶっているという

 

主人公不在で巨悪の打倒

 

 

「…マスター、やらなきゃならないんだ…」

横を歩くキャスターは横目に見る

 

「…そうだね」

 

私も『無限のフォーリナー』に打倒しなければならないんだった

 

この特異点の『禍神転生者』

 

 

思考が途絶える。案内役のチアキさんの声に目の前のことに集中する

 

「此処や」

 

 

巨大な扉。この世界の叡智が収束している場所

 

チアキさんは開く

 

巨大な扉は重厚な音を立てながら開かれる

 

 

 

 

 

覇道財閥周辺

 

 

「無駄に広くて警護しにくいわね。私兵はいるけども『転生者』やその魔術師とやらには意味が無い雑兵だわ」

 

「……」

 

「無視かしら。嫌われたモノね。………私的感情で動くと立火の死を招くわよ少年」

 

「…ち」

 

「『禍神転生者』がそんな憎いのかしら?」

ランサーは己に問う。愚問あまりにも愚問

「当たり前だろうが。自身の悪望のまま弱者を喰らい特異点すら喰らう化け物だろう!!」

 

「復讐のまま行う転生者も大して変わらない気もするけど…鏡を見てみたら?」

侮蔑を含んだ眼差しが刺さる

 

「なん…だと…!?」

 

同じだと…この女は何を…

 

「復讐は所詮自己満足、違う?お前の事情なんて毛ほど興味もないが。大方大事な人でも殺されたのでしょう」

 

興味もないとばかりに淡々と斬り捨てる

 

「貴様に…何が…分かる…!」

 

剣弾を投影し射出する

 

「…未熟」

 

ランサーは2対の朱槍を取り出し剣弾を弾く

剣弾は弾かれ霧散する

 

「……煽られ激情を呈するとは未熟。お前を転生させた森羅万象もお前を手助けする英霊もあまりにも不快ね」

 

朱槍は首元に突きつけられる

冷たい殺気を放つランサー

 

「……立火のサーヴァントの中では地力では最弱かしら?『魔神』はもちろん『紅夜』の私にすら劣る。……『異界』のあの子の方が在り方として『上』ね……くく、『足を引っ張るなよ』少年」

 

吸血鬼の少女は見下す。

 

「貴様…!」

 

「頭を冷やせ、愚物……本当に立火を殺すわよその軽率が。『禍神転生者』を舐めてるのか?」

朱槍の鋒が喉に軽く突き刺さる

流れる血

 

 

 

「私はお前のその無様な『運命』が確定したら殺してやる…メインサーヴァントとは認めない。」

 

氷点下に感じる冷酷な眼差しを向け断言してくる『紅夜のランサー』

 

「…ふっざけろ!!!!己は…俺は…真白を止め…咲良を…!!」

 

 

「…『災厄者』ディザスターのクラスに堕ちてからでは遅いわよ『赫月のセイバー』」

 

 

ディザスター…?

不可解な聞き慣れない名前に抜こうとした手が止まる

 

「…アヴェンジャーではないのか」

 

「ようやく冷静になったわね。初耳かしらディザスターのクラスは」

 

「エクストラクラスか」

 

「『裁定者』『復讐者』『別人格』『月の癌』『異界来訪者』『救済者』につぐエクストラクラス『災厄者』……これは次元聖杯戦争自体を壊すクラス。一部では『ビースト』なんて呼ばれてるがね」

 

 

ディザスター。

 

 

「ただの…災害よ。」

 

 

 

 

 

 

開かれた扉の中は格納庫。様々な機器類がありこの世界の叡智が集約しているのだろう

 

圧倒される。科学の力に

 

けれどそれを吹き飛ばず存在感。威容があった

 

『機械仕掛けの神』

 

『魔を断つ剣』

 

いくら折れた刃とてそれは気高く清廉だった

 

「デモンベイン……」

 

上下半身断たれ、右腕も繋がらず凄惨な姿がある

 

鬼械の神、傷だらけの神

 

しかし何故だろう。私には泣いているように見えた

 

水銀の血は流れていない。けれど泣いている

 

 

「…そうだね。悔しいよねデモンベイン。」

 

キャスターは呟く。見上げる。格納庫に収められた傷だらけの巨人を

 

 

「力を貸して欲しいの。『魔を断つ剣』よ」

 

「どや?いけそうか?」

 

「ひと目見ただけじゃまだ判らない……応えてくれるなら」

きゅっと拳を握る

 

詳しく教えてと、言葉を出した所で赤くアラームが、響く

 

「な、なに!?」

 

 

「あかん、侵入者か!?」

 

 

「……『ブラックロッジ』!?…」

 

「…多分……『逆十字』…マイマスター迎撃に行くよ!!」

マギウス化し駆け出す

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