Fate/Cross Order 人理修復異界課   作:九咲

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No.12「斬魔大戦⑪~焔と従者・裂戦~」

「……状況を!」

 

覇道瑠璃の一声は更なる緊迫感を孕ませる

 

司令室には緊張が走る

 

再び『逆十字』の侵攻、大十字九郎とアルアジフの喪失から…襲われなかったのが不思議なくらいだ

 

「……正面に1人、1人は既に侵入を許してしまいました。被害状況は死亡者多数」マコトは冷静に答える

 

「…2人…ですか」

 

「『逆十字』と思われます。…藤丸さんの護衛の2人が迎撃に出て対応してくれてます」

 

「…あ、あの時の二の舞になっちゃいますぅ…」ソーニャは涙目になっていた

 

『逆十字』の道化師ティベリウス、侍ティトゥスの襲撃

 

あの時は大十字さんがいました

 

大導師マスターテリオンの気紛れの撤退命令もありなんとかなりましたが

 

 

今回は…潰しに来ているでしょう。

 

 

と、瑠璃は歯軋りする

 

「潰されるモノですか……!」

 

 

 

 

十六夜咲夜VSクラウディウス

 

凶風を操る魔術師クラウディウスは苛立ちを隠さず風を纏うベイゴマなどの玩具を使用して咲夜を付き狙う

 

超常の速度で攻撃しあう

 

クラウディウスは『逆十字』の中では最速

 

クラウディウス自身もスピードに関しては自信はあった

 

しかしその十六夜と、名乗ったメイドの女を時折見失ってしまう

 

ナイフの攻撃はたいしたことない

 

数だけの暴力だ

 

しかしメイドを見失い、かついつの間にか大量のナイフに囲まれていたという結果に苛立ちを覚える

 

「しゃらくせぇ戦い方をするんじゃねぇぞ女ぁ!」

 

「気の短い人。戦闘とは如何に自分の得意をぶつけるものでしょう…?」

 

姿を現した銀髪の青いメイド服を着た少女は薄く笑う

 

ナイフをジャグリングのようにし手遊びする余裕すら見せ煽る

 

「テメェ!いぁいあ!ビヤーキー!!」

 

風が小規模の竜巻となり次第に竜巻は化け物を形成する

 

ビヤーキーまたの名をバイアクヘーと呼ばれる

 

ハスターの眷属

 

「僕の魔導書『セラエノ断章』は風の力を扱う外なる神の記述を記した魔導書さ!」

 

体長3メートル程の蜂と翼竜を掛け合わせたような化け物が2体召喚された

 

「こいつはビヤーキー!ハスターに従う奉仕種族さ!ひゃははははは!餌になるがいいぜ!」

 

この世ならざる化け物を直視した咲夜は軽く頭痛がする

 

「まず正気を保てるかよ人間!ひゃははははは!」

 

 

「……咲夜。今の貴女は我が『異変再現』の産物。サーヴァントみたいなものよ」

 

後ろに控えていたランサーはジロリと自らの従者を叱咤する

 

「心得ております。お嬢様……この身は仮の身。惜しくはありませんし総てお嬢様のため」

 

揺らいだ正気を忠誠心の高さで持ち直す。そもそも擬似的なサーヴァント

 

「宜しい。スカーレット家従者に恥じぬ戦いを期待するわ可愛い咲夜」

 

「もちろんです」

 

周りの赤い霧の濃度が増す

 

「ギャアァァァ×▲〇!」この世ならざる咆哮をするビヤーキーと呼ばれた化け物は亜音速で飛行する

 

視認できないそれは咲夜並びにランサーを捕食せんと迫る

 

「見えねぇだろ!!餌になっちまいなぁぉぁぁぁあ!!」

クラウディウスは嘲笑する

 

 

「お嬢様、ご無礼を」

 

 

      『咲夜の世界』

 

 

 

スペルカードの発動。自身以外の時間凍結

 

 

化け物2体は彼女の主を挟み撃ちするように停止していた

 

「ようこそ私の世界へ。お嬢様を狙って攻撃するとは……度し難いですわ化け物の分際で」

 

大量のナイフを構える咲夜。

 

 

    幻葬『夜霧の幻影殺人鬼』

 

殺人ドールの強化スペル

連続、断続的にナイフを投擲射出する

 

2体のビヤーキーは静止したままナイフを受けていく

 

百を超えるナイフは化け物を貫きハリネズミのようにしていく

 

 

「そして、時は動き出す…ですわ」

 

時間凍結の解除と共に2体のビヤーキーは血液を盛大に撒き散らし地面に叩きつけられる

 

ランサーは左右のビヤーキーの凄惨な姿に顔色を変えず薄く笑う

 

「はぁ!?」

クラウディウスは驚愕

 

招喚し一分も立たない凄惨な現状に呆気に取られる

 

「…ちぃ!なんだってんだ!」

 

「…………時間停止じゃないかなクラウディウス」

 

「あん、出てくんじゃねぇよハヅキ」

 

「不甲斐ないマスターに、しかたなぁく出て来ただけだよ仮にもマスターだしね」

 

頁が舞い少女と形作る。

クールな雰囲気を持つ紫色の衣装を纏う少女はぶっきらぼうに言い放つ

 

ハヅキと呼ばれた彼女はおそらく『異界のキャスター』と、同じく『魔導書』

 

クラウディウスの言う『セラエノ断章』の精霊

 

「ドマリニーの時計と同じか」

 

「さぁ、マスターオブネクロノミコンは使ってたけど…私たちとは戦闘体系違うみたいだからなんとも言えないけれど…ビヤーキーを倒せる位には狂気耐性と戦闘力はあるみたいね」

 

「うっせぇよ優等生」

 

「頭使ってよ劣等生くん」

 

 

「…うざってぇ…総て吹き飛ばしてやろうじゃねぇか…!」

 

「はぁ…」

ハヅキと呼ばれた彼女は溜息をつき頁へ戻る

 

収束する風、烈風、凶風、血風

 

「…『逆十字』舐めるんじゃねぇぞ!!」

 

 

 

 

 

 

覇道邸廊下

 

『赫月のセイバー』vs『逆十字』カリグラ

 

焔と水を纏う斬撃と打撃

 

 

「…意地になっテルな、炎使い」

 

「ち、…」

 

焔の波濤は鎮火しつつあるも勢いを喪わないよう燃え上がろうとする

 

廊下は水浸し、焔で水蒸気とかし蒸し暑くなっていた

 

巨体のカリグラの側には黒髪ぱっつんのロング髪の少女が控えていた

 

彼女が水を操る

 

魔導書『水神クタアト』の精霊。ミナツキと名乗った彼女は薄く笑い此方を嘲る

 

水を操る所作は優雅であり主のサポートに徹していた

 

「ミナツキ…よけいなコトを」

 

「……考えて動くのは苦手でしょうに。気にしない」

 

「……」

 

「ごめんなさいね。炎の人。うちの主考えるの苦手でしてね…さて既に鎮火しつつあるようですが…水量はまだまだ行きますわよ」

彼女自身が水となりカリグラの周りを舞う

 

 

「それに…君が『赫月のセイバー』かしら。『無限』様の足下にも及ばない蒙昧ですわね…ねぇカリグラ?」

 

 

「………………テメェは…」

 

 

「察しの通り『隷属転生者』まぁ…望んで隷属にしてはりますが」

 

薄く笑うミナツキ。水神クタアトの精霊

 

「……『無限』様に楯突く蒙昧如き。わたくし達が葬り去ってやりますわ…行きなさいカリグラ。」

 

「……きサま、…『魔導書』の分際デ魔術師に指図ヲするな」

 

「……盤上の駒如き口答えをしないで下さいな。『強制術式(ギアスルール)』」

 

「グ……」

 

「勘違いも甚だしいですわよ魔術師。『書』が『術者』を選ぶのですわよ」

 

 

「そうね同意するわ。今回に限っては…『水神クタアト』」

 

黒い犬が廊下に佇んでいた。黒い犬からは少女の声音でミナツキの言葉に同意する

 

 

「貴女は………『ナコト写本』、生きてらしたのね」

 

 

「…マスターを退場させた恨み晴らすまでは死ねないもの」

 

闇色の少女に黒い犬は変換する。どす黒いオーラを纏う

 

「主を失った『書』がどのような用事かしら。如何に最古の『魔導書』とて、主なしでくるなんて無謀もいいところ」

 

「…『ナコト写本』……大導師マスターテリオンの魔導書生きてイタのか」

 

 

「…脳筋の愚図がどこぞの女に唆されてマスターに謀叛するなど恥を知れ。さんざんマスターの威光の恩恵を受けてきた分際で。」

怒気を纏う『ナコト写本』の精霊。エセルドレーダ

 

 

(こいつ…敵対しているのか)

 

 

 

「そこの男。強くなりたいのでしょう?素材は悪くないわ『使ってあげる』」

 

 

なに…!?

 

いつの間にか頁が舞い己を囲んでいた

 

「我が名は『ナコト写本』エセルドレーダ。仮初めの主に認定してあげる」

 

目の前に年端もいかぬ闇色の少女

 

「名乗りなさい。名は大事よ」

 

「巫山戯るな…!」

 

 

「頑固ね、まぁすぐにどうでも良くなるわ」

 

 

少女の形の闇は甘く囁いた




年内最後の投稿です  

細々と投稿しますので宜しくお願いします  

よいお年を
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